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「鳥取市の古い実家、もう住む人もいない。解体したいけれど補助金は出る?」
先に正直な結論です。鳥取市には解体費の補助があり、建物を壊す費用の半分と、家の中の物を片づける費用の半分で、合わせて最大80万円が出ます。ただし入口は、市から指導・勧告を受けた特定空家に絞られる、かなりの狭き門です。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、鳥取市公式(2026年7月23日照合)をもとに、出る家・出ない家と金額の上限、動くまでの順番を整理します。除却(じょきゃく)とは、建物をすべて取り壊して片づけることです。
※2026年7月23日時点の鳥取市公式サイト(空家等除却事業の募集のページ・更新日2026年4月16日)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページや建築指導課の窓口でご確認ください。
まず結論|対象は「指導・勧告を受けた特定空家」だけ

鳥取市の解体費補助(空家等除却事業)は、放置されて地域の危険になっている空き家を減らすための制度です。だから「古いから」「空き家だから」ではなく、市が動いて改善をうながし、危険な状態だと判定したかどうかが入口になります。ポイントは3つです。
- 対象:指導・勧告を受けた特定空家等で、市が不良住宅と判定した家。古いだけ、空き家というだけでは下りません
- 金額:除却工事費の2分の1(上限60万円)と、残置物処分費の2分の1(上限20万円)。合わせて最大80万円です
- 受付:令和8年度は5月7日から先着15件で受付中。定員に達し次第で締め切ります
特定空家等(とくていあきやとう)とは、そのまま放置すると倒れる危険や衛生上の問題があると、市が法律にもとづいて認めた空き家のことです。指導・勧告は、その空き家について市が「このままにせず改善してください」と正式に出す通知を指します。まだ指導を受けていない家はそのままでは対象になりませんが、その場合はまず市に相談する入口が用意されています。
金額の大きさより、自分の家がこの状態に近いかどうかが先です。当てはめながら、中身を見ていきます。
いくら出る?|除却費の半分(上限60万)と残置物の半分(上限20万)
鳥取市の補助は、費用を2つに分けて考えます。ひとつは建物を壊す除却工事費、もうひとつは家の中の物を片づける残置物処分費です。
- 除却工事費:その2分の1で、上限60万円
- 残置物処分費:その2分の1で、上限20万円
2つを合わせると、受け取れるのは合わせて最大80万円です。除却工事費には、建物を壊す費用のほかに、壊して出た廃材を運んで処分する費用も含まれます。残置物処分費とは、同じ契約の中で、その空き家に残された家具や家財を片づける費用のことです。残置物(ざんちぶつ)は、住んでいた人が置いていった家の中の物を指します。
ただし、対象にならない費用もあります。庭木の伐採費や、建物の「外」に置かれた物の処分費は、この補助には含まれません。あくまで建物本体の除却と、家の中の残置物の処分が対象です。
それと、補助金は工事業者などが本人に代わって受け取る代理受領(だいりじゅりょう)という仕組みも使えます(申請人が法人の場合を除く)。工事費の立て替えが重いと感じるときの選択肢になります。
対象になる家|7つの条件と「不良住宅」の判定
入口になる家の条件を、かみくだいて説明します。この補助は、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)第22条にもとづく指導・勧告を受けた特定空家等のうち、次の条件をすべて満たす家が対象です。
- 鳥取市内にあり、今は使われていない空き家であること
- 木造または軽量鉄骨造であること(軽量鉄骨造は、細い鉄骨で組んだプレハブなどの造りです)
- 延床面積の半分以上が、もともと住まいとして使われていたこと
- 附属の建物や基礎まで含めて、建物を丸ごと壊すこと(一部だけの解体は対象外です)
- 令和9年3月上旬までに解体工事が終わること
- 国の基準で「不良住宅」と判定されること
- 防災上、周りに対して危険性が高いと判断されること
このうち特に大事なのが、最後の2つです。申し込んだあとに市の職員が現地で建物を調べ、傷み具合を国の基準で点数にして「不良住宅」かどうか、周りに危険が及ぶかを判定します。だから申し込めば必ず通るわけではなく、判定の結果しだいで対象外になることもあります。
申し込めるのは、その空き家の所有者か、その相続人です。共有の名義なら共有者全員の同意、借りている人など他に権利を持つ人がいればその全員の同意が必要です。加えて、市税や国民健康保険料などの滞納がないことも条件になります。不動産の販売や貸付、駐車場などの事業のために壊す場合は対象外です。
もう1本、耐震の枠にもっと大きい除却の補助があります
ここまでの空家等除却事業は、市から指導・勧告を受けた特定空家等が入口でした。指導も勧告も受けていないと使えません。
ところが鳥取市には、もう1つ別の入口があります。木造住宅等の耐震診断等のご案内に載っている除却(一部助成)で、こちらのほうが枠は大きいです。
先に、使えない人から書きます。入口は耐震診断です。木造の一戸建ての住宅で、耐震診断の結果、耐震性が不足すると判定されたものが対象になります。昭和56年5月31日以前の家なら、容易な耐震診断調査票で倒壊の危険性があると判断される道もあります。
金額の決め方は少し独特です。市の手引きには、補助対象事業費の上限は4,254,000円で、解体業者の見積書の金額(税込)と比べて低いほうの金額に23%を乗じた額が補助額だと書かれています(千円未満は切上げ)。
つまり上限まで使えた場合の補助は97万9千円です。手引きの計算例では、見積書が3,478,000円だった場合の補助額は80万円で、自己負担は2,678,000円とされています。
