久留米市の解体補助金【2026】危険な空き家の解体に上限65万円|条件を元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「久留米市で、危ないまま残っている古い実家を壊したい。補助金は出る?」

先に、うれしい方の話からお伝えします。久留米市には、危険な空き家の取り壊しそのものに使える補助が用意されていて、除却費の2分の1・上限65万円です。除却(じょきゃく)とは取り壊しのこと。福岡市のように耐震だけが入口の市もあるなかで、久留米市は空き家の解体に直接届く補助を持っていて、福岡県内でも手厚い部類です。

ただし「古いから」「空き家だから」で自動的に出るわけではありません。この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、久留米市公式(2026年7月21日照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように条件と申請の順番を整理します。

※空き家の解体補助は2026年7月21日時点、耐震の枠とがけ地の移転は2026年8月11日時点の久留米市公式サイトにもとづきます(都市建設部住宅政策課の「老朽化した危険な空き家の解体補助金」「久留米市木造住宅耐震改修等事業費補助金」「がけ地近接等危険住宅移転事業について」の各ページ)。

年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。
※2026年8月11日に、耐震の枠にある2つの除却メニューと、がけ地の移転の枠を書き足しました。それまでこの記事は、耐震の補助が入口になることがある、と書くだけで制度名も金額も出していませんでした。

まず結論|久留米市は「危険な空き家の取り壊し」に補助が出る

久留米市の解体補助 出る家の条件の図。老朽危険空家等除却促進事業の対象は次の4つをすべて満たす家。①市内にある木造の空き家で、同じ敷地に使用実態がないもの。②市の危険度判定を通り基準を満たすもの。③市内に営業所があり解体の資格を持つ市内業者に工事を発注すること。④契約・着工の前に申請すること、先に契約や着手をすると原則0円になる。満たせば除却費の2分の1・上限65万円。予算の範囲内で先着、予算に達すると受付終了。

久留米市の解体まわりの補助は、放っておくと倒れて人に危ない家や塀を減らす、防災を目的にしたものが中心です。柱になるのは、老朽化して危険と判定された空き家の取り壊しに使える老朽危険空家等除却促進事業です。ここが、多くの人が探している「解体そのものへの補助」にあたります。

金額は除却費の2分の1で、上限は65万円。福岡県内の主な市と見比べても、率でも上限でも手厚いほうです。ただし、うれしい話には条件がついています。出るのは、次の4つをすべて満たす家です。

  • ① 木造の空き家:市内にある木造の建物で、同じ敷地に使用実態がない、つまり誰も使っていない空き家であること
  • ② 危険度の判定を通ること:市が家の危険度を調べ、基準を満たすと認められること。これが最初のふるいです
  • ③ 市内の業者に発注すること:市内に営業所などがあり、解体の資格を持つ業者に工事を頼むこと
  • ④ 契約・着工の前に申請すること:先に契約や工事を始めてしまうと、補助は原則もらえません

逆に言えば、まだ人が住んでいる家、危険度の判定に届かない家、市外の業者だけで進めた工事は、この補助の対象から外れます。自分の家がどこに当てはまるか、当てはめながら順番に見ていきます。

外れた先に何もないわけではありません。久留米市は耐震化の枠のなかにも解体費のメニューを持っていて、相続した空き家を壊す場合もそこに入ります。記事の後半で扱います。

制度の中身|老朽危険空家等除却促進事業(2分の1・上限65万円)

久留米市で「解体そのもの」に届く、いちばん中心の制度がこれです。周辺の住環境に悪影響を及ぼすおそれのある、老朽化した危険な空き家を減らすことがねらいで、その取り壊し費用の一部を市が助けてくれます。

  • 補助額除却工事費の2分の1・上限65万円。実際の工事費の半分と65万円を比べて、低いほうが上限になります
  • 対象になる家:市内にある木造で、同じ敷地に使用実態がない空き家。そのうえで、市の危険度判定で基準を満たしたもの
  • 頼む業者:市内に営業所などがあり、解体に必要な資格を持つ業者に発注する予定であること。市が出している見積り事業者のリストに載っていない会社でも、市内に営業所があって資格があれば要件は満たします
  • 受付期間:令和8年度は令和8年4月21日から令和9年1月29日まで(2026年7月21日時点)。予算の枠に達すると、その時点で受付が終わります

市が「業者との契約や紛争には関与しない」とはっきり書いている点も、頭に入れておいてください。補助を出す市と、工事を頼む業者は別です。見積りや契約の中身は、あくまで自分でよく確認する必要があります。窓口は都市建設部の住宅政策課(電話0942-30-9139)です。

「古い・空き家」だけでは出ない|危険度判定というふるい

この補助でいちばん誤解が多いのが、ここです。築年数が古い、というだけでは対象になりません。あくまで「老朽化して危険度が高い」と市に判定された空き家が対象です。

久留米市には「危険度事前判定表」という物差しがあり、まずは自分の家がどのくらいの状態かを、これに沿って市が確認します。屋根や壁、柱の傷み具合などを見て、放っておくと周りに危ないと判断されて、はじめて補助の土俵に乗ります。逆に「まだ十分使える」「危険度が低い」と出た場合は、この補助は使えません。

