奈良県の解体補助金【2026】奈良・橿原・香芝・生駒で率も上限もこう違う|元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「奈良県で古い実家を解体したい。補助金は出る?」

先に正直な結論です。奈良県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市町村ごとです。しかも、県内で人口の多い奈良市と橿原市は、どちらも補助はあるのに入口が狭い。奈良市は市が危険と判定した特定空家等だけ、橿原市は補助率こそ高いものの、評点100以上の認定を受けた家か跡地活用が条件です。

ほかの市も事情はさまざまです。香芝市はいまも受付中ですが募集はごくわずか、生駒市は少し毛色の違う耐震型の補助があるものの、今年度はもう受付が休止しています。大事なのは、金額の大きさより「自分の家が対象になるか」と「その市が今も受け付けているか」です。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、奈良市・橿原市・香芝市・生駒市の公式サイトを照合して整理します。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。

※2026年7月23日時点の各市公式サイトにもとづきます。年度・予算で変わり、年度の途中で受付が終わることもあるため、申請前に必ず各市の公式ページや窓口でご確認ください。

主要市の早見表【2026年度】

奈良県の主要市の解体補助 早見表2026年度。奈良市は特定空家等除却費用補助金で、市が特定空家等と判定した危険な空き家に除却工事費の2分の1・上限30万円、個人のみが対象。橿原市は空家等除却事業で、評点100以上の不良住宅空家か跡地活用の予定がある空き家に除却工事費の5分の4以内・上限50万円、個人限定で市内に営業所のある業者が条件。香芝市は空家等対策推進支援事業で、不良住宅か空き家の跡地活用に補助対象経費の10分の8・上限50万円だが、募集は1件で複数応募なら抽選。生駒市は既存住宅解体費用補助で、平成12年以前の耐震性の低い住宅の解体に工事費の23%・戸建て50万円か長屋共同住宅100万円だが、令和8年度は予算に達して受付を休止している。同じ奈良県でも率も上限も制度の型もバラバラで、この早見表の4市はどれも対象の判定・個人限定・少ない予算枠で入口が狭い。結論は、金額の大小より自分の家が対象か・今も受付中かが先で、契約は必ず交付決定の後に行うこと。

見てのとおり、同じ奈良県でも補助率も上限も制度の型もそろっていません。ポイントは1つ。率や上限や受付の有無はバラバラでも、この早見表の4市はどれも入口の条件が狭いことです。市が危険と判定した家に限る、評点の認定が要る、個人しか使えない、募集枠がごく少ない、といった壁が、4市ともどこかにありました。順番に、自分の家がどこに当てはまるか当てはめながら読んでください。

先にお断りしておきます。奈良県内の全市町村の補助率と上限を確かめたわけではないので、順位としては書けません。

ここに並べた数字は、公式ページまで当たった市の中での話として読んでください。

県都と橿原|奈良市・橿原市はどちらも入口が狭い

まずは、県内で人口の多い奈良市と橿原市から。補助はあるのに、対象の家が絞られています。ここは正直にお伝えします。

奈良市|除却費の2分の1・上限30万円。ただし特定空家等に限る

奈良市の奈良市特定空家等除却費用補助金は、除却工事に要する費用の2分の1・上限30万円(1,000円未満は切り捨て)です。ただし対象は、市が特定空家等(とくていあきやとう|倒壊などのおそれがある危険な空き家)と判断した家に限られます。ただ古い、ただ空いているというだけでは入口に立てません。申請できるのは法人ではない個人で、申請の前に市の判断を受けていることが条件です。主要都市のなかでも対象がとくに絞られた制度で、数字の読み方や申請の流れは奈良市の解体補助金の記事でくわしく整理しています。

橿原市|5分の4以内・上限50万円。ただし評点100の認定か跡地活用

橿原市の橿原市空家等除却事業は、除却工事費の5分の4(8割)以内・上限50万円で、補助率は今回見た中では手厚いほうです。ただし入口は2つの型に絞られます。1つは、住宅の傷み具合を測った評点の合計が100以上と認定された不良住宅空家。もう1つは、壊した跡地を地域の広場や駐車場などとして使う跡地活用の予定がある空き家です。使えるのは個人だけで、工事は市内に本店・支店・営業所がある業者に頼むことが条件です。公式に「上限除却単価あり」とあり、5分の4を満額もらえるとは限りません。くわしくは橿原市の解体補助金の記事で整理しています。

いま受付中の市・今年度は休止の市|香芝市・生駒市

「受付中の市はないの?」という方へ。県内には、いまも受付している市と、今年度はもう締め切った市が混ざっています。公式ページで状況を確認できた香芝市と生駒市を紹介します。

