名古屋市の解体補助金【2026】除却助成は上限20万〜80万円|条件を元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「名古屋市で古い実家を解体したい。補助金は出るの?」

先に正直なところをお伝えします。名古屋市の解体費の補助は家の状態で入口が分かれます。ふつうの古い木造住宅を壊す助成は上限20万円、木造住宅密集地域なら上限40万円です。

ただ、市が「特定空家等」と判断するほど傷んだ空き家には、最大80万円まで出る別の補助があります。入口になる耐震診断を無料で受けられるのも名古屋市の利点です。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、名古屋市公式(2026年8月3日に再照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように5つの制度に整理します。額の期待をあおらず、使える人が確実に取りにいける形でまとめました。

※2026年8月3日に名古屋市公式サイトを再照合しました。開いたのは、住宅都市局の「戸建木造住宅除却助成」「老朽木造住宅除却助成」、スポーツ市民局の「名古屋市老朽危険空家等除却費補助金」、住宅都市局建築指導部の「がけ地近接等危険住宅移転事業費補助金」、耐震化支援課の「耐震診断義務付け対象建築物の耐震対策助成」の各ページです。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。

まず結論|名古屋市の解体補助は「5つの制度」

名古屋市の解体補助5つの制度の図。①市内全域=耐震性のない古い木造戸建てが対象で、昭和56年以前に建ち耐震診断で危険と判定されれば上限20万円。②密集地域=主な木造住宅密集地域の老朽木造なら上限は40万円。③特定空家等=市が危険と判断した空き家で、評価75点以上なら3分の1で最大40万円、125点以上なら3分の2で最大80万円。④がけ地=土砂災害特別警戒区域の危険住宅から安全な場所へ移り住むときの除却費など。⑤大きな建物=耐震診断が義務の大規模建築物だけの特別枠で、戸建ては対象外。共通ルールは解体の契約より前に申請すること、交付決定の前に契約・着手すると原則0円で予算内の先着。

名古屋市の解体にからむ補助は、地震で木造が倒れるのを防ぐための「除却助成」が柱です。だから条件に築年や耐震性がからみます。

金額の大きさより、まず自分の家が当てはまるかを先に見るのが近道です。2026年8月3日に名古屋市公式サイトの空家等対策・耐震対策・建築指導の各ページを開いて確認できたのは、次の5つでした。

  • ① 戸建木造住宅除却助成(市内全域):木造住宅密集地域の外で使える、いちばん基本の制度。耐震性のない古い木造の戸建てを更地にするのが対象です
  • ② 老朽木造住宅除却助成(密集地域):市が指定する「主な木造住宅密集地域」の中にある老朽木造が対象。①より上限が少し上がります
  • ③ 老朽危険空家等除却費補助金:市が「特定空家等」と判断した空き家が対象。最大80万円と、この中でいちばん大きい枠です
  • ④ がけ地近接等危険住宅移転事業費補助金:土砂災害特別警戒区域の危険住宅から、安全な場所へ移り住む人の除却費などが対象です
  • ⑤ 耐震診断義務付け対象建築物の除却工事助成:耐震診断が義務づけられた大きな建物だけの特別枠。ふつうの戸建てには関係しません

⑤はマンションや大規模な建物向けの特別枠、④は土砂災害特別警戒区域の家に限った枠です。だから多くの方は①②③のどれかになります。

①と②は密集地域の内か外かで分かれ、③はもう人が住んでいない危険な空き家かどうかで決まります。順番に見ていきます。

制度①|戸建木造住宅除却助成(市内全域・上限20万円)

木造住宅密集地域の外にお住まいなら、まずこれが入口です。名古屋市内の耐震性のない古い戸建木造住宅を解体するとき、その費用の一部に助成が出ます。

  • 助成額:次の3つのうちいちばん低い額です。上限20万円/除却費の3分の1/延床面積1平方メートルあたり9,600円で計算した額の3分の1。実際にいくらになるかは、家の大きさと解体費で変わります
  • 対象になる家昭和56年(1981年)5月31日以前に着工した、2階建て以下の戸建木造。在来軸組み構法か伝統構法のもので、プレハブやツーバイフォーは対象外です
  • 耐震性の条件:耐震診断で倒壊の危険がある(判定値1.0未満)とされたこと。すでに耐震改修やシェルター設置の補助を受けた家は対象になりません
  • 申請できる人:その家を持つ個人(法人所有は対象外)。相続などで所有者の確認が難しいときは、先に相談すれば大丈夫です

ここでうれしいのは、耐震性を確かめる入口が軽いことです。名古屋市には昭和56年5月以前の木造を無料で診断する制度があり、この診断で判定値1.0未満と出れば、そのまま除却助成の条件を満たせます。専門家に頼まず自分で書ける「容易な耐震診断」の調査票でも入口に立てます。窓口は住宅都市局の耐震化支援課(電話052-972-2921)です。

