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「福岡市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直なところをお伝えします。福岡市には、「古いから」「空き家だから」という理由だけで使える解体費の補助はありません。あるのは、旧耐震の木造で耐震診断が条件の「耐震建替・除却」への補助、危険なブロック塀の除却補助、それに土砂災害のおそれがある区域から移るときの除却の補助です。ネットで金額だけを見て期待すると、条件でつまずきやすい制度です。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、福岡市公式(2026年8月4日照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように整理します。
※2026年8月4日時点の福岡市公式サイト(住宅都市みどり局の建築物安全推進課・開発・盛土指導課・建築調整課の各制度ページ)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。
まず結論|福岡市の戸建て向けの解体補助は「4つの入口」

福岡市の解体にからむ補助は、地震で倒れそうな古い木造を減らす、防災を目的にしたものが中心です。だから条件が「古い」ではなく「耐震性が低いと判定された家」に寄っています。そこに、土砂災害のおそれがある区域の家だけが使える枠が加わります。整理すると、戸建ての解体に届く入口は次の4つです。
- 解体だけ:福岡市に、空き家というだけで使える「解体単体」の補助はありません
- 耐震建替・除却:旧耐震の木造+耐震診断で「倒壊の危険」と判定された家を、建て替える/壊す場合の補助
- ブロック塀:道路に面した危険な塀の除却は、上の制度とは別枠で補助があります
- 土砂災害の区域からの移転:土砂災害特別警戒区域などに建つ家を安全な場所へ移す場合、危険な家を壊す費用が補助されます。ここだけは耐震診断も築年数も入口になりません
金額のいちばん大きい耐震建替・除却の中身から、順番に見ていきます。自分の家が当てはまりそうか、当てはめながら読んでください。
中身|耐震建替費等補助(除却なら23%・建替えなら最大50万円)
福岡市の木造戸建住宅耐震建替費等補助事業が、解体費に届く数少ない制度です。耐震診断で「倒壊する可能性が高い」と判定された旧耐震の木造を対象に、壊し方によって2つの型があります。
- 壊して建て替える(建替型):まず1戸につき20万円。さらに条件を満たすと、除却(解体)費の23%を上限30万円まで上乗せでき、合計で最大50万円になります
- 壊すだけ(除却型):除却費の23%・上限30万円。安全な家に住み替えるために今の家を壊す、相続した空き家を壊す、といった使い方が対象です
- どちらも、上限は「壊す家の延べ床面積×39,900円」の23%以内で計算されます。表示の上限がそのまま満額出るとは限りません
大きな金額の制度ではありません。ただ、旧耐震の家を壊すこと自体が耐震化につながるので、市が背中を押している、という位置づけです。工事費を業者が代わりに受け取る代理受領制度(利用者は差額だけ用意すればいい仕組み)も使えます。
使える条件は「旧耐震+耐震診断で倒壊の危険」
この補助の入口は2つの条件です。ここで多くの家がふるいにかかります。正直に書いておきます。
- 築年数:昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けて着工した、2階建て以下の木造戸建てであること
- 耐震性:耐震診断の結果、「倒壊する可能性が高い」と判定された家であること。専門家の診断のほか、旧耐震の木造なら自分で書ける調査票(容易な耐震診断)で危険と判断できれば申請できる場合もあります
- 使いみち:自分が住むための建て替え・住み替えに伴う除却、または相続や購入で得た空き家の除却など、用途にも条件があります(相続した空き家は、相続開始から一定期間内の除却という期限もあります)
「診断はこれから」という方は、まず耐震診断からが正しい順番です。福岡市には診断費への補助や、費用を抑えた診断の窓口も用意されています。診断で危険と出て初めて、この補助のスタート地点に立てます。
危険なブロック塀は別枠で補助(3分の2・上限30万円)
解体そのものとは別に、ブロック塀等除却費補助事業があります。地震のときの倒壊を防ぐため、道路に面した高さ1.0メートル以上の危険な塀の除却に、費用の3分の2・上限30万円が補助されます。古い塀のある家は、建て替えや解体と一緒に検討しておくと無駄がありません。
あわせて、幅4メートル未満の道に接した家を建て替えるときは、狭あい道路拡幅整備事業(個別整備型)という別の仕組みがあります。道を広げるために敷地を後退させる場合、じゃまになる塀や擁壁(ようへき。土を留める壁)の撤去費用の一部が助成される制度です。上限は工作物・擁壁で200万円という例が示されていますが、金額は個別に算定されます。事業の締結より前に撤去してしまうと対象外になるので、順番に注意してください。窓口は建築調整課拡幅推進係(092-711-4586)です。
土砂災害の区域に建つ家は「移転」の枠から除却費が出ます
ここが見落とされやすい入口です。福岡市土砂災害等危険住宅移転事業補助は、土砂災害のおそれがある区域に建っていて、土砂災害に対する構造の安全性が足りない家を、安全な場所へ移すための制度です。耐震診断も築年数も条件になりません。入口は「どこに建っているか」です。
- 対象になる家:土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域(がけ崩れのおそれがあるとして県が指定した区域)、がけ条例適用区域などに、区域の指定より前から建っていた住宅。このほか、地震や台風のあとに市や県から移転勧告・避難指示などを受けた住宅も対象になります
- 壊す費用:ここは上限額が固定ではなく、家の広さで決まります。公式の限度は木造なら1平方メートルあたり3万3千円、非木造なら4万7千円に面積をかけた額です
- 引っ越しなどの費用:動産移転費・仮住居費・跡地整備費などに、97万5千円を限度として補助があります
- 移転先の費用:移転先の住宅を建てる・直すために借り入れた場合、その利子に相当する額を421万円(建物325万円・土地96万円)を限度に補助します
受付の期間は公式ページに書かれていませんでした。そのかわり、市の広報(市政だより)には事前に開発・盛土指導課への相談が必要ですと明記されています。見積もりを取る前に、まず電話1本(092-711-4587)が正しい順番です。
なお、同じページには、区域内にとどまって家を丈夫にする場合の土砂災害対策改修への補助(工事費の23%・75万9千円が限度)も載っています。移るか、残って直すか。どちらの道も用意されている、という読み方をしてください。
申請の流れ|「交付決定の前に契約しない」が絶対

