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実家を片付けていると、捨てる手が止まります。「これ、売れるんじゃないか」と思う物が次々に出てくるからです。
調べると「実家の片付けで売れるもの12選」といった一覧がいくつも出てきます。ところが実際に持ち込むと、値がつくのはごく一部です。
元大工で、ホームセンターの売り場に立ってきたおさむが、値がつく側とつかない側の線を整理します。先に書いておくと、多くは処分の側になります。
「売れるもの一覧」が当てにならない理由
あの一覧に載っているのは、正確には「査定できる品目」です。値がつく品目とは別物です。
買取の会社にとって、査定の依頼が来ること自体に意味があります。だから品目は広く載せます。読者はそれを「この一覧に載っている物なら売れる」と読みます。ここでずれます。
値がつくかどうかを分けているのは、品目ではありません。次に買う人がいるか、そして運ぶ手間に見合うかの2つです。

値がつきやすいもの
共通しているのは、小さくて、古くても価値が下がりにくいものです。
- 着物、帯:状態と種類によりますが、しまい込まれたまま出てくることが多い品です
- 貴金属、宝飾品:地金として重さで見る部分があるので、傷んでいても対象になります
- 古銭、記念硬貨、切手:小さく、集める人がいます
- 骨董、茶道具、書画:真贋の判断が要るので、専門に見てもらう領域です
- カメラ、レコード、楽器:使う人が今もいる道具です
ここに挙げた種類は、少なくとも見てもらう価値があります。逆にいうと、この外側は期待しないほうが落ち着いて進みます。
値がつきにくいもの
そして残念ながら、実家から出てくる物の大半はこちら側です。
- 家具:大きくて運ぶ費用がかかります。婚礼家具は特に買い手が少ないです
- 食器:来客用の揃いの食器は、いま使う人が少ない品です
- 健康器具、マッサージ機:場所を取ります
- 古い家電:製造から年数が経つと、動いても対象外になります
- 百科事典、全集:数が多く出回っています
- 人形、置物:飾る家が減っています
大きい物ほど、売るより運び出すほうにお金がかかります。これは庭石でも家具でも同じです。「まだ使えるのに」と思う気持ちと、値がつくかどうかは別の話になります。
買取と処分は、順番が決まっています
順番を間違えると損をします。値がつきそうな物を先に抜いてから、処分の見積もりを取ります。
片付けの費用は、多くの場合トラックの台数や作業の人数で決まります。先に量を減らせば、その分だけ処分の費用も下がります。
逆に、処分を先に頼んでしまうと、値がつく物もまとめて運ばれていきます。業者によっては買取を兼ねているので、その場合は先に伝えておいてください。
片付けを自分でやるか業者に頼むかの判断は実家の片付けは自分でやる?業者に頼む?に、費用の内訳は空き家・実家の片付け費用に整理しました。
買取の業者を選ぶときに確かめる3つ

ここは法律の話です。中古品を買い取る商売には、古物営業法という法律の決まりがあります。
第3条に、古物営業を営もうとする者は都道府県公安委員会の許可を受けなければならない、と書かれています。許可の番号は、会社のサイトや名刺に出ているのが普通です。見当たらないときは聞いてかまいません。
第15条には、買い受けるときは相手方の住所、氏名、職業、年齢を確認する措置をとらなければならない、とあります。つまり身分証の提示を求められるのは、法律で決まっているからです。「身分証は要りません」と言う相手のほうが、むしろ確かめる必要があります。
第16条には、古物を受け取ったり引き渡したりしたときは、その都度、帳簿等に記載または記録しておかなければならない、とあります。何をいくらで引き取ったかが残る決まりです。
この3つは、訪問での買取のときに特に効きます。家に上がってもらう相手なので、確かめる材料があるのは心強いです。
現金化を急がないほうがいい物
相続が絡む場合は、順番が変わります。
遺産分割の話がまだ終わっていないなら、勝手に売ってしまうと後でもめる原因になります。金額の大きい物、たとえば貴金属や骨董は、誰の物かが決まってから動かすほうが安全です。
また、家そのものをどうするかがまだ決まっていない段階なら、中身を全部出す必要がないこともあります。売り方によっては、買主が処分する前提で話が進むためです。判断の順番は空き家は解体してから売る?そのまま売る?にまとめました。
それぞれの入口
ここから下は広告です。ここまで書いたとおり、全部を査定に出すことは勧めません。上で値がつきやすいと書いた種類だけで十分です。
▶ 着物や古い道具が出てきたなら、捨てる前に見てもらう:着物買取の福ちゃん(査定は無料)
。着物のほか、古銭や骨董も扱っています。
▶ 親御さんを見送ったあとで、家全体を片付けるなら:仕分けから運び出し、処分までまとめて頼めます。遺品整理110番(全国対応・見積もり無料の業者紹介)
。
どちらも、先に量を減らしてから頼むほうが総額は下がります。
まとめ
- 一覧に載っているのは「査定できる品目」で、値がつく品目とは別
- 値がつきやすいのは、小さくて次に買う人がいるもの(着物・貴金属・古銭・骨董・カメラ)
- 大きい物は、売るより運び出すほうにお金がかかる
- 順番は、値がつきそうな物を先に抜いてから処分の見積もり
- 買取の業者は、古物商の許可・本人確認・書面の3つで確かめる
- 相続の話が終わっていない物は、決まってから動かす
家財の処分に補助を出す市町村があります
ここまで「家の中の物を出す費用は自分持ち」という前提で書いてきましたが、例外があります。家財道具の処分費に補助を出している市町村が全国にあります。全国空き家対策推進協議会が公開している支援制度のデータを2026年9月9日に数えたところ、家財や残置物の処分に触れている現役の制度が112件ありました。
金額の目安は上限10万円あたりが多く、補助率は2分の1という形が目立ちます。大きいところでは山形県米沢市が3分の2・上限50万円、富山県射水市が3分の2・上限50万円、栃木県芳賀町が20万円。京都府宇治田原町は10分の10(全額)・上限10万円です。福井県越前市と坂井市は、空き家の解体・家財処分・弁護士への相談をまとめて扱う枠を持っていて、家財処分はそれぞれ上限5万円になっています。
ただし、ここがいちばん大事なところです。112件のうち87件は、空き家バンクへの登録が入口になっています。つまり「売るか貸すために家を残す」ことが条件で、壊して終わりにするつもりの家では、多くが当てはまりません。この記事を読んでいる方の多くは後者だと思うので、期待しすぎないでください。
それでも確かめる価値はあります。解体の補助と同じ枠の中に家財の項目を持っている市町村もあるからです(埼玉県鳩山町、長野県須坂市、鳥取県鳥取市など)。自分の市町村に枠があるかは、「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイト(全国空き家対策推進協議会)で都道府県を選んで調べられます。データは前年度のもので今年度の受付までは分からないので、あると分かったら市町村の窓口で確かめてください。
順番の注意も1つ。ほとんどの制度が「交付決定の前に作業を始めると対象外」です。片付けを頼む前に、自分の市町村に枠があるかだけ先に調べてください。先に業者を呼んでしまうと、あとから申請しても通りません。
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よくある質問
リサイクルショップと買取専門店はどちらがいいですか
扱う物によります。まとめて引き取ってほしいならリサイクルショップ、着物や骨董のように真贋や種類の判断が要る物は、その分野を扱う店のほうが見てもらえます。迷うなら、値がつきそうな物だけ専門の側へ回すのが早いです。
査定を頼んだら必ず売らないといけませんか
売らない選択はできます。金額に納得できなければ断ってかまいません。ただし訪問での査定は、断りにくい状況になることがあるので、家族の誰かに同席してもらうと落ち着いて判断できます。
値段がつかなかった物はどうなりますか
持ち帰ってもらえる場合と、そのまま残る場合があります。事前に「値がつかない物は引き取ってもらえるか」を聞いておくと、あとの段取りが立てやすくなります。
親が生きているうちに売ってもいいですか
持ち主は親御さんなので、本人の同意が要ります。買取のときの本人確認も、持ち主に対して行われるのが原則です。施設に入るなどで本人が動けない場合は、業者にその事情を先に伝えて、どういう形なら進められるかを確認してください。


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