増築部分の雨漏りは接合部が主犯|母屋との取り合いを元大工が中立解説

屋根・雨漏りの補助金

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「増築した部屋のつなぎ目から、雨漏りしてきた。増築した所を、まるごとやり直し?」

結論からいうと、増築部分の雨漏りは、増築した部屋そのものより、母屋(もとの家)とのつなぎ目=接合部から入っていることが多いです。理由はシンプルで、母屋と増築は別々の基礎・別々の骨組みなので、地震や年月で動き方が違い、境目の防水(シーリングや板金)が引っ張られて切れるから。だから直すときも、増築の屋根や壁そのものより、まず「母屋との境目のどこから入っているか」を切り分けるのが先です。

解体現場で増築部分のつなぎ目も見てきた元大工のおさむが、業者ではない中立の立場で、漏れやすい場所の見分け方と、自分で触れる範囲・プロに任せる範囲、費用の目安まで正直にまとめます。

すでに雨漏りしている・室内の壁や天井にシミがある方は、この先で紹介する屋根・雨漏りの専門業者に無料で見てもらうのが安全です。接合部から入った水は外から見えず、壁や下地の中まで回ると補修の範囲が広がって費用がかさみます。

増築の雨漏りが「接合部」に集中する理由

増築は、もとの家に新しい部屋をつなぐ工事です。ここで見落とされがちなのが、母屋と増築は、別々に建てられた「別の家」に近いという事実です。基礎も骨組みも別なので、地震のゆれや地盤のわずかな動き、木の伸び縮みで、それぞれが少しずつ違う動き方をします。

その力が集まるのが、母屋と増築の境目です。境目はシーリング(継ぎ目を埋める防水材)や板金で水を止めていますが、両側が別々に動くと、そこが少しずつ切れたり浮いたりします。しかも増築は、もともと雨を受けていた母屋の外壁を一度壊して、新しい構造をつなぐ工事です。外壁を守っていた防水層を切ってつなぐので、その処理が甘いと最初から弱点になります。

だから、増築部分の屋根や壁そのものを疑う前に、母屋とのつなぎ目を先に疑うのが、遠回りに見えて近道です。窓まわりの継ぎ目が弱点になる出窓の雨漏りと考え方は同じで、増築は「別の家をまるごとつないだ」ぶん、その弱点がさらに根深くなります。

どこから漏れる?接合部の弱点マップ

増築部分の雨漏りで漏れやすい接合部4か所のマップ。1取り合いの壁は母屋と増築がぶつかる壁ぎわで継ぎ目のシーリング切れ=一番多い入口、2接合部の谷は2つの屋根が出会うV字の谷で雨水が集まり谷板金の劣化で漏れる、3屋根の段差は母屋と増築で高さが違う継ぎ目で雨押え板金の浮きや釘抜けから入る、4抜いた開口は元の外壁を壊してつないだ所で防水層を切った処理が甘いと入る。共通の犯人は動く境目で、母屋と増築は別々に動くため境目で防水が切れる

母屋と増築のつなぎ目で、特に水が入りやすいのは次の4か所です。どこが濡れているかで、原因の見当がつきます。

  • ①取り合いの壁。母屋と増築の壁がぶつかる継ぎ目です。シーリングが切れると壁の内側へ直接入ります。屋根と壁の境目で漏れる雨押え板金と同じ弱点です
  • ②接合部の谷。母屋と増築、2つの屋根が出会うとV字の谷ができます。谷は屋根の中でも雨水が集まる場所で、谷板金(谷樋)が傷むと一気に漏れます
  • ③屋根の段差。母屋と増築で屋根の高さが違うと、その段差に立ち上げた雨押え板金が水を止めています。釘が抜けて浮くと、そこから入ります
  • ④元の外壁を抜いた開口まわり。部屋どうしを行き来できるよう、母屋の外壁を壊してつないだ所です。切った防水層の処理が甘いと、伝い水が入ります

ベランダやバルコニーを後から乗せた増築なら、手すり壁の天板(笠木)まわりも同じ理由で弱点になります。

自分でできる応急と、DIYの限界

雨漏りしている最中にできるのは、室内側で水を受けて、家財を濡らさないことです。つなぎ目の真下にあたる壁ぎわや天井に、タオルや新聞紙を当て、下にバケツを置く。コンセントまわりに水がかからないよう気をつける。ここまでは誰でもできます(くわしい手順は雨漏りの応急処置へ)。

恒久的に直すDIYは、正直むずかしい場所です。接合部は母屋と増築が別々に動くので、市販のコーキングを上から盛っても、動く境目でまた切れるか、水の逃げ場を塞いでかえって別の所から漏れます。原因が谷板金や雨押えの浮きなら、表面を埋めても止まりません。

