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「出雲市の古い実家、もう住む人もいない。解体したいけれど補助金は出る?」
先に正直な結論です。出雲市には解体費の補助があります。ただし中心にあるのは、市が危険と判定した木造の空き家に向けた制度です。古いだけ、空き家というだけでは基本的に下りません。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、出雲市公式(2026年7月23日照合)をもとに、出る家・出ない家と金額の上限、そして「壊す・直して活かす」の分かれ道までを整理します。
※2026年7月23日時点の出雲市の交付要綱(老朽危険空家等除却支援事業補助金交付要綱・令和3年告示第421号)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず建築住宅課の窓口でご確認ください。
まず結論|対象は「市が危険と判定した木造の空き家」

出雲市の解体費補助は、放置されて地域の危険になっている空き家を減らすための制度です。だから「古いから」「空き家だから」ではなく、市が状態を見て危険と判定したかどうかが入口になります。制度名は老朽危険空家等除却支援事業補助金。除却(じょきゃく)とは、建物をすべて取り壊して片づけることです。ポイントは3つです。
- 対象:おおむね1年以上使われていない木造の空き家で、市が危険と判定した家。まだ使える家をただ壊したいだけでは下りません
- 金額:除却工事費の10分の8の、さらに2分の1以内(上限100万円)。計算すると、対象になる費用のおよそ4割です
- 受付:予算の範囲内で行われ、なくなり次第終了します。先着などの方式は要綱に明記がないため、窓口で確認します
特定空家(そのまま放置すると危険だと市が法律にもとづいて認定した空き家)等に正式認定されていなくても、傷み具合を点数にした合計の評点が100点以上になれば入口に立てます。金額の大きさより、自分の家がその判定に近いかどうかが先です。当てはめながら、中身を見ていきます。
いくら出る?|除却費の10分の8の、さらに半分(上限100万円)
補助の額は、少し独特な計算をします。まず除却工事費に10分の8をかけ、その額のさらに2分の1以内を出します。これに上限100万円がかかります。式にすると、除却工事費×10分の8×2分の1以内、上限100万円です。計算のうえでは、対象になる費用のおよそ4割が戻ってくる形になります。
ひとつ注意があります。除却工事費がとても高い場合は、実際の見積もりではなく標準除却費という国が定めた目安の額を基準に計算します。標準除却費とは、国土交通大臣が延べ床面積あたりで定めている標準的な解体費のことです。実際の工事費がこれを超えるときは、超えた分は計算に入りません。だから見積もりが高いほど手厚くなる、という制度ではありません。
もう一点。物置、門扉、塀、樹木、地下にある埋設物などを片づける費用は、補助の対象に含まれません。あくまで建物本体をすべて解体して処分する費用が対象です。補助金の額に1,000円未満の端数が出たときは、切り捨てになります。なお同じ島根県でも、松江市は同じ計算式で上限50万円と、市ごとに条件が違います。出雲市の上限は100万円です。
対象になる家|「1年以上の木造空き家」と「評点100点以上」が軸
入口になる家の条件を、かみくだいて説明します。出雲市の補助が対象にするのは、次の条件を全て満たす空き家です。
- おおむね1年以上使われていない木造の家:市内にあり、おおむね1年以上使われておらず、今後も使う見込みのない木造の建築物であること
- 住まいとして使われていた家:主に住居として使われていた建物であること(店舗などとの併用住宅は、床面積の2分の1以上が住居であること)
- 危険と判定されること:そのまま放置すると倒壊などの危険があると認められ、傷み具合を項目ごとに点数にした合計の評点が100点以上になること
評点は、基礎・柱・外壁・屋根などの傷みを一つずつ点数にして合計します。加えて、建物の軒の高さが隣の家の敷地や道までの距離を超えるなど、まわりへの危険度が高い家も対象になります。国の補助や島根県の同じ趣旨の補助と一緒に使える場合がある一方、他の補助金を受けている工事は対象外になることもあります。
申請できるのは、その空き家の所有者、その相続人、または所有者や相続人から除却の同意を得た人です。共有名義のときは、共有者全員の合意で選んだ代表者が申請します。市税などの滞納がある人や、過去にこの補助金を受けたことがある人は対象外です。ここは自分では判断しきれないので、まずは市の窓口に相談し、現地を見てもらうところから始まります。
契約より前に申請|事前調査からの流れ

この補助で、いちばん大事なのは順番です。出雲市の場合は、いきなり交付申請ではなく、先に事前調査という段階があります。「この家は対象になりますか」を市に確かめてもらう手続きです。
- ① 事前調査を申請:申請書に位置図や現況写真、登記事項証明書などを添えて出すと、市が書類と現地調査で対象になるかを判定し、結果を通知します
- ② 交付申請:判定を受けたら、実施計画書や見積書などを添えて補助金の交付を申請します。市が工事内容と補助対象経費を確認します
- ③ 交付決定の後に工事へ着手:交付決定を受けてから、解体工事に着手します。交付決定より前に工事へ着手すると、対象外になります
- ④ 完了・報告・請求:工事を終えたら実績報告書を出し、補助金を請求します。工事は交付決定の日が属する年度内に終えることが条件です