香芝市|10分の8・上限50万円。ただし募集は1件で抽選

香芝市の空家等対策推進支援事業(除却)は、補助対象経費の10分の8・上限50万円です。対象は、不良住宅と認定された空き家か、跡地を地域活性化のために活用する空き家です。申請できるのは、その建物を5年以上持っている個人か、その相続人などに限られます。補助率は高いのですが、令和8年度の募集はわずか1件で、募集開始日に複数の応募があった場合は抽選とされています(2026年7月23日照合)。受付は令和8年6月1日から11月30日まで、予算に達し次第終了です。まずは都市政策交通課(電話0745-76-2001)に、今年度の枠が残っているかを聞くところからです。

生駒市|耐震性の低い住宅の解体に23%。ただし今年度は受付休止

生駒市の補助は、ほかの市と少し毛色が違います。危険な空き家ではなく、耐震性が低い既存住宅の解体が対象で、名前も既存住宅解体費用の補助といいます。平成12年以前に建てられ、耐震の指標が基準に満たない住宅などが対象で、補助額は解体工事費の23パーセント・戸建て50万円か長屋・共同住宅100万円が上限です。ただし公式ページには、令和8年度の申請は予算に達したため受付を休止していると明記されています(2026年7月17日更新)。いま新しく申し込むというより、来年度に向けて条件と見積もりの準備を進めておく段階です。窓口は建築課(電話0743-74-1111)です。

壊して建て直す人だけの枠|橿原市の耐震建替え

ここまでは「空き家を壊す」ための補助でした。橿原市には、名前に解体も除却も入らない、もう1本の枠があります。既存住宅耐震改修補助事業の耐震建替え工事です。

先に、使えない人をはっきり書きます。更地にして売りたい人、駐車場にしたい人は対象外です。この枠は「壊したあと、同じ敷地に自分が住む家を新築する」ことがセットになっています。

市の言い方では、対象工事は「既存住宅を除却し、その敷地内で住宅を新築する工事」となっています。壊すところで止まる予定なら、前の章までの空き家の枠を当たってください。

金額は、耐震建替え工事に要する費用の5分の4と50万円の、いずれか低いほう。50万円は天井で、必ず届く額ではありません。

対象になる住宅は、橿原市内にある木造の一戸建てか長屋で、地階を除く階数が2以下、昭和56年5月31日以前に建築されたもの。そのうえで耐震診断の結果が総合評点0.7未満であることが要ります。

申請できる人の条件は、金額と同じくらい大事です。対象住宅の所有者かその3親等以内の親族で、新築する住宅の所有者であり、その人が自分で住むこと。さらに年間所得が1,200万円以下で、市税を滞納していないこと。使えるのは個人だけです。

令和8年度の募集は5月7日から5月29日まで、募集件数は1件。応募が多ければ抽選でした。市は令和8年6月1日に「令和8年度の募集は終了しました」と掲載しています(ページの更新日は2026年8月12日・2026年8月13日確認)。

令和9年度の日程は公表されていません。1件しかない枠なので、使うつもりなら年度が替わる前に建築安全推進課(電話0744-47-3517)へ相談しておく形になります。

もうひとつ、注意書きがありました。市のページには「危険ブロック塀等撤去費補助制度以外の耐震対策事業・補助制度と一緒に申し込むことはできません」とあります。橿原市空家等除却事業と重ねて使えるかどうかは、建築安全推進課で確かめてください。

この記事にない市町にお住まいなら

奈良県には、ここに挙げた市以外にも多くの市町村があります。金額や受付は市町村ごとにまるで違うので、自分の市町村を必ず確かめてください。探し方はかんたんです。「市町村名+空き家 解体(除却)補助金」で検索し、URLが lg.jp や市町村の公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古く、いまは終わっている制度を「受付中」のまま載せていることがあるためです。

ここも訂正があります。前の版では「大和郡山市と天理市は解体費そのものの補助が見当たりませんでした」と書いていました。大和郡山市には、2分の1・上限50万円の枠があります。市のページは2026年4月1日に更新されていて、うちの照合日より前でした。

天理市のほうは、2026年8月11日に見た範囲でも解体費そのものの補助を確認できませんでした。ブロック塀の撤去や耐震の補助はあります。ただし「無い」と断定はしません。営繕課に電話で聞いてみてください。

