リフォーム工事中の電気と水道は誰が払う|契約の前に決めておく4つを元大工が中立解説

業者選び・費用相場

工事が始まると、職人は家の中のコンセントを使います。水も使います。

その分の電気代と水道代は誰が持つのか。先に結論です。多くは施主の家のものをそのまま使い、そのぶんは施主の負担になります。ただし、そう決まっているわけではありません。

解体や下地の現場に見習いで入っていたおさむが、契約の前に決めておくことを中立にまとめます。

ここでは金額を書きません。工事の中身と期間で大きく動くうえ、うちには数字を断定できる材料がないためです。書くのは、誰が持つのかの決め方と、先に決めておくと揉めないことです。

現場で何に使っているのか

そもそも何に使うのかが分かると、量の見当がつきます。

  • 電動工具|丸のこ、インパクト、集じん機。動かすのは作業しているあいだに限られます
  • 照明|壁を塞いだあとの部屋は昼でも暗いので、仮設の照明を点けます
  • 水|道具を洗う、手を洗う、左官やタイルの材料を練る、掃除に使う

いちばん量が出るのは、エアコンや大きな機械を使う工事です。塗装の乾燥や、床暖房の試運転のように、機械を長く動かす工程があるときは、そこだけ別に聞いておくと見当がつきます。

誰が持つのが普通なのか

住みながらのリフォームでは、家の電気と水道をそのまま使うのが一般的です。メーターが1つしかないので、分けて測れないからです。

空き家や、住んでいない家の工事では話が変わります。止めてあるライフラインを、工事のために開けるかどうかという判断が先に来ます。

止めるか開けるかの考え方は空き家の電気・ガス・水道は止めていい?にまとめました。

いずれにしても、決まりで決まっているのではなく、契約でどう決めたかの話です。だから契約の前に確かめます。

契約書に書いておくと揉めません

建設業法の第19条第1項は、請負契約を結ぶときに書面へ記載する事項を並べています。そのなかに、注文者が工事に使う資材を提供したり、機械を貸したりするときは、その内容と方法を定めると書かれています(十号)。

電気や水道がこの号に当たるかどうかは、条文だけでは決まりません。ただ、施主の側が出すものについては紙に書いておく、という考え方は同じです。

口頭で「使っていいですよ」と言うだけでも工事は進みます。困るのは、終わってから請求書を見て驚くときです。

先に決めておく4つ

リフォーム工事中の電気と水道について、着工の前に決めておく4つを示した図。1つ目はコンセントで、使っていい場所を決めて伝える。家じゅうどこでもだとブレーカーが落ちるので、落ちてほしくない回路を先に伝えておく。2つ目は水の取り口で、屋外の水栓があるならそこから取る。室内の水回りの工事中は使えないこともある。道具を洗う、材料を練る、掃除にも使う。3つ目は長く回す工程で、機械を長く動かす日があるか。塗装の乾燥や試運転がこれに当たり、あるならどちらが持つかを先に決める。4つ目は留守のあいだの扱いで、鍵と一緒にどこまで使っていいかを伝える。トイレや駐車の場所も同じ場面で決まる。決まりではなく、契約でどう決めたかの話。注文者が提供するものの定めは、書面に記載する事項とされている。

