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「滋賀の実家が空き家のまま。解体に補助金は出る?」
先に結論です。滋賀県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市町ごとです。そして滋賀は、県内でかなり形がばらけています。
県内には13の市がありますが、個人の所有者が申請できる解体・除却の補助を確認できたのは10市でした。長浜市は自治会や市民活動団体だけが対象で、彦根市と近江八幡市では市の公式に補助が見当たりません。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、13市の公式ページと交付要綱を1つずつ照合して、入口と金額と順番を整理します。確かめられなかったところは、そのまま正直に書きます。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。
※2026年8月2日時点の各市公式サイト・交付要綱等にもとづきます(草津市は当サイトの市別記事もあわせてご覧ください)。年度・予算で変わり、年度の途中で受付が終わることもあるため、申請前に必ず各市町の公式ページや窓口でご確認ください。※この記事で扱うのは、平常時の空き家の解体補助です。災害で被害を受けた住宅の解体は別の枠組みで扱われることがあるため、その場合はお住まいの市町の窓口へ直接ご相談ください。
主要5市の早見表【2026年度】

人口の多い5市(滋賀県推計人口・令和8年7月1日現在)を並べました。金額の幅が大きいので、まず率と上限だけ拾えるようにしています。
ただ、この表を見比べても、自分がいくらもらえるかはまだ分かりません。滋賀の場合、上限額より先に見るものがあります。
滋賀の解体補助は入口が3つに分かれる

同じ「解体の補助」でも、滋賀では入口が3つに分かれます。ここを取り違えると、そもそも申請書の1枚目にたどり着けません。
1つめは、古くて傷んだ空き家そのものが対象になる型。草津市・甲賀市・東近江市・野洲市・米原市の5市です。いちばん想像しやすい形だと思います。
2つめは、市が空家等対策の特別措置法にもとづいて「特定空家等」と認定した家だけが対象になる型。東近江市・栗東市・湖南市の3市がこれです。認定が先で、補助はそのあとに付いてきます。
3つめは、耐震や道路の枠から出る型。大津市・草津市・守山市・高島市の4市がここに入ります。効くのは空き家かどうかではありません。昭和56年5月31日以前の建物か、耐震診断の結果がどうか、前の道が狭いかどうか。
東近江市と草津市は入口を2つ持っているので、3つの入口に出てくる市の数を足すとのべ12になります。重なる2市を除くと、実際は10市です。
逆に、個人の所有者が使える制度が見当たらないのが3市(長浜市・彦根市・近江八幡市)です。
主要5市の中身|金額・入口・順番
人口の多い順に、5市の中身を見ていきます。
大津市|耐震の枠から5分の1・上限40万円。令和8年度に入口が広がった
県庁所在地の大津市には、空き家を名前にした解体補助が見当たりません。市の空家等対策のページに並んでいるのは、相談の窓口、空家バンク、リフォームの補助の案内です。
解体の費用が出るのは、耐震のほうの枠です。大津市木造住宅耐震改修等事業補助金といって、耐震改修工事と建替工事は工事経費の5分の4・上限115万円、除却工事は5分の1・上限40万円と決まっています(交付要綱第6条・2026年8月2日照合)。
ここが今年変わりました。市のパンフレットには令和8年度から、建て替えをしない除却だけの工事も補助の対象になったと書かれています。それまでは建て替えとセットが前提でした。
対象は、昭和56年5月31日以前に着工して完成した木造軸組の住宅で、2階建て以下・延べ床300平方メートル以下のもの。そのうえで、耐震診断で上部構造評点(家の強さを示す数値。滋賀県は1.0未満だと倒壊のおそれがあるとしています)が0.7未満と出たか、旧耐震基準の木造住宅の除却における容易な耐震診断調査票で倒壊の危険性があると判断されたものに限られます。
