上越市の解体補助金【2026】空き家は2つの枠で上限50万円|住み替えなら耐震の枠・元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

※本記事には、解体・リフォームの一括見積もりサービス等のアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

「上越市で古い空き家を解体したい。補助金は使える?」

先に正直なところをお伝えします。上越市の空き家向けの解体費補助は2つで、どちらも入口が狭い制度です。ひとつは危険と判定された特定空き家を、低所得世帯の方が壊す場合。もうひとつは、壊したあとの跡地を地域のために10年以上使う場合です。まだ人が住めそうな家を、ただ壊したいだけでは基本的に下りません。

ただし、空き家ではない家には別の枠があります。いまその家に住んでいて耐震性が足りないなら、壊して市内で住み替える費用に上限30万円。募集は5件で、締切は令和8年11月30日です。後半で説明します。

それでも、同じ新潟県には長岡市のように町内会などの団体しか使えない市もあります。そのなかで上越市は、所有者や相続人といった個人が申請者になれるのが特徴です。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、上越市公式(2026年8月3日照合)をもとに、出る家・出ない家と、金額や申請の順番を整理します。

※2026年8月3日時点の上越市公式サイト(建築住宅課「空き家等及び特定空き家等除却費補助金」のページ・掲載日2026年3月27日更新と、同課「耐震性が不足する住宅の除却工事の補助」のページ・掲載日2026年7月1日更新)にもとづきます。空き家の枠については、受付の期間や、先着・抽選といった方式は公式ページに書かれておらず、年度ごとの予算に達し次第で終了します。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページや建築住宅課 住宅対策係(電話025-520-5786)でご確認ください。

まず結論|空き家向けの枠は2つ・どちらも入口が狭い

上越市の解体に使える補助の入口を示した図。入口は3つ。①特定空き家=市が危険と判定した空き家を壊す場合で、低所得世帯が対象。除却費用の2分の1・上限50万円。②跡地活用=壊したあとの跡地を地域のために10年以上使う場合で、市内に本社のある業者が施工する。除却費用の2分の1・上限50万円。③耐震の枠=いま住んでいる耐震性の足りない家を壊して市内で住み替える場合。除却費の23%・上限30万円で、募集は5件、締切は令和8年11月30日。耐震診断で上部構造評点1.0未満、または誰でもできるわが家の耐震診断で7点以下の住宅が対象(空き家は除く)。共通ルールは解体の契約より前に申請すること。窓口は建築住宅課で、空き家の枠は住宅対策係、耐震の枠は指導係に分かれている。

上越市の空き家向けの解体費補助は、正式には空き家等及び特定空き家等除却費補助金といいます。名前のとおり、放置すると危険な特定空き家と、跡地を地域で活かす空き家の、2つの入口に分かれています。除却(じょきゃく)とは、取り壊して更地にすることです。だから「古いから」「空き家だから」ではなく、どちらの入口に当てはまるかが先になります。整理すると、こういう関係です。

  • ① 危険な特定空き家を壊す型:放置すれば倒壊などのおそれがある特定空き家を、低所得世帯の方が解体する場合。除却費用の2分の1・上限50万円です
  • ② 跡地を地域で使う型(跡地活用):空き家を壊し、その跡地を地域活性化のために10年以上使う場合。こちらも除却費用の2分の1・上限50万円です
  • ③ いま住んでいる家を壊す型:空き家ではなく、いま住んでいる耐震性の足りない木造住宅を壊して市内で住み替える場合は、耐震の枠から除却費の23%・上限30万円が出ます。募集5件・締切は令和8年11月30日です(後半で説明します)

金額はどちらも同じなので、自分の家がどちらの入口に当てはまりそうかが先です。当てはめながら、順番に中身を見ていきます。なお受付の期間や、先着・抽選といった方式は公式に書かれておらず、予算がなくなり次第で終了します。使うと決めたら、まず窓口で今年度の受付状況を確かめるのが安全です。

入口①|危険な特定空き家の解体(低所得世帯・上限50万円)

1つ目が、特定空き家等除却費補助です。特定空き家等とは、上越市の説明では放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態の空き家のこと。ふつうに使える古い家ではなく、危険な状態まで傷んだ空き家が対象です。

  • 対象者:市税に未納がない特定空き家等の所有者か、その法定相続人など。しかも低所得者層世帯の方に限られます(上越市営住宅条例第6条第1項を準用)。市営住宅に入れる所得の目安と同じ考え方で、収入の条件がつく、ということです
  • 補助額:除却などにかかった費用の2分の1で、上限50万円です
  • 対象になる費用:解体工事費と、それによって出た廃材などの処分費など。屋内に残った家具やごみ(残置物)の処分まで含まれるかは公式ページからは読み取れないので、そこは窓口で確認してください
  • 主な条件:申請者か3親等以内の親族が、跡地に新しい建物を建てないこと。所有権以外の権利がついているなら、その全員の同意があること。壊したあとの敷地をきちんと管理することなどです

