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「横浜市で古い家を解体したい。補助金はいくら出る?」
ネットで調べると「20万円」「40万円」「50万円」と情報がバラバラで混乱しますよね。しかも横浜市には、解体費の補助が2つあって、住所で入口が分かれます。ふつうの地域は住宅除却補助制度(旧耐震で上限50万円)、地震火災の対策地区は建築物不燃化推進事業補助(除却に上限150万円)です。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、2つの制度の正確な金額・条件・申請の流れを、市の公式情報をもとに整理します。まずは金額の大きいほうを見落とさないように、どちらの入口かの見分け方からです。
※2026年7月2日時点の横浜市公式情報(2026年4月更新)にもとづき、建築物不燃化推進事業補助は2026年8月3日に市の制度ページ・申請の手引き・補助対象判定フローで追加照合しました。町内会向けの「まちの防災広場」については、2026年8月15日に交付要領のPDFを開き、別表1から別表4まで確認しています。申請前に必ず公式ページで最新情報をご確認ください。
まず結論|入口は2つ、住所で決まる

横浜市の解体費補助は、地震火災の被害が特に大きいと想定される地区とそれ以外で、まったく別の制度になっています。市の住宅除却補助制度のページには、建築物不燃化推進事業の補助対象地区は対象外と書かれていて、その地区の方は「別の解体についての補助制度をご利用ください」と案内されます。つまり2つを足し算するのではなく、住所でどちらか一方に振り分けられる形です。
- ① 不燃化の補助対象地区の外:住宅除却補助制度。旧耐震で上限50万円、新耐震で20万円(非課税世帯40万円)。本記事の前半で扱います
- ② 不燃化の補助対象地区の中:建築物不燃化推進事業補助。除却に上限150万円。対象は鶴見区・神奈川区・西区・中区・南区・磯子区・金沢区の各一部で、後半で扱います
自分の住所がどちらかは、市の行政地図情報提供システム(i-マッピー)で確かめられます。ただし市自身が「境界が不正確である可能性があります」と注意しているので、境界に近い土地なら防災まちづくり推進課(045-671-3595)へ電話してください。
入口①|住宅除却補助制度(旧耐震50万円・新耐震20〜40万円)
- 旧耐震建築物(1981年〈昭和56年〉5月末以前):補助上限50万円
- 新耐震建築物(1981年6月〜2000年〈平成12年〉5月末に着工):一般世帯20万円・住民税非課税世帯40万円
実際の補助額は、上限額・面積による限度額・実際の工事費のうちいちばん低い金額になります。ネット上の「最大20万」「最大50万」という記事は、どちらか片方の区分しか書いていないことが多いので注意してください。
対象になる条件
- 2000年(平成12年)5月末以前に新築工事に着手した建築物であること(※「1981年以前だけ」ではありません)
- 耐震性のチェックで「耐震性が低い(倒壊の危険性がある)」と判断されること(市の無料耐震診断などを利用)
- 工事の契約・着手の前に、市の「交付決定」を受けること。すでに始めた・終わった工事は対象外です
- 解体を行うのは市内事業者(市内に本社がある建設業許可等のある業者)であること
- 建築物不燃化推進事業の補助対象地区(鶴見区・神奈川区・西区・中区・南区・磯子区・金沢区の各一部)にないこと。その地区は入口②の制度になります
- 解体する建物の所有者本人が申請すること(法人は除く)
2026年度のスケジュール
- 申請受付:2026年4月1日〜12月28日(※予算に達し次第、早めに締め切られる可能性あり)
- 市の耐震診断を使う場合:10月末までに申し込み
- 2027年2月末までに工事完了・完了報告書の提出が必要
予算切れで終わる制度は、年度の早いうちに動いた人が取ります。秋以降に思い立った場合は、来年度の4月に向けて準備するのも堅実です。
面白いのは「市が相見積もりを義務にしている」こと
この制度、見積金額が100万円以上になる場合は、2社以上の見積書の提出が必須で、しかも安い方の業者と契約するルールです。
つまり横浜市自身が「解体は相見積もりで適正価格にすべきだ」と言っているわけです。当サイトがずっとお伝えしてきた通り、解体は業者による価格差がとても大きい工事。補助を使わない場合でも、2〜3社比較は必ずやってください。
