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「広島県で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直な結論です。広島県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市や町ごとです。しかも金額も条件も、市によってまるで別物。同じ「解体のお金」でも入口が3種類あり、どの入口かで上限がまるごと変わります。
大事なのは、金額の大きさより「自分の家がどの入口に当てはまるか」だということ。この記事で見た6市はどれも、古いだけ・空き家だからというだけでは出ませんでした。判定が要らない枠を持つ市もあるので、自分の市の窓口で確かめてください。この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、広島市・福山市・呉市・東広島市・府中市・竹原市の公式サイトを照合して、3つの入口に整理します。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。
※各市の公式サイトにもとづきます(空き家の枠は東広島市・府中市・竹原市が2026年7月22日、広島市・福山市・呉市が7月20〜21日に照合。耐震の枠とがけ地の枠は6市とも2026年8月4日に照合)。年度・予算で変わるため、申請前に必ず各市の公式ページで最新をご確認ください。
空き家の枠|県内6市の早見表【2026年度】

この早見表がまとめているのは「空き家の枠」だけです。誰も住んでいない家が傷んで危ない、という理由で壊すための補助。同じ広島県でも入口も金額もそろっていません。呉市のように道路が狭い敷地で上限が上がる市もあれば、竹原市のように世帯と家の区分で動く市もあります。
ただし、この表の金額だけで自分の市を見限らないでください。広島には解体費に届くお金の入口が、これを含めて3つあります。先にそこを整理します。
広島の「解体のお金」は3階建て|空き家・耐震・がけ地
市の名前で探す前に、枠で探すほうが早いです。6市の公式を当たると、解体費に届くお金は3種類ありました。市の順位ではなく、入口の違いだと思ってください。
1つめは空き家の枠。誰も住んでいない家を、危ないからという理由で壊すお金です。早見表がまとめているのがこれ。市の判定や現地調査を通るのが入口になります。
2つめは耐震の枠。旧耐震(昭和56年5月31日以前)の木造住宅を、耐震診断のうえで建て替えたり、壊して耐震性のある家に住み替えたりする時のお金です。制度の名前に「解体」の字が入らないので見落とされやすいのですが、金額は空き家の枠より大きいことが多い。福山市と呉市は、この枠の除却だけで97万円台に届きます。
3つめはがけ地の枠。がけや土砂災害の区域に建っている家を、安全な場所へ移すお金です。国と県と市町が共同で行う事業で、広島県の建築課が県内の市町の窓口一覧を出しています。ただし実際に使う額を決めているのは市町のほうで、限度額の組み立ても市によって違います。
がけ地の枠には、ほかの2つと決定的に違う点が2つあります。ひとつは除却費の限度額が家の大きさで決まること。ほかの枠のように一律いくらまで、という決め方ではなく、広島市は木造の場合3万3千円に延べ面積をかけた額を限度とする算定式です。ただし200万円を超える場合は200万円とされていて、頭打ちの額そのものはあります。もうひとつは空き家が対象外だということ。広島市のページは、除却だけでも使えるが空き家の場合は対象外になる、とはっきり書いています。
ここがいちばん大事なところです。2つめと3つめは、どちらも「いま人が住んでいる家」の枠。空き家の枠とは対象が裏返しになっていて、同じ家で両方を狙うことはできません。実家に親が住んでいるなら耐震かがけ地、誰も住んでいないなら空き家の枠。ここを決めてから市のページを開くと、迷子になりません。
市ごとの実態|どの階が使えるかは市で違う
広島市|政令市でも「危険な空き家」に絞られた狭き門