正直にお伝えすると、この入口は「危険な特定空き家」に加えて「低所得世帯」という条件がついた、かなり狭い門です。自分が所得の条件に当てはまるか、家が特定空き家等に当たるかは、思い込みで決めず建築住宅課に相談するのが確実です。

入口②|跡地を地域のために使う解体(跡地活用・上限50万円)

2つ目が、空き家等除却費補助(跡地活用)です。危険かどうかではなく、壊したあとの跡地の使いみちで開く入口です。

  • 対象者:市税に未納がない空き家等の所有者か、その法定相続人など。①のような所得の条件はありません
  • いちばんの条件:空き家を壊したあとの跡地を、地域活性化(ポケットパーク等)のために10年以上使うこと。それを示す計画書などの提出が必要です
  • 業者の条件:解体工事と廃材の処分を、市内に本社を置く事業者が請け負うこと。①にはない、この入口だけの条件です
  • 補助額:除却などの費用の2分の1で、上限50万円です

こちらは所得の条件がないぶん入りやすそうに見えますが、跡地を10年以上、地域のために差し出す前提です。自宅を壊して自分の駐車場にしたい、更地にして売りたい、といった個人の都合には向きません。ポケットパークとは、小さな広場や休憩スペースのこと。町内で跡地を使うあてがある方向けの入口だと考えてください。

同じ新潟県でも市で違う|長岡市は団体しか使えない

ここまで見て、上越市の補助は条件が厳しいと感じたかもしれません。ただ、同じ新潟県でも市によって考え方はかなり違います。たとえば長岡市です。

長岡市にも空き家対策総合支援事業補助金という解体系の制度があり、対象は特定空家等で、補助率は5分の4・上限160万円と、金額だけ見れば上越市よりずっと手厚い設計です。ところが補助対象者は町内会などの地域団体に限られていて、個人の所有者が単独で申請することはできません。跡地を地域活性化のために使うことも条件です。

つまり長岡市は「団体で、地域のために」という枠が強く、金額は大きいけれど個人では入りにくい。一方の上越市は、金額は上限50万円ですが、所有者や相続人という個人が申請者になれます。所有者や相続人から依頼を受けた人が、委任状で代わりに申請することもできます。どちらが良い悪いではなく、市が違えば入口も金額もこれだけ変わる、ということです。自分の市の制度は、必ずその市の公式で確かめてください。

契約より前に申請|共通ルールと申請の流れ

上越市の空き家向けの解体補助(空き家等及び特定空き家等除却費補助金)の申請の流れの図。①どちらの補助(特定空き家か跡地活用か)に当てはまるかを、建築住宅課 住宅対策係へ電話で相談して確認する。②対象になるか、今年度の受付がまだ続いているか、予算が残っているかを窓口で確かめる。③解体の契約より前に申請する。申請前に契約・着手すると補助対象外になる。④市の交付決定を受けてから、業者と契約して解体する。決定の前の契約・着手は原則対象外。⑤工事費を全額払ったあとに、完了報告や請求の手続きをして補助金を受け取る。いったんは自分で立て替える前提。結論として、申請前に契約・着手した工事は補助対象外で、先に業者と契約すると補助は受けられなくなる。

どちらの入口でも、共通していちばん大事なのがここです。順番を1つ間違えると、補助はゼロになります。

  • 施工業者との契約や解体工事より前に、市へ申請すること。上越市は「申請前に契約・着手すると補助対象外となります」とはっきり書いています。先に業者と契約したら、その時点で補助は消えます
  • 市の交付決定を受けてから、解体の契約を結ぶ流れです。審査には日数がかかるので、思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
  • 受付は年度ごとの予算に達し次第で終了します。期間や、先着・抽選といった方式は公式に書かれていないので、今年度まだ受け付けているかは窓口で確かめてください
  • お金は先払いが前提です。工事費を払って、完了報告や家屋滅失届、請求書を出したあとに、補助金を受け取る流れになります。いったんは自分で立て替えると考えておくと安全です

「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。相談、申請、交付決定、そのあとに契約、の順番だけは守ってください。相談先は上越市 建築住宅課 住宅対策係(電話025-520-5786)です。

もう一つの枠|いま住んでいる家を壊して市内で住み替えるなら

ここまでは空き家の枠の話です。上越市には、空き家ではない家のための除却の枠がもう一つあります。木造住宅耐震改修支援事業のなかにある、耐震性が不足する住宅の除却工事の補助です。

公式ページには「本事業は、耐震改修の補助のほか、耐震性の不足する木造住宅をすべて除却する工事の費用の一部を市が補助するものです」と書かれています。

特定空き家の判定も、跡地を地域に差し出す約束もいりません。いまその家に住んでいて、耐震性が足りないと出た。それだけで土俵に乗れます。

補助額は、住宅の除却にかかる費用の100分の23で上限30万円。空き家の枠の50万円より小さいのですが、入口はこちらのほうが広いということです。

条件は次のとおりです。

  • 上越市の木造住宅耐震診断支援事業で耐震診断を受け、上部構造評点が1.0未満と出て、耐震改修は行わない住宅。または「誰でもできるわが家の耐震診断」で評点が7点以下の住宅(空き家は除きます)
  • その住宅に住んでいる人であること
  • 住替え先が、上越市内の耐震性のある住宅であること
  • 市税を完納していること