桜井市には老朽危険空き家の除却補助の案内が過去にありましたが、公式ページが見つからず現在の内容を確認できませんでした。制度は年度で新設・休止が起きるので、住んでいる市町村の住宅・建築の担当課に電話で聞くのが確実です。奈良県(県庁)としての一律の解体補助はなく、県の役割は空き家対策の全体方針づくりや相談の案内が中心です。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。

どの市でも共通の鉄則

  • 工事の契約前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工。先に契約すると1円も出ません
  • 危険な空き家や不良住宅の補助は、まず市の「判定」や「認定」からです。奈良市の特定空家等の判断、橿原市や香芝市の不良住宅の認定など、この入口の審査が対象の分かれ目になります
  • どの市も予算がなくなり次第終了。香芝市のように枠が1件しかない市もあり、生駒市は今年度すでに休止しています。年度の前半ほど有利です
  • 個人限定・市内業者・築年や耐震の基準など、細かい条件は市ごとに違います。補助金は工事のあとに振り込まれるので、いったんは自分で立て替える前提で考えておいてください
  • 更地にすると土地の固定資産税が上がる場合があります(住宅用地の特例が外れるため)。解体のタイミングは税金や売却の予定とセットで考えてください

解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています(木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です)。

▶ 解体費の内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べるなら解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※市内業者限定の補助を使う市では、見積もり先が条件に合うかも確認してください)

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(※壊すか直すかで迷っている段階なら、直す場合の金額を先に知っておくと判断が早くなります。費用が心配なときの順番は解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)

よくある質問

奈良県(県庁)としての解体補助金はないのですか?

解体費への一律の県補助はありません。県の役割は、空き家対策の全体方針づくりや相談の案内が中心です。解体費そのものの補助は、家がある市町村の制度を調べてください。まず自分の市町村の住宅・建築の担当課が出発点になります。

奈良市も橿原市も条件が厳しそうです。今から使いやすい市はありますか?

ここは訂正があります。前の版では「受付中と確認できたのは香芝市」と書いていましたが、ほかにも開いている市町がありました。

2026年8月11日に確かめて、公式で受付中と読めたものを挙げます。

  • 広陵町|2分の1・上限50万円。受付は令和8年8月31日まで(追加募集)。町の言葉で「応募多数の時は申請順にかかわらず、危険度の高い物件を優先します」とあるので、早い者勝ちではありません。応募は若干数
  • 大和郡山市:除却工事に要した額の2分の1・上限50万円。事前申請が4月から10月末、本申請が11月末まで。所有者またはその相続人代表者(法人を除く)で、市税に滞納がないこと
  • 五條市:除却工事の費用の2分の1・上限50万円。事前申請が令和8年10月末、交付申請が11月末まで。条件は大和郡山市とほぼ同じで、法人は使えません
  • 香芝市:10分の8・上限50万円。ただし募集は1件で、複数の応募があれば抽選です

生駒市の耐震型は今年度すでに休止しています。ほかにも御所市・田原本町・高取町・大和高田市・三郷町で受付中という情報がありますが、こちらは私がまだ公式で確かめきれていません。町の窓口で確認してください。

金額の大小より、まず自分の家がその市の対象(特定空家等の判定や不良住宅の認定)に当てはまるかが先です。申し込みの前に、必ず各市町の窓口で最新の受付状況を確かめてください。

解体すると固定資産税が上がると聞きました

土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで考えてください。気になる場合は、税の窓口にも一度確認しておくと安心です。

まとめ

  • 奈良県の解体補助は市町村ごとで、県の一律制度はない
  • 県都と橿原は奈良市が特定空家等に2分の1・上限30万円、橿原市は不良住宅空家か跡地活用に5分の4以内・上限50万円。補助率は違うが、どちらも入口の条件が狭い
  • いま受付中と確認できたのは香芝市(10分の8・上限50万円)だが募集は1件で抽選生駒市(耐震型・解体費の23パーセント)は今年度は受付休止
  • 大和郡山市・天理市は解体費そのものの補助が見当たらない。市によって率も上限も受付の有無もバラバラなので、金額の大小より、自分の家がその市の対象になるか・その市が今も受け付けているかが先
  • 橿原市には、同じ敷地に建て直す人だけが使える耐震建替えの枠もある(更地にする人・売る人は対象外。新築した家に自分で住むこと、年間所得1,200万円以下が条件で、額は5分の4と50万円の低いほう。令和8年度の募集は終了)
  • この記事で見た市はどこも、まず市の判定・認定が入口。判定が要らない枠を持つ市もあるので、自分の市の窓口で確かめてください。共通の鉄則は契約前の申請と、業者差の大きい解体費を下げる相見積もり

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