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「田辺市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直なところをお伝えします。空き家をただ壊すために使える補助は、対象が市が「不良空家」と認めた、倒壊の恐れがあるほど傷んだ空き家に限られます。ただ古い、ただ空いている、という理由だけでは出ません。
金額は除却費用の3分の2・上限60万円。ここは市の案内のとおりの数字です。ただし1つ注意があって、令和8年度(2026年度)は認定申請の締切が令和8年5月8日で、この記事の照合日である2026年7月23日の時点では、令和8年度の受付は終わっています。使いたい方は次の年度に向けて動く前提で読んでください。
ただ、田辺市には耐震(地震対策)の枠にも建て替え・除却の補助があります。金額はこちらのほうが大きい。使える場面が違うので、記事の後半で分けて整理します。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、田辺市公式の案内(2026年7月23日照合、耐震の枠は2026年8月3日に追加照合)をもとに、出る家・出ない家、金額、申請の順番を整理します。
※2026年7月23日時点で、田辺市の「田辺市不良空家等除却補助金のご案内」(作成日 令和8年4月1日)にもとづきます。年度・予算で変わり、件数にも限りがあるため、申請前に必ず田辺市役所 建築課(電話0739-26-9935)で最新をご確認ください。
※耐震の枠(住宅耐震改修補助・地震津波対策型移転補助・がけ地近接等危険住宅移転)は、2026年8月3日時点の田辺市公式ページにもとづきます。
まず結論|空き家をただ壊すなら入口は「不良空家」

空き家をそのまま取り壊すための補助は、放置された傷みの激しい空き家を減らすための制度です。名前は田辺市不良空家等除却補助金といいます。除却(じょきゃく)とは、取り壊して更地にすることです。
だから「古いから」「空き家だから」ではなく、家が危険な状態と市に認められるかどうかが入口になります。整理すると、こういう制度です。
- 対象になる家:概ね1年以上空き家になっていて、市の基準(評点)で倒壊の恐れがあると認められた建物。市が「不良空家」と認定した家だけが対象です
- 金額:空き家の除却費用の3分の2で、上限は60万円。ただし、家具やごみなど動産の移転・処分にかかる費用は、この額の計算からは除かれます
- 件数:令和8年度は14件の予定です。年度ごとの募集で、予算と件数に限りがあります
- 受付:令和8年度は認定申請の締切が令和8年5月8日。照合日の2026年7月23日時点では、この年度の受付は終了しています
まずは自分の家がこの「不良空家の認定」に届きそうかどうかが入口です。順番に中身を見ていきます。当てはめながら読んでください。
対象になる条件|「不良空家」とは何か
この制度でいちばん多くの家がふるいにかかるのが、対象が「不良空家(ふりょうあきや)」に限られる、という点です。ここは正直に書いておきます。
不良空家というのは、市の交付要綱の別表で定めた評定項目の「評点」が60以上になった空き家のことです。市の案内では、具体例として次のような状態が挙げられています。
- 屋根が抜け落ちた状態のもの
- 基礎が沈下し、柱やはりが変形しているもの
こうした、倒壊の恐れがある危険な状態が目安です。次の点も条件になります。
- 認定申請の時点で、概ね1年以上、空き家になっていること
- 市の評定で評点が60以上であること。点数をつけて判断するのは市です
- 市税等の滞納がないこと。建物に共有のほかの所有者等がいる場合は、その方の同意が必要です
申請できるのは、空き家の所有者、その相続人、または所有者の同意を得た土地所有者です。逆に言えば、まだ人が住める家や、傷みの軽い空き家は対象になりにくい、ということです。点数をつけて判断するのは市なので、自分で「うちは不良空家だ」と決めることはできません。まずは窓口への相談と、市の職員による調査が入口になります。
申請の流れ|「認定」と「交付」の二段構え