県内最大の政令市ですが、解体そのものに届く中心の制度は、道路ぎわの危険な空き家に絞られています。老朽危険空家等除却補助で、解体費の3分の1・上限50万円。ただし対象は、市の評価で腐朽・破損が100点以上に達し、通行人に危険が及ぶほど傷んだ空き家で、募集は年18件程度と狭いのが特徴です。このほか、旧耐震の木造を対象にした耐震の枠(広島市住宅耐震改修等補助事業)や、道路沿いの危険なブロック塀の撤去(3分の2・上限15万円)は別にあります。耐震の枠は、除却事業と非現地建替え事業が除却工事費の23パーセントで限度額58万円、同じ敷地に建て直す現地建替え事業なら現地建替え工事費の80パーセントで限度額115万円。申込み多数の場合は抽選になります。くわしくは広島市の解体補助金の記事で整理しています。
もうひとつ、がけ地の枠。広島市がけ地近接等危険住宅移転事業補助金といって、がけや土砂災害の区域に建つ家を安全な場所へ移す時に、いまの家の除却費が出ます。限度額は算定式で決まり、木造なら3万3千円に延べ面積をかけた額(200万円を超える場合は200万円)。動産の移転費など、その他の除却費等にさらに97万5千円の枠があります。ただし空き家は対象外で、いま住んでいる家であることが前提です。申込期間は2026年5月15日から5月29日まででしたが、この期間で予定件数(1件程度)に達しない場合は6月1日以降も先着順で受け付けるとされています。枠が残っているかは建築指導課(電話082-504-2288)で確かめてください。
福山市|県内2番目。危険な空き家の除却に上限50万円
福山市の空家除却支援事業は、除却費の3分の1以内・上限50万円。地区の指定はなく、市内であれば対象になり得ます。ただし対象は、市が「危険家屋」または「特定空家等」と認めた空き家に限られます。危険家屋は、市の判定項目一覧表で合計評点が100点以上、おおむね1年以上使われていない空き家が目安です。築年数ではなく傷み具合で入口が決まる点は、広島市と同じ。解体は市内に事業所のある業者に頼むことも条件です。くわしくは福山市の解体補助金の記事にまとめています。
福山市には、空き家の枠より大きい耐震の枠もあります。木造住宅耐震化促進補助事業で、除却工事は除却工事費の23パーセント・上限97.8万円、居住誘導区域内で同じ敷地に建て直す現地建替え工事なら工事費の5分の4・上限115万円。空き家の枠の上限50万円とは桁が違います。対象は現に居住している家で、除却の場合は市内の耐震性のある住まいに移ることが条件です。
ただし2026年度の補助申請の受付は終了しています。市のページには、補助についての相談は随時受け付けているので問い合わせを、と書かれています。来年度の受付開始時期は公表されていません。当てはまりそうなら、いまのうちに建築指導課(電話084-928-1103)へ相談だけしておくのが安全です。
福山市にはもうひとつ、がけ地の枠もあります。福山市がけ地近接等危険住宅移転事業で、土砂災害特別警戒区域などに建つ住宅を、安全な場所へ移す時の費用を補助します。空き家の枠・耐震の枠とは別の制度です。
除却費は、木造が1平方メートルあたり3万3千円、非木造は4万7千円が基準です。動産の移転費など引越費用等には97万5千円の枠がさらにあります。
代わりの住宅を建てる時の借入金の利子相当額も対象で、一般の地域は421万円、特殊土壌地帯などはさらに大きく731万8千円が限度です。
対象は区域に指定される前から建っている家(既存不適格住宅)、または大規模地震や台風のあとに市から移転勧告・是正勧告・避難指示等を受けた家です。除却だけの申請も対象になります。窓口は建築指導課(電話084-928-1103)です。
呉市|解体費の30%・上限30万円。狭い敷地は50万円
呉市の危険建物除却促進事業は、解体費の30%・上限30万円です。特徴は、道路までの幅が狭い敷地など、重機が入りにくく壊しにくい家では上限が50万円まで上がること。放っておくと危ない危険な建物が対象で、額の大小より、まず自分の家が「危険建物」に当てはまるかが入口になります。
日付がはっきり決まっているので、ここは急ぎます。危険建物の認定申請は令和8年9月30日(水)まで。予算額に達した場合はその前に受付を終了する、とされています。そして市が注意事項として書いているのが、認定から補助金の交付申請までの提出期限が30日以内だということ。市自身が「期限が短いため、事前に解体業者への見積依頼・相続関係人との調整などを必ず行ってください」と書いています。認定が下りてから業者を探し始めると間に合いません。窓口は都市部 住宅政策課(本庁舎5階、電話0823-25-3514)で、下の耐震の枠とは別の課です。
