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「富士吉田市で、親から引き継いだ古い空き家を解体したい。補助金は出るのか」
先に結論からお伝えします。富士吉田市には、解体(除却)の費用を助けてくれる制度があります。ただし対象は、耐震性が足りない、古い木造の空き家にかなり絞られています。ただ古いから、ではありません。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、富士吉田市公式(2026年7月23日照合)をもとに、使える家・使えない家と、もらえる金額の目安がすぐ分かるように整理します。制度の正しい名前は「老朽化空家除却事業費補助金」です。
※2026年7月23日時点の富士吉田市公式サイト(老朽化空家除却事業費補助金)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページや都市政策課の窓口でご確認ください。
まず結論|富士吉田の解体補助は「耐震が足りない古い空き家」が対象

富士吉田市の補助は、地震で倒れる恐れのある古い木造の空き家を減らすための制度です。だから入口は「古いから」「空き家だから」だけではありません。耐震性が足りず、倒壊の危険があると判断された空き家かどうかで決まります。
公式では「除却工事費用の一部を市が補助する」と案内されています。除却(じょきゃく)とは、取り壊して更地にすることです。ざっくり整理すると、こうなります。
- ① 対象:個人が所有する木造在来工法(柱と梁で組む、日本で最も一般的な木造)の家で、昭和56年5月31日以前に着工したもの。耐震性が足りず、倒壊の危険があると判断されていることが前提です
- ② 空き家であること:住んでいない状態が続いていて、今後も使う見込みがない家。人が住んでいる家や、使っている家は対象になりません
- ③ 補助額:除却にかかった費用の一部。金額の決め方はこのあと説明します
- ④ 共通ルール:工事に着手したあとの申請は、一切認められません
金額の大きさより、自分の家が①と②に当てはまるかが先です。順番に見ていきます。
いちばんの入口|耐震が足りない、と判断されること
この補助でいちばん大事なのは、耐震性の判定です。ふつうに古いだけでは下りません。耐震性が足りず、倒壊の危険があると判断されていることが入口になります。
公式では、次のどちらかを満たすことが条件とされています。少し専門的なので、かみくだいて並べます。
- 耐震診断の総合評点が1.0未満:耐震診断は、家がどれくらい地震に耐えられるかを調べるものです。その強さを点数にしたものが総合評点で、数字が小さいほど弱いことを表します。1.0を下回ると、おおむね倒壊の可能性があるとされる水準です
- または、容易な耐震診断で「倒壊の危険性あり」と判断:市が用意した「容易な耐震診断調査票(様式第2号)」という、より簡単な調べ方で、倒壊の危険があると判断される方法もあります
正直にお伝えすると、この耐震の判定を受けて対象になるかが、最初のハードルです。診断の受け方も含めて、まずは都市政策課に聞くのが早いと思います。
もらえる金額|除却費の半分・上限100万円
金額の決め方は、公式にはっきり書かれています。
- 除却にかかった費用の2分の1と100万円、そのうち低いほうが補助額です
読み方はこうです。たとえば除却費が120万円なら、半分の60万円。除却費が250万円なら、半分は125万円ですが上限100万円のほうが低いので、補助は100万円で止まります。
いくらかかるかは家の大きさや現場の条件で変わるので、まずは解体そのものの見積もりを取ってみないと、補助の額も見えてきません。相場のつかみ方はこの記事の後半でふれます。
見落としやすい条件|空き家であること・長屋や賃貸は対象外
金額の前に、意外とつまずくのがこの3つです。公式が「次のすべてを満たすこと」としている中から、引っかかりやすいものを拾いました。
- 空き家であること:住んでいない状態が続き、今後も使う見込みがない家が前提です。まだ人が住んでいる家や、物置などで使っている家は対象になりません
- 長屋・共同住宅は対象外:一戸建てが前提で、長屋やアパートのような共同住宅は含まれません
- 賃貸に使っていた家は対象外:人に貸して家賃を得ていた住宅は、対象になりません。個人の持ち家であることが前提です
公式には「これ以外にも要件がある」とも書かれています。細かい線引きは家ごとに変わるので、当てはまるかは窓口で一度確認するのが確実です。
着手前に申請|受付と申請の流れ