もうひとつ、金額に効く条件があります。除却工事費は延べ床面積に39,900円を掛けた額が限度です。延べ床が小さい家ほど、上限40万円には届きません。
下限もあります。交付要綱第5条のただし書きが、補助対象経費は500,000円を超えるものに限る、としています。50万円ちょうどでは足りない書き方です。
解体を頼む業者にも縛りがあって、滋賀県木造住宅耐震改修工事事業者登録名簿に載っている施工者でなければ対象外です。申請は着工前で、予算の上限に達すると受付は終わります。令和8年度は受付中と市が書いています(更新日2026年5月28日・建築指導課077-528-2774)。
草津市|入口が2つ。不良空き家なら5分の4・上限50万円
草津市は入口が2つあります。どちらも建築政策課の担当ですが、係も電話番号も別です。
ひとつめが草津市不良空き家除却促進補助金。除却工事に要する経費の5分の4以内で、上限50万円です。主に住宅として使われていたもので、1年以上居住等がされていない、個人所有、そして不良度判定基準の評点の合計が100点以上、という条件が付きます。
評点100点以上というのは、家が傾いていたり屋根や外壁が崩れていたりする状態を、市の基準で点数化して判定するものです。事前調査を依頼して、結果通知を受けた日から30日以内に交付申請という流れになります。2026年8月2日時点の市のページは「相談受付中」の表示でした。条件と申請の流れは草津市の解体補助金の記事で細かく整理しています(住まい政策係・077-561-1502)。
ふたつめが草津市危険木造建築物解体費補助金です。こちらは空き家である必要がありません。建築基準法第42条第2項の狭あい道路(きょうあいどうろ=幅4メートル未満の細い道)に面していて、道路の後退線から外壁までの距離が建物の軒の高さ以内である、昭和56年5月31日以前に着手された木造建築物が対象です。
額は解体費の5分の1で、上限20万円。用途や規模は問われませんが、過去に草津市木造住宅耐震改修等事業補助金を受けて耐震補強をした住宅は除かれます。令和8年度分の受付が始まっていて、随時受け付けと書かれていました(建築指導係・077-561-2378)。
彦根市|解体の費用を補助する制度は見当たらない
彦根市は正直に書きます。2026年8月2日時点で、解体・除却の費用を補助する制度は見当たりませんでした。
確かめたのは、市の空き家対策のセクション11ページ(相談窓口・適正管理・空き家対策総合支援事業・子育て若年世帯空き家リノベーションなど)と、建築指導課の耐震6ページ(木造住宅耐震改修支援事業・既存住宅耐震リフォーム支援事業・既存民間建築物耐震診断補助事業・木造住宅耐震診断員派遣事業・避難施設耐震改修等補助事業など)、それに移住定住の補助金一覧です。
耐震のほうは改修とシェルター・ベッドまでで、除却や建て替えに伴う解体の枠がありません。空き家側は改修と活用の支援が中心です。
制度が新しくできることもあるので、彦根市で解体を考えているなら、まず建築指導課(0749-30-6125)に「解体費の補助はありますか」と一本電話を入れてから動くのが早いと思います。
東近江市|5分の1・最大40万円は抽選。特定空家なら10分の8
東近江市も入口が2つです。ただし性格がまったく違います。
ひとつめが東近江市空家等解体費補助金。築40年を超えた空家等の解体に、工事費用の5分の1(最大40万円)が出ます。住居や倉庫などとして使用されていないことが常態であること、市内の解体事業者が施工すること、敷地内の建築物や動産をすべて解体して原則として敷地のすべてを更地にすること、が条件です。
受付は令和8年7月1日から10日まで。土曜と日曜を除くので、実際に出せたのは8日間だけでした。そして予算額を超える申込みがあり、令和8年7月29日に公開抽選。当選10人と次点3人が市のページに公表されていて、2026年8月2日時点で令和8年度の受付は終了しています(更新日 令和8年7月30日・空家対策推進係0748-24-5669)。次点は、当選者の辞退や交付決定の取消しがあった時に繰り上げで案内される人のことなので、いまから新しく申し込める枠ではありません。
