青森県の解体補助金【2026】青森市より八戸・弘前が手厚い?率と上限が市で逆転|元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「青森県で古い実家を解体したい。補助金は出る?」

先に正直な結論です。青森県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市町村ごとです。しかも同じ県内で、補助の割合(率)も上限も、受付の期間もかなり違います。おもしろいのは、県庁のある青森市がいちばん手厚いとは限らないことです。率でみると青森市は2分の1で、八戸市の5分の4や弘前市の80%より低い。ただし八戸市は、率は高くても上限が家の場所で20〜40万円に変わります。

大事なのは、金額の大きさより「自分の家が対象になるか」と「その市が今も受け付けているか」です。この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、青森市・八戸市・弘前市・十和田市の公式サイトを照合して整理します。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。

※2026年7月23日時点の各市公式サイトにもとづきます。年度・予算で変わり、年度の途中で受付が終わることもあるため、申請前に必ず各市の公式ページで最新をご確認ください。

主要市の早見表【2026年度】

青森県の主要市の解体補助 早見表2026年度。県都の青森市は放置危険空き家対策事業で除却費の2分の1・上限30万円、評点100点以上か特定空家等が入口で、夏から秋に先着5件程度で受付中。八戸市は危険空き家等除却事業補助金で除却費の5分の4と率は高いが、上限は居住誘導区域の内外と接道で20万円から40万円の4区分に分かれ、評点100点以上が入口で受付中。弘前市は老朽空き家等除却促進事業費補助金で除却費の80%・上限50万円、評点100点以上が入口で先着10戸程度、令和8年12月28日まで受付中。十和田市は空家等解体撤去費補助金で除却費の5分の1・上限50万円、評点50点以上と入口はやや広めだが、受付期間の明記がなく予算内で要事前相談。県都の青森市が一番手厚いとは限らず、率が高いのは八戸市と弘前市。結論は、金額の大小より自分の家がその市の対象か・今も受付中かが先で、契約は必ず交付決定の後に行うこと。

見てのとおり、同じ青森県でも率も上限もそろっていません。ポイントは3つ。率が高いのは八戸市と弘前市で、県都の青森市は2分の1と控えめ。ただし八戸市は上限が家の場所で20〜40万円に変わり、弘前市と十和田市は上限50万円。そして今のところ、4市とも受付の入口は開いています(十和田市だけ受付期間の明記がなく要事前相談)。順番に、自分の家がどこに当てはまるか当てはめながら読んでください。

2大都市の状況|青森市と八戸市で率と上限が逆転する

まずは、県内で人口の多い青森市と八戸市から。この2市を並べると、青森県の制度の「読み方」がよく分かります。県都の青森市のほうが率も上限も控えめで、八戸市のほうが率は高い。ただし八戸市は上限が場所で変わります。

青森市|除却費の2分の1・上限30万円。県都だが率も上限も控えめ

青森市の放置危険空き家対策事業(補助金)は、除却工事費の2分の1・上限30万円(いずれか少ない額)です。県庁のある市ですが、率は2分の1、上限は30万円と、今回の4市ではいちばん控えめでした。対象は、市長が認定した特定空家等(とくていあきやとう|倒壊などのおそれがある危険な空き家)か、住宅の傷み具合の評点が100点以上の不良住宅に限られます。主な構造が木造か鉄骨造の一戸建てなどが条件で、募集は5件程度の先着と枠が小さいのが特徴です。交付申請の受付は令和8年7月1日から11月30日まで。申請の前に「事前協議」という現地調査の段階があります(2026年7月23日照合)。数字の読み方や申請の流れは青森市の解体補助金の記事で整理しています。

八戸市|除却費の5分の4と手厚いが、上限は家の場所で20〜40万円

八戸市の危険空き家等除却事業補助金は、除却費(税抜き)の5分の4です。今回見た4市の中では、補助の割合がいちばん大きくなっています。青森市の2分の1と比べると、負担してくれる割合は大きい。ただし、もらえる上限は家のある場所と道路とのつながり方で4つに分かれ、20万円から40万円までです。居住誘導区域(きょじゅうゆうどうくいき|市が住まいを集めたいと定めたエリア)の内側で道路に十分接していない敷地なら上限40万円、区域の外で道路に接していれば上限20万円、という具合です。入口は青森市と同じく評点100点以上の危険な空き家で、補助を受けられるのは個人だけ。事前調査の受付は令和8年11月13日まで、交付申請は12月11日までです(2026年7月23日照合)。数字の読み方や申請の順番は八戸市の解体補助金の記事でくわしく整理しています。

受付中で手厚い市|弘前市・十和田市

「県内でいま使える市は?」という方へ。青森市・八戸市のほかにも、いまも受付している市があります。ここでは、公式ページで内容を確認できた弘前市と十和田市を紹介します。率や上限のクセがそれぞれ違います。