くり返しになりますが、工事に着手する前に申請し、交付が決定してから着手するのが鉄則です。要綱で対象外になるのは「交付決定より前に工事へ着手した場合」で、契約をいつ結ぶかは要綱に明記がありません。ただ、契約した時点で着手とみなす自治体もあるため、安全のためには契約も交付決定の後に回し、順番は事前調査の相談のときに窓口で確かめておくと安心です。補助は予算の範囲内で、なくなり次第終了します。この制度は今のところ令和9年(2027年)3月末までの予定なので、動くと決めたら早めに窓口へ相談してください。相談先は出雲市 建築住宅課 空き家対策室(電話0853-21-6210)です。
壊す?直して活かす?|出雲市の空き家バンクという道
「危険な空き家だから壊す」と決める前に、もう一つ考えておきたいことがあります。壊さずに、売る・貸す・直して使う道です。出雲市には空き家バンクという仕組みがあり、登録して次の使い手を探すことを後押しする補助もあります(対象になる費用や条件は年度・予算で変わるため、建築住宅課の窓口で確認してください)。
まだ十分に使える家なら、壊すより活かしたほうが手元に残るお金は大きくなることもあります。活かす方向の全体像は、実家・空き家リフォームの補助金で整理しています。危険で人も住めない家を壊すなら除却の補助、引き継いで活かすなら空き家バンクやリフォーム、と入口が分かれます。迷ったら壊す前に一度、建築住宅課で両方を聞いてみてください。
対象にならない人の、現実的な選択肢
危険と判定されるほどではない、条件にも当てはまらない。その場合でも打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や廃材の処分の仕方で、見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社に同じ内容で頼むだけで、同じ工事でも数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- 同じ島根県の松江市を検討している方は、松江市の解体補助金(上限50万円)もあわせてどうぞ
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※出雲市の補助を使う場合は、その業者の見積もりや契約のタイミングが制度の条件に合うかの確認も忘れずに)
▶ 壊すかリフォームで住み続けるか迷っているなら、直す場合の費用も無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)よくある質問
まだ人が住めそうな古い実家でも、解体費の補助は出ますか?
出雲市の解体費補助(老朽危険空家等除却支援事業補助金)は、傷み具合を点数にした合計の評点が100点以上になる、危険と判定された木造の空き家が対象です。古くても、まだ十分に使える状態の家は対象になりにくいのが実情です。まだ使える家を建て替えなどで壊すなら、補助なしで相見積もりを取り、費用を抑える方向が現実的です。念のため、自分の家が対象になりそうかは建築住宅課 空き家対策室(電話0853-21-6210)に一度確認してみてください。
「特定空家」に認定されていないと、補助は使えませんか?
出雲市のこの補助は、特定空家等への正式な認定を必須とはしていません。おおむね1年以上使われていない木造の空き家で、傷み具合を点数化した合計の評点が100点以上になるなど要綱の条件を満たせば、対象になり得ます。ただし判定するのは市なので、自分で結論を出す前に、事前調査の相談から始めるのが確実です。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
要綱で対象外になるのは、交付決定より前に工事へ着手した場合です。まだ工事が始まっていなければ、契約が済んでいるというだけで直ちに対象外とは限りません。ただし契約した時点で着手とみなす自治体もあるため、契約だけ済んでいる段階の扱いは、事前調査の相談のときに建築住宅課 空き家対策室(電話0853-21-6210)で必ず確認してください。これから解体する方は、事前調査の申請、判定、交付申請、交付決定を経てから工事に着手する順番が確実です。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。出雲市では、この補助で除却した跡地について、一定期間は税額が急に上がらないよう配慮する減免の仕組みもあります。解体のタイミングは、税金や売却・跡地の使い道の予定とセットで、窓口に確認しながら考えるのが安全です。
まとめ
- 出雲市の解体費補助は、市が評点100点以上で危険と判定した、おおむね1年以上の木造の空き家が対象。制度は老朽危険空家等除却支援事業補助金
- 金額は除却工事費の10分の8の、さらに2分の1以内で上限100万円(対象になる費用のおよそ4割・標準除却費が基準)
- 特定空家の正式認定は必須ではなく、点数の判定が入口。物置や塀、樹木などの処分費は対象外
- 共通ルールは事前調査から始め、交付決定の後に工事へ着手。決定より前に着工すると対象外(契約の時期は要綱に明記がなく、安全のため契約も決定後が無難)
- 受付は予算の範囲内で、なくなり次第終了。工事は交付決定の年度内に終えることが条件です
- 同じ島根県でも松江市は上限50万円と、市ごとに条件が違うので、自分の市の窓口で確認を
- 判定に届かず対象外でも、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手です
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