この枠を狙うなら、来年度の準備がそのまま勝負になります。令和9年度の受付時期は公表されていませんが、令和8年度は7月1日から10日までの、土日を除く8日間でした。書類がそろっていないと出せない短さです。春のうちに空家対策推進係(電話0748-24-5669)へ次の受付の予定を聞いて、登記や相続の書類は先に整えておいてください(2026年8月4日照合)。
ふたつめが東近江市特定空家等除却支援事業補助金です。こちらは補助対象費用に10分の8を掛けた額で、所有者等が申請する場合の上限は100万円(交付要綱第7条)。額の桁が変わります。
ただし対象は、市長が特定空家等と認めたものに限られます。補助対象費用も、工事に要する額と、延べ面積に国の標準建設費の除却工事費を掛けた額の、低いほうです。この制度は市のホームページに案内が見当たらず、確認できたのは市の例規集に載っている交付要綱でした。使えるかどうかは住宅課に直接聞くところからになります。
東近江市の2つの枠の中身と、来年度に向けた書類の準備の順番は東近江市の解体補助金の記事で整理しています。
長浜市|助成はあるが、対象は自治会や団体
長浜市には長浜市空き家活用地域活性化事業助成金があります。対象経費の3分の2で、上限100万円。数字だけ見ると県内でも手厚いほうです。
ところが対象は自治組織や市民活動団体等で、個人の所有者は入っていません。空き家の所在地の自治組織か、長浜市内に活動拠点を持つ市民活動団体等、と市のページに書かれています。
除却工事の場合は、跡地を5年以上、地域を活性化する用途で使うことも条件です。市が例に挙げているのは、ポケットパーク、コミュニティガーデン、バスやデマンドタクシーの待合所、観光客や来訪者が使える無料駐車場など。工事は長浜市内の事業者に頼み、交付決定を受けてから契約して、年度の2月末日までに完了する必要があります。
2026年度は4月1日から4月24日までが事前登録の期間で、5月8日に抽選会。2026年8月2日時点の表示は受付終了でした(更新日2026年5月16日)。次の年度の日程は公表されていません。ただし事前登録が4月の頭から始まる形なので、自治会や団体で使うつもりなら、年度が替わる前に動き出す必要があります。
個人で実家を解体したい場合は、長浜市の公式で補助が見当たりません。市の耐震の枠も、耐震改修工事(一部除却を含む)までで、家一軒を壊す費用の枠はありませんでした(住宅課0749-65-6533/建築課建築指導室0749-65-6543)。
残りの8市|守山・甲賀・近江八幡・栗東・湖南・野洲・高島・米原
同じ「特定空家等の除却」でも、市が違うと上限額が5倍変わります。栗東市の20万円と、湖南市の100万円です。
- 守山市:木造住宅耐震対策除却事業補助金があります。耐震診断の総合評点が0.7未満と診断された昭和56年5月31日以前の木造住宅の除却が対象で、額は率ではなく段階式。補助対象経費が50万円超〜100万円以下で10万円、100万円超〜200万円以下で20万円、200万円超〜300万円以下で40万円、300万円超で60万円です(ただし耐震改修工事に要する費用相当分以下)。⚠️補助対象者は「市内在住者で、補助対象建築物を有する人」と書かれています。実家が空き家で所有者が市外に住んでいる場合は、この一行で外れる可能性があるので、先に建築課へ確かめてください。設計者と施工者は滋賀県の登録名簿に載っている必要があり、交付申請は4月から11月末日まで、翌年2月末までに工事完了と実績報告。契約を結んだ時点が着手なので、契約前に申請します(更新日 令和8年4月1日・建築課住宅係077-582-1139)
- 甲賀市:甲賀市空き家住宅等除却事業補助金の交付要綱が現行で置かれています。補助基本額は、工事費と、国の標準建設費の除却工事費単価に延べ面積を掛けた額の少ないほうに10分の8を掛けた額で、補助金の額はそれか80万円のいずれか低い額(第6条・第7条)。対象は、除却後の更地を地域活性化のために使う空き家住宅か、住宅地区改良法の不良住宅で市長が評点100以上と判定したものです。市内に本店や営業所を持つ業者の施工で、交付決定後に契約。⚠️この制度は公募制で、市の案内ページは2026年8月2日時点で本文が空でした。市の補助金等一覧には制度名が載っているので、令和8年度の募集があるかどうかは住宅建築課(0748-69-2212)に確認してください