1. どのコンセントを使うか

家じゅうどこでも使っていい、という伝え方だと、冷蔵庫と同じ回路から取られてブレーカーが落ちることがあります。

使っていい場所を決めて、落ちてほしくない回路を先に伝えておきます。

2. 水はどこから取るか

屋外の水栓があるなら、そこを使ってもらう形が楽です。室内の水回りを工事しているときは、そもそも使えないこともあります。

3. 長く機械を動かす工程があるか

ここだけは見積もりの段階で聞いておく値打ちがあります。あるなら、その分をどちらが持つかを先に決めます。

4. 留守にするあいだの扱い

日中いないなら、鍵と一緒に、電気と水をどこまで使っていいかも伝えておきます。

鍵の預け方や連絡先の決め方はリフォーム職人への差し入れは何がいいの後半にも書きました。

請求されることはあるのか

工事のために使った電気と水道を、あとから業者が請求してきたという話は、あまり聞きません。逆に、施主が業者へ請求するという形も、あまり聞きません。

ただし空き家のように、工事のためだけに開栓する場合は別です。開栓の手数料と基本料金が発生するので、それをどちらが持つかは、契約の前に決める話になります。

仮設の電源を別に引く工事もあり、その場合は見積書に仮設の項目が立ちます。そこを見れば分かるでしょう。

見積書の読み方はリフォーム見積もりの見方に整理しています。

ガスはどう扱うか

電気と水道に比べると、ガスは現場で使う場面が限られます。

ただし給湯器やコンロを入れ替える工事では、いったん止めて、つなぎ直す作業が入ります。この日はお湯が使えません。

いつ止まって、いつ戻るのか。ここは電気や水道よりも、生活に直に響きます。工程表をもらっているなら、その日に印を付けておくと段取りしやすいでしょう。

つなぎ直しを誰が行うのか、その費用が見積書のどこに入っているのかは、着工の前に確かめておきます。

住みながら工事をするときに、あわせて決めること

電気と水道の話をするなら、同じ場面で決まることがいくつかあります。まとめて聞いておくほうが早いです。

  • トイレを使えるか|使えるなら、どのトイレか。使えないなら、職人はどこへ行くのか
  • 駐車の場所|停める場所が決まっていないと、朝はそこを探すところから始まってしまいます
  • ごみの置き場|出た端材をどこに置くか。家庭のごみと混ざらない場所を決めます
  • 作業の時間帯|何時から何時までか。近所への説明とも関わります

どれも、当日に決めるより先に決めたほうが早い話ばかりです。

近所への伝え方は解体工事の近所挨拶|粗品より先に決めておく3つのことにまとめました。解体の話ですが、伝える中身の作り方は工事の種類が変わっても同じです。

工事が終わったあとに見ておくこと

引き渡しのときに、ひとつだけ見ておくと安心なところがあります。

仮設で使っていたものが、元に戻っているかです。仮設の照明、養生、仮の電源。外し忘れがないかを、部屋ごとに見て回ります。

ブレーカーの位置も、工事の前と同じかを見ます。工事中に落として入れ直していることがあるからです。

水は、しばらく使っていなかった蛇口を開けて、濁りが出ないかを見ておきます。

よくある質問

Q. 工事中の電気代はどのくらい上がりますか

工事の中身と期間で変わるので、ここでは数字を書きません。気になるなら、契約の前に業者へ「長く機械を回す工程はありますか」と聞くのがいちばん早いです。

Q. 使っていいか聞かれませんでした

聞かずに使う業者もいます。それ自体が悪いわけではなく、慣習としてそうなっていることが多いためです。気になるなら、着工の前にこちらから伝えておくと、あとがすっきりします。

Q. 空き家の工事で、水道を開けるよう言われました

工事に水が要るなら必要な手続きです。ただし開栓の手数料と基本料金がかかるので、どちらが持つかを先に決めてください。工事が終わったあとにまた止めるのかも、あわせて決めておきます。

Q. メーターを分けることはできますか

仮設の電源を引く方法はありますが、工事の規模によっては割に合いません。必要かどうかは業者に聞いて、見積書の仮設の項目で確かめます。

工事の音で苦情が来たときの順番はリフォームの騒音で苦情が来たら|謝る前に確かめる3つに整理しています。

トイレを貸すかどうかの決め方は工事中に職人へトイレを貸すか|貸す・貸さないの伝え方に整理しています。

養生費が見積書のどこに立つかはリフォームの養生費とは|見積書のどこに立つか、削れるのかに整理しています。

留守にする日の約束と、家にいたほうがいい日はリフォームの立ち会いは必要?いたほうがいい4つの場面に整理しています。

犬や猫がいる家の置き場所はリフォーム中のペットはどうするに整理しています。

まとめ|金額の前に、使い方を決めておく

工事中の電気と水道は、多くの場合そのまま施主の家のものを使います。決まりでそうなっているのではなく、契約でどう決めたかの話です。

先に決めるのは4つ。どのコンセントを使うか。水はどこから取るか。長く機械を動かす工程があるか。留守のあいだの扱い。

この4つを着工の前に伝えておけば、あとから驚くことは減ります。金額を見積もるより、使い方を決めるほうが先です。

根拠にした出典は、e-Gov法令検索の建設業法第19条第1項です(2026年9月22日に確認)。

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