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「東近江市の実家を解体したい。補助金は使える?」
先に全体像を書きます。東近江市の解体の補助は入口が2つあります。ふつうの空家等が対象の枠と、市が「特定空家等」と認めた家だけの枠です。額の桁が変わります。
そして、よく使われるほうの東近江市空家等解体費補助金は、令和8年度の受付がすでに終わっています。受付は令和8年7月1日から10日までの10日間だけで、申込が予算を超えたため公開抽選になりました。
ですので、この記事はすぐに申し込むための記事ではありません。来年度に向けて、いま何を準備しておくかの記事です。
元大工で中立の立場のおさむが、市の公式を照合して整理します。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。
※2026年8月10日に東近江市の公式ページ(更新日 令和8年7月30日)を照合しています。年度・予算で変わるため、動く前に必ず市の公式ページや窓口でご確認ください。
東近江市の解体補助 早見表【2026年度】

見てのとおり、よく使われるほうの枠でいちばん厳しいのは金額ではありません。受付が短いことです。もうひとつの枠については、後半で書きます。
令和8年度に何が起きたか|10日間の受付と、公開抽選
市のページには、経過がそのまま残っています。
受付期間は令和8年7月1日から10日まで。ただし市のページには「土曜・日曜日を除きます」とあるので、実際に出せたのは8日間だけです。持参のみで、郵送の記載はありません。そして市は「申込期間中に市の予算額を超える申込みがあり、公開で抽選を行います」と告知し、令和8年7月29日に市役所の会議室で抽選会を開きました。
結果も公開されています。当選が10人、次点が3人。当選者の受付番号は5、23、12、26、10、4、14、2、1、24でした。番号が26まで出ているので、少なくともそれだけの申込があったことになります。
次点というのは、当選した人が辞退したり交付決定が取り消されたりしたときに、繰り上げで案内される人のことです。
つまり、この制度は「早い者勝ち」ですらありません。10日以内に書類をそろえて持参して、そのうえで抽選を待つ形です。
制度の中身|工事費の5分の1・最大40万円
金額は工事費用の5分の1で、最大40万円。1,000円未満は切り捨てです。
率としては控えめな部類です。たとえば同じ滋賀県の草津市は5分の4・上限50万円なので、率だけを比べると差があります。ただし草津市は「不良と判定された空き家」が入口で、東近江市は築年数が入口です。率の高さと、入りやすさは別の話です。
対象になる家
建物の条件は2つです。
- 住居や倉庫などとして使用されていないことが常態であること
- 築40年を超えていることが確認できること
草津市のような「傷みの点数」による判定は、市のページには出てきません。ただし市は制度の説明で「老朽化した空家等」と呼んでいるので、実際に対象になるかは市の確認によります。まだ形が保っている家でも、使っていなくて築40年を超えていれば入口には立てるという設計です。ここは東近江市の使いやすいところです。
申請できる人
解体しようとする建築物の所有者です。
そのうえで注意が1つ。共有者、共同相続人、抵当権者などがいる場合は、その全員の同意が必要と明記されています。兄弟で相続した実家や、住宅ローンが残っている家は、ここで時間がかかります。
工事の条件
- 工事をするのは東近江市内の解体事業者であること
- 敷地内にある建築物、動産などのすべてを解体、撤去し、原則として敷地のすべてを更地にすること
2つ目が効きます。母屋だけ壊して物置を残す、という形では対象になりません。庭の中の物も片付けることになるので、見積もりを取るときは「敷地を全部更地にする前提で」と伝えてください。
申請の前に知っておく3つのこと
市のページの注意事項に、他の市ではあまり見ない書き方が並んでいます。順に書きます。
1つめ。すでに工事契約や着工をしていると対象外です。これは多くの市に共通する鉄則ですが、東近江市は注意事項の1行目に置いています。
2つめ。申請するだけで、誓約が要ります。原文はこうです。「抽選に外れるなどの理由により、補助金が受けられなくても申請者が責任を持って空家等を管理する」などの誓約が必要です。
つまり補助が取れなくても、その家をきちんと管理し続けます、と約束したうえで申し込むことになります。申し込みは無料でも、まったくの手ぶらではありません。
3つめ。当選しても満額とは限りません。原文は「抽選は予算の範囲内で行うため、最終当選者は補助金交付額が申請額以下になる可能性があります」となっています。10人目に入った場合、残った予算の分だけ、ということが起こりえます。
もうひとつの枠|特定空家等なら10分の8・上限100万円
ここまでは、よく使われるほうの枠の話でした。東近江市にはもうひとつ、東近江市特定空家等除却支援事業補助金があります。
金額の桁が変わります。補助対象費用に10分の8を掛けた額で、所有者等が申請する場合の上限は100万円(交付要綱第7条)。5分の1・最大40万円とは別の世界です。
ただし入口が厳しい。対象は、市長が「特定空家等」と認めたものに限られます。特定空家等というのは、空家等対策の特別措置法にもとづいて市が認定するもので、こちらから申請して選べるものではありません。
補助対象費用の決め方も違います。工事に要する額と、延べ面積に国の標準建設費の除却工事費を掛けた額を比べて、低いほうです。実費がそのまま対象になるわけではありません。
それと、この制度には確認上の注意があります。市のホームページに案内が見当たらず、こちらで確認できたのは市の例規集に載っている交付要綱でした。実際に使えるかどうかは、住宅課に直接聞くところからになります。
順番としては、まず自分の家が特定空家等に当たるのかを窓口で聞く。当たらないなら、前半で書いた空家等解体費補助金のほうを来年度に向けて準備する。この2段構えになります。
来年度に向けて、いまできること
受付が10日間しかない制度は、当日になってから動いても間に合いません。前の年のうちにできることを、時間のかかる順に並べます。

必要な書類は7点です。申請書、付近見取図および敷地内配置図、見積書、現況写真、登記事項証明書(未登記なら固定資産税評価証明書)、誓約書兼同意書、完納証明書。
