茨城県の解体補助金【2026】制度がある市とない市|日立・古河ほか5市を元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

※本記事には、解体・リフォームの一括見積もりサービス等のアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

「茨城県で古い実家を解体したい。補助金は出る?」

先に正直な結論です。茨城県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市町村ごとです。そして茨城を調べると、少し意外なことに気づきます。県内で人口の多い水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市の公式には、解体費への補助が見当たりません。空き家向けの解体補助があるのは日立市・古河市と、神栖市・笠間市・龍ケ崎市のほうです。

ただし解体の補助がある市町村は、この5市だけではありません。県の一覧では20を超える市町村に除却の枠があります。この記事では、条件と金額まで確かめられた市を中心に書き、確かめきれていない市町村は後半でまとめて案内します。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、その5市の公式を照合して、出る家・出ない家と金額を整理します。空き家の枠とは別に、旧耐震の家を建て替える時の耐震の枠もあわせて見ます。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。

※2026年7月31日時点の各市公式サイト・交付要綱等にもとづきます(日立市・古河市は当サイトの各市記事もあわせてご覧ください)。年度・予算で変わり、年度の途中で受付が終わることもあるため、申請前に必ず各市の公式ページや窓口でご確認ください。※この記事で扱うのは、平常時の空き家の解体補助です。災害で被害を受けた住宅の解体は別の枠組みで扱われることがあるため、その場合はお住まいの市町村の窓口へ直接ご相談ください。

  1. 空き家の枠|主要5市の早見表【2026年度】
  2. 同じ茨城でも「特定空家」の扱いが逆になる|日立市・古河市・龍ケ崎市
    1. 日立市|特定空家に指定された家は対象外・跡地の使い道で2つの枠
    2. 古河市|特定空家等または不良住宅が対象・先着ではない
    3. 龍ケ崎市|特定空家等に認定され、勧告を受ける前の家
  3. 傷み具合と区域で上限が変わる|神栖市・笠間市
    1. 神栖市|傷み具合の判定で50万・70万・100万の3段階
    2. 笠間市|居住誘導区域の住宅なら80万円まで
  4. もう1本の入口|耐震の枠でも解体費が出ます(神栖市・古河市・龍ケ崎市)
    1. 神栖市|耐震建替え工事は一律60万円・締切は2026年8月31日
    2. 古河市|5分の4で115万円まで・申込時期は広報で知らせる形
    3. 龍ケ崎市|5分の4で最大115万円・締切は2026年11月27日
  5. 大きい市の公式には見当たらない|水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市
  6. この5市のほかにもあります|行方市100万円と、9月に閉じる2つの窓口
    1. 行方市|2分の1・上限100万円
    2. 桜川市|来年度分の判定申込が9月11日まで
    3. 高萩市|耐震の建替えが115万円。申込は9月25日まで
  7. 県の一覧をたどって、さらに8市町村を確かめました
    1. 東海村|3分の2で最大120万円。ただし入口は空き家バンク
    2. 鹿嶋市|5分の4で50万円。先に不良住宅の判定を受ける
    3. 常陸大宮市|2分の1で、区域によって30万・40万・50万
    4. 鉾田市|2分の1で50万円。令和8年度は募集件数に達しています
    5. 小美玉市|2分の1で50万円。確かめられたのは要綱まで
    6. かすみがうら市・茨城町・城里町|市町のページで確認できませんでした
  8. この記事にない市町村にお住まいなら
  9. どの市でも共通の鉄則
  10. よくある質問
    1. 茨城県(県庁)としての解体補助金はないのですか?
    2. 水戸市に実家があります。本当に解体の補助はないのでしょうか?
    3. 同じ茨城県なのに、市によって条件がずいぶん違うのですね?
    4. 解体すると固定資産税が上がると聞きました
  11. まとめ

空き家の枠|主要5市の早見表【2026年度】

茨城県の主要5市の解体補助 早見表2026年度。この表は空き家の枠だけをまとめたもので、耐震の枠は含まない。県の一律制度はなく上限も入口も市ごとに違う。日立市は補助対象経費の3分の1で、跡地を自分で持ち続けるなら上限30万円、解体から1年以内に売る・貸すなら上限50万円の2つの枠。古河市は解体工事費の2分の1で最大50万円、先着順ではなく危険度が高い空家等が優先。神栖市は対象経費の2分の1で、傷み具合の判定3区分により上限が50万円・70万円・100万円と変わる。笠間市は解体費の2分の1で上限50万円、居住誘導区域と準居住誘導区域の居住用住宅なら80万円。龍ケ崎市は補助対象経費の2分の1で50万円まで、個人のみが対象で工事着手前の申請が必須。結論は、金額より先に自分の市に制度があるかを確かめること。水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市の公式ページには解体費への補助が見当たらない。なお神栖市・古河市・龍ケ崎市には、この表に含まれない耐震の枠があり、上限は60万円から115万円で本文に記載。

