※本記事には、解体・リフォームの一括見積もりサービス等のアフィリエイト広告(PR)が含まれます。
「高知県の実家が空き家のまま。解体に補助金は出る?」
先に結論です。高知県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市町村ごとです。ただ数だけ見れば、高知はかなり恵まれています。県内には11の市がありますが、解体や除却の費用を助ける制度があるのは、11市すべてでした(10市は市の公式ページで、土佐市だけは県の一覧で確認しています。理由は記事の後半に書きます)。
ここからが高知の本題です。上限164万5千円という市がいくつも並ぶのですが、その額がそのまま出るわけではありません。多くの市が「工事費の8割」と「1平方メートルあたりの単価×延べ床面積の8割」を比べて、低いほうを補助額にしているからです。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、11市の公式を1つずつ照合して、金額の決まり方と受付の締切を整理します。確かめられなかったところは、そのまま正直に書きます。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。
※2026年8月1日時点の各市町村公式サイト・交付要綱等にもとづきます(高知市・南国市は当サイトの各市記事もあわせてご覧ください)。年度・予算で変わり、年度の途中で受付が終わることもあるため、申請前に必ず各市町村の公式ページや窓口でご確認ください。※この記事で扱うのは、平常時の空き家の解体補助です。災害で被害を受けた住宅の解体は別の枠組みで扱われることがあるため、その場合はお住まいの市町村の窓口へ直接ご相談ください。
主要5市の早見表【2026年度】

人口の多い5市(高知県推計人口・令和8年7月1日現在)を並べました。率はどこも8割が基本です。ここは高知の制度がよく揃っているところで、市によって手取りが変わる岩手のような割れ方はしていません(あとで出てくる安芸市には、空き家住宅・空き建築物のルートに3分の2の率もあります)。
割れるのは上限額のほうです。164万5千円が高知市・香南市・香美市、100万円が四万十市、92万5千円が南国市。ただ、この上限額を見比べても、自分がいくらもらえるかはまだ分かりません。
効いてくるのは、次に書く計算のしかたと、受付の締切です。
「上限164万5千円」がそのまま出るわけではない
高知の除却補助は、多くの市が同じ形をしています。
- (1) 除却工事費 × 8割
- (2) 1平方メートルあたりの単価 × 延べ床面積 × 8割
この2つを比べて低いほう、そこに上限額がかぶさる、という三段構えです。上限額は最後のフタにすぎません。
そしてこの単価が、市によって2倍以上ちがいます。木造で見ると、宿毛市が1平方メートルあたり1万5千円、高知市が2万2千円、安芸市が3万3千円、室戸市・須崎市・香南市が3万6千円(各市の公式・2026年8月1日照合)。
数字を入れてみます。延べ床100平方メートルの木造なら、高知市の(2)は176万円。上限164万5千円のほうが低いので、そこで頭打ちです。同じ広さでも宿毛市の(2)は120万円で、上限160万円には届きません。
つまり上限額の大きい市が必ず有利、とは限らないということです。動き出す前に、自分の家の延べ床面積を先に調べてください。登記事項証明書か、市役所で取れる名寄帳(なよせちょう=その人が持っている不動産の一覧)に書いてあります。
ちなみに高知市と香南市の単価は年度で動きます。香南市は市のページに「36,000円(木造)は令和8年度の単価です」とわざわざ書いてありました。去年の数字で計算しないほうがいいということです。
主要5市の中身|金額・入口・受付
人口の多い順に、5市の中身を見ていきます。
高知市|8割・上限164万5千円。入口は「評点100点以上」の判定
高知市老朽住宅等除却事業費補助金は、除却工事費に0.8を掛けた額と、1平方メートルあたり22,000円に延べ床面積と0.8を掛けた額を比べて、少ないほうが補助額。上限は1,645,000円で、千円未満は切り捨てです。
