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「浜松市で空き家を解体すると補助金が最大50万円もらえるらしい」
その情報は本当です。ただ、先に現実もお伝えします。この補助金は先着・定員20名で、「売却できない」と判定された空き家だけが対象。要件は全部で16個あり、建て替え目的では使えません。
そして、浜松市で解体費に届く枠はこれだけではありません。がけ地近接等危険住宅移転事業といって、危険ながけのそばに建つ住宅から移り住む人向けの制度があり、危険住宅の取り壊し費用も補助の対象に入っています。担当課も申込みの時期も別なので、後半で中身を書きます。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、浜松市公式(2026年4月更新)の情報をもとに、対象になる人・ならない人がすぐ分かるように整理します。
※2026年7月2日時点の公式情報にもとづき、がけ地近接等危険住宅移転事業は2026年8月3日に浜松市の同事業ページ(更新日2026年4月21日)と同事業のリーフレット(令和8年4月)で追加照合しました。申請前に必ず浜松市公式サイトで最新情報をご確認ください。
入口①|浜松市空家等除却促進事業費補助金の基本

- 補助額:解体費用の3分の1(最大50万円)。※一部サイトに「50%・上限100万円」とありますが、公式は1/3・50万円です
- 事前相談(必須):2026年4月20日〜12月25日必着・先着で仮受付
- 申請:先着順・定員20名。定員で締め切られます
- 家具・食器などの一般廃棄物の処分費用は対象外(解体費と見積もりを分ける必要あり)
対象のハードル|主な要件をやさしく言うと
- 不動産協会が「売却など取引が不可能」と判定した空き家であること(事前相談後に市が判定を依頼。売れる家は対象外)
- 1981年(昭和56年)5月末以前に建築・建築確認された一戸建てであること(長屋・共同住宅は不可)
- 申請日から過去1年以上、空き家であること(住民票等で確認)
- 相続・遺贈で取得した空き家で、相続登記がされていること(2022年12月末以前に相続発生)
- 所有者・共有者が全員個人(法人不可)で、市税を完納・共有者全員の同意があること
- 解体後は更地にすること(小屋・立ち木も含めて撤去)
- ここが独特:更地にした土地に、申請者やその親族(六親等以内の血族など)が建物を建てないこと。建て替え目的では使えません
- 抵当権などの権利設定がないこと
まとめると、「売れない・使い道のない老朽空き家を、更地にして手放す(または空き地として管理する)人」のための制度です。
手続きの流れと注意点
- ① 事前相談書類を市民生活課へ郵送(4月20日〜・先着仮受付)→ ② 市が売却可否の判定を依頼 → ③ 対象者に申請案内 → ④ 交付決定 → ⑤ 契約・解体 → ⑥ 実績報告
- 交付決定の前に契約・着工すると対象外。順番厳守です
- 市の指定で、見積書は「一式」ではなく詳細の記入が必要。当サイトが常々オススメしている「内訳の細かい見積もり」を、市も要求しています
- 空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除と併用できます
入口②|がけ地近接等危険住宅移転事業(取り壊し費も対象)
「空き家 解体 補助金」で探していると、まず出てこない枠です。担当は市民生活課ではなく都市整備部 建築行政課(電話053-457-2471)。危険ながけに近接して建っている住宅を、安全な場所へ移す費用の一部を市が補助する制度で、危険住宅の取り壊し費用(除却費)が補助の対象に入っています。
対象になるのは、次のいずれかに当てはまる住宅です。
- 災害危険区域の中で、区域に指定される前に建てられたもの
- がけ条例で規制されている区域の中で、昭和29年3月以前に建てられたもの
- 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の中で、区域に指定される前に建てられたもの
- レッドゾーンに指定される見込みのある区域にあるもの
- 上のいずれかの区域内、および過去3年間に災害救助法の適用を受けた地域で、市などから移転勧告・是正勧告・避難指示などを受けたもの
自分の家が区域に入っているかは、浜松市土木部河川課(電話053-457-2451)か、「静岡県統合GIS」の地図で確認できます。
金額は、市の公式ページ(更新日2026年4月21日)に次のように書かれています。
- 除却費:危険住宅の取り壊し費用に対して、木造は1平方メートルあたり2万8千円、非木造は4万1千円が補助限度額。延べ面積あたりの単価で決まる形なので、実際にいくらになるかは家の広さと工事費しだいです
- 移転費(引っ越し費用):危険住宅から移転するための費用として97万5千円まで