入口②|建築物不燃化推進事業補助(除却に上限150万円)
金額がひとけた違うのがこちらです。地震火災の被害が特に大きいと想定される地域で、古い建築物を壊したり燃えにくい建物を建てたりする費用を、市が後押しする制度です。窓口は都市整備局の防災まちづくり推進課(045-671-3595)で、耐震の担当課とは別になります。
- 補助額:次の3つのうちいちばん低い額。①いちばん安い見積書の額(建物本体の除却の税込額)×補助率 ②延べ面積×2万円/平方メートル(市の単価)×補助率 ③上限150万円
- 補助率:重点対策地域(不燃化推進地域)は4分の3、それ以外の補助対象区域は3分の2
- 対象になる建物:重点対策地域なら昭和56年5月31日以前に建てられたもの、または耐用年数(木造22年・鉄骨造34年など)を過ぎたもの。それ以外の補助対象区域なら昭和56年5月31日以前、または昭和56年6月1日から平成12年5月31日までに建てられた木造建築物
- 申請できる人:建物の所有者、所有者の三親等以内の親族、所有者の承諾を得て除却を行う方など。個人・自治会や町内会・中小企業者等が対象で、登記簿上の所有者が亡くなっている場合も、書類がそろえば相続の権利がある方が申請できると手引きに書かれています
- 外れる条件:過去10年以内に横浜市の補助金(木造住宅の耐震改修など)を受けた建物、解体工事の契約後の申請、市内事業者以外に頼む場合、市税の滞納がある場合。宅地建物取引業者が所有して除却だけを行う場合も対象外です
令和8年4月1日に制度が改正され、建て替え(耐火性能強化の工事)を同時に申請しない場合でも、昭和56年6月1日から平成12年5月31日までに建てられた木造建築物の除却が補助対象に加わりました。壊すだけで使える幅が広がった、ということです。あわせて代理受領の仕組みも新設され、業者へは補助金との差額だけを払えばよくなりました。
審査には約1か月かかるので、市は工事契約の1か月前までの申請を求めています。
相続や登記で止まっているなら、同じ課に無料の相談があります
解体の手前でつまずいている方向けに、同じ課が専門家相談事業を用意しています。司法書士・土地家屋調査士・弁護士の個別相談を、無料で1回受けられるものです。
相続、登記、土地の境界。この3つのどれかで止まっているなら、業者を探すより先にここです。対象のエリアは入口①と同じ7区の一部になります。
空き家の3,000万円特別控除との関係:空き家の譲渡所得の特例を使う場合でも、住宅除却補助制度は申請できると市の公式ページに明記されています。ただし不燃化のほうは、国の補助金が充てられている他の補助金との併用はできません。どの補助と重なるかは、申請の前にそれぞれの窓口で確かめてください。
3つ目の枠|町内会が「まちの防災広場」を作るとき(個人では申請できません)
ここまでの2つとは別に、古い建物を壊す費用が出る枠がもうひとつあります。身近なまちの防災施設整備事業補助の「まちの防災広場」です。
先にはっきり書きます。個人では申請できません。交付要領の第4条は、補助の対象者を「自治会町内会等の団体(地域まちづくり組織を含む)」と「地域まちづくりグループ」に限っています。あなたが自分で申請できる入口は、上の2つのままです。
条件も重いです。土地は「10年間以上市への無償での貸与が可能であること」が要件で、広場は「平常時に不特定多数の人が利用でき」る位置。面積は40平方メートル以上とされています。
つまり壊したあとの土地は、10年以上みんなが使う空き地になります。売る前提の方には向きません。
そのぶん金額は大きいです。交付要領の別表4には、老朽建築物等の除却に要する費用の上限として、重点対策地域(不燃化推進地域)の欄に300万円と書かれています。
補助率は10分の10。除却にかかった費用の全額が対象という書き方です(交付要領の別表3)。
ただし、その全額が出るのは重点対策地域(不燃化推進地域)だけです。別表3と別表4のどちらも、除却の欄は対策地域とその他の地域が「―」になっています。つまりこの2つの地域では、除却の費用はこの枠の対象外と読めます。
広場そのものの整備費は別枠で、上限150万円(重点対策地域)と75万円です。こちらは対象の地域が広くなっています。
当てはまるのは、実家が不燃化の地域にあって、売るつもりがなく、町内会がすでに広場づくりを考えている場合です。かなり狭い道ですが、条件が合えば金額はいちばん大きくなります。