制度②|老朽木造住宅除却助成(密集地域・上限40万円)

もう一つ、地区を限った制度があります。名古屋市が指定する「主な木造住宅密集地域」の中で、老朽化した木造住宅を壊す場合に助成が出ます。古い木造が固まって建つ地域の防災性を上げるための制度です。

  • 助成額:除却費と、延床面積に9,600円をかけた額の、低いほうの3分の1。上限は40万円で、①より少し手厚くなります
  • 対象:昭和56年5月31日以前に着工した木造で、耐震診断で倒壊の危険がある(判定値1.0未満、または得点80点未満)とされたもの。所有者で、市税の滞納がないことも条件です

ポイントは、まず自宅が「主な木造住宅密集地域」に入っているかです。名古屋市が地域の一覧を公表していて、入っていれば②、外なら①になります。密集地域かどうかや対象の細かい条件は、市街地整備課(電話052-972-2752)で確認できます。

制度③|老朽危険空家等除却費補助金(特定空家等・最大80万円)

ここが名古屋市でいちばん大きい枠です。①②が「耐震性の低い家」を見るのに対して、③は放置されて危険になった空き家を見ます。

公式ページの言葉では、対象は「特定空家等」として市が判断した建築物のうち、家屋であって周辺に著しい保安上の危険を及ぼしているものを除却し、更地にする工事です。

  • 補助額:市の職員が現地調査で点数をつけ、その点数で2段階に分かれます。評価が75点以上なら工事費の3分の1(最大40万円)、125点以上なら3分の2(最大80万円)です
  • 対象の家:法と市の条例に規定する「特定空家等」として市が判断した建築物のうち、周辺に著しい保安上の危険を及ぼしているもの。空き家ならどれでも対象になるわけではありません
  • 申請できる人:その建築物の所有者(法人は対象外)。所有者全員の同意を得ていること、市税の滞納がないことも条件です
  • 受付先着で、予算額に達し次第終了。交付決定の前に着手した工事は対象外で、交付決定のあった年度の2月末日までに工事も書類も終える必要があります

対象の工事費は国の定める標準除却工事費にもとづいて計算されます。だから見積もりの満額に3分の2がかかるとは限りません。

窓口は①②と別の局です。この制度だけスポーツ市民局 地域振興部 地域振興課(電話052-972-3126)が担当していて、相談に行くときは事前予約が必要です。

自分の家が「特定空家等」にあたるかは、持ち主の自己判断では決まりません。心当たりがあるなら、まず地域振興課に電話して現地の評価を受けられるか聞くのが最初の一歩です。

制度④|がけ地近接等危険住宅移転事業費補助金(土砂災害特別警戒区域)

解体そのものを目的にした制度ではありませんが、結果として除却費が出る枠がもう一つあります。

土砂災害特別警戒区域に指定される前に建てられた危険住宅から、名古屋市内の安全な場所の住宅へ移り住む場合に、既存住宅の除却費や引越費用、移転先の住宅を建てるときの借入金利子相当額が補助されます。

除却費の補助限度額は「住宅局標準建設費等通知の額に危険住宅の延べ面積を乗じた額」で、申請年度や建物の構造によって変わります。引越費用等は97万5千円、建物助成費は731万8千円が限度です。

ただし移転がセットです。壊すだけ、更地にして売るだけ、では使えません。受付にも独特の順番があり、移転事業を行う年度の前年度8月末日までに事前相談書を出し、事業を行う年度の6月第3金曜日までに交付申請、という流れになります。

自宅が土砂災害特別警戒区域に入っているかは、愛知県の「マップあいち」内にある土砂災害情報マップで確認できます。窓口は住宅都市局 建築指導部 建築安全推進課(電話052-972-2935)です。

制度⑤|大規模建築物の除却助成(指定された大きな建物だけ)

5つ目は、ふつうの戸建てには関係のない特別枠です。地震のときに避難や救助のさまたげにならないよう、法律で耐震診断が義務づけられた大きな建物のうち、診断で「安全な構造でない」と判定されたものの解体に助成が出ます。

対象が限られるぶん枠は大きく、「要緊急安全確認大規模建築物」なら除却工事費の44.8パーセント(床面積などによる上限あり)が助成されます。この枠はもう一つ「要安全確認計画記載建築物」の除却工事助成にも分かれていて、そちらは沿道の建築物に限られ、補助率も別に定められています。

ただし前もって事業計画書を出す必要があるなど、進め方も戸建てとは別物です。大規模な建物をお持ちで市から案内を受けている方は、名古屋市の耐震化支援課に確認してください。ふつうの住宅を壊す場合は、①から③が入口になります。