だから、思い立ってすぐ壊す、の前にまず市の窓口へ相談です。自分の家が対象になりそうかを、早い段階で確かめておくと、あとの段取りがぐっと楽になります。

危険なブロック塀は別枠で補助(3分の2・上限16万円)

家の解体とは別に、久留米市には危険ブロック塀等撤去費補助事業もあります。地震のときの倒壊を防ぎ、避難路を守るための制度です。道路に面した高さ1メートル以上の危険な塀の撤去に、費用の3分の2・上限16万円が補助されます(見積額の3分の2など複数の計算のうち、低い額が上限)。

こちらも工事は市内業者に頼むことが条件で、同じ敷地の塀については申請は1回限りです。受付期間は年度ごとに決まるので、古い塀のある家は、解体や建て替えと合わせて公式ページで今年の受付を確認しておくと無駄がありません。

耐震の枠にも解体費が出る|建替えと、相続した空き家の2つ

ここまでは空き家対策の枠の話でした。久留米市には、耐震化の枠のなかにも解体費が出るメニューがあります。危険度判定に届かなかった人の受け皿になります。

制度の名前は久留米市木造住宅耐震改修等事業費補助金。この中に建替えに伴う除却工事と、令和8年度から拡充された空き家の相続に伴う除却工事という2つの除却メニューがあります。

まず、対象になる家の条件から。この2つはどちらも、次の3つをすべて満たす家が前提です。

  • 昭和56年5月31日以前に建築したもの
  • 2階建て以下の木造一戸建て住宅(併用住宅を含み、賃貸物件も可能)
  • 耐震診断の結果、上部構造評点(家の強さを表す数値)が1.0未満、つまり倒壊の可能性があると判定されたもの

耐震診断を受けて評点1.0未満と出ることが入口です。老朽危険空家の枠の危険度判定とは別の物差しなので、こちらは改めて確かめることになります。

建替えに伴う除却工事(上限30万円)

市の説明は「自らが居住するため、地震に対する安全性が確保された住宅を建築、賃貸等により確保し、もともと住んでいた木造住宅を除却する工事」というものです。今その家に住んでいる人のための枠になります。

使えない人から書くと、補助申請日の時点でその家に住んでいない方は、この枠は使えません。すでに空き家になっているなら、次の相続の枠を見てください。

金額は3つのうち最も低い額です。除却工事見積額の23%、国が定める耐震改修単価(令和8年度は1平方メートルあたり39,900円)に延べ面積を乗じた額の23%、交付上限額30万円。30万円は天井であって、必ず届く額ではありません。

空き家の相続に伴う除却工事(上限30万円・令和8年度からの拡充)

実家じまいの方にいちばん近いのは、こちらです。市の説明は「空き家を相続または遺贈により取得し、その木造住宅を除却する工事」というもの。令和8年度から補助の対象に加わりました。

ここも使えない人から。相続開始日から3年を経過する日の属する年の翌年3月までに行う除却工事が対象です。相続から時間が経っていると、この期限を過ぎます。

そして、補助申請日の時点でその家に住んでいないことが条件になります(住んでいる場合は上の建替えの枠)。金額は建替えの枠と同じで、除却工事見積額の23%、耐震改修単価39,900円に延べ面積を乗じた額の23%、交付上限額30万円のうち最も低い額です。

2つに共通する条件

  • 補助対象となる住宅の所有者、または相続人であること
  • 交付決定前に、耐震改修工事等の契約や工事着手を行っていないこと
  • 市内事業者と契約を予定していること
  • 工事内容や住宅要件などについて、必ず市と事前協議をすること。交付申請から交付決定まで3週間程かかります
  • 令和9年1月29日までに工事を完了し、完了報告をすること

令和8年度の受付は令和8年4月21日から始まっています(ページの更新日は2026年4月21日)。窓口は空き家の解体補助と同じ都市建設部住宅政策課ですが、このページに載っている電話番号は0942-30-9241で、空き家のページの0942-30-9139とは違います。耐震の話だと伝えて、こちらにかけてください。

がけのそばに住んでいる場合|移転の枠は空き家が対象外

住んでいる家の解体費が出る枠が、もう1つあります。がけ地近接等危険住宅移転事業です。

先に使えない人から。市のページには対象となる建物として「空き家は対象外です」とはっきり書かれています。空き家を壊す方は、この枠には入りません。

対象になるのは、急傾斜地崩壊危険区域、がけ近接地(福岡県建築基準法施行条例で建築が制限されている範囲)、土砂災害特別警戒区域、事業着手時点で過去3年間に災害救助法の適用を受けた地域にある住宅です。