呉市は、空き家の枠だけを見て判断すると損をします。呉市木造住宅耐震改修等助成事業には市全域で使える除却の枠があり、除却工事費の23パーセント以内。交付要綱は1住戸あたり978.6千円を限度とすると定めていて、97万8,600円まで届きます。居住誘導区域内の耐震改修や建て替えなら、工事費などの80パーセント以内で上限115万円。令和8年度の申込期限は2026年8月31日(月)までで、先着順、実施戸数は13棟です。予算がなくなり次第で終了とされているので、日付より先に埋まることもあります。窓口は建築指導課(電話0823-25-3513)。
がけ地の枠もあります。呉市がけ地近接等危険住宅移転事業で、対象は現に居住のある住宅。市のページには今年度の募集はしていないと書かれていますが、あわせて、希望する時は事前に相談してほしいとも書かれています。来年度の受付時期は公表されていないので、当てはまりそうなら同じ建築指導課へ早めに相談を。
東広島市|老朽化した空き家の解体に上限50万円
訂正(2026年8月9日)
この記事は以前、東広島市の耐震の枠について「建築指導課のページ一覧にも見当たりません」と書き、問い合わせ先も建築指導課と案内していました。東広島市で空き家・耐震・がけ地を所管しているのは建設部の住宅課で、建築指導課(都市交通部)はブロック塀や狭あい道路などの担当です。探す場所を間違えたまま書いていました。違う窓口へ案内してしまい、申し訳ありませんでした。
東広島市の空き家の枠は、正式には老朽危険空家住宅等解体除却事業補助金といいます。補助は解体工事費と廃棄物の処分費の3分の1・上限50万円。放っておくと倒壊などで危ない、1年以上の空き家が対象で、申請の前に市の職員による現地調査が要ります。空き家の跡地を地域のために10年以上活用する場合の除却にも、同じ3分の1・上限50万円の枠が用意されています。窓口は建設部 住宅課(電話082-420-0946、市役所本館6階)です。
東広島市の耐震の枠については、確認できた範囲とできなかった範囲を分けて書きます。市の例規集にある東広島市木造住宅耐震改修等事業補助金交付要綱(平成23年2月4日告示第30号、最終改正は令和6年告示第161号)の第5条には、耐震改修事業が5分の4で100万円、除却事業が3分の1で50万円、現地建替え事業が5分の4で100万円、非現地建替え事業が50万円と定められています。対象は、現に居住の用に供されている木造住宅です。
ただし、令和8年度の受付を案内する市民向けのページには行き着けませんでした。今年度この枠が使えると断定はできません。ひとつ手がかりがあります。広島県が出している耐震補助の窓口一覧に東広島市の行があり、担当は住宅課(082-420-0946)、そこに「準備中」と表示されています(2026年8月9日確認。この表示が付いているのは県内でこの1行だけです)。制度が無いのではなく、今年度の案内がまだ出ていない状態と読めます。当てはまりそうなら、空き家の枠とあわせて住宅課に今年度の扱いを聞いてください。
府中市|解体費の3分の1・上限30万円。家財や跡地は対象外
府中市(備後地方)の老朽危険空き家解体促進事業は、解体費の3分の1・上限30万円。市の老朽危険度の判定基準を満たす空き家が対象で、まず市の事前調査を受けてから申請に進みます。気をつけたいのは、家財道具の処分費や跡地の整備費は、この補助の対象に入らないこと。補助は同じ敷地で1回限りで、申込が多いと危険性などを考えて対象者を選ぶ、とされています。
この枠はいま受付中です。募集期間は令和8年4月1日(水)から令和9年2月26日(金)までで、募集は10件程度。老朽危険空き家に当たるかどうかを確かめる市の事前調査は随時受け付けています。窓口は建設部 監理課 住宅政策係(電話0847-44-9172)です。下に出てくる耐震とがけ地の窓口(都市デザイン課)とは別なので、解体の相談はこちらへ。
耐震の枠について、府中市はほかの5市と性格が違います。市の木造住宅の耐震化促進支援事業には、耐震改修工事・現地建替え工事・非現地建替え工事・除却工事の4本が制度として定義されています。ところが令和8年度については、市のページが4本とも募集はありませんと明記しています(耐震改修と合わせて行う省エネ改修も同じ)。制度が無いのではなく、今年度の募集が休んでいるという状態です。来年度に動く可能性はあるので、旧耐震の家にお住まいなら都市デザイン課(電話0847-44-9019)で翌年度の予定を聞いておく価値があります。
いっぽう、がけ地の枠は生きています。府中市がけ地近接等危険住宅移転事業で、除却費に対する補助額の上限は97万5千円。市のページは、検討する人は事前に都市デザイン課へ相談を、という事前相談の形をとっています。
竹原市|100万円に届く道が2本ある
竹原市の特定空家等及び不良空き家除却支援事業は、世帯と家の区分しだいで、上限が30万円から100万円まで動きます。いちばん手厚いのは、市民税が非課税などの世帯で、家が「特定空家等」の場合で、補助率5分の4・上限100万円。同じ特定空家でもそれ以外の世帯は2分の1・上限50万円、市が危険と認めた「不良空き家」なら2分の1(非課税世帯など)か3分の1・上限30万円と下がります。予算に達したら受付は終了で、初日の受付分は抽選です。
竹原市は、100万円への行き方が2本あります。ひとつがいま書いた空き家の枠。もうひとつが耐震の枠で、竹原市住宅耐震化促進支援事業では現地建替え工事が工事費の5分の4・上限100万円です。居住誘導区域内の耐震改修工事も5分の4で100万円(区域外は60万円)。非現地建替え工事は除却工事費の23パーセントで80万円、除却工事は同じ23パーセントで30万円。こちらは世帯の課税状況を問わず、旧耐震で現に住んでいる家であることが入口になります。
受付には日付があります。市の耐震関係支援制度のページには令和8年11月30日(月曜日)まで(先着順)とあり、受付期間内でも予算を超過した場合は早期に受付を終了することがある、と添えられています。窓口は都市整備課 住宅建築係(電話0846-22-7749)です。
6市の外にもあります|三原・尾道・廿日市・世羅など
広島県は、県内23市町の空き家関係の補助を1ページにまとめて公開しています(掲載日2026年4月1日)。そこを市町の行まで読み直しました。
この一覧に載っている範囲で、ここまでの6市のほかに12の市町が解体に届く空き家の枠を持っていました。金額の前に、条件のほうから書きます。
先に「使えない人」から
世羅町は、売るために壊す人が対象外です。町のページは対象家屋の条件に「建替え、土地の売却及び譲渡等、営利を目的としていないこと」を挙げています。
上限は大きいのですが、相続した実家を更地にして売る、という使い方はここで止まります。
三原市は、建替えを目的とした除却が対象外です。抵当権や根抵当権が設定されている家も外れます。所有者が営利法人の場合も対象になりません。
尾道市も、抵当権などの権利が付いたままでは使えません。ただしこちらは、権利を持つ人全員の同意があれば可、と市が書いています。同じ「権利が付いている」でも、市によって行き止まりかどうかが違います。
それと、三原市・尾道市・世羅町はどれも市内(町内)に事業所のある業者に頼むことが条件です。相見積もりを取れる範囲が、ここで決まります。
金額と条件
- 三原市|老朽危険空き家除却補助事業=補助対象経費の5分の4で上限50万円。対象経費は国が定める標準除却費が限度です。入口は判定票の評点の合計が150以上で、この記事の他市の100点前後より厳しめ。予算額に達した時点で受付終了。建築課 住宅対策係(0848-67-6187)
- 尾道市|特定空家等及び不良空き家除却支援事業=除却費の3分の2(または標準除却費の10分の8の3分の2)で上限60万円。対象区域は市内全域。市の特定空家等の認定か、1年以上使われていない・過半が住宅だった・著しく危険という不良空き家の判定が入口です。募集は令和8年5月7日から11月30日までで、樹木・門・塀などの附属物と地下埋設物は対象外。まちづくり推進課(0848-38-9347)
- 廿日市市|老朽危険空き家除却支援事業=補助対象経費の3分の1で、広島圏都市計画区域の市街化区域以外なら上限50万円、同区域内の市街化区域で跡地活用が困難な立地なら上限70万円。条件は評点100点以上に加えて、倒壊などで保安上危険のおそれがある特定空家等であること(空家法の勧告を受けたものは除く)。住宅政策課(0829-30-9187)
- 世羅町|老朽住宅除却等事業費補助金=除却工事費に10分の8を乗じた額以内で上限100万円。評点の合計が100点を超える、町内の空家で個人が所有する家屋が対象。戸建・長屋・併用住宅が対象で、店舗や倉庫や離れだけを壊す場合、家屋の一部だけを壊す場合は入りません。上に書いた営利目的の条件と、除却後の跡地利用の制限もあります。建設課 管理係(0847-22-5309)
- 大竹市=特定空家等及び不良空き家除却補助事業。5分の4で上限50万円(都市計画課 0827-59-2168)
- 三次市=老朽危険建物除却促進事業。3分の1で上限50万円(都市建築課 0824-62-6385)
- 江田島市=危険家屋除却事業。2分の1で上限50万円(都市整備課 0823-43-1647)
- 神石高原町=空家解体撤去事業。3分の1で上限50万円(建築課 0847-89-3338)
- 庄原市=老朽危険建物除却促進事業。3分の1で上限30万円(都市整備課 0824-73-1151)
- 安芸高田市=空き家解体事業。3分の1で上限30万円。住宅不良度判定の評点100以上で周辺へ悪影響のある木造が対象(管理課 0826-47-1201)
- 安芸太田町=空き家解体補助事業。3分の1で上限30万円(建設課 0826-28-1962)
- 大崎上島町=危険建物除却促進事業。10分の3で上限30万円。町が危険建物と認定した建物が対象(建設課 0846-65-3124)
世羅町については、金額の書き方が2つあります。県の一覧には「空き地バンク登録の場合は限度額120万円」という1行がありますが、町のページには同じ記載を見つけられませんでした(2026年8月12日に確認)。
どちらが今の運用かは、こちらでは決められません。120万円を当てにして計画を立てる前に、町の建設課へ直接確かめてください。
枠が見つからなかった町と、性格の違う町
府中町・海田町・北広島町は、県の一覧に空き家の除却の枠がありませんでした。熊野町は一覧に「熊野町へ直接お問い合わせください」とだけ書かれていて、制度の有無そのものが読み取れません。
坂町は少し性格が違います。空き家改修等支援事業のなかで解体費も見る形(2分の1・上限30万円)ですが、5年以上空き家バンクに登録するか対象の空き家に住むことが条件です。
取引が成約して住民票の異動が確認できることも交付の要件なので、壊して更地にするだけ、という使い方はできません。
もうひとつ。この記事の前半に書いた「耐震の枠のほうが大きい」は、6市の外でも同じでした。県の一覧では、尾道市・大竹市・江田島市・海田町が除却か非現地建替えで97万円台、府中町が96万円と並びます。
いま人が住んでいる旧耐震の家が前提なので、空き家には使えません。ただ、親が住んでいる実家の話なら、空き家の枠より先に見る価値があります。
確認の深さも書いておきます。三原市・尾道市・廿日市市・世羅町は、市町の公式ページの条文まで読みました。
残りの8市町と、耐震の枠の金額は、県の一覧の行までです。受付期間と今年度の扱いは、それぞれの窓口で確かめてください。
※この章は広島県住宅課「広島県内市町における空き家関係補助事業一覧」(掲載日2026年4月1日)と、三原市・尾道市・廿日市市・世羅町の各公式ページを2026年8月12日に照合しています。
この6市以外にお住まいなら
ここまでで、県の一覧に載っている空き家の除却の枠は一通り並べました。それでも、制度の有無や金額は年度で動くので、必ず自分の市や町の公式ページで確かめてください。上で使った広島県の一覧は、まず自分の市町に制度があるかを確かめるのに向いています。個別に調べるときは「市町村名+空き家 解体(除却)補助金」で検索し、URLが lg.jp などの公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古いことが多いためです。検索の言葉は3つ用意してください。「市町村名+空き家 解体 補助金」に加えて「市町村名+木造住宅 耐震」と「市町村名+がけ地 移転」です。耐震とがけ地の枠は制度名に「解体」の字が入らないので、解体という言葉だけで探すと画面に出てきません。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。
どの市でも共通の鉄則
- 工事の契約前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工。順番が逆になると、その工事は対象外になります。契約を急かされたら、先に市の窓口へ電話を1本
- 危険な空き家や特定空家の補助は、まず市の「判定」や「現地調査」からです。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- 3つの枠は窓口も締切も別です。空き家の枠と耐震・がけ地の枠で担当課が分かれている市もあります。自分の家がどの枠かを決めてから電話するほうが、たらい回しになりません