- 近江八幡市:⚠️2026年8月2日時点で、解体・除却の費用を補助する制度は見当たりませんでした。確かめたのは住宅施策推進室の空家対策7ページと、建築課の耐震・アスベスト・ブロック塀のページです。耐震は診断と改修まで、空き家側は相談体制と協力事業者名簿が中心でした。空き家のことを聞く先は住宅施策推進室(0748-36-5787)です。なお、ブロック塀の撤去には別に補助がありますが、こちらの担当は建築課(0748-36-5544)になります
- 栗東市:栗東市特定空家等除却支援事業補助金の交付要綱があります。額は補助対象経費の5分の1で、20万円が上限(第6条)。対象は栗東市空家等対策条例に定める特定空家等で、今後も居住の用に使われる見込みがなく、所有関係が明確なもの。市内に事業所を有する建設業者または解体業者に発注し、敷地内を更地にする工事で、年度内に完了することが条件です。交付決定前に着手した工事は対象になりません(第5条第2項)。⚠️市のホームページには案内が見当たらず、確認できたのは例規集の要綱でした(住宅課住宅係077-551-0347)
- 湖南市:湖南市特定空家等除却支援事業補助金があります。補助対象経費と、延べ床面積に国の標準建設費の除却工事費単価を掛けた額の、少ないほうに10分の8を掛けた額で、100万円が限度(第6条)。栗東市と条件の形は似ていますが、上限が5倍です。市長が特定空家等と認定したもので、固定資産課税台帳に登録されていること、差押えや所有権以外の権利が設定されていないことなども条件に入ります。自分で行う工事か、市内で事業所を営む法人か市内に本拠を持つ個人事業者の請負に限られ、家財道具の処分費・跡地の盛土や舗装・登記などの事務手続の費用は対象外です。⚠️この制度も市の空き家対策のページに案内が見当たらず、確認できたのは要綱でした(住宅課0748-71-2349)
- 野洲市:野洲市空家等解体支援補助金は、解体工事費の3分の1で、10万円が限度。額は県内で低いほうですが、条件はいちばん素直です。昭和56年5月31日以前に建築された、住居または店舗に使われていた空家で、1年以上使われていないもの。個人所有で、敷地全体を更地にする工事が対象です(離れだけを壊して主屋が残る形は不可)。受付は令和8年5月1日から9月30日まで、先着順で予算の範囲内。予定件数に達したら期日を待たずに終了と書かれています(更新日2026年5月1日・建築住宅課077-587-6322)
- 高島市:木造住宅除却事業という枠が、耐震の補助金の中にあります。建て替えに伴う除却工事が対象で、補助対象経費(50万円超)の23%。耐震診断で総合評点0.7未満と診断されたか、容易な耐震診断調査票で倒壊の危険性があると判断された旧基準の木造住宅で、あとで新たに建築することが分かる書類が要ります。⚠️交付要綱の第2条第4号は、この木造住宅除却事業を「現に居住する」旧基準木造住宅の建替えのための解体工事と定義しています。市のページにこの文言はありません。要綱どおりなら、空き家のままでは対象にならない可能性があります。実家が空き家の状態で使えるかどうかは、業者を探す前に都市政策課へ確かめてください。⚠️上限額は市のページと交付要綱で数字が違います(次の見出しで書きます)。設計者と施工者は県の登録名簿に登録されている必要があり、交付決定前に着手した工事には使えません。申請年度内(3月末)に工事完了です(都市政策課0740-25-8571)
- 米原市:米原市空家等除却補助金は、補助率3分の1で上限20万円。対象は、居住の用に供していた住宅で1年以上居住されていないもの、または最後に居住していた住民が死亡して今後の活用の見込みがないものです。加えて、昭和56年5月31日以前に建築されたものか、建築基準法第43条第1項を満たしていない敷地に所在するもの、という条件が付きます。市内事業者の施工で、敷地内の建築物・工作物・竹木・動産等をすべて除却して更地にすること。補助対象事業を始めるまでに申請が必要で、予算がなくなり次第受付終了です(更新日2026年4月1日・シティセールス課0749-53-5140)
