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「金沢市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直なところをお伝えします。金沢市に解体費の補助はありますが、その中心は市が「危険な老朽空き家」と判定した家に限られる制度です。まだ人が住めそうな古い家を、ただ壊したいだけでは基本的に下りません。
ただし例外が1つあります。世帯全員が65歳以上などで市民税が非課税の世帯が、木造密集地にある家を壊す場合の枠が、令和7年4月に新設されています。こちらは空き家の部屋ではなく、耐震の部屋の担当です。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、金沢市公式(2026年7月20日と8月11日に照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように整理します。
※危険空き家の枠は2026年7月20日時点、高齢者等世帯の除却の枠は2026年8月11日時点の金沢市公式サイトにもとづきます(空き家に関する補助制度のページと危険空き家等除却費補助金の交付要綱、耐震診断・耐震改修のすすめのページと木造住宅除却工事費補助制度パンフレット)。
年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページや建築指導課の窓口でご確認ください。
※2026年8月11日に、高齢者等の世帯が住んでいる家を壊す場合の枠を書き足し、所有者等調査費の加算の説明を要綱の定義に合わせて直しました。
まず結論|金沢市の解体補助は「危険と判定された空き家」が対象

金沢市の解体費補助は、放置されて地域の危険になっている空き家を減らすための制度が軸です。だから「古いから」「空き家だから」ではなく、市が現地を見て危険と判定したかどうかが入口になります。整理すると、こういう関係です。
- ① 危険と判定された空き家を壊す型:市の現地調査で危険な老朽空き家と判定された個人所有の空き家なら、解体費の2分の1・上限50万円の補助があります(危険空き家等除却費補助金)
- ② 場所によって上乗せがある:その空き家が協定区域・狭小地・無接道地にあれば、20万円が加算されて上限70万円まで上がります
- ③ 単純に「壊すだけ」の型:まだ使える家を、ただ壊すだけで誰にでも使える解体補助はありません。ただし例外が1つ。世帯全員が65歳以上などで市民税が非課税の世帯が、木造密集地にある家を壊す場合は、木造住宅除却工事費補助制度(除却工事費の23%以内・上限50万円)に入口があります
金額の大きさより、自分の家が①の「危険と判定される空き家」に近いのかどうかが先です。当てはめながら、中身を見ていきます。
いちばんの入口|危険空き家等除却費補助金(上限50〜70万円)
解体費に直接届く、金沢市の中心的な制度がこれです。金沢市危険空き家等除却費補助金。管理されずに放置され、地域の課題になっている危険な空き家の解体を後押しする制度です。
- 対象:市の現地調査で「危険な老朽空き家」と判定された、個人所有の空き家等(門や塀などの工作物を含む)の解体(除却)工事費
- 補助額:解体工事費の2分の1で、上限50万円
- 場所による上乗せ:その空き家が防災まちづくり協定区域・狭小地・無接道地のいずれかにあれば20万円が加算され、上限70万円になります
- 所有者等調査費の加算:所有者が自分で行う調査の費用ではありません。交付要綱の定義では「確知できていない危険空き家等の所有者等に係る調査」で、所有者を突き止めるための調査です
- その加算の中身:行政書士・司法書士・弁護士・土地家屋調査士に請け負わせた場合に、調査費用の2分の1以内・上限5万円が加算されます(1万円未満は切り捨て)。解体費の補助を使うことが前提です
正直にお伝えすると、この制度は「危険な老朽空き家」という判定が入口についた、やや狭い門です。危険度を決めるのは市の現地調査なので、まだ十分に使える状態の家は、古くても対象になりにくい。狭小地(せまい土地)や無接道地(道路に接していない土地)に当たるかどうかも含めて、自分の家が対象になりそうかは、建築指導課で聞くのがいちばん確実です。
