四日市市の解体補助金【2026】空き家の除却は4つの制度に分かれる|上限と条件を元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「四日市市で相続した実家を解体したい。補助金は使える?」

先に正直なところをお伝えします。四日市市には解体(除却)費の補助があります。除却(じょきゃく)とは、取り壊して更地にすることです。ただ四日市市の場合、使える制度がいくつかに分かれていて、家の状態によって入口が変わります。

市の案内も制度ごとにページが別々で、全体像がつかみにくいのが実情です。この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、四日市市公式(2026年7月22日照合)をもとに、散らばった制度を1本に整理します。

自分の家がどの補助に近いか、上限はいくらかが、あわてず読める形にまとめました。

※2026年7月22日時点の四日市市公式サイト(特定空家等除却費補助制度、木造住宅耐震補強工事費等補助制度(除却工事費補助)、がけ地近接等危険住宅移転補助制度の各ページと交付要綱)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページや担当課の窓口でご確認ください。

まず結論|四日市の解体補助は「4つの制度に分かれている」

四日市市の空き家解体に使える補助の使い分け早見図。制度は家の状態で4つに分かれる。①特定空家等の除却は、補助対象経費と標準除却費で算定した額のうち低い方の4/5で上限50万円。対象は特定空家等、75平方メートル未満の狭小敷地、建築基準法上の道路に接していない無接道敷地に建つ空家等の除却工事。②旧耐震の木造住宅の解体は、工事費の23%以内で上限40万円。③その跡地を同一年度内に空き家空き地バンクに登録すると、旧耐震空き家除却推進事業でさらに20万円が上乗せ。④土砂災害の危険がある区域の危険住宅は、除却等費と建設助成費からなる、がけ地近接等危険住宅移転補助制度という別枠の制度がある。共通ルールは交付決定の前に契約しないこと。予算の範囲内で先着で、受付状況は制度ごとに違うため市の窓口で確認する。

四日市市の解体費の補助は、1つの大きな制度にまとまってはいません。放置されて危険になった空き家を減らす制度と、古い木造の耐震対策の制度が、それぞれ別に用意されています。だから「古いから」ではなく、家がどの状態に当てはまるかで入口が変わります。整理すると、こういう関係になります。

  • ① 特定空家等の除却:市が危険と認めた特定空家、または75平方メートル未満の狭い敷地・道路に接していない敷地に建つ空き家の解体。低い方の額の4/5で上限50万円
  • ② 旧耐震の木造の解体:昭和56年5月以前に建てられ、耐震性が低いと判定された木造住宅の解体。工事費の23%以内で上限40万円
  • ③ 跡地をバンクに登録すると上乗せ:②で空き家を壊し、その跡地を同じ年度に空き家空き地バンクへ登録すると、さらに20万円
  • ④ がけ地の危険住宅の移転:土砂災害の危険がある区域などの家の除却と建て替えを支える、別枠の制度

金額の大きさより、自分の家が①〜④のどこに近いかが先です。当てはめながら、中身を見ていきます。

いちばんの入口|特定空家等の除却(上限50万円)

空き家を壊す費用に直接届く、四日市市の中心的なメニューがこれです。制度名は特定空家等除却費補助制度。特定空家等とは、そのまま放置すると倒壊などの危険があるとして市が認定した空き家のことです。対象は、次の3つのいずれかに当たる空き家の除却工事です。

  • 市が認定した特定空家等を除却する工事
  • 75平方メートル未満の狭小敷地(狭い土地)に建つ空き家等を除却する工事
  • 建築基準法上の道路に接していない敷地(無接道の敷地)に建つ空き家等を除却する工事

補助額は、補助対象経費と、標準除却費で算定した額のうち、低い方の4/5で上限50万円です。標準除却費とは、国が定めた面積あたりの単価で計算する費用のこと。補助対象経費には、門や塀、草木の撤去費を含めることができます。