この早見表がまとめているのは「空き家の枠」だけです。誰も住んでいない家を壊すための補助で、5市のうち4市は解体費の2分の1。神栖市だけは家の傷み具合で上限が3段階に分かれ、いちばん重い区分で100万円まで届きます。日立市は率が3分の1と控えめなかわりに、跡地の使い道で枠を2つから選べる形。

ただし、この表の金額だけで自分の市を判断しないでください。同じ市に耐震の枠という別の入口があり、そちらは上限115万円という市もあります。入口も窓口も締切も別なので、記事の後半で分けて説明します。

そしてもう1点、金額よりも先に効いてくるのが「どんな家なら対象か」です。ここは市ごとに、正反対と言っていいほど違います。

同じ茨城でも「特定空家」の扱いが逆になる|日立市・古河市・龍ケ崎市

特定空家(とくていあきや)とは、そのまま放置すれば倒れたり衛生上とても問題があったりすると、市が法律にもとづいて正式に判断した空き家のことです。この扱いが、3市でまったく違います。

日立市|特定空家に指定された家は対象外・跡地の使い道で2つの枠

日立市の空き家解体補助は2つあり、どちらも補助対象経費の3分の1が出ます。分かれ目はお金ではなく、跡地をどうするか。自分で持ち続けるなら宅地再生創出型で上限30万円、解体から1年以内に売る・貸す・公共的に使うなら利活用型で上限50万円です。2つは同時には使えず、補助は1人につき1回まで。

対象になる家の条件は2制度で共通です。昭和56年5月31日以前に建てられた旧耐震の家、解体する時点で1年以上誰も住んでいないこと、延べ床面積が50平方メートル以上の戸建住宅または併用住宅。工事は市内に本店か営業所のある業者に頼みます。

ここが他市と逆です。日立市では、特定空家に指定された家はこの補助の対象外になります。危険な家を壊すための補助なのに逆では、と感じるかもしれません。日立市の補助が「特定空家になる前に、早めに手を打ってもらう」ことをねらった設計だからです。

手続きの順番も独特で、日立市は解体してから申請する後払い。申請には解体前の写真が要るので、壊す前に必ず撮っておいてください。対象になるのは令和6年4月1日以降に契約した工事です。令和8年度は受付中で、予算の範囲内。数字と流れは日立市の解体補助金の記事でくわしく整理しています。相談は住政策推進課 空き家対策室(電話0294-22-3111・代表)です。

古河市|特定空家等または不良住宅が対象・先着ではない

古河市空家等解体費補助金は、解体工事費の2分の1で最大50万円。区分けはなく、公式の記載はこの一行だけです。対象になるのは「特定空家等」または「不良住宅」のどちらかに当てはまる空き家で、不良住宅は市の判定で100点以上のものを指します。日立市とは入口が反対だと分かります。

そのうえで、1年以上使用されていない、不動産登記されている、個人が所有していて営利目的でない、所有権以外の権利が設定されていない、公共事業等の補償の対象となっていない、の5つをすべて満たすことが条件です。申請できるのは所有者またはその相続人で、共有者や相続人が複数なら全員の同意が要ります。

古河市でいちばん読者に効くのは、決まり方のほうかもしれません。公式に「先着順ではなく、危険度が高い空家等が優先となります」と書かれています。申込みの早さではなく、家の危険度で順番が決まる制度です。ただし予算がなくなり次第終了とも書かれているので、のんびりでいいという話でもありません。

動く順番も公式が名指しで求めています。申込みが契約の前・契約は交付決定の後です。申込受付は令和8年5月1日から10月30日まで。条件と手続きは古河市の解体補助金の記事にまとめています。相談は営繕住宅課(電話0280-76-1511・代表)です。

龍ケ崎市|特定空家等に認定され、勧告を受ける前の家

龍ケ崎市老朽空家等解体費等補助金は、補助対象経費の合計額の2分の1で50万円まで。金額は古河市と同じですが、入口はもっと絞られています。

市のページが挙げているのは、法律にもとづく市からの求めに応じて適切な管理の措置を行った実績があること、「特定空家等」に認定され、助言または指導を受けていて、まだ勧告は受けていない家であること、個人が所有していること、抵当権などの所有権以外の権利が設定されていないこと、公共事業の対象でないこと、他の補助金を受けていないこと。法人は申請できません。

