工事中に職人へトイレを貸すか|貸す・貸さないの伝え方を元大工が中立解説

業者選び・費用相場

工事が始まる前に、ひとつ決めておくことがあります。職人にトイレを貸すかどうかです。

貸す義務はありません。貸してはいけない決まりもありません。どちらを選んでも構わない代わりに、決めずにいるといちばん困ります。

元大工のおさむが、決め方と伝え方を中立に整理します。

業者の側はどう考えているか

現場に入る人数と工期で、業者の準備が変わります。

人数が多い現場や、何か月も続く工事なら、業者が仮設トイレを用意することがあります。見積書に仮設の項目が立っていれば、そこに含まれているはずです。

一方、数日で終わる小さな工事では、仮設を置かないのがふつうです。職人は近くのコンビニや公共施設を使うか、休憩のたびに移動します。

つまり工期が短いほど、施主の判断が効いてきます。

工事中に職人へトイレを貸すかどうかの決め方を示した図。どちらでも構わず、決めて伝えるかどうかが要点。貸さないなら、代わりの場所を一緒に伝える。いちばん近いコンビニとそこまでの道を口で伝えれば足り、理由は足さなくてよい。方針として、で通る。貸すなら、どこを、どう通って、どこで洗うかを決める。トイレが2つあるなら片方を使ってもらう形にできる。摩擦が出やすいのは経路で、靴の脱ぎ履きの手間になる。伝える相手は現場の職人ではなく工事の担当者。職人は日によって入れ替わるが、担当者に言えばその日に来る人へ伝わる。伝えるのは着工の前に一度だけ。当日に言うほうがお互い気まずくなる。電気や水道の使い方と同じ場面で決まる。曖昧なまま進むほうが気疲れを生む。貸す義務はなく、貸してはいけない決まりもない。

貸さないと決めたとき

こちらのほうを先に書きます。言い出しにくいと感じる場面があるからです。

伝え方は短くて構いません。

  • うちのトイレは使わない形でお願いします
  • 近くだと、あのコンビニと、あの公園に使えるところがあります

断ることより、代わりの場所を一緒に伝えるほうが、現場は動きやすくなります。

言いにくければ理由を足さなくて大丈夫です。方針としてそうしている、で通ります。

先に言わずに、当日「使わないでください」となるほうが気まずくなります。着工の前に伝えておくのが、お互いにとって楽です。

貸すと決めたとき

貸すなら、場所と使い方を具体的に決めておきます。

  • どのトイレか|2つあるなら、片方を使ってもらう形にできます
  • 入り口の経路|土足のまま入れる動線があるか。無いなら、そこで養生や履き替えが要ります
  • 手を洗う場所|洗面所を使うのか、屋外の水栓でいいのか

いちばん摩擦が出やすいのは、経路のほうです。作業の途中で靴を脱ぎ履きするのは手間なので、そこが決まっていないと足が遠のきます。

タオルを置くかどうかも決めておいてください。ペーパータオルを置いておく形にすると、お互いに気を使わずに済みます。

屋外の工事と屋内の工事で違う

外壁塗装や屋根の工事は、家の中に入らずに進みます。そのぶんトイレの話が浮きやすい場面です。

住んでいる家なら、日中に誰かいるかどうかで話が変わります。留守にする日が多いなら、そもそも貸せないので、業者にその前提を先に伝えておきます。

屋内の工事なら、職人が家の中で作業しているので、トイレの場所も自然に伝わるはずです。ただし水回りを工事しているときは、そのトイレ自体が使えない日も出てきます。

そもそも、なぜ迷うのか

この話が難しいのは、断ると冷たいと思われないか、という不安が先に来るからです。

けれど現場の側から見ると、決まっていないことのほうが困ります。使っていいのか分からないまま半日過ごすより、最初に線が引かれているほうが動きやすいものです。

断ること自体が失礼になるのではなく、曖昧なまま進むことが、お互いの気疲れを生みます。

貸さない場合に、代わりに伝えられること

代わりの場所を伝えるとき、具体的なほど助かります。

  • いちばん近いコンビニと、そこまでの道
  • 公園や公共施設で使えるところ(ある場合)
  • 車で出やすい時間帯(道が混む時間があれば)

地図を書く必要はありません。口で「あの信号を左」と言えるだけで十分です。

近所への挨拶で一緒に回るなら、そのときに目に入る場所を覚えておくと、そのまま伝えられます。伝え方の作り方は解体工事の近所挨拶にまとめました。

仮設トイレを置く工事の場合

解体工事や、大きな増改築では、敷地に仮設トイレが立つことがあります。

その置き場所は、こちらにも関わる話です。隣家の窓の正面や、通りから丸見えの位置に立つと、近所の側が気にします。

どこに置くかは、着工の前に図で見せてもらえるはずです。気になる場所があるなら、そのときに言っておくほうが、あとから動かすより簡単です。

費用が見積書のどこに入っているかも、同じ場面で確かめられます。仮設の項目に入っていることがあります。

決めたことを、どこで伝えるか

伝える相手は、現場の職人ではなく工事の担当者(現場監督や営業の窓口)です。

職人は日によって入れ替わります。担当者に伝えておけば、その日に来る人へ引き継いでもらえます。

電気や水道の使い方と同じ場面で決まる話なので、まとめて伝えるほうが早いでしょう。あわせて決めることはリフォーム工事中の電気と水道は誰が払うにまとめました。

よくある質問

Q. 貸さないと、仕上がりに影響しますか

影響しません。出来上がりを左右するのは腕と管理のほうです。気になるなら、途中で中を見せてもらう日を作るほうが確かです。

Q. 女性の職人が来る場合はどうすればいいですか

決め方は同じです。貸す・貸さないのどちらでも構いません。ただ、貸さないと決めたなら、近くの使える場所をより具体的に伝えておくと親切です。

Q. 掃除はどちらがしますか

貸すと決めたなら、こちらで見ることになります。気になるなら、そもそも貸さない形を選ぶほうがすっきりします。

Q. 差し入れと同じで、出さないと雰囲気が悪くなりませんか

なりません。はっきりしているほうが動きやすい、というのが現場の実際です。差し入れそのものの考え方はリフォーム職人への差し入れは何がいいに書きました。

まとめ|どちらでもいい。決めて伝えるかどうかだけ

貸すか貸さないかに、正解はありません。

貸さないなら、代わりの場所を一緒に伝える。貸すなら、どのトイレか、どの経路か、手はどこで洗うかまで決める。

そして伝える相手は現場の職人ではなく、工事の担当者です。着工の前に一度伝えておけば、その先は考えなくて済みます。

ペットがいる家なら、同じ打ち合わせで伝えておくことをリフォーム中のペットはどうするにまとめました。

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