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「広島市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直なところをお伝えします。広島市の解体費補助は、「古いから」「空き家だから」というだけでは出ません。中心になる制度は、道路ぎわの危険な空き家に絞られていて、募集は年18件程度という狭き門です。ネットで金額だけを見て期待すると、条件でつまずきやすい制度です。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、広島市公式(2026年8月4日照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように5つの入口に整理します。
※2026年8月4日時点の広島市公式サイト(都市整備局指導部建築指導課・住宅政策課の各制度ページ)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。
まず結論|広島市の戸建て向けの解体補助は「5つの入口」

広島市の解体にからむ補助は、地震や老朽化で倒れそうな家を減らす、防災を目的にしたものが中心です。だから条件が「古い」ではなく「危険なほど傷んでいる」ことに寄っています。整理すると、戸建ての解体に届く入口は次の5つです。
- ① 老朽危険空家等除却補助:道路ぎわの危険な空き家の除却に、上限50万円。ただし傷みの評価が基準以上で、募集は年18件程度と狭いのが特徴です
- ② 住宅耐震改修等補助の「除却・建替え」:旧耐震の木造で、耐震診断で危険と出た家を、壊す/建て替える場合の補助。空き家でなくても使えます
- ③ ブロック塀の撤去:道路に面した危険な塀の撤去は、上の制度とは別枠で補助があります
- ④ がけ地近接等危険住宅移転事業補助:土砂災害のおそれのある区域に建つ家を、安全な場所へ移すための制度。住んでいる家が対象で、空き家は対象外です。壊すだけでも使えます
- ⑤ 子育て世帯住替え促進の空き家除却費補助:市内169の住宅団地が対象。空き家を壊し、その土地に建てた家へ子育て世帯が入る場合に、除却費の2分の1・上限50万円
金額の大きさより、まず自分の家がどれに当てはまるかが入口です。当てはめながら、順番に中身を見ていきます。
ここに並べたのは、戸建ての解体に使える枠です。共同住宅や事業用の建物は別の制度になります。当てはまりそうなものが見つからないときも、建築指導課(082-504-2288)へ一度おたずねください。
制度①|老朽危険空家等除却補助(上限50万円・年18件程度の狭き門)
空き家の解体そのものに届く、広島市の中心の制度がこれです。ただし対象は、放っておくと倒れて通行人に危ない、と言えるほど傷んだ空き家に絞られています。名前のとおり「老朽危険空家」が主役です。
- 対象になる家:広島市内の戸建住宅(長屋・店舗等併用住宅を含む)の空き家で、腐朽・破損の程度が市の基準(別表の評価で100点以上)に達しているもの
- 場所の条件:道路に近く、通行人へ危険が及ぶ可能性が高いこと。平屋・2階建てなら建物から道路までの最短距離が3メートル未満、3階建て以上なら6メートル未満が目安です
- 補助額:解体工事費の3分の1、または国の標準除却費(木造36,000円・非木造51,000円に延べ面積をかけた額)の8割、その低いほうで上限50万円。表示の上限がそのまま満額出るとは限りません
- 募集件数:18件程度。申込が多いと抽選になります
「傷んでいるけれど、まだ住める」「道路から離れた奥まった家」だと、この制度からは外れやすいです。逆に言うと、通りに面してボロボロになった空き家をお持ちの方には、数少ない受け皿になります。相談も申込も、市の建築指導課(電話082-504-2288)で事前予約のうえ受け付けています。
制度②|住宅耐震改修等補助の「除却・建替え」(旧耐震の木造が条件)
「うちは空き家ではない」「まだ住んでいる」という方の受け皿になり得るのが、こちらです。広島市の住宅耐震改修等補助事業には、耐震性の低い家を壊す「除却」や建て替えへの補助があり、空き家でなくても使えます。
- 壊すだけ(除却):耐震性のある住宅へ住み替えるために今の家を壊す場合、除却工事費の23%・上限58万円が出ます
- 建て替える(現地建替え):同じ敷地に建て替えるなら、工事費の80%・上限115万円と手厚くなります(省エネ基準に適合する家などの条件つき)
- 使える条件:昭和56年(1981年)5月31日以前に着工した木造の一戸建て(2階以下)で、耐震診断で「倒壊する可能性が高い」(上部構造評点0.7未満)と出た家であること。市税の滞納がないこと、前年の所得が1,200万円以下といった条件もあります