手続きで最も大事なのは1点です。必ず工事着手前に交付申請すること。申請の前に工事に着手した場合は補助を受けられない、と公式に書かれています。

ひとつ補足を。市が配布している交付制度の手引き(令和6年2月)にも、事前相談・確認の項目としてページと同じ条件が並びます。特定空家等と認定されていること、法律にもとづく助言または指導を受けていて、まだ勧告は受けていないこと。

そのうえで手引きには、もう1本の道が書かれています。解体したい空き家が通学路や道路に面していて、倒壊した場合に支障をきたす恐れがあるなど、公益上特に必要だと市長が認める場合。このときは前の条件にかかわらず対象にできる、という定めです。特定空家等に認定されていなくても対象になる道が残されている形。この記事では条件の厳しいほうであるページの記載で書きました。自分の家がどちらに当てはまるかは、まちの魅力創造課(電話0297-64-1111)に確かめてください。

もう1点。ページの更新日は2025年4月4日で、令和8年度の受付についての記載は見当たりませんでした。ここも窓口で確認するのが確実です。

傷み具合と区域で上限が変わる|神栖市・笠間市

空き家の枠のなかで、条件しだいで上限が上がるのがこの2市です。ただし大きい額に届く条件は、それぞれ違います。

神栖市|傷み具合の判定で50万・70万・100万の3段階

神栖市空き家解体支援事業補助金は、率はどの区分も対象経費の2分の1ですが、上限が管理不全状態の空家等は50万円、不良住宅は70万円、特定空家等は100万円と3段階に分かれます。区分は自己申告ではありません。事前調査のチェックシートで、隣家や道路との距離、建物の傾斜、屋根や外壁の脱落、ごみの放置、立木の越境といった項目から危険度を点数化して市が判定します。基準の点数に達しない場合は対象になりません。

対象は、市内に個人が所有する戸建住宅または併用住宅(居住部分が延べ床面積の2分の1以上)で、申請の際に過去1年以上居住されていないもの。法人名義は不可、アパートやマンションなどの集合住宅も対象外です。工事は市内に本店・支店・営業所のいずれかを持つ業者に頼みます。

費用の線引きも押さえておきます。建物や塀・車庫・物置の解体費、廃材の処分費、仮設工事費、敷地の埋め戻しと整地は対象。家具や家電といった家財道具の処分費と、解体後に砕石を敷く費用は対象外です。

順番は交付決定通知書が届いてから着工。申請の時点ですでに解体工事が着工している家屋は対象外になる、と公式が注意書きを添えています。令和8年度の受付は2026年5月12日から11月30日までで、予算上限に達し次第で終了。窓口は住宅政策課(電話0299-95-6595)です。

笠間市|居住誘導区域の住宅なら80万円まで

笠間市空家解体撤去補助金は、建物解体費用の2分の1で上限50万円。ここに区域の上乗せがあります。立地適正化計画の居住誘導区域・準居住誘導区域にある居住用の住宅なら、2分の1以内で80万円が限度。同じ区域の店舗等(大規模小売店舗を除く)や賃貸住宅の解体なら200万円が限度です。自分の家がその区域に入るかは、市のページから確認できます。

この上乗せに付いているのが、跡地の使い方の条件。市のページは「空家等解体撤去後空地は宅地等の都市機能を向上させることとし」、交付要綱は「空家等撤去後空地は宅地等の居住又は都市機能を向上させる用に供すること」と書いています。壊したあと更地のまま置いておくつもりなら、80万円の枠に入るかどうかを先に窓口で確かめてください。

入口は、金額よりもこちらが厳しめです。市から助言や指導等を受けている方が補助要件に挙げられています。つまり、放置している空き家について市から声がかかっている状態が出発点。ほかに、建物と土地の所有者であること、市税を滞納していないこと、所有権以外の物権または占有権限が設定されていないこと、建築士が同行する立入調査で補助対象と認定された建物であることが条件です。

金額について、ひとつ日付の話を添えます。市のページは2分の1・上限50万円と書いていますが、市が同じページで配布している交付要綱では、基本の額は3分の1・30万円で、2分の1・50万円は令和9年3月31日までの特例と定められています。いま動く分には差はありません。それでも、いつまでこの額かは企業誘致・移住推進課(電話0296-77-1101)で確かめておくと安心です。手続きは、補助申請の前に空家調査申込書を出し、工事着手前に交付申請する流れになります。

もう1本の入口|耐震の枠でも解体費が出ます(神栖市・古河市・龍ケ崎市)

ここまでは空き家の枠の話でした。同じ市に、まったく別の入口がもう1本あります。旧耐震(昭和56年5月31日以前の基準で建てられた家)の木造住宅を、耐震診断を受けたうえで建て替える時の枠。古い家を壊す費用も、この枠の中に入っています。

空き家の枠との違いは、いま人が住んでいるかどうか。耐震の枠は「所有者が自分で住んでいる家」が対象で、空き家の枠は「1年以上誰も住んでいない家」が対象です。だから両方に当てはまることは、まずありません。親がまだ実家に住んでいるうちに建て替えるなら、見るのはこちら。窓口も締切も、空き家の枠とは別になります。

3市とも、先に耐震診断を受けているのが前提になります。診断そのものは市の耐震診断士派遣事業で受けられます。以下は2026年8月4日時点の各市公式ページと交付要綱の記載です。

神栖市|耐震建替え工事は一律60万円・締切は2026年8月31日

神栖市木造住宅耐震改修促進事業には、耐震補強設計・耐震補強工事とならんで耐震建替え工事の枠があります。市のページによれば、耐震診断で「倒壊する可能性が高い」と判定された住宅を除却し、新たに住宅を建替えることが、この耐震建替え工事にあたります。金額は率ではなく一律60万円。耐震診断の結果、上部構造評点が0.7未満相当であることが条件です。

日付が近いので先に書きます。耐震建替え工事の受付は2026年4月15日から8月31日(月)までです。同じ制度でも耐震補強設計・工事は10月30日までで、建替えだけ2か月早く締まります。しかも「申請受付は、予算額に到達した時点で終了となります」と公式にあるので、31日まで空いている保証もありません。窓口は住宅政策課(電話0299-95-6595)。この記事で神栖市の空き家の枠の窓口として書いたのと、同じ課です。

古河市|5分の4で115万円まで・申込時期は広報で知らせる形

古河市木造住宅耐震改修補助金交付事業は、補強設計・耐震建替え設計および耐震改修工事・耐震建替え工事に必要な経費の5分の4で、115万円が限度。空き家の枠(解体工事費の2分の1・最大50万円)の倍以上です。耐震診断で上部構造評点が1.0未満と判定され、それを1.0以上にする工事が対象になります。設計も施工も、市内に事業所がある業者が原則。

この枠で気をつけたいのは申込みの時期です。公式には、申込期間は広報の「お知らせページ」で周知するとだけ書かれていて、日付は載っていません。市で耐震診断を受けた人には案内が郵送されるとも書かれています。動くつもりなら、時期は建築指導課(電話0280-76-1511・代表)に先に聞いてください。

龍ケ崎市|5分の4で最大115万円・締切は2026年11月27日

龍ケ崎市戸建て木造住宅耐震改修等事業補助金は、市が配る受付概要に「令和3年度から、耐震設計と耐震改修工事を一体で実施する場合(建て替えを含む)の費用の一部を補助する制度に見直しました」と書かれている制度です。交付要綱は建替え設計を「原則として同一敷地内で、既存の戸建て木造住宅1棟全てを解体し、耐震基準を満たす住宅を新築する工事の計画を策定すること」と定めていて、解体がはっきり中に入っています。補助は補助対象経費の5分の4以内・最大115万円で、空き家の枠(2分の1・50万円まで)の倍以上。

受付は2026年6月1日から11月27日(金)までです。予算額に到達した時点で終了とされています。交付決定の前に着手すると対象外になるのは、空き家の枠と同じ。対象は市内にある昭和56年5月31日以前の基準で建てられた木造住宅で、所有者自らが住んでいることが要ります。賃貸は対象外です。窓口は都市計画課(電話0297-64-1111)で、空き家の枠のまちの魅力創造課とは別の課になります。

この3市以外にも、耐震の枠を持つ市はあります。ただし中身は市ごとに違い、建替えまで見てくれる市とそうでない市があります。空き家のページとは別に、耐震のページも一度開いておいてください。

大きい市の公式には見当たらない|水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市

ここは、期待させないために先に書いておきます。茨城県の住民基本台帳人口(令和8年1月1日現在)で上位に入るこの4市について公式ページを見に行きましたが、解体費そのものへの補助は見つかりませんでした。

  • 水戸市:住宅政策課の補助・支援制度、リフォーム・住宅補助制度、補助・助成の住まい・土地、空き家と空き地の各一覧を見ましたが、解体や除却の補助は見当たりません。載っているのは安心住宅リフォーム支援補助金、子育てまちなか住宅取得補助金、木造住宅の耐震改修費用の補助、危険なブロック塀等の撤去費用の補助などです
  • つくば市:空家等対策のページにあるのは空家活用補助金(空き家バンク登録物件の改修と家財処分)と、空家等を活用した地域交流拠点づくり支援補助金。解体費への補助は見当たりません
  • ひたちなか市:空き家のページは適正管理、空き家バンク、地域交流拠点づくり支援補助金などが中心です。民間事業者と連携した解体費用の試算サービスは案内されていますが、市の解体費補助は見当たりません
  • 土浦市:空家対策のページは空家バンクと空家バンク住宅リフォーム助成制度。建築の補助・助成は耐震改修、危険なブロック塀等の撤去、木造住宅耐震診断士派遣の3つで、解体費への補助は見当たりません

4市とも見たのは2026年7月31日時点の公式ページです。制度は年度ごとに新設されることもあるので、時期を空けて調べる場合は、もう一度その市の公式を見てください。ひとつ前で書いた耐震の枠についても、この4市の公式を確かめました。水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市とも、耐震の補助は設計と改修工事が対象で、建替えや除却は入っていません(2026年8月4日時点)。なお、解体ではありませんが、水戸市にも土浦市にも危険なブロック塀の撤去や木造住宅の耐震改修への補助はあります。家の状態しだいでは、そちらが先の一手。

この5市のほかにもあります|行方市100万円と、9月に閉じる2つの窓口

ここは前の版が足りていませんでした。解体費の補助は、この記事で扱った5市だけではありません。県の令和7年度の一覧を開くと、20を超える市町村に除却の枠があります。

今回そのうち3つを公式で確かめたので、書いておきます。1つは金額が大きく、2つは期限が9月に来ます。

行方市|2分の1・上限100万円

行方市の空家等解体費補助金交付事業は補助対象経費の2分の1・限度額100万円です。この記事で扱った5市(上限は30万円から100万円)と並ぶ大きさで、しかも記事に1行も入っていませんでした。

先に条件を書きます。対象は市内にあって特定空家等または管理不全空家等に該当するもので、個人が所有するもの。申請時に市税等を滞納していないこと。共有なら全員の同意が要ります。

工事の範囲も広めに決められています。「補助対象空家等及びその敷地内にある建築物、工作物、竹木、動産等の全てを解体及び撤去し、更地にする工事」です。樹木や残置物まで含めて更地にすることが条件ですが、裏を返せばそれらの費用も対象に入ります。窓口は都市建設課 都市計画グループです。

桜川市|来年度分の判定申込が9月11日まで

桜川市は少し変わった形をしています。今年度の補助ではなく、来年度(令和9年度)に使うための不良住宅判定を、今このタイミングで受け付けています。

市の言葉で「不良住宅判定申込期間/令和8年5月7日(木)から令和8年9月11日(金)」となっています。補助率は2分の1・上限50万円で、令和9年度の補助予定件数は10棟です。

ここが大事なところで、採択は申し込みの早い順ではありません。市は「申し込みの順番でなく、不良住宅の点数の高い順に補助対象とします」としています。傷みが進んでいる家ほど有利です。

それと「市内業者と解体工事契約を結ぶことが、条件となります。市外業者と契約を結んだ場合は、補助対象となりません」とあります。相見積もりを取るときの業者選びに直接効きます。

高萩市|耐震の建替えが115万円。申込は9月25日まで

高萩市には耐震の枠があり、そこに建替えが入っています。金額は耐震改修工事または耐震建替え工事に要する費用の5分の4以内で、限度額115万円です。

先に、いちばん厳しいところを書きます。募集戸数は1戸です。そして先着順。1件で締め切られます。

申込受付期間は令和8年5月11日から9月25日まで。市は「窓口に書類を提出、または郵送(9月25日 消印有効)」としているので、当日消印まで間に合います。市税の滞納がないことも条件です。

※この章は行方市・桜川市・高萩市の各公式ページを2026年8月11日に照合しています。このほか石岡市・結城市・つくばみらい市・大洗町・八千代町・五霞町・美浦村などにも除却の枠があります(今回は金額まで確かめきれていません)。県の住宅関連助成制度の一覧で自分の市町村を探すのが早い道です。

県の一覧をたどって、さらに8市町村を確かめました

前の章で3市を足しましたが、県の一覧にはまだ除却の枠が残っていました。あらためて8つの市町村の公式を開いています。

先に、確かめられた深さが3段階に分かれたことを書いておきます。市町村のページで金額まで読めたのが4つ、市の交付要綱でだけ読めたのが1つ、県の一覧に載っているのに市町のページで見つけられなかったのが3つです。

東海村|3分の2で最大120万円。ただし入口は空き家バンク

金額はこの記事でいちばん大きくなります。ただ、使える人はかなり限られます。

東海村空家等解体・リフォーム工事費補助金は、解体・リフォーム工事に要する経費に3分の2を乗じて得た額で、上限80万円。ここに加算が付きます。

売る側(バンクに物件登録する所有者)は、村内に本店を置く業者の工事なら20万円が足されて最大100万円。買う側(バンクを通じて空き家を購入した人)は、村外からの転居で20万円、村内業者で20万円が足されて最大120万円です。

ここが分かれ目です。入口が東海村空家・空地バンクへの物件登録なので、壊して終わりにするつもりなら対象になりません。買う側は10年以上住み続ける意思が要り、購入から1年を過ぎての申請はできないと村が書いています。

一般ごみ・家電・家具の処分費と、門扉や塀の外構工事費は補助の対象から外れます。窓口はくらしの安全課 生活環境・空き家対策担当(電話029-282-1711)。ページの更新日は2026年4月1日です。

鹿嶋市|5分の4で50万円。先に不良住宅の判定を受ける

令和8年度既存ストック利活用補助金の解体のほうです。空家等解体費用の5分の4で上限50万円と、率はこの記事で最も高い部類に入ります。

対象は、市の不良住宅の判定を受けている物件か、特定空家の認定を受けている物件。不良住宅として申請するなら、先に事前判定申請が要ります。判定の目安として不良住宅判定表も配られています。

申請期間は令和8年4月1日から12月25日まで。予算に達し次第終了で、令和9年2月1日までに完了報告書を出せる工事が対象です。相続登記が済んでいない場合は相続人等の同意が要ります。窓口は都市計画課 住宅グループ(電話0299-82-2911)。

常陸大宮市|2分の1で、区域によって30万・40万・50万

空き家等解体費補助制度は解体工事に要する費用の2分の1以内で、上限が家のある区域で変わります。都市計画区域外は30万円、都市計画区域内は40万円、居住誘導区域内は50万円。

対象は市内にあって構造上危険な状態の空き家(特定空家等または管理不全空家等)で、個人が所有し主に居住に使っていたもの。同じ敷地内にある他の建築物も一緒に解体することと、市内に本店・支店または営業所のある解体業者に頼むことが条件です。

申請の前に空家等調査申込書を都市計画課へ出す流れ。交付決定後に着手して、その年度末までに完了させます。窓口は都市計画課 住宅・営繕グループ(電話0295-52-1111)。ページの更新日は2026年4月15日です。

鉾田市|2分の1で50万円。令和8年度は募集件数に達しています

ここは受付の話が先です。鉾田市空家等解体補助金は令和8年度の募集が5件で、市のページに令和8年度分については募集件数に達しましたと出ています。以降はキャンセル待ちの案内になります。

金額は空家の解体に要する費用の2分の1で最大50万円。対象は市が特定空家等または不良住宅と判定した空家で、申請日に1年以上使われていないこと、個人が所有し主に居住に使っていたものであることが要ります。

特定空家等の場合は、助言または指導を受けていて、まだ勧告は受けていないことも条件。今年度の受付は令和8年6月1日から9月30日まででした。来年度の時期は公表されていないので、都市計画課(電話0291-36-7754)に聞いておくと動きやすくなります。

小美玉市|2分の1で50万円。確かめられたのは要綱まで

小美玉市空家等解体撤去補助金交付要綱の第5条に、補助対象工事に要する経費の2分の1、限度額は1件につき50万円とあります。要綱は令和5年3月17日告示で、令和6年4月8日の改正が最後です。

対象になるのは管理不全状態空家等(特定空家等と、そのおそれがある空家等)で、建物とその土地の所有者等であること、市税を滞納していないこと、法にもとづく助言や指導、勧告に従って措置を講じようとする者であることが要件です。

ただし、市の案内ページのほうは見つけられませんでした。受付期間や事前調査の有無は要綱の条文からは読み取れないので、環境課(電話0299-48-1111)に直接聞いてください。

かすみがうら市・茨城町・城里町|市町のページで確認できませんでした

この3つは、県の一覧には金額まで載っているのに、市町のサイトでその制度のページを開けませんでした。分かっている日付の事実だけ並べます。

県の「市町村における住宅関連助成制度等一覧」(令和7年4月1日現在)に出ているのは3つ。かすみがうら市空家等解体撤去補助金が上限50万円、茨城町空家等除却支援事業が除却工事費用の5分の2で上限50万円、城里町特定空家等解体撤去補助事業が木造なら1平方メートルあたり3.3万円で計算した額との比較で低いほう、という書き方でした。

使えない人のほうも先に書いておきます。茨城町の欄には除却後の跡地を地元自治会へ10年間以上無償で貸すことが住宅要件として入っていました。壊して売るつもりなら、この枠には乗りません。

いっぽう2026年8月12日に見た時点で、かすみがうら市の空家等対策のページにこの補助の案内はなく、茨城町の案内ページは表示されず、城里町の空家対策のページにも解体の補助は並んでいませんでした。

制度が終わったのか、ページの整理で見えなくなっているだけなのかは、公式の文面からは決められません。この3つは、あるかもしれないが確認できない、という扱いにしてください。先に電話で聞くのが確実です。

問い合わせ先は県の一覧に出ています。かすみがうら市は地域コミュニティ課(電話029-897-1111)、茨城町は都市整備課(電話029-240-7116)、城里町はまちづくり戦略課(電話029-288-3111)です。

※この章は、茨城県土木部住宅課「住宅関連助成制度(市町村)」(更新日2026年6月8日)の一覧と、東海村・鹿嶋市・常陸大宮市・鉾田市の各公式ページ、小美玉市の交付要綱を2026年8月12日に照合しています。県の一覧の中身は令和7年4月1日現在です。

この記事にない市町村にお住まいなら

茨城県で解体補助を確かめる順番の図。この記事にない市町村にお住まいの方へ。STEP1は市町村名と空き家 解体 補助金で検索し、市町村の公式ページだけを見る。STEP2は県の住宅関連助成制度の一覧を見る。エクセルと市町村別PDFがあり、中身は令和7年4月1日現在。STEP3は窓口に電話して受付状況を聞く。今年度は受付中か、自分の家は対象になりそうかを確認する。STEP4は交付決定の前に契約しない。順番は市ごとに違うので必ず窓口で確かめる。結論は、まとめサイトの金額をうのみにしないこと。年度が変わると条件も受付も変わる。2026年8月12日照合。※この図は空き家の枠の探し方。耐震の枠は制度名に解体の字が入らないため、市町村名と木造住宅 耐震でも別に探す必要があることを本文に記載。

茨城県には32市10町2村の44市町村があり(令和8年1月1日現在の住民基本台帳人口の集計表)、ここで挙げた5市以外にも制度を持つところがあります。探し方はかんたんです。「市町村名+空き家 解体 補助金」で検索し、市町村の公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古く、いまは受付が終わっている制度を「受付中」のまま載せていることがあるためです。

もうひとつ、検索の言葉を足してください。「市町村名+木造住宅 耐震」です。耐震の枠は制度の名前に「解体」の字が入らないので、解体という言葉だけで探すと出てきません。見落とすのは、たいていこちらのほうです。

もうひとつ、当たりをつけるのに使える公式資料があります。茨城県の土木部住宅課が出している「住宅関連助成制度(市町村)」のページです(更新日2026年6月8日)。

ここには44市町村ぶんのエクセルが2つと、市町村別のPDFが44本置いてあります。エクセルのほうは制度名と事業概要、担当課の電話番号に加えて、主な補助対象要件と補助上限まで並んでいます。この記事で足した市町村も、ここから見つけました。

ただし中身は令和7年度分で、エクセルの表題にも市町村別PDFにも「R7.4.1」と入っています。名前と当たりを拾うところまでにして、金額と受付は必ずその市町村の公式で確かめてください。

実際、そこにずれが出ていた例があります。筑西市空家等解体支援補助金は、市のページ(更新日2025年4月1日)では補助対象経費の3分の1で「50万円が限度額」、市が同じページで配布している交付要項(令和6年3月29日改正)の第7条では同じ3分の1で「30万円を限度とする」と書かれていました。県の一覧のほうも30万円です。どちらが今の運用かは公式の文面からは決められないので、金額は環境課 空き家対策係(電話0296-24-2130)に直接聞いてください。金額の思い違いは、あとで効いてきます。

県(県庁)としての一律の解体補助はありません。県の役割は、空き家対策の全体方針づくりや相談の案内、市町村の制度をまとめて紹介することが中心です。解体費そのものの補助があるかどうかは、家がある市町村の窓口が出発点になります。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。

どの市でも共通の鉄則

  • 工事を始める前に、まず市に申し込むこと。求める順番の書き方は市ごとに違います。神栖市は交付決定通知書が届いてから着工、古河市は交付決定後に工事業者と契約、龍ケ崎市と笠間市は工事着手前に交付申請。ただし日立市だけは解体してから申請する後払いで、順番そのものが逆です。契約をいつ結べるかは、動く前に自分の市の窓口で確かめてください
  • 入口は「市が家の傷みを見て判定する」ところから始まります。神栖市の事前調査、古河市の建築士の立入調査、笠間市の建築士同行の立入調査。まず市に見てもらうのが対象の分かれ目です
  • 受付は予算がなくなり次第で終了します。受付期間が残っていても、予算に達すればそこで締め切られます。年度の前半ほど有利です
  • 耐震の枠を使うなら、先に耐震診断です。3市とも診断の結果が申請の前提で、締切も空き家の枠とは別。神栖市の耐震建替え工事は2026年8月31日、龍ケ崎市は11月27日で締まります
  • 家財道具の処分費は対象外の市がほとんどです。神栖市も動産の処分費は対象外と明記しています。家の中の物を先に片づける費用は、別に見ておいてください
  • 更地にすると土地の固定資産税が上がる場合があります(住宅用地の特例が外れるため)。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで、税の窓口にも確認しながら考えるのが安全です

解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。効いてくるのは家そのものより、まわりに何があるか。隣家との隙間が狭い、前の道が細い。そういう現場は重機が使えず手壊しが増えて、その分だけ日数も人手も増えました。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、同じ工事でも数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています(木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です)。

▶ 解体費の内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べるなら解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※各市の補助を使う場合は、見積もり先や契約のタイミングが制度の条件に合うかも確認してください)

▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較

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(※壊すか直すかで迷っている段階なら、費用が心配なときの順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)

よくある質問

茨城県(県庁)としての解体補助金はないのですか?

解体費への一律の県補助はありません。県の役割は、空き家対策の全体方針づくりや相談の案内、市町村の助成制度の一覧づくりが中心です。解体費そのものの補助は、家がある市町村の制度を調べてください。まず自分の市町村の建築・住宅・空き家の担当課が出発点になります。

水戸市に実家があります。本当に解体の補助はないのでしょうか?

2026年7月31日時点で水戸市の公式ページを見た範囲では、解体費への補助は見当たりませんでした。住宅政策課の補助・支援制度にも、補助・助成の住まい・土地の一覧にも載っていません。制度は年度ごとに変わるので、最新の扱いは住宅政策課(電話029-232-9222)に確認するのが確実です。あわせて、危険なブロック塀の撤去や木造住宅の耐震改修には補助があるため、家の状態によってはそちらが使えることもあります。

同じ茨城県なのに、市によって条件がずいぶん違うのですね?

空き家の枠だけを見ると率は似ていて、5市のうち4市が解体費の2分の1です。大きく違うのは対象になる家のほう。日立市は特定空家に指定された家が対象外で、古河市と龍ケ崎市は逆に特定空家等が対象に入ります。神栖市は傷み具合の判定で上限が3段階。さらに神栖市・古河市・龍ケ崎市には耐震の枠という別の入口があり、神栖市は一律60万円、古河市と龍ケ崎市は5分の4で115万円までです。まず自分の市の入口を確かめて、家の状態が条件に届きそうかを窓口に相談するのが近道です。

解体すると固定資産税が上がると聞きました

土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。解体のタイミングは、税金や売却・活用の予定とセットで、税の窓口にも確認しながら考えるのが安全です。

まとめ

  • 茨城県の解体補助は市町村ごとで、県の一律制度はない
  • 県内で人口の多い水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市の公式には、解体費への補助が見当たらない(空き家の枠は2026年7月31日、耐震の枠は2026年8月4日時点)
  • 空き家の枠で制度があるのは日立市(3分の1・上限30万円と50万円)・古河市(2分の1・最大50万円)・神栖市(2分の1・上限50万〜100万円)・笠間市(2分の1・上限50万円、居住誘導区域なら80万円)・龍ケ崎市(2分の1・50万円まで)
  • 耐震の枠は別の入口。神栖市の耐震建替え工事は一律60万円で締切2026年8月31日、古河市と龍ケ崎市は5分の4で115万円まで(龍ケ崎市の締切は2026年11月27日、古河市は日付の公表なし)。対象は所有者が住んでいる旧耐震の家で、空き家の枠とは重ならない
  • 金額より効くのが対象の家。日立市は特定空家に指定された家が対象外、古河市と龍ケ崎市は逆に特定空家等が対象
  • 古河市は先着順ではなく危険度が高い空き家が優先。日立市だけは解体してから申請する後払い
  • それ以外の市町村は、市町村名+空き家 解体 補助金で公式を確認。県の住宅関連助成制度の一覧は令和7年4月1日現在の情報なので、金額は必ず窓口で確かめる

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