ひとつ注意です。狭小敷地・無接道敷地の枠で使う場合は、除却した後の跡地を、自分の土地と一体として10年以上、所有・管理することが条件になります。正直にお伝えすると、この補助は「危険」か「狭い・接道していない」という入口がついた、やや狭い門です。まだ十分に使える家を、ただ壊したいだけでは基本的に下りません。自分の家が当てはまりそうかは、窓口で聞くのがいちばん確実です。

旧耐震の木造を壊すなら(23%以内・上限40万円+バンク登録で20万円)

もうひとつの入口が、古い木造住宅の耐震対策としての解体補助です。制度名は木造住宅耐震補強工事費等補助制度(除却工事費補助)。旧耐震とは、昭和56年5月31日以前の古い耐震基準で建てられた家のことです。対象は、次のどちらかに当たる家の解体です。

  • 市の容易な耐震診断で「一見して倒壊の危険性がある」と判断できる一戸建て住宅(令和7年度から新設された枠)
  • 耐震診断の評点(耐震性の点数。1.0未満で倒壊の可能性があるとされます)が0.7未満と診断された住宅

さらに、住戸が1ヘクタールあたり10戸以上ある建て込んだ区域にあること、敷地の境界から近い(平屋で2メートル、二階建てで4メートル以内)か避難路沿いにあることといった条件が付きます。補助額は工事費の23%以内で上限40万円です。

この補助を使って空き家を壊し、その跡地を同じ年度内に空き家空き地バンクへ登録すると、旧耐震空き家除却推進事業としてさらに20万円を受けられます。空き家空き地バンクとは、市が空き家の売買や賃貸の情報を仲介する登録制度のこと。バンク登録の上乗せ分の問い合わせ先は、建築指導課ではなく都市計画課(電話059-354-8272)です。

制度ごとに、予算の枠や受付の状況は違います。旧耐震の解体を後押しする補助は年度や予算で募集が変わることがあるので、使えるかどうかは必ず建築指導課で今の受付状況を確かめてください。なお昭和56年5月31日以前の木造住宅は、市の無料耐震診断が受けられます。まず診断からという道もあります。

がけ地の危険住宅は別枠|土砂災害・がけ条例の区域

3つ目の入口は、少し特殊です。土砂崩れなどの危険がある区域に建つ家を、除却して安全な場所へ建て替えるための制度で、名前はがけ地近接等危険住宅移転補助制度。対象になるのは、次のような区域に、指定より前から建っている住宅です。

  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン。土砂災害で建物に被害が出るおそれが特に高いとして県が指定した区域)
  • 三重県の建築基準条例(がけ条例)で建築を制限している区域
  • 地震や台風などで安全上の支障が生じ、特定行政庁から是正の勧告などを受けた住宅

助成は、危険住宅の除却などにかかる除却等費と、代わりの住宅を建てる際の借入金の利子に当たる建設助成費に分かれます。除却等費のうち引越費用等の上限は97.5万円で、除却費そのものは国の通知で定める単価(令和7年度の参考で木造3.3万円/平方メートル、非木造4.7万円/平方メートル)で計算します。

この制度は、事業を行う前の年度に事前相談や事前審査が必要です。当てはまりそうなら早めに、建築指導課の建築調整係(電話059-354-8206)へ相談してください。

契約より前に申請|共通ルールと申請の流れ

四日市市の解体補助 申請の流れの図。①まず四日市市の建築指導課(電話059-354-8207)へ相談し、自分の家が対象になりそうか確認する。②どの制度に当たるかを確かめる(特定空家か旧耐震かで使う制度が変わる)。③交付決定を受ける(解体の契約より前に申請し、審査に日数がかかる。旧耐震の除却では交付決定まで約2〜3週間)。④交付決定の後に業者と契約して解体する(決定の後に契約するのが鉄則)。⑤完了報告して補助を受け取る(工事費を払った後に振り込み)。交付決定の前に契約・着工した工事は原則対象外で、先に業者と契約すると補助は受けられなくなる。