市のページと交付要綱で、数字が違うところ
ひとつ、隠さずに書いておきます。高島市の木造住宅除却事業は、市のページと交付要綱で上限額の数字が違います。
市のページには「限度額104万円。ただし建築基準法の規定により滋賀県が定める最深垂直積雪量が100センチメートル以下の地域は、限度額83.8万円」とあります。このページの更新日は2023年3月31日です。
いっぽう交付要綱の別表(第5条関係)は、上限を1,004,000円とし、最深垂直積雪量が100センチメートル以下の地域は838,000円としています。こちらは令和7年6月24日施行のものです。104万円と100万4千円で、3万6千円ずれます。
金額の食い違いなので、この記事ではどちらとも断定しません。理由の推測も書きません。高島市で建て替えを考えていて、上限に届きそうな規模なら、業者と契約する前に都市政策課で金額を確かめてください。率の23%は、ページと要綱で一致していました。いっぽう下限の書き方は分かれます。ページは「補助対象経費(50万円以上)」、要綱の別表は「500,000円を超えるものに限る」で、ちょうど50万円のときの扱いが違います。この記事では厳しいほうの「50万円を超える」で書いていますが、ここも同じ窓口で確かめてください。
がけ地から移る枠は、高島市の要綱にあります
ここまでの3つの入口とは別に、もう1本あります。がけ地近接等危険住宅移転事業です。がけの崩壊や土砂災害の危険がある区域から、区域の外へ移る人のための制度です。
先に、使えない人から書きます。高島市の交付要綱の第1条は「がけ地に近接する住宅に居住する住民」の生命や財産を守るための制度だとしていて、補助の相手を「当該区域外へ移転する者」と書いています。実家が空き家のままで、更地にして売るだけなら向きません。
対象になる区域は4つです。滋賀県建築基準条例の第2条と第35条で建築を制限している区域、土砂災害特別警戒区域、基礎調査を終えてその区域に指定される見込みの区域、事業着手の時点で過去3年間に災害救助法の適用を受けた区域(第2条)。
そのうえで住宅は、その区域にある既存不適格住宅(建てたときは合法だったが、その後の法令改正で現行法に合わなくなった住宅)か、大規模地震や台風のあとに市が移転勧告・是正勧告・避難指示等を行ったものに限られます。
申請できるのは、危険住宅を所有している方で、市税(市民税・固定資産税・軽自動車税・国民健康保険税)を滞納していないこと。暴力団排除の条項もあります(第3条)。
金額は2本立てです。除却の事業に要する経費は97万5,000円が限度。移転先の住宅を建てるか買うために金融機関等から借りた場合は、その利子に相当する額(年利率8.5パーセントが限度)が、建設や購入で325万円、土地の取得で96万円まで(第5条)。
申請は補助事業に着手するまでに出します(第6条)。壊し始めてからでは間に合いません。
ひとつ、確認の深さを書いておきます。この制度は市のホームページに案内が見当たらず、確認できたのは市の例規集にある交付要綱でした(令和3年3月30日告示第83号・令和3年4月1日施行・2026年8月13日確認)。
要綱には担当課の名前がありません。今年度の予算があるかどうかも含めて、まず都市政策課(電話0740-25-8571)に、どの課が担当かを聞くところからになります。
ほかの市町のがけ地の枠は、今回は当たり直していません。大津市だけは建築指導課・住宅政策課・都市計画課の補助金の一覧を開きましたが、がけ地の枠は見当たりませんでした。ほかの市町については「ない」とは書きません。
県の一覧は、いま頼りにできません
他県のまとめ記事では、県が作った市町村の制度一覧が出発点として便利でした。滋賀は少し事情が違います。
滋賀県の「空き家に関する支援制度」のページは、県からの直接補助として既存住宅状況調査(インスペクション)への補助を挙げたうえで、リフォームや解体等の補助については県内市町の空き家担当・相談窓口へ、と案内するだけです(このページの日付は2021年4月1日)。