田辺市の補助は、いきなり補助金の申請をするのではなく、先に不良空家の「認定」を受ける二段構えです。ここが分かりにくいので、順番で押さえてください。
- まず不良空家等の認定申請:建築課に相談し、認定を申請します。空き家になった証明などの書類が要ります
- 立入調査と認定通知:市の職員が現地に入って評点を調べ、基準を満たせば不良空家等の認定通知が届きます
- そのあと交付申請:認定通知書、見積書、市税完納証明などをそろえて、補助金の交付を申請します
- 交付決定通知を受け取る前に、工事に着手しないこと。決定の前に契約・着工した工事は、原則として補助を受けられません
令和8年度の案内では、認定申請の締切が令和8年5月8日、認定通知が5月末ごろ、交付申請が6月から、という日程でした。そして令和9年2月末までに除却(解体)を終えることが条件です。先ほど書いたとおり、照合日の時点では令和8年度の受付は終わっているので、これから使いたい方は、次の年度の受付時期と件数を建築課に確認してください。
お金の受け取り方も知っておくと安心です。補助金が振り込まれるのは、工事を終えて実績報告と交付請求をして、市の現地確認で額が確定したあとです。いったんは自分で工事費を立て替える前提と考えておいてください。
なお、田辺市では空き家の解体を検討している人に、解体工事業者の紹介も行っています。見積りや相談に使えるので、業者選びで迷うなら、登録事業者を建築課のホームページで確認するのも手です。相談先は田辺市役所 建築課 調査計画係(電話0739-26-9935、土日祝を除く8時30分から17時15分)です。順番だけは守ってください。
もう1つの道|耐震の枠にも「壊す」補助がある
ここまでは空き家の話です。田辺市にはもう一系統、地震対策(耐震)の枠があって、そちらでも建物を壊す費用にお金が出ます。ただ、制度の性格が空き家の補助とはまったく別です。順番に見てください。
共通の入口は耐震診断です。市の木造住宅耐震診断(無料。対象は平成12年5月31日以前に建てられた市内の木造住宅で、2階建て以下、延べ床面積400平方メートル以下など)を受けて、上部構造評点が1.0未満と判定された住宅が対象になります。評点というのは、地震で倒れにくいかどうかを数値にしたものです。
- 住宅耐震改修補助(現地建替え補助):既存の建物を解体して、同じ場所に建て替えるための設計と工事が対象です。市のページには現地建て替え補助は最大131.6万円(耐震改修補助は最大150万円)、補助件数80件と書かれています。省エネ基準に適合すること、土砂災害特別警戒区域外で新築することが条件です
- 地震津波対策型移転補助(非現地建替え補助):耐震性のない住宅を除却して、耐震性のある住宅に移る、または別の敷地に建て替える場合の除却費が対象。除却工事費の23パーセントで最大50万円、補助件数は2件です
- がけ地近接等危険住宅移転:土砂災害特別警戒区域内に建つ住宅を除却して、市内の安全な土地へ移転する場合。除却工事は最大97万5千円で、市のページには「除却補助のみを受けることも可能です」と書かれています。住宅耐震改修補助金との併用はできません
ここで線を引いておきます。この3つは「壊して更地にして終わり」のための制度ではありません。建て替える、安全な家へ住み替える、という次の一手とセットの枠です。空き家になった実家を片付けたいだけなら、入口は前半の不良空家等除却補助金のほうになります。
逆に、これから建て替える予定がある方や、土砂災害特別警戒区域にある家を持っている方は、一度は当てはめてみる価値があります。誰も住んでいない空き家でも使えるのかどうかは、市のページには書かれていません。決めるのは市なので、自分で判断せずに建築課へ聞いてください。
時期にも注意が要ります。現地建替え補助のページには「令和8年1月5日より受付を再開します」と書かれていますが、そのページの更新日は2026年2月27日です。今の年度の枠が残っているかどうかは、ページからは読み取れません。窓口は不良空家の補助と同じ田辺市役所 建築課(電話0739-26-9935)です。電話するときに、両方まとめて聞いてしまうのが早いです。
対象外・受付前だった人の、現実的な選択肢
不良空家の認定に届かない。あるいは、今は受付の時期ではない。そんな場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や廃材の処分の仕方で、見積もりは大きく動きました。
補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりを取るだけで、数十万円変わることは珍しくありません。まずは相場を知って、比べてみるのが現実的な一手です。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています。30坪でいくらか、といった目安はそちらが参考になります
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- 壊すか、直して使う・貸すかで迷っているなら、実家・空き家リフォームの補助金で活かす道も一度は検討する価値があります
- 更地にすると固定資産税が上がる場合がある点も、壊す前に知っておいてください(住宅用地の軽減が外れるため)
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※田辺市の補助を使う場合は、市の紹介制度や登録事業者もあわせて確認しておくと安心です)
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よくある質問
和歌山市や県内のほかの市町でも、同じ補助はありますか?
解体補助は市区町村ごとに制度が違うので、田辺市の内容はそのままは使えません。同じ和歌山県でも、たとえば和歌山市の解体補助は評点100点以上で上限50万円と、田辺市(評点60以上・上限60万円)とは基準も金額も違います。「お住まいの市町名+解体(除却)補助金」で市町の公式サイトを確認するか、役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。
令和8年度の受付は、今からでも間に合いますか?
市の案内では、令和8年度の認定申請の締切は令和8年5月8日です。照合日の2026年7月23日時点では、令和8年度の受付は終わっています。この補助は年度ごとの募集(令和8年度は14件の予定)なので、これから使いたい方は、次の年度の受付時期と件数を建築課(電話0739-26-9935)に確認してください。急いで壊す予定がなければ、来年度に向けて早めに相談しておくのが確実です。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。田辺市の補助は交付決定通知を受け取る前に着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず不良空家等の認定申請、立入調査・認定、交付申請、交付決定、そのあとに契約・着工、の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは建築課の窓口へ。
実家を建て替えるつもりです。不良空家の補助は使えますか?
不良空家等除却補助金は、傷みが評点60以上と認定された空き家を取り壊すための補助で、建て替えそのものを支える制度ではありません。建て替えを考えているなら、耐震の枠の現地建替え補助(市のページで最大131.6万円)が視野に入ります。ただし入口は耐震診断で、上部構造評点1.0未満という判定が要ります。どちらの窓口も建築課(電話0739-26-9935)なので、家の状態を伝えて、どの枠に当たるか聞いてみてください。
まとめ
- 空き家をただ壊すなら、入口は市が不良空家と認めた空き家の除却が3分の2・上限60万円。ただ古い・空いているだけでは出ません
- 入口は傷み具合(評点60以上)。屋根が抜け落ちた、基礎が沈下して柱や梁が変形など、倒壊の恐れがある状態が目安で、判断するのは市です
- 条件は、概ね1年以上の空き家・評点60以上・市税の滞納なし。共有者がいれば同意が要ります
- 申請は先に「認定」、次に「交付」の二段構え。交付決定の前に契約・着工すると補助は消えます。除却は令和9年2月末までに完了
- 令和8年度は14件の予定で、認定申請の締切は令和8年5月8日。照合日の時点では受付は終了。次年度の予定は建築課(電話0739-26-9935)へ
- 建て替える・安全な家へ住み替えるなら、耐震の枠に現地建替え最大131.6万円、移転にともなう除却最大50万円、土砂災害特別警戒区域の家の除却最大97万5千円の補助があります。窓口は同じ建築課です
- 対象外や受付前なら、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手です


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