リフォームで追加費用を言われたら|その場で返事をする前に確かめる4つを元大工が中立解説

業者選び・費用相場

工事の途中で、追加であと◯万円かかりますと言われた。あるいは工事が終わってから、見覚えのない行が増えた請求書が届いた。

先に結論です。同じ追加でも、それがどこから来たかによって、返事の仕方が変わります

元大工の見習いとして解体や下地の仕事に入っていたおさむが、その場で返事をする前に確かめることを中立にまとめます。根拠にしたのは、住まいるダイヤルの公式ページ、消費者庁の案内、それとe-Gov法令検索で読んだ建設業法の条文です(2026年8月14日に確認)。

まず、その追加が「どこから来たか」を分ける

リフォームで追加費用を言われたときに、その追加がどこから来たかを4つに分ける図。①開けて出た=工事に入って初めて分かったもの。下地・土台・配管の傷みやシロアリなど。開けた場所の写真と、必要な理由を聞く。②自分が変えた=こちらの希望で内容が変わったもの。品番のグレードや位置を変えたぶんの増額。頼んだのは自分。金額はその都度、紙で。③範囲のこと=最初の見積もりに入っていないか。見積書と契約書の工事範囲を突き合わせる。言った言わないになりやすいところです。④ついでに=今回の工事とは別の工事のすすめ。今の工事とは別の契約の話になります。急いで決める理由があるのかを先に聞く。出どころが決まると、次の一手が決まります。どの型でも、まず契約書と見積書を開くのが最初の一手。

追加費用の話がこじれるとき、たいてい「追加」がひとかたまりのまま置かれています。

けれど中身は同じではありません。工事に入って初めて出てきたものと、自分が途中で変えたものと、最初から入っているはずのものでは、話の進め方がまるで違います。

まずは4つに分けてみてください。分けた時点で、次に何を聞けばいいかが決まります。

① 工事に入って初めて分かったもの

壁を開けたら下地が傷んでいた。床をはがしたら土台が濡れていた。配管が図面と違うところを通っている。

見習いで解体に入っていた頃も、はがしてみると図面には無い継ぎ足しの下地が出てくることはありました。古い家では、開けるまで分からない部分が実際にあります。

これは住まいるダイヤルも公式に書いています。「リフォーム工事の場合、工事に入って初めて、施工する部分やその周辺に新しく不具合が見つかったり、下地などの構造が図面通りでないことがわかったりすることがあります」

つまりこの型の追加が出ること自体は、おかしなことではありません。むしろ、見つけたのに黙って隠されるほうが困ります。

やることは1つ。開けた場所の写真と、なぜその工事が必要になったのかの説明をもらうことです。断るかどうかを考えるのは、そのあとで間に合います。

② 自分の希望で内容が変わったもの

打ち合わせの途中で「やっぱりこっちの品番で」「位置を少しずらしたい」と頼んだぶん。

これは頼んだのが自分なので、増えた費用を持つのが筋になります。出どころがはっきりしている型です。

ただし金額は別問題で、変えるたびに紙で確かめておいたほうが安全です。公式の案内にも「ご自身の希望やリフォーム事業者の提案によって、仕様変更をする場合にも、その都度、見積書などで費用等を確認してから追加工事を行ってもらいましょう」と書かれています。

③ 最初の見積もりに入っていないか

見落とされやすいのがここです。処分費、養生(ようじょう=工事のあいだ床や家具を覆って守ること)、下地の調整。当たり前に付いてくると思っていたものが「追加です」と出てくることがあります。

やることは突き合わせ。契約書と見積書を開いて、工事の範囲としてどこまで書いてあるかを見ます。

見積書が「◯◯工事 一式」だけだと、ここで詰まります。比べられる行が無いので、入っているとも入っていないとも言えません。見積書のどこを見るかは リフォーム見積もりの見方|「一式」に注意、契約書のほうは リフォーム契約書の注意点・チェックポイント にまとめました。

住まいるダイヤルの案内は、線の引き方をこう書いています。「一般的には、工事開始前に必要と思われる工事項目については、当初から見積もりに含めるべきですが、その時点で想定できないような工事については、工事中、改めて、追加工事契約など別の契約を締結することになります」