検索で上位に出てくる「令和6年度 滋賀県・市町空き家対策関係制度一覧」というPDFは、2026年8月2日にアクセスすると開けませんでした。2026年8月12日に開き直しても同じでした。古い一覧を拾って読むより、市の名前で直接探したほうが確実です。
ひとつ使えるものがあります。県の「木造住宅の耐震診断(無料)および耐震改修の補助制度について」のページに、19市町の相談窓口が一覧で並んでいます。部・課名と電話番号つき。解体の担当課と同じとは限りませんが、最初の一本をかける先にはなります。
探し方のコツもひとつ。滋賀の場合は「解体」より「除却」で探したほうが当たります。制度名が「空家等除却」「除却支援」で揃っているからです。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。
6町も当たり直しました|多賀町に除却の枠があります
滋賀県は13市6町の19市町です。本文で照合したのは13市でしたが、残る6町(日野町・竜王町・愛荘町・豊郷町・甲良町・多賀町)も当たり直しました(2026年8月12日)。
金額と条件まで町の公式で確かめられたのは多賀町でした。ほかの5町は確かめられた深さが違うので、順に書きます。
多賀町|跡地を地元へ出すか、評点100以上の不良住宅か
先に使えない人からです。多賀町空き家住宅等除却支援事業は、補助を受ける本人と3親等以内の親族が建て替えるための解体は対象外。交付決定より前に着手した工事、家の一部だけを壊す工事、町の他の制度の補助を受ける工事も外れます。
対象になる空き家は2つの型です。1つめは、いま使われておらず今後も住む見込みがない住宅で、除却後の跡地を地元自治会へ10年間以上貸すか、町に寄付するもの。跡地が公益的に使われ、地域の活性化につながることが要ります。
町への寄付は、審査の結果できない場合があるとも書かれていました。跡地の行き先を先に決めておく必要がある型だということです。
2つめは、町長が住宅の不良度を判定して評点100以上と判定された不良住宅。こちらは除却後の跡地の使いみちに制限がありません。実家を売りたい、自分で持っておきたいという方が入れるのは、この2つめのほうです。
金額は2段階で決まります。まず補助基本額を、(A)実際の除却工事費用と、(B)床面積に1平方メートルあたり木造28,000円・非木造41,000円を掛けた額の、少ないほうに8割を掛けて出します。補助金はその2分の1以内で、上限50万円です。
実質は、少ないほうの額の4割ということ。上限の50万円に届くには、工事費と単価の計算がどちらも125万円以上必要になります。単価には町のページに「令和4年度の場合」と注記が付いているので、いまの単価は窓口で確かめてください。
申請できるのは、登記事項証明書に所有者として記録されている方(法人は除きます)、その相続人、委任を受けた方です。工事は申請年度内に完了すること。電話での申請はできません。
予算の範囲内で交付するため、申請期間内でも募集を終える場合があると町が書いています。窓口は企画課(電話0749-48-8122)。ページの更新日は2026年4月23日でした(2026年8月12日確認)。
残る5町|確かめられたのはここまでです
甲良町と豊郷町は、制度名までは記録に残っていました。愛荘町の空き家等対策協議会が公開している参考資料(県内市町の除却費補助金の一覧・令和5年2月時点)に、甲良町空き家住宅等除却支援事業補助金と豊郷町空き家除却支援事業補助金の名前が載っています。
ただし3年以上前の時点の資料です。いまも開いているかは、この記事では確かめられませんでした。金額もこの資料からは引きません。制度名を出して、町の窓口へ聞いてみてください。
今日たどれたのは、甲良町は町の公式サイトの空き家バンクの案内まで、豊郷町は例規のページが見つからないところまででした。
日野町・竜王町・愛荘町は、今日確かめた範囲では解体・除却の費用への補助が見当たりませんでした。愛荘町にあるのは空き家の改修(上限200万円)と家財道具の処分(上限10万円)の補助で、どちらも空き家バンクの登録物件が前提です。
1ページずつ当たったわけではないので「ない」とは書きません。町の公式サイトで探すときは「解体」より「除却」で。制度名が「空き家住宅等除却支援事業」で揃っているからです。
