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「北海道で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直な結論です。北海道(道庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市町村ごとです。しかも道内でそろっていません。札幌市のように市の判定や耐震診断を通らないと入口に立てない市もあれば、率だけなら8割まで出る市もあります。
大事なのは、「金額が大きい市」と「自分が使える市」は別だということ。雪の多い北海道では、人が住まなくなった家は雪の重みや凍害で傷みが早く出やすく、放っておくと危険になりやすい事情もあります。この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、札幌・旭川・帯広・釧路・苫小牧・函館の公式サイトを照合して、出る家・出ない家がすぐ分かるように整理します。
※2026年7月21日時点の各市公式サイト(札幌市のみ2026年7月20日)をもとに、2026年8月3日に再照合しました。開いたのは帯広市の「木造住宅の耐震化に関する補助制度」、苫小牧市の「木造住宅耐震改修等補助金交付事業」のページと同事業の除却工事のご案内(PDF)です。年度・予算で変わるため、申請前に必ず各市の公式ページで最新をご確認ください。
主要6市の早見表【2026年度】

見てのとおり、6市で入口も金額もそろっていません。ポイントは3つ。①空き家向けの枠は、この記事で見た6市ではどれも「市の判定・調査」を通ることが入口で、古い・空き家というだけでは出ない、②帯広市の80%のように率の高い枠は対象が特定空家に限られるが、同じ市に認定の要らない別の枠があることもある、③空き家向けの枠の上限は30万〜50万円だが、札幌市の地域連携型のように条件つきで150万円まで出る枠もある、です。帯広市のように、判定や認定の要らない別の枠を同じ市が持っていることもあるので、自分の市の窓口で確かめてください。
この早見表に並べたのは空き家向けの枠で、市によっては耐震の枠からも解体費が出ます。除却(じょきゃく|取り壊しのこと)は、ひとつずつ、自分の家がどこに当てはまるか当てはめながら読んでください。ここに並べた順番は、使いやすさや金額の順位ではありません。
市ごとの実態|「どこが使えるか」で見る
札幌市|入口が2つ。判定か耐震診断が要る
道内最大の都市ですが、解体費への補助は「古いから」「空き家だから」では出ません。入口が2つに分かれていて、市が危険と判定した空き家の除却(除却費の3分の1・上限50万円)か、旧耐震(昭和56年5月以前)の木造を耐震診断して弱いと出た場合の除却(23%・上限30万円)のどちらかです。跡地を地域の団体に無償で貸す地域連携型なら、除却費の10分の9・上限150万円という手厚い枠もありますが、これは相談と協議が前提の別枠。まず自分がどちらの入口かを、市の判定・診断で確かめるところからです。くわしくは札幌市の解体補助金の記事で整理しています。
旭川市|上限30万円。予算枠が小さく抽選のことも
旭川市の不良空き家住宅等除却費補助金は、住宅性能が著しく低下した空き家の除却が対象です。補助は除却工事費の3分の1・上限30万円。ここで見落としやすいのが、年間の募集予算枠が120万円ほどと小さいこと。受付は短く、2026年度は4月下旬から5月末まで。申請が予算枠を超えると、危険度の高い順に抽選になります。狭い枠を取り合う制度なので、使うつもりなら春先の情報収集が欠かせません。
帯広市|補助率は80%と高いが、特定空家の認定が要る
帯広市の特定空家解体補助金は、対象工事費の80%・上限50万円。率だけ見れば大きい枠です。ただし対象は、市が認定した「特定空家」(住宅地区改良法の基準で評点100点以上など)に限られます。世帯の所得が550万円以下といった条件もあります。
帯広市で解体費が出る枠は、これだけではありません。木造住宅の耐震化の補助のなかに旧耐震住宅除却補助金(除却費用の23%・上限10万円)と旧耐震住宅建替え補助金(建替え費用の23%・上限30万円)があり、こちらは特定空家の認定ではなく耐震診断が入口です。受付は令和8年4月1日から9月30日まで、受付件数は除却が9件・建替えが1件とされています。金額は小さくても、認定を通らない旧耐震の木造にはこちらの受け皿があります。
釧路市|除却費の1/3・上限50万円
釧路市の不良空家等除却補助制度は、倒壊や建材の飛散のおそれがある老朽化した空き家の除却が対象です。補助は除却工事費の3分の1・上限50万円。市の事前調査で「不良住宅」と判定されることが入口で、家財道具の処分費は対象に含まれません。受付は2026年度で4月から年末まで(予算がなくなり次第終了)と、比較的長めにとられています。
苫小牧市|工事費の1/2・上限50万円。所得の条件あり
苫小牧市の空家等解体補助金は、工事費の2分の1・上限50万円。対象は昭和56年5月31日以前に建った空き家などで、前年の所得が230万円以下(世帯が2人以上なら世帯所得400万円以下)という所得の条件があるのが特徴です。アスベストの事前調査費や家財の処分費は対象に含まれません。受付は初夏の短い期間(2026年度は6月から7月末)なので、年度の前半に動くのが安全です。