窓口は上と同じ都市整備局防災まちづくり推進課(電話045-671-3595)。この節は「まちの防災広場」整備事業補助金交付要領(最近改正 令和8年3月31日)と市の制度ページを、2026年8月15日に開いて確認しました。
解体費用そのものの相場と進め方
横浜市の戸建て解体は立地(道路の広さ・隣家との距離)による差が大きめです。費用の内訳と安くするコツは家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています。
解体して建て替えるか、リフォームで直すか迷っている段階なら、先に両方の見積もりを取って比べるのがおすすめです。
相見積もりに動く前に、横浜市なら無料で概算をつかむ手があります。市は株式会社クラッソーネと空家等の除却促進に係る連携協定を結んでいて、案内の名前は横浜市版すまいの終活ナビ。土地建物の面積、最寄り駅、接する道の幅などを入力すると、建物の解体費用と、解体後の土地の売却価格の概算額を無料で調べられます。案内元は建築指導課建築安全担当(電話045-671-4539)。
市の説明では、概算額には市内の解体相場や市場価格といった地域性が反映されているとのことです。ただし現地を見た見積もりではないので、実際の額は建物の状態や周りの条件で動きます。なお、このすぐ下でご紹介するのは広告です。先に市が案内している無料のものを見てから決めていただいてかまいません。
▶ 解体の見積もりは2者以上そろえる:横浜市の補助は複数見積もりが条件になる場合があります。解体工事比較ナビ(解体業者の一括見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※市内業者の条件に合うかの確認も忘れずに)
▶ リフォームで直す場合の費用を無料で比較する
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)あわせて読みたい
- 家の解体補助金【2026】主要都市まとめ|3つの型と早見表
- 実家・空き家リフォームの補助金
- リフォームと建て替えどっち?費用・判断基準
- 相模原市の空き家解体補助金【2026】1/2・上限50万円
- 神奈川県の空き家解体補助金【2026】主要5市で線引きがこう違う
よくある質問
1985年築の家ですが対象になりますか?
なり得ます。対象は2000年5月末以前の着工なので、1981年〜2000年の「新耐震」でも耐震性が低いと判断されれば一般世帯20万円・非課税世帯40万円の区分で申請できます。
実家が中区にあります。50万円と150万円のどちらですか?
同じ区の中でも、町丁目によって分かれます。建築物不燃化推進事業の補助対象地区に入っていれば150万円が上限の不燃化のほう、入っていなければ50万円が上限の住宅除却補助のほうです。地区は市の行政地図情報提供システム(i-マッピー)で確認できますが、市自身が境界の正確さに注意書きを出しています。金額が3倍変わるところなので、地図で見て終わりにせず、防災まちづくり推進課(045-671-3595)へ住所を伝えて確かめてください。
もう解体業者と契約してしまいました。申請できますか?
できません。交付決定の前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず申請→交付決定→契約の順番で進めてください。
まとめ
- 横浜市の解体補助は住所で入口が2つに分かれる。不燃化の補助対象地区の外は住宅除却補助制度、中は建築物不燃化推進事業補助
- 住宅除却補助制度は旧耐震50万円/新耐震20〜40万円。ネットの単発情報に注意
- 建築物不燃化推進事業補助は除却に上限150万円(重点対策地域は4分の3、それ以外の補助対象区域は3分の2)。対象は鶴見・神奈川・西・中・南・磯子・金沢の各一部で、窓口は防災まちづくり推進課(045-671-3595)
- 対象は2000年5月末以前の着工+耐震性が低い判定
- 受付は12月28日まで(予算次第で早期終了)。契約前の交付決定が絶対条件
- 100万円以上は2社見積もりが必須=市も相見積もりを推奨している
- 町内会が「まちの防災広場」を作る場合だけ、除却に上限300万円という3つ目の枠がある。ただし個人では申請できず、土地を10年以上市に無償で貸すのが条件


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