- どの市も予算がなくなり次第で終了します。竹原市のように初日分が抽選になる市もあり、年度の前半ほど有利。耐震の枠では呉市が2026年8月31日、竹原市が11月30日で締まります
- 市内業者限定・家財の処分費は対象外・非課税世帯で手厚くなる市があるなど、細かい条件は市ごとに違います。補助金は工事のあとに振り込まれるので、いったんは自分で立て替える前提で考えておいてください
解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています。
▶ 解体費の内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べるなら:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※市内業者限定の補助を使う市では、見積もり先が条件に合うかも確認してください)
▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)(※壊すか直すかで迷っている段階なら、直す場合の金額を先に知っておくと判断が早くなります。費用が心配なときの順番は解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)
よくある質問
広島県(県庁)としての解体補助金はないのですか?
ありません。県の空き家対策は、市や町の取り組みを後押しする方針づくりや、市町の支援制度の一覧の紹介が中心です。解体の補助は、家がある市や町の制度を調べてください。広島県には県内の市町の空き家関係の補助制度をまとめた一覧があるので、まず自分の市町に制度があるかを確認するのが早道です。
同じ広島県なのに、市によって上限がずいぶん違うのはなぜですか?
ねらいの違う枠が、市ごとに違う組み合わせで置かれているためです。空き家の枠は危険な空き家を減らすためのもので、傷みの判定を通った家の解体に出ます。耐震の枠は旧耐震の家を建て替えて地震に備えるためのもので、いま住んでいる家が対象。がけ地の枠は危ない場所から住まいを移すためのもので、除却費の限度額が家の延べ面積で決まります。金額の大小より、自分の家がどの枠に当てはまるかで、使える額が決まります。市の順位で考えると、枠を1つ見落とした時点で答えが変わってしまいます。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。府中市の案内でも、空き家を解体すると翌年度の土地の税額が増えることがあると注意しています。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで考えるのが安全です。
まとめ
- 広島県の解体補助は市や町ごとで、県の一律制度はない
- 解体費に届くお金は空き家・耐震・がけ地の3つの枠。制度名に「解体」の字が入らない枠があるので、空き家のページだけ見ると見落とす
- 空き家の枠は、くわしく見た6市では広島市・福山市・東広島市が上限50万円、呉市・府中市が上限30万円(呉市は狭い敷地で50万円)、竹原市は世帯と家の区分で30万〜100万円
- この6市の外にも枠がある。ただし世羅町のように「土地の売却を目的にしないこと」を条件にする町もあり、更地にして売る予定なら金額の前にそこで止まる。三原市は評点150以上と入口が厳しく、尾道市は3分の2で60万円
- 耐震の枠は金額が大きい。福山市は除却97.8万円・現地建替え115万円、呉市は市全域の除却97万8,600円、竹原市は現地建替え100万円。締切は呉市が2026年8月31日、竹原市が11月30日で、福山市は2026年度の受付が終了ずみ
- がけ地の枠は除却費の限度額が延べ面積で決まる(広島市は木造3万3千円×延べ面積、ただし200万円が上限)。ただし空き家は対象外
- この記事で見た市はどこも、まず市の判定・現地調査が入口。古いだけ・空き家というだけでは出ない。判定が要らない枠を持つ市もあるので、自分の市の窓口で確かめてください
- 共通の鉄則は契約前に申請と、業者差の大きい解体費を下げる相見積もり
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