そして、屋根に登っての作業はやめてください。増築の屋根や母屋との段差は足場が不安定で、転落の危険が高い場所です。地上や室内から写真を撮るところまでにして、原因の切り分けはプロに任せるのが安全です。

程度で見分ける直し方と費用の目安

増築の雨漏りを程度で見分ける表。軽症は接合部のシーリング切れだけで打ち直しで直る(数万円から)、中症は谷板金や段差の板金の錆や浮きで板金の部分交換、高い所は足場が要ることも、重症は下地や構造材まで水が回り下地から直す・増築ごと見直しも含め業者調査へ。上から盛るだけは動く境目でまた切れて逆効果になることもある

直す範囲は、水がどこまで回っているかで変わります。表面のシーリング切れだけなのか、板金の裏や下地の中まで進んでいるのかで、費用がひと桁変わることもあります。

接合部のシーリング切れだけの軽症なら、打ち直し(数万円程度〜)で足りることが多いです。谷板金や段差の板金が錆びて浮いている中症は、板金の部分交換へ。単価の考え方は雨押え板金の記事と同じで、1mあたり3,500〜5,000円が目安、高い位置で足場が必要なら足場代(15〜20万円前後)が加わります。下地や構造材まで水が回った重症は、下地から、場合によっては増築のつなぎ方ごと見直す工事になり、業者の調査が要ります。

気をつけたいのは、放置するほど直す範囲も費用も育つこと。表面のシミのうちは数万円でも、壁や柱の中まで腐りが回ると一気に広がります。雨漏りを放置した家の中身はこちらの記事で解体現場の実例を紹介しています。費用と火災保険の全体像は雨漏り修理の費用と火災保険へ。

増築の雨漏りは「原因調査」が本体|どこに頼むか

増築の雨漏りがやっかいなのは、入口が1か所とはかぎらないことです。取り合いの壁・谷・段差・開口と、母屋との境目に弱点がいくつもあり、しかも入った所と室内で濡れる所がずれます。だから、どこから入っているかを突き止める原因調査こそが、修理の本体です。表面だけ直して「シーリングしたのにまた漏れる」は、この工事でいちばん多い失敗です。

頼むなら、サッシ屋でも内装屋でもなく、板金と防水に強い屋根・雨漏りの専門業者が向いています。複数社に原因の説明を聞き比べて、納得できる説明をくれる業者を選んでください。頼み先の違いは雨漏りはどこに頼むに、屋根まわりの症状全体は屋根のまとめにまとめています。

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(※「母屋と増築のつなぎ目から雨漏りしている。取り合いの壁か、接合部の谷か、屋根の段差か、原因を理由つきで見てほしい」と伝えると話が早いです)

よくある質問

サンルームやテラス囲いのつなぎ目からの雨漏りも同じですか?

基本の考え方は同じです。どちらも母屋の外壁に部材を打ち付けてつなぐので、その取り合いが弱点になります。ただしサンルームやテラス囲いの後付けには、固定資産税や建ぺい率など雨漏り以外の注意点もあります。これから付ける方や、付けたばかりの方はサンルーム後付けの費用と3つの盲点もあわせて読んでください。

増築したときの業者に、まず連絡すべきですか?

はい、まず増築工事をした業者と、その時の契約書・保証書を確認するのが先です。施工不良が原因で保証の期間内なら、無償で直してもらえる相談の余地があります。ただし、新築の家につく10年の雨漏り保証(品確法という法律の決まり)と違って、増築やリフォーム工事の保証は契約の内容しだいです。年数が経って保証が切れていることも多いので、その場合は中立の業者にも相談して、原因と費用を確かめてください。

増築の雨漏りは火災保険で直せますか?

台風や強風で板金がめくれた・飛来物で壊れた場合は、風災として対象になることがあります。一方で、シーリング切れや釘抜けなど、じわじわ進んだ経年劣化は対象外です。風災補償の有無や免責額は契約で違うので、まず自分で保険会社に確認してください。「火災保険を使えば無料で直せます」と最初から強調してくる業者には注意を。手口は屋根修理の詐欺にまとめました。

まとめ

  • 増築の雨漏りは、増築部分そのものより母屋との接合部(取り合い)が主犯
  • 漏れやすいのは取り合いの壁・接合部の谷・屋根の段差・抜いた開口の4か所
  • 接合部のシーリング切れなら打ち直し(数万円程度〜)、板金の錆や浮きは部分交換(1m 3,500〜5,000円+足場)、下地までなら業者調査
  • 入口が複数ある工事だから、原因調査を省く「上から盛るだけ」は再発のもと

迷ったら、まず雨の日にどこから水が出るかをスマホで撮っておく。それが業者選びと火災保険の、いちばん確かな判断材料になります。

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