この補助で、いちばん大事なのはここです。
- 交付決定を受けてから、解体の契約・着工をすること。公式は「着手後の申請は一切認められません」とはっきり書いています。先に壊し始めたら、補助は受けられません
- その前に、事前相談と、容易な耐震診断(様式第2号)などの段階があります。審査にも日数がかかるので、思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- 受付は「予算の範囲内での実施」とされています。募集の期間や、先着か抽選かといった受付のしかたは、公式ページには書かれていません(2026年7月23日照合)。動くと決めたら、早めに都市政策課で受付状況を確かめてください
- 富士吉田市には、業者が市から補助金を直接受け取る「受領委任払」の申請様式(様式第12号)も用意されています。これが使えれば、工事費の全額を先に立て替えずに済む場合があります。使える条件は公式に細かく書かれていないので、必要なら窓口で確認してください。立て替えが不安なときの考え方は解体費用が払えないときの4つの順番にまとめています
「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。
自宅が対象になるか|確認の順番
富士吉田の補助は「耐震が足りないと判断されるか」と「空き家か」が入口です。自分で判定しきるのは難しいので、次の順で進めると迷いません。
- まず家の状態を見る:昭和56年5月31日より前に建った木造で、今は誰も住んでいない。ここに当てはまるなら候補です
- 次に耐震の判定を確かめる:耐震診断、または容易な耐震診断(様式第2号)で「倒壊の危険あり」と判断されるか。ここで対象になるかが大きく分かれます
- 迷ったら窓口へ:診断の受け方も金額も、最後は市が決めます。自分で結論を出す前に相談するのが早いです
相談先は、富士吉田市 都市政策課 建築指導担当(電話0555-22-1111 内線286)です。条件が細かく、年度の予算状況もからむので、工程を決める前に電話で聞いてしまうほうが失敗がありません。
なお、解体費の補助があるかどうかは、同じ山梨県内でも市町村ごとに違います。富士吉田市にはこの制度がありますが、隣の市にあるとは限りません。耐震を入口にした似た形の補助は、東京の町田市の解体補助金でも整理しています。ほかの市とあわせて見たいときは主要都市の解体補助金まとめの早見表が便利です。
対象外だった人の、現実的な選択肢
耐震の判定で対象にならなかった、まだ住んでいる、そもそも診断がこれから。当てはまらなくても打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や廃材の処分の仕方で、見積もりは大きく動きました。
木造なら解体費の目安は坪あたり3〜5万円ほど、30坪の家で90〜150万円ほどが一つの相場です。補助が使えない前提でも、同じ工事で2〜3社に見積もりを頼むだけで、数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※富士吉田市の補助を使うなら、交付決定の前に契約しないよう、候補を絞る段階から市の窓口と歩調を合わせてください)
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よくある質問
まだ人が住んでいる古い家でも、解体費の補助は出ますか?
富士吉田市の補助は、住んでいない状態が続き、今後も使う見込みがない空き家が対象です。今も人が住んでいる家や、使っている家は、古くても対象になりません。ただし、まだ使っている家を建て替えるなら、別の枠があります。念のため、自分の家が対象になりそうかは都市政策課(電話0555-22-1111 内線286)に一度確認してみてください。
市の木造住宅の耐震化事業には、令和3年度から耐震「建替」事業が入っています。額は一戸あたり143万7,500円で、対象は昭和56年5月31日以前に建てられ、耐震診断の総合評点が1.0未満と診断された住宅を建て替える工事です。省エネ基準適合などの要件もあります。
ひとつ気をつけてほしいのは、これは建替工事への補助であって、解体費だけを切り出した補助ではないということです。壊して更地にして終わり、では使えません。建て替えると決めている場合の枠です。
入口も少しゆるくなっています。建築士が調査して、調査票により倒壊の危険性があると判断された場合は、耐震診断を受けていなくても対象になると市が書いています。予算の範囲内で、申請から同じ年度内にすべてを終える必要があるので、早めの事前相談が要ります(市のページの更新日は2025年3月27日・2026年8月11日照合)。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。富士吉田市の補助は、公式に着手後の申請は一切認められないとされています。これから解体する方は、事前相談、容易な耐震診断(様式第2号)、交付申請、交付決定、契約・着工、の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは都市政策課へ電話を。
いくらもらえますか?
除却にかかった費用の2分の1と100万円を比べて、低いほうが補助額です。上限は100万円になります。たとえば除却費が120万円なら半分の60万円、除却費が250万円なら上限の100万円が目安です。実際の額は工事の見積もりと市の審査で決まるので、都市政策課に確認するのが確実です。
まとめ
- 富士吉田市の解体(除却)補助は、耐震が足りず倒壊の危険があると判断された、古い木造の空き家が対象。長屋・共同住宅・賃貸に使っていた家は対象外
- 補助額は除却費の2分の1と100万円の低いほう。上限100万円
- 入口は耐震の判定。耐震診断の総合評点1.0未満、または容易な耐震診断(様式第2号)で倒壊の危険ありと判断されること
- 共通ルールは交付決定を受けてから契約・着工。着手後の申請は一切認められない
- 受付は予算の範囲内。募集期間や受付のしかたは公式に記載がないので、まず都市政策課へ相談(0555-22-1111 内線286・2026年7月23日照合)
- 対象外なら、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手


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