自宅が対象になるか|確認の順番

名古屋市の除却助成は「今の家の状態」「築年」「耐震性」「地域」で決まります。だから確認もこの順でたどると早いです。

  • もう人が住んでいない危険な空き家か:屋根や外壁が落ちそうな状態なら、③の対象になる可能性があります。ここが最大80万円といちばん大きいので、先に確かめる価値があります
  • 昭和56年5月以前の木造か:新しい家は①②の対象外です。まずここで大きく絞られます
  • 耐震性が低いか:無料の耐震診断か、自分で書ける調査票で、倒壊の危険(判定値1.0未満)が出るか確かめます。ここが①②の実質の入口です
  • 密集地域の内か外か:市が公表する「主な木造住宅密集地域」に入っていれば②(上限40万円)、外なら①(上限20万円)です

制度が分かれていて迷いやすいので、先に窓口へ電話して聞くのがいちばん確実です。①は耐震化支援課、②は市街地整備課、③はスポーツ市民局の地域振興課が入口。自分で判定しきる前に聞くほうが、失敗がありません。

申請の流れ|「解体の契約より前」が絶対のルール

名古屋市の解体補助 申請の流れの図。①どの助成に当てはまるか確認する(まず無料の耐震診断が入口になる)②耐震診断で倒壊の危険を確かめる(昭和56年以前の木造は自分で書ける調査票も可)③着手前に申請して交付決定を待つ(交付決定まで通常2週間ほどかかる)④業者と契約して解体し更地にする(交付決定の後に契約するのが鉄則)⑤完了を報告して受け取る(工事費を全額払った後に振り込み)。交付決定の前に契約・着手した工事は原則対象外。

どの制度でも共通して、いちばん大事なのはここです。

  • 解体の工事契約より前に申請して、市の「交付決定」を受けること。交付決定の前に契約・着手した工事は、原則として助成を受けられません
  • 戸建木造の除却助成なら、申請から交付決定まで通常2週間ほど。書類の不備があればさらにかかります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
  • 受付は4月からで、同じ年度の2月末までに工事を終えて完了報告を出せる計画にする必要があります。予算にも限りがあり、先着です
  • 助成金が振り込まれるのは、工事費を全額払って完了報告をしたあと。いったんは自分で立て替える前提です。立て替えがきびしいときは「代理受領制度」を使うと負担が軽くなります

「先に業者と契約してしまった」は、助成が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。

解体すると税は上がる?名古屋市の考え方

「更地にすると土地の固定資産税が上がる」と聞いて、解体をためらう方は多いです。住んでいる家が建つ土地は税が軽くなる特例があり、壊すとその特例が外れて税が上がることがあるからです。

名古屋市の除却助成では、解体後の固定資産税・都市計画税の扱いは物件を担当する市税事務所に確認してください、という案内になっています。上がるかどうか、いつからかは土地の状況で変わるので、解体を決める前に一度、市税事務所に聞いておくと判断しやすくなります。

対象外だった人の、現実的な選択肢

条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。助成が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※助成を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)

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よくある質問

豊田市や岡崎市など、名古屋市外に住んでいます。同じ補助はありますか?

解体の助成は市区町村ごとに制度が違うので、名古屋市の内容はそのままは使えません。愛知県内でも、たとえば豊田市や岡崎市には別の条件の制度があります。お住まいの方は、「お住まいの市名+解体 補助金」で市の公式サイトを確認するか、市役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。当サイトでも各市の情報がそろい次第、記事を追加していきます。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。名古屋市の除却助成は交付決定の前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず相談→申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに十分な期間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ。

名古屋市の解体補助は、上限20万円か40万円だけですか?

いいえ。2026年8月3日に公式を再照合したところ、20万円・40万円のほかに最大80万円の枠がありました。市が「特定空家等」と判断した空き家に出る老朽危険空家等除却費補助金で、評価75点以上なら3分の1(最大40万円)、125点以上なら3分の2(最大80万円)の2段階です。

ただし空き家ならどれでも出るわけではありません。市の職員が現地で評価し、75点に届かなければ対象外です。まずは地域振興課に現状を伝えて、評価を受けられるか聞いてください。

なお名古屋市は入口の耐震診断が無料で、①②に当てはまりそうかを費用ゼロで確かめられます。解体そのものも業者差が大きい工事なので、助成と相見積もりの両方を使うつもりで進めるのがおすすめです。

まとめ

  • 名古屋市の解体費補助は、①市内全域の戸建木造(上限20万円)②密集地域の老朽木造(上限40万円)③特定空家等(最大80万円)の3つが主役。ほかに④がけ地からの移転、⑤大規模建築物の枠があり、確認できたのは全部で5つです
  • 金額がいちばん大きいのは③。市が「特定空家等」と判断した空き家なら、評価125点以上で工事費の3分の2・最大80万円まで出ます
  • ①②の入口は昭和56年5月以前の木造で、耐震診断が倒壊の危険を示すこと。診断は無料で、自分で書ける調査票でも始められます
  • 共通ルールは着手前申請・予算内で先着。契約を先にすると助成は消えます
  • どの制度に当たるかにかかわらず、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりとセットで考えると効果が大きくなります

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