対象は3つの条件を全部満たす家です。避難路の沿道または住宅が立ち並ぶ地域にあること、老朽度の評点が100点以上、そして昭和56年5月31日以前に着工された空き家であること。市の職員が現地に来て、外から目で見て評点を付けます。中には入りません。
この判定が先です。事前確認の申請は年中受け付けていて、結果が出るまで1か月ほどかかると市が書いています。令和8年度の交付申請は4月16日から。実績報告の提出期限は令和9年1月29日です。
順番の決まりもはっきりしています。市のページには「交付決定を受ける前に契約をして工事を行ったものについては、補助金の対象となりません」とあり、決定通知を受け取った翌日からおおむね1か月以内に契約するようにと書かれています。条件と申請の流れは高知市の解体補助金の記事で細かく整理しました(建築指導課・088-823-9470)。
南国市|8割・上限92万5千円。傷みの重い順に選ばれる
南国市老朽住宅除却事業費補助金は、除却工事費の80%と、基準額(年度により変動)に延べ床面積と0.8を掛けた額の少ないほう。上限は925,000円です。県内の市では低いほうですが、その分ここは入口の話が大事になります。
対象は昭和56年5月31日以前に建てられた木造の空き家で、評点100点以上。倉庫だけ、納屋だけは対象外で、現地調査のときに浴室・炊事場・トイレがあるかを確認されます。住宅だったかどうかを見ているわけです。
そして条件を満たしたもののなかから、危険度で優先順位を付けて決めます。申請期間は令和8年5月19日から6月30日まで(20棟程度)。この第1弾が閉じたあと、7月1日から予算上限に達するまで、先着順で5棟程度の枠が続きます。市のページは2026年7月1日付で「募集期間を延長します」と出していて、2026年8月1日時点ではこの先着の枠が動いています。
南国市で気をつけたいのは、待つものが「交付決定」ではなく「補助対象事業の認定通知」だという点です。案内には「事業認定が下りる前に工事に着手している場合は、補助金の交付はできません」と書かれています。詳しくは南国市の解体補助金の記事にまとめました(住宅課・088-880-6558)。
香南市|8割・上限164万5千円。受付が1月まで開いている
香南市老朽住宅等除却事業費補助金は、除却工事費に0.8を掛けた額と、木造36,000円に延べ床面積と0.8を掛けた額の少ないほうで、上限164万5千円。単価は11市の中では高いほうなので、上限まで届きやすい市です。
対象は「老朽度の判定基準」の評点が100以上で、倒壊などにより避難路等をふさぐ可能性、または延焼で近隣住民に影響するような場所にある空家住宅等。受付は令和8年4月21日から令和9年1月7日、または予算上限に達するまでで、事前相談は随時受け付けています。
ひとつ条件が変わっています。その土地で以前にこの補助金、または香南市危険廃屋解体撤去事業費補助金の交付を受けていないこと。同じ土地で二度は使えない、ということです。申請年度の2月末日までに事業を終えることも条件に入ります(住宅政策課・0887-57-7536)。
四万十市|8割・上限100万円。申込が多いと抽選
四万十市の老朽住宅等除却は、除却費用の8割で上限100万円。対象は昭和56年5月31日までに建築された住宅等(空き家に限る)で、倒壊や火災により周囲の住宅や避難路等に被害を及ぼすおそれのあるもの、そして市の測定基準で老朽住宅等として認定されたものです。
この市の特徴は受付の形です。申込が多数になった場合、令和8年度の事業は抽選で対象者を決めます。市のページを確認できた10市のなかで、抽選と明記していたのはここだけでした(土佐市は受付の方式そのものが確かめられていません)。
そして受付が短いです。4月1日から5月15日まで。しかも先に「認定申請」で老朽住宅等として認定してもらい、認定されてから補助申請に進む二段構えなので、思い立ってからの助走が要ります(防災まちづくり課まちづくり係・0880-34-8150)。
香美市|8割・上限164万5千円。ただし延べ床30平方メートル以上
香美市老朽住宅除却事業補助金は、除却工事費の80%で1,645,000円までを上限に補助します。市のページには「除却工事費が100万円であれば80万円の補助が受けられます」という例まで書いてありました。