そのうえで、区域の指定などで今の建築制限に合わなくなったもの、または県や市から移転勧告や是正勧告、避難指示を受けたものに限られます。

  • 除却等費:危険住宅の解体費用や動産移転費、跡地整備費で上限額97万5千円。市内事業者への工事発注予定のものが対象です
  • 建設等助成費:代わりの住宅の新築や購入、それに伴う土地の購入のために銀行等から借入をした場合に発生する利息相当額で、建物325万円と土地96万円の合計421万円が上限。手元に421万円が入るという意味ではありません

必ず年度内に事業完了することが条件で、交付決定の後でないと契約や工事着手はできません。建設等助成費を使うときは、危険住宅の除却を必ず行うこと、とも書かれています。

窓口は、こちらも都市建設部住宅政策課の0942-30-9241です(ページの更新日は2026年4月21日・2026年8月11日に確認)。

申請の流れ|「交付決定の前に契約しない」が絶対のルール

久留米市の解体補助 申請の流れの図。①まず市の住宅政策課の窓口に相談し対象になりそうか確認する。②危険度判定を受け、市が家の危険度を調べて対象か決める。③契約・着工より前に申請して交付決定を待つ。④交付決定の後に市内業者と契約して解体する、決定前の契約は対象外。⑤完了報告して受け取る、工事費を払ったあとに補助金が振り込まれる。交付決定の前に契約・着手した工事は原則対象外。

ここからは老朽危険空家等除却促進事業の話に戻ります。補助を受けるうえで、いちばん大事なのはここです。順番を1つ間違えるだけで、補助はゼロになります。

  • まず市の窓口に相談し、危険度判定を受けます。判定で対象と認められて、はじめて申請に進めます
  • 解体の工事契約より前に申請し、市の「交付決定」を受けること。交付決定の通知より前に契約・着手した工事は、原則として補助を受けられません
  • 審査にも日数がかかり、予算に達すると年度の途中でも受付が終わります。取る人は年度の早いうちに動いています
  • 補助金が振り込まれるのは、工事費を払って完了報告をしたあとです。いったん自分で立て替える前提で、資金の段取りをしておくと安心です

「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。相談、判定、申請、交付決定、それから契約。この順番だけは守ってください。

対象外だった人の、現実的な選択肢

判定や条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも、重機の入れ方や廃材の分け方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※久留米市の補助を使う場合は、その業者が市内業者などの制度の条件に合うかの確認も忘れずに)

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よくある質問

今も住んでいる古い家の建て替えでも、この解体補助は使えますか?

老朽危険空家等除却促進事業(上限65万円)では受けられません。同じ敷地に使用実態がないこと、つまり誰も使っていないことが条件だからです。

ただし、耐震の枠に建替えに伴う除却工事があります。昭和56年5月31日以前に建築した2階建て以下の木造一戸建てで、耐震診断の上部構造評点が1.0未満、そして補助申請日の時点でその家に住んでいること。金額は除却工事見積額の23%などのうち最も低い額で、上限30万円です。

相続した空き家を壊すなら、令和8年度から加わった空き家の相続に伴う除却工事(同じく上限30万円)が候補になります。相続開始日から3年を経過する日の属する年の翌年3月まで、という期限が付きます。

どちらも窓口は都市建設部住宅政策課の0942-30-9241。条件は本文の「耐震の枠にも解体費が出る」に書きました。耐震補強そのものの考え方は木造住宅の耐震補強の費用と補助金の記事で整理しています。

福岡市や北九州市など、近隣の市に住んでいます。同じ補助はありますか?

解体補助は市区町村ごとに制度が違うので、久留米市の内容はそのままは使えません。たとえば同じ福岡県でも、福岡市は空き家というだけでは出ず耐震が入口、北九州市は市の判定を通れば上限1棟30万円(2026年7月20日時点)と、入口も金額もそれぞれ違います。県内5市の違いは福岡県の解体補助金の記事に早見表でまとめています。お住まいの市の「市名+解体(除却)補助金」で公式サイトを確認するのが確実です。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。久留米市の補助は契約・着工の前であることが要件で、交付決定より前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず相談、危険度判定、申請、交付決定、それから契約、の順で進めてください。着手までに余裕がある場合は相談できることもあるので、まずは市の住宅政策課へ声をかけてみてください。

まとめ

  • 久留米市は、危険と判定された空き家の取り壊しに使える補助がある市。老朽危険空家等除却促進事業で除却費の2分の1・上限65万円と、福岡県内でも手厚い部類
  • ただし出るのは木造の空き家・危険度判定を通る・市内業者に発注・着手前に申請の4つを満たす家。古いだけ、空き家なだけでは出ません
  • 危険なブロック塀の撤去は別枠で3分の2・上限16万円
  • 耐震の枠にも解体費のメニューが2つ。建替えに伴う除却(今その家に住んでいる人・上限30万円)と、空き家の相続に伴う除却(相続開始日から3年を経過する日の属する年の翌年3月まで・上限30万円)。どちらも耐震診断で評点1.0未満が入口で、窓口の番号は0942-30-9241
  • 共通ルールは着手前申請・予算内で先着。契約を先にすると補助は消えます。対象外でも2〜3社の相見積もりで解体費は下げられます。まずは市の窓口に電話1本からです

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