診断はこれから、という方は、まず耐震診断からが正しい順番です。旧耐震の木造なら、自分で答えを書き込む簡易な診断票で危険と判断できれば、除却や建替えの申請に進める道もあります。募集は少数(例年、耐震改修8戸・現地建替え3戸ほか)で、こちらも申込多数なら抽選です。
危険なブロック塀は別枠で補助(3分の2・上限15万円)
解体そのものとは別に、民間ブロック塀等撤去工事補助事業があります。地震のときの倒壊を防ぐため、道路に面した高さ1メートル以上の危険な塀の撤去に、費用の3分の2・上限15万円が補助されます。古い塀のある家は、建て替えや解体と一緒に検討しておくと無駄がありません。受付は例年、年度の初めから翌年1月末まで、予算の範囲内で先着順です。
がけ地や土砂災害の区域に建つ家は「移転」の枠から除却費が出ます
ここがいちばん見落とされやすい入口です。広島市がけ地近接等危険住宅移転事業補助金は、土砂災害のおそれのある区域に建っている住宅を、安全な場所へ移すための制度です。名前に「解体」も「除却」も入らないので、探しても出てきません。
公式には「補助対象住宅の除却等のみでも制度の活用は可能です」と書かれています。移転先を決める前でも、壊す費用の相談ができるということです。
- 対象になる家:災害危険区域、がけ認定適用区域(かんたんに言うと、がけの近くで建て方に制限がかかる区域)、土砂災害特別警戒区域などにあり、区域に指定される前から建っていた住宅
- 空き家は対象外:公式に「空き家の場合は対象外となります」と明記されています。住んでいる家が前提で、制度①とはちょうど裏返しの関係です
- 除却の限度額:ここは他と設計が違い、上限額が固定ではなく家の広さで決まります。公式の算定式は、木造なら1平方メートルあたり3万3千円、非木造なら4万7千円に延べ面積をかけた額。これが200万円を超える場合は200万円までです。このほかに「その他除却費等に要する費用」として97万5千円の枠があります
- 移転先の費用も対象:移転先の住宅を建てる・買う・直すために金融機関から借り入れた場合、その利子に相当する額も補助されます(一般地域は421万円、特殊土壌地帯等は731万8千円が限度)
- 予定件数:1件程度。枠はとても小さいです
金額の考え方だけ、少し補足します。延べ面積100平方メートルの木造なら3万3千円×100で330万円となり、200万円の頭打ちに届きます。小さな家ほど算定式の額がそのまま効いてくるので、自分の家が何平方メートルかを先に調べておくと話が早いです。
受付は少し変わった形です。公式は申込期間を令和8年(2026年)5月15日から5月29日までとしたうえで、この期間で予定件数に達しない場合は、6月1日以降は先着順で受け付けると案内しています。枠が残っているかどうかは時期によって変わるので、建築指導課(082-504-2288)で今の状況を確認してください。
申込書を出す前に建築指導課との事前協議が必要で、交付決定の前に契約すると対象外になります。順番はここでも同じです。
住宅団地の空き家は「子育て世帯の住替え」の枠で除却費が出ることも
もう1つ、名前で探しても見つからない枠があります。広島市子育て世帯住替え促進空き家除却費補助事業です。住宅政策課が担当で、傷みの評価も耐震診断も要りません。
- 補助額:補助対象経費の2分の1・上限50万円。制度①の老朽危険空家と同じ額です
- 対象の空き家:市が調査した169の住宅団地の中にある戸建て(併用住宅を含む)で、3か月以上住んでいない家。さらに、町内会などの自治組織が市に出す「空き家活用計画書」に載っていることが条件です
- 大事な前提:空き家を壊したあとの土地に新しく建てた家へ、子育て世帯(小学生以下の子がいる世帯。出産予定を含む)が入る場合に限られます。壊して更地のまま、では対象になりません
- 受付:令和8年(2026年)5月15日から12月25日まで。予算の範囲内で先着順です
自分の空き家が169団地に入るのか、計画書が出ているのかは、外からは分かりません。市のページには問い合わせフォームがあり、対象の住宅かどうかを確認してメールか電話で回答すると案内されています。団地名で確かめられる一覧も同じページに置かれています。まずは住宅政策課(082-504-2292)が入口です。
自宅が対象になるか|確認の順番
広島市は制度が分かれているぶん、どれに当てはまるかを先に見分けるのが近道です。次の順で当てはめてください。
- まず空き家かどうか:道路ぎわで傷みのひどい空き家なら、制度①(老朽危険空家等除却)が候補です。傷みの評価は市の現地調査で決まります
- 住んでいる・耐震性で見るなら:旧耐震の木造で、耐震診断で危険と出た家なら、制度②(耐震改修等補助の除却・建替え)が使えます。空き家でなくても対象です
- 塀だけでも:道路沿いの危険なブロック塀は、家の解体とは別に制度③で撤去費の補助を受けられます
- がけ地・土砂災害の区域なら:住んでいる家が土砂災害特別警戒区域などにあるなら、制度④(がけ地近接等危険住宅移転)が候補です。空き家は対象外です