市の場合も同じです。今年度の予算が尽きれば、公式ページの表示は残っていても申請はできません。金額を見る前に、受付が開いているかどうかを先に確かめるほうが、時間の無駄が少なくて済みます。
どの市町でも共通の鉄則
- 契約より前に、市に申し出ること。制度が確認できた11市のうち、交付決定の前に着手した工事は対象外だと公式に書いていたのは8市(草津・東近江・長浜・守山・甲賀・栗東・野洲・高島)でした。大津市は書き方が違います。交付要綱の第8条が「交付決定の通知を受けた者は、当該通知書を受け取った日以降速やかに」着手すると定めていて、パンフレットには「着手する前に補助金の申請を行い、決定通知を受けていただく必要があります」とあります。対象外とは書かれていませんが、順番は同じです。米原市は「補助対象事業開始までに申請」という書き方です。湖南市は、今回読んだ交付要綱の本則(第1条から第13条)と附則に着手の時期を定めた文が見当たりませんでした(例規のページには様式の中身までは載っていません)。ただ、交付申請に見積書と現況写真が要るので向きは同じでしょう。先に業者と契約してしまうのが、いちばんもったいないつまずき方になります
- 自分がどの入口かを、最初に決めます。古い空き家そのものが対象の市、特定空家の認定が要る市、耐震診断が要る市で、そろえる書類がまったく違います。耐震の枠なら先に無料の耐震診断、特定空家の枠なら市の認定、不良空き家の枠なら事前調査。どれも業者探しより前の作業です
- 頼む業者にも条件があります。東近江市・甲賀市・栗東市・湖南市・長浜市・米原市は市内の事業者に限っていました。大津市・守山市・高島市は、県が作る木造住宅耐震改修の事業者名簿に登録された施工者であることが条件です。草津市の不良空き家除却促進補助金は市内業者に限っていません。相見積もりはぜひ取ってほしいのですが、比べる相手は条件に合う業者どうしにしてください
- 家財道具の処分費は別枠のことが多いです。湖南市は家財道具の除却に要する経費、跡地の盛土および舗装に要する経費、登記その他の事務手続に要する経費を対象外と明記しています。長く空いていた実家ほどここが膨らむので、解体の見積もりを取るときは残置物の処分費がいくら乗っているかを分けて聞いてください
- 更地にすると土地の固定資産税が上がる場合があります(住宅用地の特例が外れるためです)。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで、税の窓口にも確認しながら考えるのが安全です
解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。差を生むのは家そのものより、まわりの条件。前の道が細くて重機が入らない、隣家との隙間がない。そうなると手壊しの割合が増えて、日数も人手も膨らみます。滋賀は湖岸の旧集落や街道沿いの町並みなど、間口が狭く道の細い家も多いので、ここは効きます。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、同じ工事でも数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています(木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です)。
▶ 解体費の内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べるなら:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※各市の補助を使う場合は、見積もり先や契約のタイミングが制度の条件に合うかも確認してください)
▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)(※壊すか直すかで迷っている段階なら、費用が心配なときの順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)
よくある質問
滋賀県(県庁)としての解体補助金はないのですか?