もうひとつ、期限のことも正直に書いておきます。市のページは今も制度を案内していますが、そこに掲載されている交付要綱(令和7年4月1日施行)の附則には「この要綱は、令和8年3月31日限り、その効力を失う。ただし、同日までに第11条の規定による報告がなされたものについては、なおその効力を有する」とあり、それ以降の期限を定めた附則は見当たりませんでした(要綱は2026年8月2日に照合し、2026年8月11日に同じ内容であることを確認)。今年度どう扱われているかは、この2つの文書だけでは決められません。事前相談の電話をするときに、今年度の受付が生きているかどうかもあわせて、建築指導課 空き家活用室(電話076-220-2136)で確かめてください。
例外が1つある|高齢者等の世帯が住んでいる家の除却(上限50万円)
「ただ壊すだけ」に近い枠が、令和7年4月に1つ新設されています。金沢市木造住宅除却工事費補助制度です。空き家の部屋ではなく、耐震をあつかう部屋が持っています。
ただし対象がかなり狭い。金額より先に、そこから書きます。
パンフレットの注記によると、対象になるのは世帯全員が65歳以上、または障害者手帳等の所持者、あるいは生活保護等を受けている者が居住する住宅で、世帯全員の市民税が非課税であるものです。
ここに当てはまらない世帯は、この枠には入れません。現役世代だけの家や、市民税を納めている世帯は入口の外になります。
そのうえで、家のほうにも4つの条件が付きます。
- 場所:市内の木造密集地にあること。パンフレットの裏面によると、対象区域は防災まちづくり協定区域と特別消防対策区域で、区域の詳細は建物安全推進室に問い合わせる形になっています
- 築年:昭和56年5月31日以前に建築され、または工事に着手したもの
- 状態:耐震診断の結果、倒壊の危険性があると判断されたもの(耐震診断そのものには別途、補助制度が使えるとパンフレットにあります)
- 過去の補助:過去に市の補助制度による補助金を受けていないもの
金額は除却工事費の23%以内で、補助限度額50万円。上の危険空き家の枠が2分の1なので、率はこちらのほうが低めです。
使いみちについては、パンフレットに「建て替えや施設入居等により使用しないこととなるご自宅の除却工事を支援します」と書かれています。今住んでいる家でも、これから使わなくなるなら入口がある、という設計です。
窓口は建築指導課 建物安全推進室(電話076-220-2059・第一本庁舎3階)。危険空き家の枠の空き家活用室(076-220-2136)とは別の部屋で、電話番号も違います。
ここに書いた条件と金額は、市の「耐震診断・耐震改修のすすめ」のページと、そこからリンクされている制度パンフレット(PDF)で確認しました(2026年8月11日照合)。受付期間の記載は、どちらにも見当たりませんでした。
能登半島地震で被災した家の解体は「別制度」
ひとつ大事な区別があります。令和6年(2024年)の能登半島地震で被災した家屋の解体は、ここまで説明した空き家の補助とは別の制度です。被災した家屋は「公費解体(市が解体する)」または「自費解体(自分で解体して費用の償還を受ける)」という災害の枠組みで扱われ、担当窓口も環境政策課と別になります。り災証明の区分などで対象や受付の状況が変わるため、地震で傷んだ家の解体を考えている方は、この記事の内容とは分けて、環境政策課に直接ご確認ください。
自宅が対象になるか|確認の順番
金沢市の解体補助は「危険と判定されるか」が入口です。自分で判定しきるのは難しいので、次の順で進めると迷いません。
- まず家の状態を見る:長く空き家で傷みが進み、放置すると危ないと感じる状態なら、危険空き家の補助が候補です
- 次に場所を見る:協定区域・狭小地・無接道地に当たりそうなら、上乗せ(上限70万円)の可能性があります
- 迷ったら窓口へ:判定は市が現地を見て決めるので、自分で結論を出す前に相談するのが早いです
相談先は、金沢市の建築指導課 空き家活用室(電話076-220-2136)です。制度に細かい条件があり年度でも動くので、工程を決める前に電話で聞いてしまうほうが失敗がありません。
申請の流れ|「解体の契約より前」が絶対のルール

この補助で、いちばん大事なのはここです。
- 解体の工事契約より前に補助を申請すること。金沢市の要綱でも、工事契約の前に申請することが条件です。契約や着工を先にした工事は、原則として補助を受けられません
- その前に、市の現地調査で危険度を判定してもらう段階があります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません。まず建築指導課への事前相談から始めてください
- 補助は予算の範囲内で、年度ごとの募集です。受付の状況は年度で変わるので、動くと決めたら早めに窓口で確かめておくと安心です