この市だけ、計算の形が違います。交付要綱の第5条は「1,645,000円を限度とし、除去工事費に10分の8を乗じて得た額」とだけ定めていて、面積に単価を掛ける計算がありません。そのかわり第4条で、対象は緊急輸送道路や避難路の沿道、住宅が立ち並ぶ地域にある老朽住宅で、延べ床面積30平方メートル以上と決めています。小さな離れは入らないということです。
募集は17件程度、期間は2026年5月11日から2027年1月29日まで。対象物件になるか事前調査が必要なので、申請前に窓口へ相談してくださいと書かれています。県税と市税の滞納がない証明は、申請日前3か月以内に発行されたものが必要です。
もうひとつ正直に書いておきます。交付要綱の附則2には「この告示は、令和9年3月31日限り、その効力を失う。ただし、同日までに交付の決定がなされた補助金については、同日後も、なおその効力を有する」とあります。今年度いっぱいまでの定めだということです。来年度以降も続くかどうかは、住宅政策課に確かめてください(住宅都計係・0887-53-3114)。
残りの6市|土佐・須崎・宿毛・安芸・土佐清水・室戸
主要5市のほかにも、6市すべてに解体や除却の補助があります。
- 土佐市:老朽住宅の除却に上限100万円の補助があります。⚠️正直に書くと、今回そこまでしか確かめられませんでした。土佐市のウェブサイトは、人以外のアクセスを止める仕組みが働いていて、通常のアクセスでも別経路でも本文が開けません(2026年8月1日に何度か試しています)。上限100万円と担当課は、高知県の「補助金市町村別一覧表(空き家・がけ地関係)」(令和8年4月1日現在)の土佐市の行にある数字です。補助率・受付期間・着手のタイミング・対象外になる費用は、市のページで裏が取れていないので書きません。土佐市は電話から始めてください(防災対策課・088-852-7607)
- 須崎市:須崎市老朽住宅等除却事業費補助金は、除却工事費の8割と、(木造36,000円、非木造51,000円)×延べ床面積の8割の少ないほうで、上限1,645,000円。受付は令和8年6月1日から6月30日までの1か月だけで、そのなかから危険度で優先順位を決めます。敷地内の立木や工作物を含めて建築物をすべて除却する工事が条件です。市は「建物の除却により、翌年度から土地の固定資産税額が増額になる場合があります」と自分のページで注意も書いています(防災課・0889-42-1236)
- 宿毛市:宿毛市危険老朽空き家除却事業補助金は、解体費用と、延べ床面積に1平方メートルあたり15,000円を掛けた額の、いずれか少ない額の5分の4以内で上限160万円。単価は今回見た11市の中でいちばん低いので、上限160万円に届くのはかなり大きな家に限られます。募集は14件程度、受付は令和8年5月1日から6月30日まで。申込書は都市建設課で配布しています。⚠️検索で出てくる市の専用ページは今回404で開けず、令和8年度の内容を確認できたのは市の広報誌「広報すくも」2026年5月号でした。ページを探して迷うより、電話が早いです(都市建設課・0880-62-1251)
- 安芸市:安芸市老朽住宅等除却事業補助金は、上限1,675,000円。市の中ではここが最高ですが、県の一覧(令和8年4月1日現在)を町村まで見ると、東洋町・芸西村・本山町・大豊町・津野町・四万十町も同じ1,675,000円です。ただし交付要綱の別表第3を見ると、率が2本に分かれています。木造で評点100点以上の「老朽住宅」なら、経費と33,000円×延べ床面積の少ないほうの5分の4。使われていない「空き家住宅・空き建築物」なら3分の2で、こちらは除却後の跡地が1年以上、地域活性化のための計画的利用に供されることが条件に入ります。工事を頼めるのは高知県内の建設業者または解体工事業者。市のページには「安芸市からの補助金交付決定を受ける前に事業に着手した場合は、補助金が交付されません」とあり、予算上限に達したら締め切ると書かれています(危機管理課・0887-37-9101)
- 土佐清水市:老朽住宅除却事業費補助金は、除却工事にかかった費用の10分の8以内で上限120万円。交付要綱の第6条は、除却工事費と、延べ床面積に毎年国土交通省が示す不良住宅の除却費の単価を掛けた額の少ない額に10分の8を掛ける、と定めています。市のページにも「延べ床面積により上限が下がる可能性があります」と正直に書いてありました。対象は1年以上使われていない空き家で、評点100以上。受付は令和8年4月1日から4月17日までで、そのあと審査会を開いて優先順位を決める形。第1回の審査会の状況で予算に余裕があれば、5月以降も随時受け付けるとあります(危機管理課・0880-87-9077)