- 住宅団地の空き家なら:169団地の中にあり、壊した土地に建てた家へ子育て世帯が入る予定なら、制度⑤(子育て世帯住替え促進の除却費補助)が使えます
迷ったら、自分で判定しきる前に市の窓口へ電話するのがいちばん早いです。老朽危険空家・ブロック塀・がけ地の移転は建築指導課(082-504-2288)、耐震の除却・建替えと子育て世帯の除却費は住宅政策課(082-504-2292)が担当で、制度が複雑なので聞いてしまうほうが失敗がありません。
申請の流れ|「交付決定の前に契約しない」が絶対のルール

どの制度でも共通して、いちばん大事なのはここです。
- 解体の工事契約より前に申請し、市の「交付決定」を受けること。交付決定の前に契約・着手した工事は、原則として補助を受けられません
- 老朽危険空家の制度は、申込のあとに市の現地調査を経て、正式な交付申請に進みます。審査にも日数がかかるので、思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- 予算と件数には限りがあり、年度の途中でも予定に達すると受付が終わります。取る人は年度の早いうちに動いています
- 補助金が振り込まれるのは、工事費を払って完了報告をしたあと。いったんは自分で立て替える前提です(老朽危険空家・ブロック塀は年度内の2月末までに工事完了と報告が必要)
「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。
対象外だった人の、現実的な選択肢
条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- 更地にすると固定資産税が上がる場合がある点も、壊す前に知っておいてください
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)
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リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)あわせて読みたい
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よくある質問
呉市や福山市に住んでいます。同じ補助はありますか?
解体補助は市区町村ごとに制度が違うので、広島市の内容はそのままは使えません。近隣の市にも、危険な空き家の解体そのものへの補助があります。たとえば呉市の危険建物除却促進事業は解体費の30%・上限30万円(道路までの幅が狭い敷地などは上限50万円)、福山市の空家除却支援事業は除却費の3分の1以内・上限50万円です(いずれも2026年7月20日時点)。お住まいの「市名+解体(除却)補助金」で市の公式サイトを確認するか、市役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。当サイトでも各市の情報がそろい次第、記事を追加していきます。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。広島市の補助は交付決定より前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず相談→申込・申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ。
いつまでに動けばいいですか?
制度によって受付の時期は違いますが、共通して審査に日数がかかり、予定件数や予算に達すると年度の途中でも受付が終わります。老朽危険空家の解体を考えているなら、傷みの写真や見積もりの準備は年度の早いうちに始めておくのが堅実です。まずは窓口への相談から動くのが確実です。
まとめ
- 広島市の戸建て向けの解体補助は、①老朽危険空家の除却(上限50万円・年18件程度)②旧耐震木造の耐震除却・建替え(除却は23%上限58万円)③危険なブロック塀の撤去(3分の2・上限15万円)④がけ地などからの移転にともなう除却(家の広さで決まり200万円まで)⑤住宅団地の空き家を子育て世帯の住替えに使う場合の除却(2分の1・上限50万円)の5つ
- 中心の老朽危険空家は、道路ぎわで傷みのひどい空き家に絞られた狭き門。古いだけ・空き家というだけでは出ません
- ただし住んでいる家にも②の耐震除却と④のがけ地移転という道があります。空き家でないから無理、と決めつけないでください
- 共通ルールは着手前申請・予算内で先着(申込多数は抽選)。契約を先にすると補助は消える
- 対象外でも、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりで適正価格に


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