弘前市|除却費の80%・上限50万円。令和8年12月28日まで受付中

弘前市の老朽空き家等除却促進事業費補助金は、除却費の80%・上限50万円です。正確には、除却工事費(税抜き)と国が定める標準除却費を比べて少ないほうの80%で、限度額が50万円という決まりです。率も上限も、今回の4市では手厚いほうに入ります。対象は、外観の評点が100点以上の老朽空き家のほか、市が認定した特定空家等、無接道や狭い敷地で単独では活用しにくい空き家など。木造だけでなく鉄骨造やコンクリートブロック造も対象になります。募集は10戸程度の先着で、申請の受付は令和8年5月7日から12月28日まで。青森市と同じく、申請の前に事前協議(現地調査)が要ります(2026年7月23日照合)。相談は建築指導課の空き家対策係(電話0172-40-0522)です。

十和田市|除却費の5分の1だが評点50点以上と入口は広め

十和田市の空家等解体撤去費補助金は、補助対象の経費の5分の1・上限50万円(いずれか低い額)です。率は5分の1と今回の4市では低めですが、そのぶん入口はやや広めです。対象になる危険空家等の目安が、市の基準で評点の合計50点以上と、青森市・八戸市・弘前市の100点以上より低いラインだからです。特定空家等として市長が認めた家も対象になります。もう一つの特徴は、解体費だけでなく、廃材や家に残った家財の運搬・処分費まで補助の対象経費に含めている点です。ただし公式ページに受付期間の明記はなく、予算に限りがあるため事前の相談を求めています。工事は交付決定を受けてから着手し、令和9年3月12日までに終える必要があります(2026年7月23日照合)。相談はくらし環境課(電話0176-51-6735)です。

4市の外にも、いま動く枠があります

ここは前の版で「確認が必要な場合もあります」とだけ書いていました。実際に確かめたので、書き直します。

野辺地町|相談の期限が8月31日です

野辺地町には解体の枠が2つあり、どちらも解体工事費用の2分の1・上限50万円です。ひとつは不良住宅や町が認定した特定空家向け、もうひとつはそれ以外の空家向けです。

先に、使えない人を書きます。2つ目の枠は「解体後の跡地を5年以上、地域活性化(町道の雪捨て場等)のために使用する」ことが条件です。更地にして自分で持ち続けたい方、売りたい方には向きません。

そして期限です。町のページにこう書かれています。「補助金の活用をお考えの方は、8月31日までに下記の担当課へご相談ください」とあります。申請ではなく相談の期限なので、まだ迷っている段階でも電話しておく価値があります。

ほかの条件は、工事の業者が町内に本店または営業所を持っていること、町税の滞納がないことです。窓口は防災管財課です(2026年8月11日確認)。

五戸町|商業地域なら上限160万円。今回確かめた中ではいちばん大きい額です

五戸町の危険空き家解体費用補助金は、区域で2段に分かれます。都市計画用途区域の商業地域なら10分の8・上限160万円、それ以外の区域なら10分の8・上限80万円です。

ただし、まだ金額を確かめきれていない市町村が残っています。県内の順位としては書けないので、今回照合できた範囲での話として読んでください。

ただし令和8年度分は件数の上限に達して受付が終わっています。町のページには「事前調査(来年度への申請に向けて要望がございましたら行います)」とあるので、来年度を狙うなら今のうちに事前調査を頼んでおけます。

条件は、補助対象者が個人であること、町税を滞納していないこと、事前調査で町の評定点数が100点以上になること。窓口は都市計画課です。

弘前市には、もう1本の除却枠があります

弘前市には、この記事で書いた老朽空き家の枠(80パーセント・上限50万円)とは別に、耐震の枠の除却があります。金額は小さく補助対象経費の23パーセントか20万円の少ないほうですが、入口がずっと広いのが要点です。

市の言葉です。「ただし、建替え工事又は除却工事を行う場合に限り、簡易耐震診断の結果、倒壊の可能性があると判断されたものでもよい」とあります。正式な耐震診断を受けなくても、簡易な調査票で入れます。

もうひとつ。「補助事業の完了後に居住を予定している方(除却工事の場合を除く)」とあるので、壊すだけなら住む予定は要りません。老朽空き家の枠で評点が足りずに落ちた方の受け皿になります。

受付は令和8年6月1日から11月30日まで。窓口は建築指導課で、空き家の担当課とは別です。

※この章は野辺地町・五戸町・弘前市の各公式ページを2026年8月11日に照合しています。このほか五所川原市・むつ市・黒石市・平川市・中泊町・蓬田村にも解体の枠があるという情報がありますが、今回は金額まで確かめきれていません。町村の窓口でお確かめください。

村まで見ると、六ヶ所村に150万円の枠があります

ここまでは市の話ですが、青森県は村も見ないと上限が変わります。六ヶ所村の空家等除却補助金がそれです。

額は補助対象経費の2分の1か150万円の低いほう。この記事で見た市の20万〜50万円とは桁が違います。しかも補助の対象になる経費には、家財等の処分に要する費用も含まれると村が書いています。ここを対象外にする市が多いので、めずらしい設計です。

ただし、この村は傷みが進むほど額が下がります。管理不全空家等で勧告を受けたものは3分の1か90万円、特定空家等に認定されたものは6分の1か50万円です。ふつうの制度と逆向きで、早く動いた人ほど手厚い形になっています。

