瓦屋根の漆喰剥がれ|補修費用と「剥がれてますよ」と言う訪問業者への対処を元大工が中立解説

屋根・雨漏りの補助金

※本記事には、リフォーム一括見積もりサービス等のアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

訪ねてきた業者に「屋根の漆喰が剥がれてますよ」と言われて、この記事にたどり着いた方が多いと思います。

先に結論です。漆喰が少し剥がれても、すぐに雨漏りするわけではありません。補修の目安は数万〜20万円前後。そして、その場での契約だけは絶対にしないでください。

元大工のおさむが、漆喰がどこにある何の部品なのかというところから、業者ではない中立の立場で解説します。

そもそも漆喰はどこ?|屋根のてっぺんの「土を守るフタ」

漆喰(しっくい=白い塗り材)は、屋根のてっぺんの棟(むね=瓦を積み上げた山の部分)にあります。地上から見上げると、瓦と瓦の間に白い線として見える部分です。

棟の中身は、実は土です。葺き土(ふきど=瓦を据えるための土)が詰まっていて、漆喰はその土が雨風で流れないように塞いでいます。

解体の現場で古い瓦屋根の棟を崩すと、中から乾いた土がどっさり出てきます。初めて見たときは驚きました。瓦屋根のてっぺんは土の塊で、漆喰はその土を守るフタなんです。

だから、フタが少し欠けても、中の土がすぐに流れ出すわけではありません。剥がれ=即・雨漏り、ではないのはこのためです。

ただし、フタが無いまま何年も雨に打たれると、土は少しずつ痩せます。土が痩せると棟の瓦が動き、ずれて、そこから雨が入る。順番としてはこういう流れです。

剥がれの程度と対処【早見】

瓦屋根の漆喰の剥がれの程度で判断する早見表:軽度=表面が欠けた・ひび、白いかけらが樋や地面に少し落ちている→急がなくてよい、次の屋根点検の時にまとめて見てもらう。中度=剥がれて内側の葺き土が見える→漆喰の詰め直しを検討、数万〜20万円前後(足場は別途)。重度=棟が波打つ・瓦の並びが歪む→詰め直しでは直らない、棟の取り直し=業者の調査が先。屋根に登ってのDIY補修は厳禁

見分けの軸はひとつだけ。剥がれた奥に、中の土が見えているかどうかです。

表面の白い層が欠けただけなら、フタはまだ生きています。樋(とい)や地面に白いかけらを見つけても、慌てなくて大丈夫。次に屋根を見てもらう機会に、まとめて頼めば間に合います。

剥がれた奥に茶色い土が見えていたら、詰め直しの検討時期です。それでも「今日明日」の話ではありません。数ヶ月単位で、業者を選ぶ余裕はあります。

気をつけてほしいのは、棟そのものが波打っている・瓦の並びが歪んでいるケース。これは漆喰でなく棟の内部が崩れ始めているサインで、表面に漆喰を塗り足しても直りません。

補修費用の目安|「詰め直し」と「取り直し」は別の工事

漆喰の工事には2段階あります。ここを分けて考えると、見積もりが読めるようになります。

  • 漆喰の詰め直し:数万〜20万円前後。古い漆喰を剥がして塗り直す工事です。棟の長さと屋根の形で金額が動きます
  • 棟の取り直し:棟を一度解体して、土台から積み直す工事です。棟の歪み・瓦のずれまで進んだ場合はこちらで、金額の目安は20〜80万円前後と幅が大きく、棟の長さと状態次第。現地調査が先です
  • 足場が必要になると、それだけで15〜20万円前後が別に乗ります。瓦屋根の修理費用の記事にも書きましたが、瓦の工事は作業そのものより「安全に届くための費用」で総額が変わります

ひとつ、調べていて「なるほど」と思った職人の基本を。漆喰は瓦より内側に収めるのが正しい塗り方で、外まで分厚く塗ると雨水を吸って早く剥がれ、かえって雨漏りの原因になります。「たっぷり塗っておきました」が良い工事とは限らない、ということです。

「漆喰が剥がれてますよ」と言われたら

訪問業者に「漆喰が剥がれてますよ」と言われた時の3ステップ:①その場で契約しない・屋根に登らせない(「家族と相談します」で十分、優良業者なら急かさない)②状態を写真で確認する(地上から望遠で撮る・ドローン点検や別業者の点検で裏を取る)③直すと決めてから2〜3社で相見積もり(詰め直しか取り直しかの判断ごと比較する)。漆喰の剥がれは今日明日の緊急事態ではない

漆喰の剥がれは、訪問営業の定番の入り口です。屋根のてっぺんは自分で確かめにくい。だから言われると不安になる。その心理を使う手口が実際にあります(屋根修理の詐欺の手口の記事にまとめています)。

ややこしいのは、指摘が本当のこともあるところです。嘘と決めつけるのではなく、順番で身を守ってください。

①その場で契約しない。屋根に登らせない。「家族と相談します」で十分です。優良な業者なら、ここで急かしません

②写真で裏を取る。地上からスマホの望遠で撮る、別の業者に点検を頼む。最近はドローンで点検する会社もあります。

③直すと決めてから、2〜3社で相見積もり。「詰め直しで済むか、取り直しか」の判断ごと比べるのがコツです。会社によって判断が割れたら、割れた理由を聞くと状態がよく分かります。

自分で直せる?|屋根の上だけはやめてください

ホームセンターには屋根用の漆喰も補修材も売っています。売り場にいた頃、買いに来る方もいました。商品としては、普通に買えるものです。

それでも、屋根に登ってのDIYだけはおすすめしませんでした。理由は2つ。

ひとつは転落。瓦の上は見た目よりずっと滑ります。もうひとつは瓦の踏み割れです。漆喰を直しに登って瓦を割ると、雨漏りの入り口を自分で作ることになります。

直す価値のある屋根だからこそ、上がるのはプロに任せてください。

▶ 漆喰補修の相見積もりを無料で取る(屋根専門)

屋根見積りnetで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)

(※「漆喰の詰め直し希望。棟の歪みがないかも見てほしい」と伝えると、取り直しが必要かの判断まで含めて比較できます)

よくある質問

台風のあとに剥がれに気づきました。火災保険は使えますか?

強風や台風が原因なら、火災保険の風災補償の対象になることがあります。経年劣化は対象外です。災害のあとに気づいたら、直す前にまず写真を撮って保険会社へ。詳しくは雨漏り修理と火災保険の記事にまとめています。

築何年くらいで漆喰は傷みますか?

目安として15〜20年前後で傷みが出やすいと言われます。ただ、日当たり・風・地震でも大きく変わるので、年数より状態で判断してください。基準は上の早見表の「中の土が見えているか」です。

剥がれたまま放置するとどうなりますか?

中の葺き土が雨で少しずつ痩せて、棟の歪み→瓦のずれ→雨漏り、と進みます。進むのは数年単位なので慌てる必要はありませんが、見なかったことにすると確実に高くつく場所です。

まとめ

  • 漆喰は棟の土を守るフタ。剥がれ=即・雨漏りではない
  • 判断は剥がれた奥に土が見えているか。見えたら詰め直し(数万〜20万円前後)の検討時期
  • 訪問営業には「家族と相談します」と返す。写真で裏を取ってから動く
  • 最初の一手は、地上からスマホで屋根の写真を撮っておくこと。今の状態の記録が、そのまま業者と話す材料になります

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました