※本記事には、解体・リフォームの一括見積もりサービス等のアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
「横手市で古くなった空き家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直な結論です。横手市の空き家解体の補助は2種類あります。ただし、空き家の枠でいま申し込めるのは上限15万円の「特定空家等」のほうで、金額の大きい上限50万円の枠は令和8年度はもう受付が終わっています。
もう一つ、名前で見落としやすい枠があります。いま住んでいる古い家を壊して同じ土地に建て直すなら、耐震改築という枠から上限100万円。受付は令和8年11月30日までで、こちらは別の課の担当です。後半で説明します。
しかも、ただ古い・空き家というだけでは下りません。市が危険や傷みを認めた家であることや、所得などの条件があります。金額の大きさより、自分の家がどちらの入口に当てはまるかが先です。
元大工で中立の立場のおさむが、横手市公式(2026年8月3日照合)をもとに整理します。除却(じょきゃく)は、建物を取り壊して片づけることです。
※2026年8月3日時点の横手市公式サイト(生活環境課「令和8年度空家等除却費補助事業」の特定空家等・その他の空家等の各ページ・更新日2026年3月31日と2026年7月30日、および建築住宅課「木造住宅の耐震診断費用の支援または耐震改修・耐震改築費用の一部を補助します」のページ・更新日2026年4月20日と交付要綱・事業チラシ)にもとづきます。年度・予算で変わり、年度の途中で受付が終わることもあるため、申請前に必ず公式ページや各担当課の窓口でご確認ください。
まず結論|空き家の枠は2つ・動いているのは上限15万円の方

横手市の空き家向けの解体補助は、放置されて危険になったり、雪の害で傷んだりした空き家を減らすための制度です。だから「古いから」「空き家だから」ではなく、市が現地を見て対象と認めたかどうかが入口になります。枠は次の2つです。
- 特定空家等 解体補助:倒壊などの危険があると市が認めた空き家が対象。対象経費の30%以内・上限15万円で、いまも受付中です
- その他の空家等 解体補助:雪害などで傷んだ空き家が対象。対象経費の50%・上限50万円と大きめですが、令和8年度は予算に達して受付が終了しています
金額だけ見れば50万円の枠が魅力的ですが、そちらは今年度は締め切られています。まず動かせるのは15万円の枠です。自分の家がどちらの入口に近いかを、順番に当てはめていきます。
なお、いま人が住んでいる家を壊して建て直す場合は、この2つとは別の枠が動いています。後半で説明します。
いくら出る?|「特定空家等」は30%・上限15万円、「その他」は50%・上限50万円
2つの枠は、補助の割合も上限額も違います。順に見ます。
特定空家等の枠は、対象となる経費の30%以内で、上限は15万円です。金額としては控えめですが、いまも受付中で、5月11日から10月30日まで申請を受け付けています。ただし予算に限りがあり、予算に達すると受付は早めに締め切られることがあります。
その他の空家等の枠は、対象経費の50%以内で上限50万円と、割合も額も一段大きくなります。ただしこちらは、令和8年度は交付申請の額が予算に達したため、すでに受付を終了しています。使いたい場合は、来年度の受付に向けて準備しておく段階です。
どちらの枠も、補助金は工事のあとに振り込まれます。いったんは自分で全額を立て替える前提で考えておくと安心です。
対象になる家|市が認めた「特定空家等」と、雪害で傷んだ空き家
入口になる「対象の空き家」は、枠ごとに考え方が違います。言葉が固いので、かみくだいて説明します。
特定空家等の枠は、市が「特定空家等」と認めた空き家が対象です。特定空家等とは、そのまま放置すると倒壊などの危険がある、衛生上よくない、景観を著しく損なっている、周りの生活環境を守るうえで放置が不適切、といった状態の空き家のこと。市から改善の助言や指導を受けていることも条件になります。つまり、すでに市から「なんとかしてほしい」と言われている家、というイメージです。
その他の空家等の枠は、特定空家等には当たらないものの、雪害その他の災害で被害を受けた、または受けそうで、緊急または予防のために取り壊しが必要と認められる空き家が対象です。市の判断基準で評点の合計が100点以上であることが目安になります。豪雪地の横手らしく、雪の重みで傷んだ家が想定されている枠です。
どちらの枠も、市内にある空き家で、固定資産税の未納がないことなどが前提です。その他の枠は、空き家になってから1年以上たっていることも条件になります。自分の家が当てはまるかは、見た目だけでは判断しきれません。まずは市の窓口に相談し、現地を見てもらうところから始まります。
見落としやすい条件|所得460万円以下・市内の業者・跡地の使い道
金額と対象の家がわかったら、あとで「知らなかった」となりやすい細かい条件も先に押さえておきましょう。3つあります。
1つ目は所得の条件です。特定空家等の枠には、世帯の主たる生計維持者の前年の合計所得金額が460万円以下という条件があります。扶養している家族が1人いれば38万円が上乗せされるので、家族構成によって基準は変わります。合計所得金額は、収入そのものの額ではなく、給与なら給与所得控除などを引いた後の額です。自分が当てはまるかどうかは、窓口で確認してください。なお、その他の空家等の枠には、この所得の条件はありません。
2つ目は業者の条件です。どちらの枠も、解体工事を請け負う業者は、市内に解体工事業の許可を受けた営業所を持つ会社に限られます。市外の安い業者を見つけても、この補助を使う工事では対象にならないことがあるので、見積もりを取る前に確認しておくと無駄がありません。市は横手市内に本店を置く解体業者の一覧も公開しています。
3つ目は、その他の空家等の枠だけにある跡地の条件です。この枠を使う場合、更地にしたあとの土地を、除却後3年以内に公共・公益の用途で使い始め、通算1年以上そのために使うことが求められます。市が示す例では、雪押し場や駐車場、地域の憩いの場などです。壊した土地をすぐ売りたい、という使い方には向きません。上限50万円と大きいぶん、土地の使い道に強い縛りがある枠だと理解しておいてください。
申請の流れ|契約・着工は必ず「交付決定の後」

横手市の解体補助は、申請から補助金を受け取るまでの順番が決まっています。いちばん大事なのは、契約と工事を始めるタイミングです。
- ① 見積り・申請:市内の業者に解体の見積りを取り、申請書を市に出します
- ② 審査・現地調査:書類の審査と現地の調査で、対象の空き家かどうかを市が確認します
- ③ 交付決定の後に契約・着工:交付決定を受けてから、はじめて解体の契約と工事に進みます。決定の前に契約や工事を始めると、原則として補助は受けられません
- ④ 完了・報告・請求:工事が終わったら実績報告書(11月30日まで)を出し、確認を経て補助金を請求します
くり返しになりますが、交付決定より前に契約・着工した工事は、原則として対象外です。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません。まずは市民生活部生活環境課くらしの相談係(電話0182-35-4099)への相談から始めてください。
もう一つの枠|「耐震改築」という名前の、壊して建て直す補助
ここまでは空き家の枠の話です。横手市には、名前に「解体」も「除却」も入っていないせいで見つけにくい枠が、もう一つあります。木造住宅耐震改修等補助事業のなかにある、耐震改築です。
耐震改築という言葉だけ見ると、補強工事のことに読めます。ですが横手市の説明は「耐震診断の結果、上部構造評点が0.7未満の住宅をすべて除却し、その敷地内で新たに住宅を建築する工事」というものです。中身は、壊して同じ土地に建て直すことです。
金額は空き家の枠より大きく、対象工事費用の23%で上限100万円。交付要綱では、補助の対象は耐震改築工事に要した費用と定められていて、壊す工事と新しく建てる工事がひとつづきの耐震改築工事として扱われます。どこまでが対象の費用に入るかは、事前相談で確かめてください。
条件は次のとおりです。
- 昭和56年5月31日以前に着工し、いま住んでいる市内の木造の戸建てであること
- 耐震診断の結果、上部構造評点が0.7未満であること(補強で直す耐震改修は1.0未満ですが、建て直す耐震改築はここが厳しくなります)
- その住宅を所有する個人で、市税を滞納していないこと
- 建設業者と耐震改築工事の契約を結ぶ人であること
入口は耐震診断です。横手市木造住宅耐震診断支援事業なら、自己負担額1万円で県に登録された診断士の診断を受けられます。こちらの受付戸数は7戸です。
そして期限です。耐震改築の受付戸数は5戸で、申請期間は令和8年4月20日から11月30日(月曜日)まで。チラシには先着順とあり、戸数に達した場合は期間内でも受付を終えることがあると書かれています。
注意点は空き家の枠と同じです。補助事業の決定通知書を受け取ってから、工事の契約を結んでください。順番が逆になると補助は受けられません。申請の前に事前相談も必要です。
窓口が違う点にも気をつけてください。空き家の2つの枠は市民生活部生活環境課くらしの相談係(電話0182-35-4099)ですが、この耐震改築は建設部建築住宅課指導係(電話0182-35-2224)です。受付場所も本庁舎ではなく、平鹿地域振興局庁舎の2階になります。
いま住んでいる家が古くて、壊して建て直すことを考えている。そういう方は、空き家の枠ではなくこちらが入口です。
※この枠は、2026年8月3日時点の横手市公式サイト(建築住宅課「木造住宅の耐震診断費用の支援または耐震改修・耐震改築費用の一部を補助します」のページ・更新日2026年4月20日と、そこからダウンロードできる横手市木造住宅耐震改修等補助金要綱・事業チラシ)で確認しました。
対象にならない・受付に間に合わなかった人の現実的な選択肢
特定空家等と認められるほどではない。所得の条件で外れた。その他の枠は今年度もう終わっていた。建て直す予定もない。そういう場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や、出た廃材の処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社に同じ内容で相見積もりを取ると、数十万円変わることは珍しくありません。
横手市や近くの秋田県内で解体に対応できる業者を、まず2〜3社あたってみてください。内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べると、どこが高いのかが見えてきます。木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です。解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています。費用が心配なときに確認したい順番は解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています。
▶ 横手市と秋田県内の解体業者を、同じ内容で比べるなら:解体工事比較ナビ(解体業者の一括見積もり・無料)で、解体業者への一括見積もりを依頼できます。(※横手市の補助を使うなら、市内の業者という条件と、所得の条件があります。見積もり先を決める前に確認してください)
▶ 壊すか、直して使う・貸すかで迷っているなら、直す場合の費用も無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)(※まだ十分に使える家なら、壊さずに直して住む・貸すという道もあります。実家や空き家を活かす補助は実家・空き家リフォームの補助金で整理しています)
よくある質問
ただ古いだけの空き家でも、解体費の補助は出ますか?
横手市の解体補助は、市が「特定空家等」と認めた危険な空き家か、雪害などで傷んで緊急・予防的な取り壊しが必要と認められた空き家が対象です。古くても、まだ十分に使える状態の家は対象になりにくいのが実情です。ただし、いまその家に住んでいて、壊して同じ敷地に建て直すつもりなら、耐震改築の枠(対象工事費用の23%・上限100万円)が入口になります。こちらは建築住宅課(電話0182-35-2224)です。自分の家が対象になりそうかは、まず生活環境課(電話0182-35-4099)に一度相談してみてください。
上限50万円の「その他の空家等」の枠は、今からでも使えますか?
令和8年度は、その他の空家等の枠は交付申請の額が予算に達したため、受付を終了しています。来年度も同じ制度が用意されるかは市の発表を待つことになり、来年度の受付時期も公表されていません。この枠は、更地にした土地を公共・公益の用途に使うことが条件なので、土地を売りたい方には向きません。条件を確認したうえで、来年度に向けて準備しておくとよいでしょう。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。横手市の補助は、交付決定より前に契約や工事の着手をした場合は対象外です。これから解体する方は、必ず見積り・申請から始めて、審査、交付決定、契約・着工の順で進めてください。契約の前に、まず生活環境課へ相談するのが安全です。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで考えるのが安全です。
まとめ
- 横手市の空き家向けの解体補助は2種類。動いているのは特定空家等の枠で、対象経費の30%・上限15万円(5月11日〜10月30日・受付中)
- 上限50万円の「その他の空家等」の枠(経費の50%)は、令和8年度は予算に達して受付終了。更地を公共の用途に使う条件がある
- いま住んでいる家を壊して同じ敷地に建て直すなら、名前は耐震改築だが中身は解体して建て替える工事。対象工事費用の23%・上限100万円で、令和8年11月30日まで5戸(建築住宅課・0182-35-2224)
- 特定空家等の枠には、世帯の主たる生計維持者の前年の合計所得460万円以下という条件がある(扶養1人につき38万円加算)
- どちらの枠も、施工は市内の解体業者に限られ、契約・着工は必ず交付決定の後。先に契約すると補助は消えます
- 対象外や間に合わなかった場合は、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手です
あわせて読みたい


コメント