もとになる耐震化支援事業のほうは、昭和56年5月31日以前に着工した木造の一戸建てで、階数が2以下、延べ床面積の半分より多くが住まいとして使われていることが前提です。木造軸組工法の家が対象で、枠組壁工法や丸太組工法の家は入りません。

そして期限です。募集は5件、申込締切りは令和8年11月30日(月曜日)まで。予算額に達した場合は11月30日を待たずに終了する、と書かれています。

ここは正直に書いておきます。同じページに「多数の場合は抽選になります」と「先着順で決定させていただきます」の両方が書かれていて、どちらの扱いになるかは読み取れません。5件という枠の小ささを思うと、使うと決めたら早めに窓口へ聞くのが安全です。

お金の面では、代理受領制度が使えます。委任した業者が補助金を直接受け取る仕組みで、申請者は工事費と補助額の差額分だけ用意すればよくなります。空き家の枠の立て替えが重いと感じた方には、ここは大きい違いです。

窓口は同じ建築住宅課ですが、係が分かれています。空き家の枠は住宅対策係(電話025-520-5786)、この耐震の枠は指導係(電話025-520-5783)です。

※この枠は、2026年8月3日時点の上越市公式サイト(建築住宅課「耐震性が不足する住宅の除却工事の補助」のページ・掲載日2026年7月1日更新と、同課「木造住宅の耐震診断・除却・耐震改修等の補助」のページ・掲載日2026年7月1日更新)で確認しました。

どの枠にも当てはまらない人の、現実的な選択肢

低所得世帯でもない、跡地を地域で使うあてもない、いま住んでいる家でもない。その場合でも打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や廃材の処分の仕方で、見積もりは大きく動きました。

補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりを取るだけで、数十万円変わることは珍しくありません。まずは相場を知って、比べてみるのが現実的な一手です。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※上越市の跡地活用の補助を使うなら、市内に本社がある業者による工事が条件です。候補を絞ったうえで、その点も確認してください)

▶ 壊すかリフォームで住み続けるか迷っているなら、直す場合の費用も無料で比較

リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)

あわせて読みたい

よくある質問

ふつうの古い実家を、ただ壊すだけでも上越市の補助は出ますか?

基本的には出ません。上越市の解体費補助は、危険な特定空き家を低所得世帯が壊すか、跡地を地域のために10年以上使うことが前提です。ふつうに使える家を、建て替えなどでただ壊すだけでは対象になりにくいのが実情。ただし、いまその家に住んでいて、耐震診断で上部構造評点が1.0未満と出た場合は、耐震の枠から除却費の23%・上限30万円が出ます(指導係・電話025-520-5783)。念のため、自分の家が対象になりそうかは建築住宅課 住宅対策係(電話025-520-5786)に一度確認してみてください。対象にならない場合は、相見積もりで解体費を抑える方向が現実的です。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。上越市は申請前に契約・着手した工事は補助対象外とはっきり書いています。これから解体する方は、必ず相談、申請、交付決定、そのあとに契約、の順で進めてください。着手までに間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ電話を。

「特定空き家」の補助にある低所得世帯とは、どういう意味ですか?

特定空き家等除却費補助は、対象者が低所得者層世帯の方に限られます。上越市営住宅条例第6条第1項を準用するとされていて、市営住宅に入れる所得の目安と同じ考え方です。自分が当てはまるかは建築住宅課で確認してください。なお、もう一つの跡地活用の補助には所得の条件はありませんが、跡地を地域活性化のために10年以上使うという別の条件がつきます。

まとめ

  • 上越市の空き家向けの解体費補助は2つ。制度名は空き家等及び特定空き家等除却費補助金で、どちらも除却費用の2分の1・上限50万円
  • 入口①は危険な特定空き家を低所得世帯が壊す型。入口②は跡地を地域活性化のために10年以上使う跡地活用型(市内に本社のある業者が条件)
  • 空き家をただ壊すだけの補助は基本的にないが、いま住んでいる耐震性の足りない家を壊して市内で住み替えるなら、耐震の枠から除却費の23%・上限30万円が出る。募集5件・締切は令和8年11月30日
  • 同じ新潟県でも、長岡市は町内会などの団体しか申請できない(そのぶん上限160万円と手厚い)。上越市は所有者・相続人という個人が申請者になれる
  • 共通ルールは契約・着手より前に申請。受付は予算に達し次第終了で、期間や方式は公式に記載がないので窓口で確認
  • どちらにも当てはまらないなら、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手

コメント

タイトルとURLをコピーしました