制度は分かれていますが、いちばん大事なルールは共通です。

  • 補助金の交付決定を受けてから、解体の契約を結ぶこと。交付決定の前に契約や着工をした工事は、原則として補助を受けられません
  • その前に、事前相談や耐震診断などの段階があります。旧耐震の除却では、申し込みから交付決定まで約2〜3週間かかります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
  • 補助は予算の範囲内での募集です。受付を締め切る日付は公式ページに明記されていません(2026年7月22日照合)。動くと決めたら、早めに担当課で受付状況を確かめてください
  • 補助金が振り込まれるのは、工事を終えて完了報告をしたあとです。旧耐震の除却では、完了日から1か月以内かつ補助申請年度の3月20日までに報告が必要です。いったんは自分で立て替える前提と考えておくと安全です

「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。

自宅がどの制度に近いか|確認の順番

四日市の補助は制度が分かれているぶん、自分でどれに当たるか判定しきるのは難しいです。次の順で進めると迷いません。

  • まず家の状態と敷地を見る:長く空き家で傷みが進んでいる、あるいは敷地が狭い・道路に接していないなら、特定空家等の除却が候補です
  • 次に築年と構造を見る:昭和56年5月より前の木造で耐震性が低いなら、旧耐震の解体補助が候補。土砂災害の危険区域にあるなら、がけ地の制度が候補です
  • 迷ったら窓口へ:どの制度に当たるかも金額も、最後は市が判断します。自分で結論を出す前に相談するのが早いです

相談先は、四日市市 都市整備部 建築指導課(電話059-354-8207)です。旧耐震のバンク登録の上乗せは都市計画課(059-354-8272)、がけ地の移転は建築調整係(059-354-8206)と、内容で窓口が分かれます。まず建築指導課に電話で、自分の家がどの制度に近いかを聞いてしまうのが失敗のない進め方です。

対象外だった人の、現実的な選択肢

特定空家でもない、旧耐震でもない、がけ地でもない。当てはまらなくても打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や廃材の処分の仕方で、見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※四日市市の補助を使うなら、交付決定の前に契約しないよう、候補を絞る段階から市の窓口と歩調を合わせてください)

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よくある質問

まだ人が住めそうな古い実家でも、解体費の補助は出ますか?

四日市市の解体補助は、市が認定した特定空家、狭小・無接道の敷地の空き家、または旧耐震で耐震性が低いと判定された木造など、状態や区分に条件がついた制度です。まだ十分に使える家を、ただ壊したいだけでは基本的に対象になりません。まだ住める家を建て替えなどで壊すなら、補助なしで相見積もりを取り、費用を抑える方向が現実的です。念のため、自分の家が対象になりそうかは建築指導課(電話059-354-8207)に一度確認してみてください。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。四日市市の補助は、どの制度でも交付決定を受けてから工事の契約を結ぶことが条件で、契約や着工を先にした工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前相談、申請、交付決定、契約、の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは建築指導課へ電話を。

特定空家の補助と、旧耐震の補助は、両方もらえますか?

基本的に、同じ工事で複数の解体補助を重ねて受けることはできません。四日市市の制度はそれぞれ対象や条件が違うので、自分の家がどの制度に当たるかを先に決めるのが順番です。ただし旧耐震の除却では、跡地を同じ年度に空き家空き地バンクへ登録すると、旧耐震空き家除却推進事業として20万円が上乗せされる仕組みがあります。どれとどれが組み合わせられるかは、建築指導課(059-354-8207)に確認してください。

まとめ

  • 四日市市の解体費補助は、1つにまとまっておらず4つの制度に分かれている。まず自分の家がどれに近いかを見極める
  • 特定空家等の除却は、低い方の額の4/5で上限50万円(対象=特定空家、75平方メートル未満の狭小敷地、無接道の敷地)
  • 旧耐震の木造の解体は、工事費の23%以内で上限40万円。跡地を同じ年度に空き家空き地バンクへ登録すると、さらに20万円
  • 土砂災害の危険区域などは、がけ地近接等危険住宅移転補助制度という別枠。事前相談は前の年度から必要
  • 共通ルールは交付決定を受けてから契約。予算内で先着で、受付状況は制度ごとに違うので早めに担当課へ
  • どの制度にも当てはまらないなら、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手

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