対象になる費用にも線があります。産業廃棄物の処分費と諸経費は含みますが、着手前の残存物の処分費と、除却後の造成工事は含みません。家の中の物の処分は、この枠では出ないということです。
受付は令和8年5月7日から令和9年1月29日まで、22件です(市のページの更新日は2026年8月3日・2026年8月11日確認)。募集は先着順で、募集戸数に達し次第締め切られます。
どちらの枠が自分に合うかは、指導・勧告を受けているか、耐震診断で評点が足りないと出るか、で分かれます。両方に心当たりがあるなら、窓口で両方の名前を出して聞いてください。
申請の流れ|まず事前申込・契約は「交付決定の後」

この補助で、いちばん大事なのは順番です。鳥取市では、いきなり工事の契約をするのではなく、先に事前申込という段階から始まります。今回の募集で受け付けているのは、この事前申込です。
- ① 事前申込:募集期間(令和8年5月7日〜令和9年1月29日)内に、申込書と必要書類を建築指導課に出します。先着15件で、定員に達すると締め切られます
- ② 判定調査:市の職員が現地を調べ、不良住宅かどうか、周りへの危険性を判定します。ここで対象外になることもあります
- ③ 交付決定の後に契約・着工:交付が決まってから、解体の契約と工事に進みます。決定より前に契約や着工をすると、原則として補助は受けられません
- ④ 完了・報告・受け取り:工事を終えたら実績報告を出し、補助金を受け取ります。工事は令和9年3月上旬までに終える必要があります
くり返しになりますが、③の順番が命です。「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。募集は先着15件で、定員に達すると締め切られます。動くと決めたら早めに、建築指導課(電話0857-30-8364)へ相談してください。
ひとつ補足です。相続した家を相続人が申し込む場合は、相続関係の確認のため、結果の通知に2週間以上かかることがあります。時間に余裕をもって動くのが安全です。
対象にならない人の、現実的な選択肢
指導や勧告を受けるほどではない、7つの条件に届かない、あるいは先着の枠に間に合わない。その場合でも打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や廃材の処分の仕方で、見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社に同じ内容で頼むだけで、同じ工事でも数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- 同じ山陰の松江市の制度と見比べたいなら松江市の解体補助金もどうぞ
▶ 鳥取市で解体すると決めたなら、見積もりの内訳を並べるところから:解体工事比較ナビ(解体業者の一括見積もり・無料)で、解体業者への一括見積もりを依頼できます。(※鳥取市の補助を使う場合は、その業者の見積もりや契約のタイミングが制度の条件に合うかの確認も忘れずに)
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まだ人が住めそうな古い実家でも、解体費の補助は出ますか?
鳥取市の空家等除却事業は、市から指導・勧告を受け、国の基準で「不良住宅」と判定された特定空家等が対象です。古くても、まだ十分に使える状態の家は対象になりにくいのが実情です。まだ住める家を建て替えなどで壊すなら、補助なしで相見積もりを取り、費用を抑える方向が現実的です。念のため、自分の家が対象になりそうかは建築指導課(電話0857-30-8364)に一度相談してみてください。
「特定空家」の指導や勧告を受けていません。それでも申し込めますか?
この補助は、空家法にもとづく指導・勧告を受けた特定空家等が入口です。指導を受けていない空き家については、公式でも「事前に相談を」と案内されています。自分で対象かどうかを決めず、まず建築指導課に相談し、現地を見てもらうところから始めるのが確実です。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。鳥取市の補助は、交付決定を受けてから工事に着手(契約・着工)することが条件で、決定より前に契約や着工をした工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前申込、判定調査、交付決定、契約の順で進めてください。募集は先着15件なので、早めの相談が安全です。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体のタイミングは、税金や売却・跡地の使い道の予定とセットで考えるのが安全です。
まとめ
- 鳥取市の解体費補助(空家等除却事業)は、市から指導・勧告を受け不良住宅と判定された特定空家等が対象。古いだけ・空き家というだけでは下りません
- 金額は除却工事費の2分の1(上限60万円)と残置物処分費の2分の1(上限20万円)で、合わせて最大80万円
- 庭木の伐採費や建物の外にある物の処分費は対象外。補助金は代理受領も使えます
- 共通ルールは事前申込から始め、市の判定調査を経て、交付決定の後に契約・着工。先に契約すると補助は消えます
- 受付は令和8年度は5月7日から先着15件。工事は令和9年3月上旬までに完了が条件です
- 指導・勧告を受けていなくても、耐震の枠の除却(一部助成)なら上限97万9千円。入口は耐震診断で、受付は令和8年5月7日から令和9年1月29日まで22件(2026年8月11日確認)
- どちらにも当てはまらない場合でも、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手です
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