入口も低めです。老朽住宅は判定票の合計点数が15点以上とされていて、他の市が求める100点とはハードルが違います。ほかに、所有権以外の私権が設定されていないこと、個人が所有していて営利目的でないこと、法第22条第2項の勧告を受けていない空家であることが要ります。

工事は、空家等と附属する建築物・工作物の全部を除却して敷地を更地にするもの。交付申請は工事に着手する日から数えて14日前までです。村のページの更新日は2024年6月24日なので、いまも同じ内容かは村へ確かめてください(2026年8月11日照合)。

なお、上で書いた五戸町の商業地域には上限160万円の枠があります。金額を確かめきれていない市町村がまだ残るので、どちらが県内で一番かは書けません。

この記事にない市町村にお住まいなら

青森県には、ここで取り上げた市町のほかにも制度がある市町村があります。前の版では「五所川原市やむつ市のように、解体費そのものの補助は確認が必要な場合もあります」と書いていましたが、両市とも解体の枠を持っています(金額と受付は今回確かめきれていないので、窓口でご確認ください)。金額や受付は市町村ごとにまるで違うので、自分の市町村を必ず確かめてください。探し方はかんたんです。「市町村名+空き家 解体(除却)補助金」で検索し、URLが lg.jp や市町村の公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古く、いまは受付が終わっている制度を「受付中」のまま載せていることがあるためです。青森県(県庁)としての一律の解体補助はなく、県の役割は空き家対策の全体方針づくりや相談の案内が中心です。まず解体費の補助があるかどうかは、家がある市町村の窓口が出発点になります。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。

どの市でも共通の鉄則

  • 工事の契約前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工。先に契約すると1円も出ません
  • 危険・老朽の空き家の補助は、まず市の「判定」や「事前調査(事前協議)」からです。青森市・弘前市の評点100点、十和田市の評点50点、八戸市の判定票Aなど、この判定が対象の分かれ目になります
  • どの市も予算がなくなり次第終了。募集は青森市が5件、弘前市が10戸程度と小さいので、年度の前半ほど有利です
  • 市内業者限定・築年や状態の判定など、細かい条件は市ごとに違います。補助金は工事のあとに振り込まれるので、いったんは自分で立て替える前提で考えておいてください
  • 更地にすると土地の固定資産税が上がる場合があります(住宅用地の特例が外れるため)。解体のタイミングは税金や売却の予定とセットで考えてください

解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べると、数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています(木造なら30坪で90〜150万円ほどが目安です)。

※青森県内で解体に対応できる業者を、まず2〜3社あたってみてください。市内業者限定の補助を使う市では、見積もり先がその市の業者かも合わせて確認しておくと安心です。

▶ 青森県内で解体に対応できる業者を、まとめて当たるなら解体工事比較ナビ(解体業者の一括見積もり・無料)で、解体業者への一括見積もりを依頼できます。(※市内業者限定の補助を使う市では、見積もり先がその市の業者かも合わせて確認しておくと安心です)

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(※壊すか直すかで迷っている段階なら、直す場合の金額を先に知っておくと判断が早くなります。費用が心配なときの順番は解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)

よくある質問

青森県(県庁)としての解体補助金はないのですか?

解体費への一律の県補助はありません。県の役割は、空き家対策の全体方針づくりや相談の案内が中心です。解体費そのものの補助は、家がある市町村の制度を調べてください。まず自分の市町村の住宅・建築の担当課が出発点になります。

県庁のある青森市がいちばん手厚いと思っていました。違うのですか?

意外に思われるかもしれません。率でみると青森市は2分の1で、八戸市の5分の4や弘前市の80%のほうが高いです。上限も、青森市の30万円に対して弘前市と十和田市は50万円。ただし率や上限が手厚い市ほど、評点100点以上といった入口の判定が厳しいこともあります。数字の大小だけで決めず、自分の家がその市の対象になるかを先に確かめてください。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。今回の4市はどれも、交付決定(交付決定の通知)より前に契約・着工した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前協議・事前調査から始めて、交付申請、交付決定、契約の順で進めてください。まだ着手していなければ相談できることもあるので、まずは各市の窓口へ。

まとめ

  • 青森県の解体補助は市町村ごとで、県の一律制度はない
  • 2大都市は青森市が除却費の2分の1・上限30万円、八戸市が除却費の5分の4・上限20〜40万円(区分制)。率は八戸市が高いが、上限は家の場所次第
  • 受付中で手厚いのは弘前市(除却費の80%・上限50万円・12月28日まで)と十和田市(5分の1・上限50万円・評点50点以上で入口は広め・要事前相談)
  • 率も上限も受付状況もバラバラ。金額の大小より、自分の家がその市の対象になるか・その市が今も受け付けているかが先
  • この記事で見た市はどこも、まず市の判定・事前調査が入口。判定が要らない枠を持つ市もあるので、自分の市の窓口で確かめてください。共通の鉄則は交付決定の前に契約しないことと、業者差の大きい解体費を下げる相見積もり

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