解体前のアスベスト事前調査は断れない|調べるのは業者・払うのは施主、見積もりで確かめる4つを元大工が中立解説

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解体の見積もりを取ったら「アスベストの調査費用」という行があった。これは何なのか、断れるのか。

先に答えを書きます。断れません。そして調査をするのは業者で、施主はその費用を負担して協力する側です。法律にそう書かれています。

元大工で、いまは中立の立場で書いているおさむが、条文にあることだけを整理します。

誰が調べて、誰が払うのか

アスベスト調査は誰がやるのかの図。調べる人は元請業者で、法律が業者に義務づけており施主は調べなくてよい。払う人は発注者つまり施主で、費用を適正に負担して協力すると条文にある。結果は書面で説明を受け、材料の種類・場所・面積・作業の方法まで書かれる。自分で壊すときは調査も記録も自分で行う。大気汚染防止法第18条の15。

大気汚染防止法の第18条の15に、こう書かれています。建築物等を解体する作業を伴う建設工事の元請業者は、その工事がアスベストを扱う工事に当たるかどうかについて、設計図書などの書面による調査と、材料の有無の目視による調査を行い、その結果を発注者に書面を交付して説明しなければならない。

つまり、調べるのは業者です。施主が自分で調べる必要はありません。

ただし同じ条文の第2項にこうあります。解体等工事の発注者は、元請業者が行う調査に要する費用を適正に負担することその他必要な措置を講ずることにより、当該調査に協力しなければならない。

費用を負担するのは施主です。見積書にその行があるのは、これが理由です。

自分で壊す場合は、自分で調べます

業者に頼まず自分で解体する場合(法律では自主施工者と呼びます)は、調査も記録の作成も自分でやることになります。物置ひとつでも、法律の建前はこうなっています。

調査は「書面」と「目視」の2つ

条文が挙げているのは2つです。

  • 設計図書などの書面による調査:使われた建材の記録から判断する
  • 特定建築材料の有無の目視による調査:現地で実際に見る

この2つで判断がつかない場合に、材料を採取して分析する段階に進みます。分析まで行くと費用も日数も増えるので、見積もりの段階で「分析が必要になった場合はいくらか」を聞いておくと、後で慌てません。

結果は書面でもらえます

調査の結果は、業者から書面で説明を受けることになっています。もらう書面には、調査の結果のほか、アスベストを扱う工事に当たる場合は、材料の種類・使われている場所・面積・作業の種類・期間・方法が書かれます。

この書面は受け取って保管してください。工事のあとで何かを確かめるとき、これが根拠になります。

業者の側にも記録を作って保存する義務があり、工事の現場に記録の写しを備え置くことになっています。現場を見に行ったときに、それが置かれているかどうかは一つの目安になります。

工期や金額で、無理をさせないこと

見積もりで確かめる4つの図。調査の費用が含まれるか。入っていない見積書はあとから足される。分析に進んだら追加になるか含まれるか。見つかったら除去の費用はどうなるか。工期が短すぎないか。値切りと工期の詰めすぎは法律が戒めている。発注者にも配慮義務があり、手順を守れなくする条件を付さないこと。第18条の16。

ここは知っておいてほしいところです。同じ法律の第18条の16に、発注者の配慮義務が書かれています。

特定工事の発注者は、元請業者に対し、施工方法・工期・工事費その他の請負契約に関する事項について、作業基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮しなければならない。

かみくだくと、こういうことです。安くしてほしい、早く終わらせてほしい、という要求が、正しい手順を守れなくさせる形になってはいけない。値切りすぎや工期の詰めすぎが、飛散の防止をおろそかにさせる原因になり得るからです。

相見積もりで金額を比べるのは大事ですが、安いほうを選ぶときは、その金額で調査と対策が入っているかを確かめてください。入っていない安さなら、それは比較になっていません。

見積もりで確かめる5つ

  1. 調査の費用が入っているか:入っていない見積書は、あとで足されます
  2. 分析が必要になった場合の扱い:追加になるのか、含まれているのか
  3. 見つかった場合の除去費用:ここは金額が大きく動きます
  4. 結果の書面をもらえるか:法律で説明することになっています
  5. 工期に無理がないか:短すぎる工期は、配慮義務の話に触れます

解体の見積書全体で、どこを見るかは解体業者とのお金のトラブルの記事に整理しました。届出の義務が施主にあることも、そちらに書いています。

古い家ほど、可能性は上がります

アスベストは建材に幅広く使われていた時期があります。屋根材、外壁、内装、断熱、配管まわりなど、使われた場所も一つではありません。

ただし「築何年なら必ず入っている」とは言えません。だから法律も、築年ではなくすべての解体工事に調査を求める形にしています。心当たりがなくても、調査そのものは通ります。

それでも、まず相見積もりから

調査は法律で決まっているので、どの業者に頼んでも発生します。だからこそ、調査と対策を含めた総額で比べる必要があります。1社だけだと、その金額が妥当なのか判断する材料がありません。

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見積もりを取るときに「アスベストの事前調査は含まれていますか」「分析が必要になったら追加ですか」の2つを、同じ文面で全社に聞いてください。返ってきた答えの差が、そのまま業者の差になります。

まとめ

  • 調査は元請業者が行う(大気汚染防止法第18条の15)。施主が自分で調べる必要はない
  • ただし費用を適正に負担して協力するのは発注者、つまり施主(同条第2項)
  • 調査は書面と目視の2つ。判断がつかなければ分析に進む
  • 結果は書面で説明される。受け取って保管する
  • 値切りすぎ・工期の詰めすぎで手順を妨げない配慮が発注者に求められている(第18条の16)
  • 自分で壊す場合は、調査も記録も自分で

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よくある質問

調査を断ることはできますか

できません。法律で元請業者に義務づけられている調査です。断れる性質のものではなく、施主の側には費用を負担して協力する立場が定められています。

費用はいくらくらいですか

建物の規模、材料の種類、分析まで進むかどうかで変わるため、ここで金額を書くことはできません。見積もりを複数取って、同じ条件で比べてください。

調査でアスベストが見つかったら、解体できなくなりますか

できなくなるわけではありません。使われている材料の種類と場所に応じた方法で作業することになります。ただし費用と工期は変わるので、見つかった場合にどうなるかを、契約の前に聞いておいてください。

物置や小屋でも調査は要りますか

法律は建築物その他の工作物を解体する作業を対象にしています。規模で線を引く書き方にはなっていないので、小さいから不要とは考えず、業者に確かめてください。

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