- 室戸市:室戸市老朽住宅除却事業費補助金は、除却工事に要する補助対象経費×80%と、国が示す標準除却費(木造36,000円、非木造51,000円)×床面積×80%のどちらか少ない金額で、上限164万5千円。市の案内には工事費100万円なら補助80万円、300万円なら上限の164万5千円、という例まで載っています。令和8年度は15件程度の予定で、受付は5月1日から12月25日まで。ただし「判定により倒壊の危険性が高い順に採択となります」とあるので、早く出せば通るわけではありません。離れ(居室のみ)や倉庫・工場・店舗・車庫の単独除却は原則対象外、住宅の一部取り壊しや残置物の撤去費も対象外です(財産管理課建築住宅班・0887-22-5122)
受付はいつまで?11市が5つに分かれる

高知でいちばん多いつまずき方は、たぶんこれです。夏に思い立って調べ始めたら、もう今年度の受付が終わっていた、というやつ。
11市のうち4市は、6月末までに受付を閉じます。土佐清水市が4月17日まで(そのあとは予算に余裕があれば随時)、四万十市が5月15日まで、須崎市と宿毛市が6月30日まで。
南国市はこの4市と形が違います。5月19日から6月30日までの第1弾(20棟程度)が閉じたあと、7月1日から予算上限に達するまで先着順で受け付けると、市のページに書かれています。夏に気づいた人でも、まだ間に合う市です。
逆に長いのが室戸市の12月25日、香南市の令和9年1月7日、香美市の令和9年1月29日。同じ県内で、締切に9か月以上の開きがあることになります。
高知市と安芸市は、終了日そのものが書かれていませんでした。安芸市は予算上限に達したら締め切ると書いてありますが、その日がいつ来るかは分かりません。土佐市は、市のウェブサイトが今回どうしても開けず、受付期間そのものを確認できていません。締切が読めない市こそ、先に電話です。
もうひとつ。締切に間に合っても、順番が「早い者勝ち」とは限りません。室戸市・南国市・須崎市・土佐清水市は、傷みの重さや危険度で優先順位を決めると公式に書いています(南国市の7月1日からの追加枠だけは先着順です)。四万十市は抽選です。急いで出したのに落ちることもあれば、遅く出しても通ることもある、ということです。
耐震の補助と、解体の補助は別ものです
高知は南海トラフ地震への備えで、住宅の耐震化を助ける制度がとても厚い県です。県のまとめには、耐震診断・耐震設計・耐震改修・段階的耐震改修・ブロック塀まで、市町村ごとの上限額がずらりと並んでいます。
ここで混ざりやすいのですが、耐震の補助は「直して住み続ける」ためのもので、壊す費用には出ません。ここまで見てきた老朽住宅の除却補助とは、別の財布だと思ってください。
例外がふたつあります。高知市と南国市には、耐震の枠のなかに「木造住宅の除却」の補助があります。高知県の「住宅耐震化促進事業 市町村補助上限額等一覧(耐震関係)」(令和8年7月1日現在)で木造住宅除却の欄に印が付いているのは、11市のうちこの2市だけでした(ほかは四万十町)。
中身も老朽住宅の除却とはまったく違います。高知市は除却工事費の23%、22,000円×延べ床面積の23%、300,000円の3つを比べていちばん少ない額。南国市も23%で、単価は39,900円、上限は同じ300,000円です。どちらも上限30万円で、老朽住宅の除却補助(164万5千円・92万5千円)とは桁が違います。
入口は2市で分かれます。高知市の耐震枠は、対象を空き家に限っていません。市のページの対象住宅は「昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅」で、申請できるのは建物の所有者または所有者の家族です。南国市の同じ枠は、市のページが対象を「南国市内に存する住宅(空き家)」と書いていて、こちらは空き家に限られます。同じ名前の制度でも、入口は同じではないということです。