- 補助金が振り込まれるのは、工事費を全額払って完了報告をしたあと。いったんは自分で立て替える前提です
「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。
対象外だった人の、現実的な選択肢
危険と判定されるほどではない、場所の条件にも当てはまらない。その場合でも打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- 壊すか、直して使う・貸すかで迷っているなら、実家・空き家リフォームの補助金で活かす道も一度は検討する価値があります
▶ 解体すると決めているなら、金沢市とその周辺の業者に一括で見積もりを:解体工事比較ナビ(解体業者の一括見積もり・無料)で、解体業者への一括見積もりを依頼できます。(※補助を使うなら、契約より前に申請するという順番と、その業者が市の条件に合うかを先に確かめてください。地震で被災した家屋は別の枠なので、環境政策課への確認が先です)
▶ 壊すかリフォームで住み続けるか迷っているなら、直す場合の費用も無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)あわせて読みたい
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よくある質問
まだ人が住めそうな古い実家でも、解体費の補助は出ますか?
金沢市の解体費補助(危険空き家等除却費補助金)は、市の現地調査で「危険な老朽空き家」と判定された家が対象です。古くても、まだ十分に使える状態の家は対象になりにくいのが実情。
ただし、住んでいる家を建て替えなどで壊す場合に、もう1つ入口があります。木造住宅除却工事費補助制度(除却工事費の23%以内・上限50万円)です。
条件は、世帯全員が65歳以上か障害者手帳等の所持者か生活保護等を受けている方が住んでいて、世帯全員の市民税が非課税であること。さらに家が木造密集地にあり、昭和56年5月31日以前の建築で、耐震診断で倒壊の危険性ありと判断されたものに限られます。
ここに当てはまらないなら、相見積もりで費用を抑える方向が現実的です。自分の家が対象になりそうかは、危険空き家の枠なら空き家活用室(電話076-220-2136)、高齢者等の除却の枠なら建物安全推進室(電話076-220-2059)に確認してみてください。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。金沢市の補助は工事契約より前に申請することが条件で、契約や着工を先にした工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前相談→現地調査→申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ。
更地にすると固定資産税が上がると聞きました。本当ですか?
建物を解体して更地にすると、住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がる場合があります。ただし、危険な空き家を放置し続けるほうが、倒壊やご近所への被害といった別のリスクを抱えることにもなります。跡地を売る・貸す・駐車場にするなど、次の使いみちとあわせて考えるのがおすすめです。税額の具体的な影響は、市税の担当窓口で確認できます。
まとめ
- 金沢市の解体費補助は、市が「危険な老朽空き家」と判定した家が対象。中心は危険空き家等除却費補助金(解体費の2分の1・上限50万円)
- その空き家が協定区域・狭小地・無接道地にあれば20万円が加算され、上限70万円まで上がる
- 令和7年4月新設の木造住宅除却工事費補助制度は、住んでいる家の除却にも使える例外。ただし世帯全員が65歳以上などで市民税が非課税、かつ木造密集地にある家に限られる(除却工事費の23%以内・上限50万円・建物安全推進室076-220-2059)
- 能登半島地震で被災した家の解体は別制度(公費解体・自費解体)。窓口は環境政策課
- 共通ルールは契約より前に申請・予算内で年度ごと。契約を先にすると補助は消える
- どの枠にも当てはまらなかったら、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手


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