どの型でも、いちばん大事なのはここです。
- 工事の契約より前に申請し、市の「交付決定」を受けること。交付決定の通知より前に契約・着手した工事は、原則として補助を受けられません
- 申請は契約や工事着工の、おおむね1か月前まで。書類審査にも1か月ほどかかります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- 予算には限りがあり、年度の途中でも予算に達すると受付が終わります。工程を決める前に、まず市の窓口へ相談するのが確実です
- 補助金は完了報告のあとに振り込まれます。代理受領を使わない場合は、いったん自分で立て替える前提です
「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。
対象外だった人の、現実的な選択肢
条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- 更地にすると固定資産税が上がる場合がある点も、壊す前に知っておいてください
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)
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よくある質問
北九州市や久留米市に住んでいます。同じ補助はありますか?
制度は市区町村ごとに違うので、福岡市の内容はそのままは使えません。福岡市は「耐震」が入口ですが、近隣の市には、老朽化した危険な空き家の解体そのものへの補助があることがあります。たとえば北九州市の老朽空き家等除却促進事業は判定を経て上限1棟30万円、久留米市の老朽危険空家等除却促進事業は除却費の2分の1・上限65万円(いずれも2026年7月20日時点)です。お住まいの「市名+解体(除却)補助金」で公式サイトを確認するのが確実です。当サイトでも各市の情報がそろい次第、記事を追加していきます。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。福岡市の補助は交付決定の通知より前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず相談→申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは市の窓口へ。
いつまでに動けばいいですか?
耐震建替・除却の補助は、契約や工事着工のおおむね1か月前までに申請が必要で、審査にも1か月ほどかかります。予算に達すると年度の途中でも受付が終わるため、解体や建て替えを考えているなら、耐震診断や見積もりは早めに準備しておくのが堅実です。
まとめ
- 福岡市に「古いから」だけで出る解体補助はない。戸建て向けの入口は、耐震建替・除却、ブロック塀、土砂災害の区域からの移転、それに建て替えにともなう狭あい道路の塀の撤去です
- 耐震建替・除却は旧耐震(昭和56年5月末以前)+耐震診断で倒壊の危険と判定が条件。除却なら23%・上限30万円、建て替えなら最大50万円
- 共通ルールは着手前申請・予算内で先着。契約を先にすると補助は消える
- 家が土砂災害特別警戒区域などにあるなら、耐震とは別の枠が使えます。壊す費用は家の広さで決まるので、開発・盛土指導課(092-711-4587)で試算を
- 対象外でも、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりで適正価格に。近隣市はより手厚い解体補助があることも


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