どちらの市も、耐震診断で上部構造評点の最小値が1.0未満と出た木造住宅、または「旧耐震基準の木造住宅の除却における容易な耐震診断調査票」で市が倒壊の危険性ありと判断した住宅が対象です。2市とも、老朽住宅の除却補助との併用はできません。
追記(2026年8月9日)|南国市のこの枠は、いま再募集が出ています
市のページに「※キャンセルが出たため、再募集を行います※」とあり、再募集期間は令和8年7月13日から8月14日(金)17時まで、再募集棟数は1棟です。申込が複数あれば抽選で、結果は8月17日(月)以降に順次通知。対象になった場合は8月31日までに事業認定書類一式を出し、12月25日までに工事を終えて実績報告まで済ませる必要があります。日程が詰まっているので、申し込みと並行して業者の見積もりを取り始めておいたほうがいいです。郵送の場合は8月14日必着。窓口は住宅課(088-880-6558)です。
まだ住んでいる家で、耐震か解体かで迷っている段階なら、直す側の費用も並べてから決めたほうがいいです。目安は木造住宅の耐震補強の費用と補助金にまとめています。
県の一覧と、市の公式が少しずれているところ
高知県は市町村の補助制度を一覧にしたPDFを公開しています。「住宅耐震化促進事業費補助金に係る市町村の対応状況一覧(空き家・土砂災害対策)」で、令和8年4月1日現在の内容です。県のページでは「補助金市町村別一覧表(空き家・がけ地関係)」の名前で載っている、同じ資料のこと。当たりをつけるにはとても便利です。
ただ、市の公式と突き合わせると、そのまま信じないほうがいいところが出てきました。隠さず書きます。
ひとつめ。県の一覧の備考に、土佐清水市だけ「R8年度はエリアを限定して実施予定」と書かれています。ところがこの備考は、土佐清水市の行全体にかかる1つのセルです。老朽住宅除却と民間空き家活用のどちらについての注記なのかは、一覧からは読み取れません。市のページ(2026年3月6日)にも区域を限る記載は見当たらず、書かれているのは受付期間と審査会のことだけでした。一覧は令和8年4月1日現在、こちらの照合は2026年8月1日時点です。土佐清水市で解体を考えているなら、家の場所が対象になるかを危機管理課に直接聞いてください。
ふたつめ。宿毛市は、検索の上位に出てくる市の専用ページが今回404で開けませんでした。県の一覧には上限160万円で載っていて、市の広報誌には令和8年度の受付が載っています。金額は一致していますが、ウェブで確かめようとすると行き止まりになります。都市建設課へ電話するのが確実です。
みっつめ。土佐市は、市のウェブサイトそのものが開けませんでした。人以外のアクセスを止める仕組みが入っていて、通常のアクセスでも別経路でも本文が出てきません。県の一覧には防災対策課・088-852-7607・上限100万円と載っているので制度はあります。ただ、受付期間も補助率も市のページで裏が取れていないので、この記事には書いていません。土佐市で解体を考えているなら、防災対策課へ電話するところからです。
よっつめは細かい話ですが、実用的です。県は空き家の一覧と耐震の一覧を別々に出していて、四万十市の防災まちづくり課の番号が、空き家の一覧では0880-34-8150、耐震の一覧では0880-34-1809になっています。一覧の番号を鵜呑みにせず、市のページに載っている番号を使ってください。
この記事にない町村にお住まいなら
高知県は11市17町6村の34市町村です。この記事では11市を全部見ましたが、町村にも制度があります。
県の一覧の「老朽住宅除却」の欄に金額が載っているのは21町村で、100万円から167万5千円まで幅があります。市に見劣りしません。金額が載っていないのは大川村と梼原町のふたつでした。ただしどれも一覧の記載なので、実際の条件と今年度の受付は町村の窓口で確かめてください。
探し方はかんたんです。「町村名+老朽住宅 除却 補助金」で検索して、町村の公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古く、いまは受付が終わっている制度を受付中のまま載せていることがあるためです。高知の場合は「解体」より「除却」で探したほうが当たります。制度の名前がどこも「老朽住宅除却」だからです。