このほかに「その他、市長が必要と認める書類」という項目があるので、窓口で追加を求められることがあります。
このうち、自分の都合だけでは進まないのが同意と見積書の2つです。
同意は相手のいる話なので、連絡がつかない親族がいると数か月単位で止まります。見積書は、市内の解体事業者から取る必要があります。1社だけだと金額が適正か分からないので、複数社に声をかけて比べてから決めるのが安全です。
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※東近江市の補助を使うなら、頼める相手は市内の解体事業者に限られます。相見積もりで相場をつかんだうえで、市内の業者から見積書をもらう形にしてください。契約は交付決定を受けたあとです)
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リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)耐震のほうに、解体の枠はあるか
ほかの市では、空き家の補助が終わっていても、耐震の担当課に別の枠が残っていることがあります。群馬県の高崎市がその例で、空き家の解体助成金が終わったあとも、建築指導課の耐震除却工事の補助が開いていました。
そこで東近江市の耐震のページも開きました。
結果を正直に書きます。市の木造住宅耐震改修等事業費補助制度のページ(更新日 令和8年4月1日)に載っているのは耐震改修だけで、補助対象経費の80パーセント・上限115万円。このページには除却や建替えの記載がありません。受付は令和8年4月1日から9月30日までと書かれています。
ただし同じページに、予算の上限に達した場合は期限より前に受付を終えることも書かれています。ページの上では期間の途中ですが、いま実際に開いているかまでは、こちらでは分かりません。
「東近江市には耐震の解体枠が無い」と言い切るつもりはありません。このページには見当たらなかった、というのが正確なところです。気になる方は建築指導課(電話0748-24-5656)へ確かめてください。空き家の窓口とは別の課です。
滋賀県のほかの市はどうか
滋賀県は13市あり、そのうち個人が使える解体の補助を市の公式で確認できたのは10市でした。金額も入口も市でまるで違います。
たとえば草津市は不良と判定された空き家に5分の4・上限50万円。東近江市より率は高いのですが、市が「不良住宅」と同等と判定するところが入口なので、まだ形が保っている家では届きません。
県内の全体像は滋賀県の解体補助金のまとめで、草津市の中身は草津市の解体補助金の記事で整理しています。
どの市でも共通の鉄則
- 工事を契約する前に申請して、交付決定を受けてから契約する。順番を逆にすると1円も出ません。東近江市は注意事項の1行目にこれを書いています
- 解体費は業者で大きく変わります。差を生むのは家そのものより、前の道の広さや隣家との隙間です。重機が入らないと手壊しの割合が増えて、日数も人手も膨らみます。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています(木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です)
- 更地にすると土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に住宅用地の特例が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体の時期は、税や売却の予定とあわせて考えてください
- お金が足りなくて動けない場合の順番は解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
よくある質問
今年はもう申し込めませんか?
令和8年度の受付は令和8年7月10日で終わり、7月29日に抽選も終わっています。次の機会があるとすれば令和9年度ですが、実施するかどうかも条件も、まだ発表されていません。春のうちに空家対策推進係(電話0748-24-5669)へ次の受付の予定を聞いておくのが確実です。
築40年を超えていれば、傷んでいなくても使えますか?
市のページに書かれている建物の条件は「使用されていないことが常態」と「築40年を超えていることが確認できること」の2つで、傷みの点数による判定は出てきません。ただし実際の可否は市の確認によるので、当てはまりそうなら窓口で先に確認してください。当選者には現地での立会いをお願いする、とも書かれています。
母屋だけ壊して、物置は残せますか?
できません。市の条件は「敷地内にある建築物、動産などのすべてを解体、撤去し、原則として敷地のすべてを更地にすること」です。見積もりを取るときから、敷地を全部更地にする前提で頼んでください。
抽選に外れたら、何か義務が残りますか?
申請のときに「抽選に外れるなどの理由により、補助金が受けられなくても申請者が責任を持って空家等を管理する」という誓約をします。補助が取れなかった場合でも、その家を管理する立場は変わらない、という前提での制度です。
まとめ
- 東近江市の空家等解体費補助金は工事費の5分の1・最大40万円(1,000円未満切り捨て)
- 入口は築40年超で、使っていない家。傷みの点数による判定はページに出てこない
- 難しいのは金額ではなく受付が10日間だけという点。令和8年度は7月1日から10日で、申込多数のため公開抽選になり、当選10人・次点3人だった
- 工事は市内の解体事業者で、敷地のすべてを更地にするのが条件。母屋だけは不可
- 共有者・共同相続人・抵当権者がいる場合は全員の同意が要る。ここがいちばん時間を食う
- 申請には「補助が受けられなくても責任を持って管理する」誓約が要る。当選しても交付額が申請額以下になる可能性もある
- 入口はもう1つある。市長が特定空家等と認めた家なら10分の8・上限100万円(交付要綱第7条)。ただし市のホームページに案内が無く、確認できたのは例規集の要綱だけ。使えるかは住宅課へ
- 耐震のページには除却や建替えの記載が見当たらなかった(2026年8月10日時点)。気になるなら建築指導課へ
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