- 建設助成費:移転先の土地購入に206万円まで、敷地造成に60万8千円まで、住宅の建築や購入に465万円まで。ただしこれは金融機関などから借り入れた場合の利子に対する補助(年利率8.5パーセントを限度)であって、建築費そのものが出るわけではありません
補助金額は千円未満切り捨てで、移転後の住民票を提出したあとに一括で支払われます。移転先に住宅を新築する場合は、省エネ基準に適合した住宅にする必要があります。
手続きで気をつけたい点が3つあります。1つ目は、事業を実施する予定の年度の、前年度の6月までに申し出ること。思い立った年にすぐ、とはいきません。2つ目は、この事業が単年度事業で、その年度内に完成させる必要があること。リーフレットには、今年度に危険住宅を撤去して来年度に新築するのはよいが、その逆(先に新築して翌年度に撤去)はできない、と書かれています。3つ目は、ここでも手続きの前に事業者と契約を進めてしまうと補助の対象にならないことです。
もう1つ、跡地の使い方に線が引かれています。リーフレットのQ&Aには、危険住宅を撤去したあとの跡地には原則として建物は建てられず、畑や駐車場などに利用してくださいと書かれています。入口①の空き家の補助と同じで、更地にしたあとに家を建てる前提では使えない制度だと考えてください。
うちの読者に関わるところを、正直に書いておきます。ページに載っている対象の条件には「今その家に住んでいること」という文言は見当たりませんでした(2026年8月3日に同ページとリーフレットを読んだ範囲です)。ただ、補助の中身が引っ越し費用と移転先の住宅費用で組まれていて、支払いも移転後の住民票を出したあとになっているので、住み替えを前提にした制度であることは読み取れます。空き家のまま取り壊すだけで使えるかどうかは、建築行政課(053-457-2471)に自分の状況を伝えて確かめてください。
なお、浜松市の令和8年度の地震対策推進事業の一覧(更新日2026年4月23日)には、解体にからむ枠として、このがけ地の移転事業のほかに緊急輸送道路沿道建築物耐震補強助成事業(耐震改修工事または除却が対象)とブロック塀等撤去改善事業があります。ただし前者は、道をふさぐおそれのある要安全確認計画記載建築物が対象で、ふつうの戸建てが当てはまることはまれです。一覧に、住宅の建て替えそのものへの助成は載っていませんでした。
対象にならなかった場合の次の一手
- 建て替え予定がある:この補助は使えません。解体費は2〜3社の相見積もりで適正化を(業者差が大きい工事です)
- 売れるかもしれない空き家:判定で「取引可能」となれば対象外ですが、それは売れる資産ということ。解体前に売却の検討を
- まだ使える実家:解体せず直して住む・貸す選択肢も。実家・空き家リフォームの補助金の記事をどうぞ
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よくある質問
建て替えのために解体する場合も使えますか?
使えません。更地にした土地に申請者や親族が建物を建てないことが要件に含まれています。建て替え前提の解体は通常の自費解体になります。
実家ががけのそばにあります。ほかに使える補助はありますか?
がけ地近接等危険住宅移転事業が候補になります。危険ながけに近接して建つ住宅を安全な場所へ移す制度で、危険住宅の取り壊し費用も補助の対象です。限度額は木造で1平方メートルあたり2万8千円、非木造で4万1千円。引っ越し費用は97万5千円まで補助されます。窓口は建築行政課(053-457-2471)で、区域に入っているかは河川課(053-457-2451)か静岡県統合GISで確認できます。
ただし、事業を行う予定の年度の前年度6月までに相談が必要で、単年度事業です。撤去したあとの跡地には原則として建物を建てられません。ネット上には「TOUKAI-0の建替え助成で除却費が出る」と書いた記事もありますが、浜松市の令和8年度の地震対策推進事業の一覧(2026年8月3日確認)に建て替えへの助成は載っていませんでした。見かけた情報は、市の窓口で存在を確かめてから動いてください。
定員20名に入れなかったら?
年度内の再チャンスはないため、来年度の事前相談開始(例年4月下旬)に合わせて書類を準備しておくのが確実です。相続登記や共有者の同意など、時間のかかる準備を先に済ませておきましょう。
まとめ
- 補助は解体費の1/3・最大50万円。「50%・100万」という情報は誤り
- 定員20名の先着+「売却不可能」判定+要件16個の狭き門
- 建て替え目的では使えない(跡地に親族が建てない条件)
- がけ地近接等危険住宅移転事業は別の枠。危険住宅の取り壊し費は木造で1平方メートルあたり2万8千円、引っ越し費は97万5千円まで。窓口は建築行政課(053-457-2471)で、前年度の6月までに相談が必要
- 対象外でも落ち込まない。相見積もり・売却・リフォームの3択で最善を


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