④ 今回の工事とは別の工事のすすめ

「ついでに屋根も見ておきましょうか」「足場があるうちにやると安く済みます」と、工事中に別の場所の話が出てくる形です。

足場を組み直さずに済むなら、そのぶんの費用は変わります。ただし、それは今の工事とは別の契約の話です。

だからこの型は、今日中に決めなくても進められる場合があります。急いで返事がほしいと言われたら、なぜ急ぐのかもあわせて聞いてみてください。

別の会社にも見積もりを出してもらってから決めても構いません。頼み方と、角の立たない断り方は リフォームの相見積もりは何社が正解?失礼にならない断り方とコツ に書いてあります。

返事をする前に確かめる4つ

リフォームの追加費用に返事をする前に確かめる4つをまとめた図。なに=何が必要になったのかを見せてもらう。開けた場所の写真と、必要な理由の説明。口頭の説明だけで、その場で決めない。いくら=内訳のある紙で金額を受け取る。追加一式ではなく、数量と単価まで。元の見積書と同じ形だと見比べやすい。いつまで=今日決めるものか、後でよいものか。工事が止まる範囲を具体的に聞いておく。急がされたら、その理由もあわせて聞く。残し方=契約書の変更についての欄を開く。設計変更があったときの決めごとを探す。合意したことは書面にして受け取る。返事は、紙をもらってからで大丈夫です。建設業法にも、変更は書面で取り交わすと定めがあります。

現場でその場で聞かれると、断りにくいものです。職人さんが待っていると、なおさら。

それでも、返事は紙をもらってからで大丈夫です。聞くのは次の4つだけ。

  • なに|何が必要になったのか。開けた場所の写真と、必要な理由の説明
  • いくら|内訳のある紙で。追加一式ではなく、数量と単価まで
  • いつまで|今日決めるものか、後でよいものか。決めないと止まる範囲はどこか
  • 残し方|合意したことを、どういう形で書面にしてもらうか

「いつまで」を聞くのが効きます。工事全体が止まるのか、その1部屋だけ待てばいいのかで、こちらの落ち着き方が変わるからです。

この場で決めないと全部止まる、という話になったときこそ、止まる範囲を具体的に聞いてみてください。答えが具体的なら、こちらも判断しやすくなります。

それと、契約書の「変更」についての欄を開いてみてください。設計変更があったときの決めごとが書かれていることがあります。自分の契約が、その場面をどう扱っているかは自分の紙にしか書いてありません。

変更を書面にすることは、法律にも書かれている

書面と言うと大げさに聞こえますが、これは商習慣の話ではありません。

建設業法という法律の第19条第2項に、こう定められています。「請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない」

前項というのは同じ第19条の第1項で、工事内容、請負代金の額、着手と完成の時期などが並んでいます。工事の中身や金額が変わるなら、その変更も書面にして双方で取り交わす、という形です。

この第2項が名指ししているのは「請負契約の当事者」、第1項では「建設工事の請負契約の当事者」です。どちらも頼んだ側と請け負った側の両方を指しています。書面を残すのは業者だけの務め、という書き方ではありません。

さらに第1項の6号には、当事者の一方から設計変更などの申し出があった場合の、工期や請負代金の額の変更に関する定めを契約書に書くこと、という項目があります。契約書の変更の欄を開くというのは、この6号が入っているはずの場所を見にいく作業です。

ここは正直に線を引いておきます。書面がなかったからといって、その追加費用を払わなくてよいと決まるわけではありません。金額や支払いの義務がどうなるかは、契約書の中身とそれまでのやり取りによって変わります。ここで言い切れるものではないので、この記事の後半に書いた窓口へつないでください。

工事が終わってから請求が来た場合

動きにくいのがこの形です。もう工事は終わっていて、請求書だけが手元にある。

それでも順番は同じです。契約書、見積書、そのあとに受け取った紙。この3つを並べて、増えている行がどの型なのかを見ます。

メールやメッセージアプリのやり取りも探してください。打ち合わせで口頭のまま進んだ部分でも、「では追加でお願いします」の一文が残っていることがあります。

まだ最後の支払いが残っている方は、払う払わないを自分だけで決めないでください。この判断のしかたは リフォームの仕上がりに不満|手直しを頼む順番 の「残っているお金は、自分だけで決めない」の章にまとめてあります。公的な窓口の回答の両面を引いて書きました。