高知県(県庁)としての一律の解体補助はありません。県の役割は、市町村の制度をまとめて紹介することや、空き家の相談窓口の案内です。解体費そのものの補助があるかどうかは、家がある市町村の窓口が出発点になります。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。
どの市町村でも共通の鉄則
- 工事を始める前に、まず市に申し出ること。11市のうち、先に着手すると補助が出ないと言い切っていたのは6市(高知市・室戸市・安芸市・南国市・須崎市・香南市)。土佐清水市は「事業の着手前に申請しなければならない」という条文の形でした。残る4市(宿毛市・四万十市・香美市・土佐市)は、今回見た文書の範囲では着手の時期をはっきり書いた文が見当たりません(土佐市はそもそも市のページを開けていません)。それでも向きは同じです。先に業者と契約してしまうのが、いちばんもったいないつまずき方になります
- まず「評点」の判定を受けるところから始まります。高知の制度はほぼ全市が老朽度の評点100点以上を条件にしていて、判定は市の職員が外から目で見て行います。ここで落ちれば話は先に進みません。だから最初の一歩は業者探しではなく、事前調査や事前確認の申し込みです。草木が茂っていると判定できないので、先に刈っておくよう書いている市もあります
- 頼む業者にも条件があります。ほとんどの市が、建設業法の許可を受けた建設業者か、建設リサイクル法の登録を受けた解体工事業者に限っています。安芸市は「高知県内の」と地域も限定していました。相見積もりはぜひ取ってほしいのですが、比べる相手は条件に合う業者どうしにしてください。見積もりをもらったら許可番号や登録番号を聞いて構いません。きちんとした業者なら、聞かれて嫌がることはまずありません
- 家財道具の処分費は、解体の補助とは別枠のことが多いです。南国市は「家財、門、塀、立木等の除却処分費は対象となりません」、室戸市も残置物の撤去費は対象外と明記しています。長く空いていた実家ほどここが膨らむので、解体の見積もりを取るときに残置物の処分費がいくら乗っているかは必ず分けて聞いてください
- 立て替えが不安なら「代理受領」を聞いてみる。高知市・南国市・須崎市・土佐清水市などが用意している仕組みで、補助金を市から解体業者へ直接支払ってもらう形です。使えれば、自分が業者に払うのは工事費と補助金の差額だけで済みます。使えるかどうかは市と業者の両方に確認してください
- 更地にすると土地の固定資産税が上がる場合があります(住宅用地の特例が外れるためです)。須崎市のページにも、建物の除却により翌年度から土地の固定資産税額が増額になる場合があると書かれています。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで、税の窓口にも確認しながら考えるのが安全です
解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。差を生むのは家そのものより、まわりの条件。前の道が細くて重機が入らない、隣家との隙間がない。そうなると手壊しの割合が増えて、日数も人手も膨らみます。高知は谷沿いや海沿いの集落、細い路地に面した家も多いので、ここは効きます。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、同じ工事でも数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています(木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です)。
▶ 解体費の内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べるなら:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※各市町村の補助を使う場合は、見積もり先や契約のタイミングが制度の条件に合うかも確認してください)
▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)(※壊すか直すかで迷っている段階なら、費用が心配なときの順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)
よくある質問
高知県(県庁)としての解体補助金はないのですか?