解体費への一律の県補助はありません。県の「空き家に関する支援制度」のページも、リフォームや解体等の補助は県内市町の空き家担当・相談窓口へ、と案内しています。県からの直接補助として挙げられているのは、既存住宅状況調査(インスペクション)への補助です。申請の窓口は、家がある市町になります。
まだ住んでいる家の建て替えでも使えますか?
市によります。空き家であることを条件にしている市(草津市の不良空き家除却促進補助金、野洲市、米原市、東近江市の空家等解体費補助金など)では、住みながらの建て替えには使えません。いっぽう大津市の耐震の枠は空き家に限っておらず、高島市は建て替えに伴う除却が前提で、交付要綱では「現に居住する」家の建替えと定義されています。高島市はむしろ、空き家のままだと対象から外れる可能性があるということです。草津市の危険木造建築物解体費補助金も、空き家であることを条件にしていません。まず自分の家がどの入口かを確かめてください。
「特定空家等」に認定されると、補助が受けやすくなるのですか?
東近江市・栗東市・湖南市では、特定空家等の認定が補助の入口になっています。ただし認定は、周囲に危険や衛生上の問題を及ぼしている状態だと市が判断したときのものです。自分から認定を求めに行くというより、市から指導や助言を受けている状況なら、その流れの中で補助の話が出るかどうかを担当課に聞く形になります。なお草津市の不良空き家除却促進補助金は、法にもとづく勧告を受けている特定空家等を対象から外しています。認定されれば必ず有利、という単純な話ではないということです。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体のタイミングは、税金や売却・活用の予定とセットで、税の窓口にも確認しながら考えるのが安全です。実家をどうするか全体で迷っているなら実家が空き家になったらどうするかもどうぞ。
まとめ
- 滋賀県の解体補助は市町ごとで、県の一律制度はない
- 県内13市のうち、個人の所有者が申請できる制度を確認できたのは10市(大津・草津・東近江・守山・甲賀・栗東・湖南・野洲・高島・米原)。ただし高島市は交付要綱で「現に居住する」家の建替えが前提とされ、守山市は市内在住者が条件です。長浜市は自治会や市民活動団体だけ、彦根市と近江八幡市は公式に見当たらない(2026年8月2日時点)
- 入口は3つ。古い空き家そのもの(草津・甲賀・東近江・野洲・米原)、市が認定した特定空家等(東近江・栗東・湖南)、耐震や道路の枠(大津・草津・守山・高島)
- 上限額の幅は大きい。13市で個人が申請できるものでは、高島の建て替え除却が100万円台、湖南と東近江の特定空家枠が100万円、甲賀が80万円、草津の不良空き家が50万円、大津と東近江が40万円、栗東・米原・草津の危険木造が20万円、野洲が10万円。守山は段階式で10万〜60万円
- 大津市は令和8年度から、建て替えをしない除却だけの工事も対象になった。東近江市は令和8年度は抽選で受付終了、長浜市も事前登録が終了している
- 高島市は市のページと交付要綱で上限額の数字が違う(104万円と1,004,000円)。契約の前に窓口で確認を
- 6町では多賀町に除却の枠がある(跡地を地元自治会へ10年以上貸すか町へ寄付、または評点100以上の不良住宅。実質は工事費と単価計算の少ないほうの4割・上限50万円)。甲良町と豊郷町は制度名までしか確かめられず、日野町・竜王町・愛荘町は見当たらなかった
- がけ地から移る枠が高島市の交付要綱にある(除却は97万5,000円が限度)。ただし要綱は「居住する住民」が区域の外へ移ることを前提にしていて、更地にして売るだけの人には向かない。市のページには案内が見当たらない
- 最初の一歩は業者探しではなく、自分がどの入口かを担当課に聞くこと。契約はそのあと
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