そもそも請求のあと連絡がつかなくなった場合は、動き方が変わります。リフォーム業者と連絡が取れない時の対処 をご覧ください。追加の話ではなく工期が延びているだけなら リフォームの工期が遅れたら?仕方ない遅れとおかしい遅れの見分け方 が近い話です。

その金額が高いかどうかは、ここでは決められない

読んでいていちばん知りたいのは、たぶんここだと思います。提示された金額が妥当なのかどうか。

正直に書きます。その判定は、この記事ではできません。家の状態も、開けて出てきたものも、元の契約の範囲も1件ずつ違うからです。内訳のない紙では、誰にも判断できません。

先に1つ、期待を裏切らないために書いておきます。住まいるダイヤルには見積書の中身をチェックしてもらえるサービスがありますが、公式の案内では契約前のリフォームの見積書が対象とされています。すでに契約して工事が始まっている段階では、このサービスは当てになりません。ただし電話相談のほうは、契約後でも受けてもらえます。

代わりに使えるのが電話相談です。住まいるダイヤルは建築士が電話で応じる窓口で、番号は03-3556-5147。電話がつながるのは10時から17時のあいだで、土日祝と年末年始は休みと案内されています。工事の中身についての相談ができます。

契約とお金の話なら、消費生活センターです。局番なしの188にかけると、郵便番号などから最寄りの窓口を案内してもらえます。相談そのものは無料。負担するのは通話料と案内されています。

この2つの窓口の詳しい使い分けと、弁護士と建築士に対面で相談する専門家相談については、リフォームの仕上がりに不満 の記事にまとめてあります。使える条件と使えない条件も、そちらに書きました。

よくある質問

Q. 追加費用は断ってもいいですか

A. 断れるかどうかは、その追加がどの型かと、契約書に何が書いてあるかで変わります。ここで一律には言えません。ただ、①の型(開けて出てきたもの)は、断ると家の傷んだ部分がそのまま残ることがあります。金額の前に、まず何が出てきたのかを見せてもらってください。

Q. 口約束でも追加工事の契約になりますか

A. なるともならないとも、ここでは言い切れません。実際にもめるのは、そこがはっきりしないからです。だからこそ、これから先のやり取りは記録が残る形に切り替えるのが確実です。過去の分はメールや写真を探すしかありませんが、今日から先は自分で変えられます。

Q. 追加分を払わないと工事を止められますか

A. 契約書の内容と、それまでのやり取りによります。自分だけで判断せず、契約書と請求書を手元に置いて上の窓口へ電話してください。支払いを止めるという判断をするなら、その理由も相手に文字で残しておいてください。契約そのものをやめたいときの考え方は リフォームは契約後でも解約できる?違約金の注意点 にあります。

Q. 追加費用は最初からどれくらい見ておけばいいですか

A. これだけ見ておけばよい、という決まった割合が公式に示されているわけではありません。ただ、築年数がたった家では、開けてから出てくることがあります。これから契約する段階の方は リフォームの追加費用が出る理由とトラブル回避 のほうが役に立ちます。契約前に「どんなときに追加が出るか」を聞いておく話です。

まとめ

  • 追加はおおきく4つに分かれる。開けて出たもの、自分が変えたもの、範囲の話、別の工事のすすめ
  • 返事の前に確かめるのは4つ。なに・いくら・いつまで・残し方
  • 建設業法にも、契約の中身を変えるときは書面にして取り交わすという定めがある。ただし書面の有無が、支払いの要否をそのまま決めるわけではない
  • 金額が妥当かどうかは、内訳のある紙が出てくるまで誰にも判断できない
  • 迷ったら、まず契約書と見積書を開いて、住まいるダイヤルか188に電話する

今日やることを1つだけ選ぶなら、追加分の内訳が書かれた紙をもらうことです。返事は、それを見てからで間に合います。

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運営者の経歴は 運営者情報(元大工のおさむ) をご覧ください。

出典:住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)「リフォームを検討中。追加費用について注意すべき点は?」「悪質なリフォーム事業者にご注意ください!!」、消費者庁「消費者ホットライン」、e-Gov法令検索「建設業法」第19条(いずれも2026年8月14日に確認)。

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