実家の処分で兄弟と揉めないための順番|先に決める3つを元大工が中立解説

業者選び・費用相場

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実家をどうするか、兄弟の間で話が止まっていませんか。

進まないのは、仲が悪いからではありません。人数の分だけ「まだ決めたくない」があるからです。先に結論を言うと、家の使い道を決める前に、決め方を決めること。窓口と期限とお金の3つを先に決めるだけで、話は動きます。

元大工で、ホームセンター売り場に8年いたおさむが、その順番を中立の立場でまとめます。

兄弟がいるのに、実家の処分が進まない理由

一人っ子が重いのは、判断を一人で背負うことです。兄弟がいる場合は、逆のことが起きます。

「今は決めない」が、全員にとって当面いちばん楽な選択肢になるのです。誰も反対していないのに、誰も前に進めない。この状態が何年も続きます。

その間も、固定資産税と火災保険は毎年出ていく。草木も伸び続ける。放置は、無料の選択肢ではありません。

だから最初にやるのは「どうするか」を決めることではなく、「どう決めるか」を決めることです。

先に決める3つ|順番を間違えると必ず止まる

兄弟で実家を処分するとき、先に決める3つ。家の使い道より先に、決め方を決める。1つ目は窓口、動くのは1人に決める、決めるのは全員で連絡と手配は1人だけ、実家に近い人が現実的です。2つ目は期限、いつまでにを決める、次に全員が集まる日をそのまま締切に、期限のない話し合いは終わりません。3つ目はお金、先に出る分を誰が立て替えるか、片付けは一軒家まるごとで20万円から60万円前後、木造の解体は坪3万円から5万円で30坪なら90万円から150万円。決めていないことだけが問題、あとで精算でも均等でもいい、立て替えたら領収書を残す

① 窓口を1人に決める

全員がそれぞれ業者や役所に連絡すると、話がばらけます。聞いた内容も、頼んだ見積もりも、人によって違ってきます。

決めるのは全員、動くのは1人。これだけで速度が変わります。実家に近い人が窓口になるのが現実的です。

窓口になった人が損をしないように、交通費や手間をどう扱うかも、この時点で話しておくと後が楽です。

② 「いつまでに」を決める

期限がない話し合いは、終わりません。次に全員が集まる日を、そのまま締切にしてしまうのが手っ取り早いです。

お盆でも年末年始でも法事でもかまいません。「その日までに、それぞれ考えてくる」と決めるだけで、話が具体的になります。

③ 先に出るお金を、誰が立て替えるか決める

片付けも解体も、お金が先に出ていきます。売れるのはそのあとです。ここを決めずに進めると、立て替えた人だけが不満をためます。

目安は、片付けが一軒家まるごとで20万〜60万円前後。木造の解体は坪3万〜5万円で、30坪なら90万〜150万円あたりです。

「売れたら精算する」でも「今それぞれ均等に出す」でも構いません。決めていないことだけが問題です。

立て替えた人は、いつ・いくら・何に使ったかの領収書を残しておいてください。あとで分ける段になったとき、記録が唯一の味方になります。

名義が親のままなら、動く前に相続登記

親が亡くなっていて、家の名義がまだ親のままなら、ここが先です。

法務省によると、相続登記の義務化は令和6年4月1日から始まっていて、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記が必要です。正当な理由なく怠った場合、過料は10万円以下の範囲内で裁判所において決定されます。

もうひとつ、見落とされやすい期限。令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産で登記がされていないものは、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。

兄弟で話がまとまっていないと、登記も進みません。その場合に使えるのが「相続人申告登記」です。自分が登記簿上の所有者の相続人であることを期限内に登記官へ申し出るもので、特定の相続人が単独で申し出ることができます。

実務の面でも、名義が親のままだと売買契約が進まず、市の解体補助金の申請でつまずくこともあります。手続きは司法書士に相談してください。

「壊してから売る」を、最初に決めない

実家の4つの出口と、お金が出る順番。壊してから売るを最初に決めない。1つ目は更地にして売る、解体費が先に出ていく、30坪の木造で90万円から150万円が目安、住宅用地の特例が外れて税が上がる場合も。2つ目は古家付きで売る、解体費を買い手が持つ形もある、その分だけ価格は下がります、家の傷み方で選べるかが決まります。3つ目はそのまま買い取り、先に出るお金がいちばん少ない、価格は仲介より下がりやすい、片付けごと引き取る会社もあります。4つ目は譲渡や空き家バンク、お金は入らないが維持費が止まる、相手が見つかるかは地域によります、名義や税の手続きは残ります。先にいくらで売れそうかを聞く、数字が出てから壊すかどうかを決める