解体費への一律の県補助はありません。県の役割は、市町村の支援制度をまとめた一覧づくりや、空き家の相談先の案内が中心です。ただ高知の場合、市町村の除却補助は県の住宅耐震化促進事業の枠組みのなかにあり、国と県と市町村がお金を出し合う形になっています。申請の窓口はあくまで、家がある市町村です。
上限164万5千円と書いてある市なら、その額がもらえるのですか?
もらえるとは限りません。多くの市が、除却工事費の8割と、1平方メートルあたりの単価に延べ床面積と8割を掛けた額を比べて、少ないほうを補助額にしています。上限額はそのあとにかぶさるフタです。延べ床が小さい家ほど、単価の計算のほうが低くなって上限に届きません。まず自分の家の延べ床面積を確かめてください。
まだ住んでいる家の建て替えでも使えますか?
2026年8月1日時点で公式を確認できた市では、ここまで見てきた老朽住宅の除却補助は、どこも「空き家」または「使用されていない住宅」を条件にしていました。住みながらの建て替えは対象になりません。ただし高知市には、耐震の枠のなかに木造住宅の除却補助(上限30万円)があり、こちらは対象を空き家に限っていません。耐震診断で倒壊の危険があると判断されることが条件です。南国市にも同じ枠がありますが、市のページは対象を「住宅(空き家)」としているので、住みながらの建て替えには使えません。詳しくは各市の担当課へ。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。須崎市のように、翌年度から増額になる場合があると自分のページに書いている市もあります。解体のタイミングは、税金や売却・活用の予定とセットで、税の窓口にも確認しながら考えるのが安全です。実家をどうするか全体で迷っているなら実家が空き家になったらどうするかもどうぞ。
まとめ
- 高知県の解体補助は市町村ごとで、県の一律制度はない
- 県内11市のうち、解体・除却の補助があるのは11市すべて(2026年8月1日時点。10市は市の公式ページ、土佐市は県の一覧で確認)。率もどこも8割が基本
- ただし上限額はそのまま出ない。多くの市が「工事費の8割」と「1平方メートル単価×延べ床面積の8割」の低いほうを採る。単価は宿毛市の1万5千円から室戸・須崎・香南の3万6千円まで2倍以上の開きがある
- 上限は167万5千円が安芸市(町村では東洋町・芸西村・本山町・大豊町・津野町・四万十町も同額)、164万5千円が高知・須崎・香南・香美・室戸の5市、160万円が宿毛市、120万円が土佐清水市、100万円が土佐・四万十市、92万5千円が南国市
- 受付が6月末までに閉じる市が4市(土佐清水・四万十・須崎・宿毛)。南国市は7月1日から予算上限まで先着で受付中。室戸・香南・香美は年内から1月末まで開いている
- 順番は早い者勝ちとは限らない。室戸・南国・須崎・土佐清水は危険度で優先順位、四万十市は抽選と公式に書いている
- 最初の一歩は業者探しではなく、市に評点の判定を申し込むこと。契約はそのあと
あわせて読みたい
- 家の解体補助金【2026】主要都市まとめ|3つの型と早見表
- 高知市の解体補助金【2026】上限164万円は空き家限定・耐震の木造は別枠
- 南国市の解体補助金【2026】上限92万5千円は評点100点以上の空き家だけ
- 香川県の解体補助金【2026】8市中7市が5分の4・上限160万円で横並び
- 愛媛県の解体補助金【2026】県が旗を振る20市町・松山は上限100万円(今回見た6市では最大)
- 家の解体費用の相場と補助金|30坪でいくら?
- 解体費用が払えない!売る前に確認する4つの順番
- 木造住宅の耐震補強の費用と補助金【2026】進め方の順番
- 実家が空き家になったらどうする?最初の90日でやること3つ
- 実家・空き家リフォームの補助金


コメント