苫小牧市にはもうひとつ、木造住宅耐震改修等補助金交付事業のなかに除却の枠があります。昭和56年5月31日以前に着工した市内の木造住宅(戸建てまたは併用住宅で、地上2階建て以下の在来軸組構法)のうち、耐震診断の結果が上部構造評点1.0未満などと判断されたものが対象で、除却工事費用の30パーセント・上限50万円。申請の期間は2026年4月1日から8月28日までで、除却工事は事前相談のうえ、書類が整った方から受付とされています。
函館市|1/2・上限30万円。使える地区が決まっている
函館市の空家等除却支援補助金は、屋根や壁、柱が危険な状態で、周辺への影響の緊急度が高いと市が判定した特定空家が対象です。補助は対象経費の2分の1・上限30万円。函館で見落としやすいのが、補助の対象になる地区が決まっていること(産業道路より南の函館山側の範囲)です。まず市の建物調査で対象と判定されてから、はじめて申請に進めます。
この6市以外にお住まいなら
小樽市には特定空家の除却助成があるなど、ここに挙げていない市町村にも独自の制度があります。北海道は市町村の数が多く、道庁のサイトにあるのは「空き家対策の取組方針」が中心で、住民向けに全市町村の制度を一覧にしたページは見当たりません。探し方はかんたんで、「市町村名+空き家 解体(除却)補助金」で検索し、URLが lg.jp などの公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古いことが多いためです。金額の数字より、まず自分の家が対象になるか(築年・空き家か・地区・判定)を公式で確かめてください。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。
どの市でも共通の鉄則
- 工事の契約前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工。先に契約すると1円も出ません
- 危険な空き家や特定空家の補助は、まず市の「判定」や「事前調査」からです。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- どの市も予算がなくなり次第終了。旭川市のように予算枠が小さく抽選になる市もあり、年度前半ほど有利です
- 市内業者限定・所得制限・家財の処分費は対象外など、細かい条件は市ごとに違います。補助金は工事後にあとから振り込まれるので、いったんは自分で立て替える前提で考えておいてください
解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています。
▶ 解体費の内訳を並べて比べるなら:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※市内業者限定の補助を使う市では、見積もり先が条件に合うかも確認してください)
▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較
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よくある質問
北海道(道庁)としての解体補助金はないのですか?
解体費への一律の道補助はありません。北海道の空き家対策は、市町村の取り組みを後押しする方針づくりが中心で、実際の解体補助の窓口は各市町村です。まず家がある市町村の建築・住宅の担当課を調べてください。同じ道内でも、札幌市のように判定・診断が要る市もあれば、危険な空き家の取り壊しそのものに補助が出る市もあります。
札幌市と旭川市では、同じ空き家でも結果が変わりますか?
変わります。札幌市は危険と判定された空き家か、旧耐震の木造を診断して弱いと出た場合が入口です。旭川市は不良空き家の除却に上限30万円ですが、年間の予算枠が小さく抽選になることもあります。住んでいる市の制度しか使えないので、まずは自分の市の窓口が出発点です。
解体すると土地の固定資産税が上がると聞きました
上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで考えるのが安全です。払えるか不安なときの順番は解体費用が払えないときの記事にまとめています。
まとめ
- 北海道の解体補助は市町村ごとで、道の一律制度はない
- 札幌市は危険な空き家か旧耐震木造だけの狭き門(3分の1・上限50万円ほか)。跡地を地域の団体に無償で貸す地域連携型なら10分の9・上限150万円の別枠もある
- 旭川は上限30万円で予算枠が小さく抽選も、帯広は80%・上限50万円だが特定空家の認定が要る(認定の要らない旧耐震向けに除却10万円・建替30万円の枠が別にある)
- 釧路・苫小牧は上限50万円(苫小牧には耐震診断が入口の除却枠もあり、申請は8月28日まで)、函館は上限30万円で使える地区が限定される
- 共通の鉄則は契約前に申請と、業者差の大きい解体費を下げる相見積もり
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