兄弟の話し合いでいちばん出やすいのが「古いから、壊して更地にして売ろう」です。

気持ちは分かります。ただしこれは、いちばんお金が先に出て、いちばん後戻りできない選択でもあります。

出口は4つ。更地にして売る、古家付きのまま売る、そのまま買い取ってもらう、譲渡や空き家バンクに出す。それぞれ、お金が出ていく順番が違います。

買い取りなら、家財が残ったままでも引き取る会社があります。ただし会社によって扱いは違うので、査定のときに確かめてください。

更地にすると、住宅用地の特例が外れて固定資産税が上がる場合があります。しかも、売れるまでその税金を払い続けることになる。上がる条件と時期は空き家の固定資産税は6倍になる?上がる条件と、上がる前にできることに整理しました。

だから順番としては、先に「いくらで売れそうか」を聞いてから、壊すかどうかを決めます。数字が出ていないうちに解体を発注すると、取り返しがつきません。

兄弟で意見が割れているときほど、数字は効きます。感情でぶつかっていた話が、共通の土台に乗るからです。

解体を選ぶなら、市の補助金を先に調べる

多くの市に、空き家の解体費を補助する制度があります。上限は市によってかなり開きがあり、20万円台のところもあれば、条件が合えば100万円を超えるところもあります。

大事なのは金額より順番です。基本は申請 → 交付決定 → 契約・着工で、交付決定より前に契約や着工をすると対象外になる自治体があります。

予算がなくなり次第終了で、年度ごとに締切もある。ここも共通です。兄弟の話し合いが長引いて、その年の受付が終わってしまうこともあります。

お住まいの市の制度は解体の補助金|47都道府県まとめから探せます。名義が親のままだと申請でつまずく制度もあるので、相続登記と並行して調べておくと無駄がありません。

売る方向で話をするなら、先に必要なのは家の数字です。兄弟の誰かが「まだ売りたくない」と言っているときこそ、金額が見えると話が具体になります。

兄弟で相続した家は、名義が複数人に分かれた「共有」の状態になりがちです。共有や再建築不可のような扱いにくい条件でも査定してもらえるところなら、まず数字だけ聞くことができます。

▶ 兄弟で相続した実家がいくらになるか調べる

他社で断られた物件でも買取りが可能「ワケガイ」

(※査定は無料で、金額を聞いてから断っても費用はかかりません。申し込むと電話で確認の連絡が入ります。山林・田・畑のように宅地として使えない土地や、賃貸需要が全く無いエリアは買取が難しい場合があります。名義がまだ親のままなら、先に相続登記を。2026年8月時点の公式サイト記載)

よくある質問

兄弟の1人が反対しています。売れますか?

共有になっている家をまるごと売るには、民法のルールで共有者全員の同意が要ります。自分の持分だけを売ることはできますが、買い手は限られますし、そのあとの兄弟関係にも響きます。

まずは反対の理由を聞いてください。「思い出があるから」と「今は現金が要らないから」では、打つ手がまったく違います。手続きとして何ができるかは、司法書士や弁護士に確認を。

話し合いに参加しない兄弟がいます

連絡が取れないのか、関わりたくないのかで対応が変わります。連絡が取れない場合は家庭裁判所の手続きが必要になることがあるので、早めに専門家へ相談してください。

相続人申告登記は単独で申し出られるので、話がまとまらないうちでも、登記の義務だけは先に果たしておけます。

費用を多く出した人が、多くもらう形でもいいですか?

兄弟が納得しているなら構いません。ただし口約束にはしないでください。誰がいくら出して、売れたらどう分けるかを紙に残しておくと後で揉めません。

金額が大きくなるなら、遺産分割協議書の形にして専門家に見てもらうほうが安全です。

とりあえず空き家のまま置いておけませんか?

置いておけます。ただし費用は止まりません。固定資産税、火災保険、草木や雪の管理が続きます。

管理が行き届かない状態が続くと、市から特定空家等に指定されて、固定資産税の住宅用地の特例が外れることもあります。維持費の実額は空き家の管理サービス費用と維持費の現実にまとめました。

まとめ

  • 兄弟で止まるのは仲の問題ではなく、決め方を決めていないから
  • 先に決める3つ=窓口を1人に・いつまでにを決める・先に出るお金を誰が立て替えるか
  • 名義が親のままなら相続登記が先。令和9年3月31日という期限がかかる人もいる
  • 「壊してから売る」を最初に決めない。数字を聞いてから、壊すかを決める

最初の一歩は、次に兄弟が集まる日を1つ決めること。それと、その日までに家がいくらになるかを聞いておくこと。この2つだけで、止まっていた話が動きます。

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【出典】相続登記の申請義務化=法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(ページ更新日 令和7年3月27日・照合日2026年8月11日)https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html / 木造解体の坪単価・片付け費用の目安=当サイト調査(解体業者・片付け業者各社の公開料金の照合・2026年7月)/ 更地にすると固定資産税が上がる場合がある=住宅用地の特例の扱いによるもの。共有物をまるごと売るのに共有者全員の同意が要る=民法の定めによるもの。相続・税・共有の取り扱いは個別の条件で変わります。必ず専門家や窓口にご確認ください。

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