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「岐阜県で古い実家を解体したい。補助金は出る?」
先に正直な結論です。岐阜県(県庁)としての一律の解体補助はなく、制度は市や町ごとです。
そして金額を見比べる前に、決まってしまうことがあります。その家が「空き家」なのか、「今も住んでいる家」なのかで、使える枠が入れ替わることです。
5市を照合すると、解体費に使える枠は3つの入口に分かれていました。①空き家だから出る枠、②旧耐震の家を耐震のために壊す・建て替える枠、③がけ地など危険な区域から安全な場所へ移る枠、の3つです。
このうち②は公式に「現に居住している」ことが条件で、③も住んでいる人が移ることが前提でした。空き家の解体費として当てにできるのは①だけ、と思って読み進めてください。
元大工で中立の立場のおさむが、岐阜市・大垣市・多治見市・高山市・可児市の公式を照合して、入口ごとに整理します。除却(じょきゃく)は取り壊しのことです。
※各市の公式サイト(ページ・交付要綱・リーフレット)にもとづきます。5市とも2026年8月4日に照合しました。年度・予算で変わるため、申請前に必ず各市の公式ページで最新をご確認ください。
解体補助の3つの入口【2026年度】

金額を横に並べて比べたくなりますが、順番が逆です。先に自分の家がどの入口に当たるかを決めると、見るべき制度は1つか2つに絞れます。
入口①は、その家が空き家であることが入口。②は今そこに住んでいて、旧耐震で耐震性が低いことが入口。③はがけ地などの危険な区域に住んでいることが入口です。
金額の見方にも注意があります。①と②は上限額が決まっていますが、③の岐阜市だけは1平方メートルあたりの単価で決まる仕組みで、上限の固定額がありません。横に並べて大小を比べられる数字ではないので、図でも列を分けています。
市ごとの実態|どの入口が開いているか
岐阜市|空き家の枠は除却費の2分の1・上限50万円
県都の岐阜市には、性格の違う枠が2つありました。1つめが空き家の枠です。
「不良空き家除却費補助金」で、除却費の2分の1・上限50万円。対象は、市が「不良空き家」と判定した空き家に限られます。倒壊のおそれや、屋根・外壁材の落下・飛散などで周りに危険がおよぶ、といった状態が目安です。古いというだけ、空き家というだけでは出ません。
入口は市の判定なので、まず住宅・空家対策課の空家指導係(058-214-2180)への事前相談から始まります。令和8年度版のリーフレットでは、判定申請の受付が令和8年5月18日から11月13日まで、補助金交付申請の受付は11月30日までとされています。なお建替えを目的とした除却は対象外と書かれているので、壊したあとに自分の家を建てる予定なら、そこは先に確かめてください。
工事費を立て替えにくいときは、補助金を業者が代わりに受け取る代理受領も使えます。くわしくは岐阜市の解体補助金の記事にまとめています。
岐阜市|がけ地から移る枠は壊す面積で決まる
2つめが、がけ地の枠です。「がけ地近接等危険住宅移転補助事業」といって、危険な区域の中にある家から市内の安全な場所へ移るための制度。対象区域は、災害危険区域、県条例第6条適用区域(通称がけ条例)、土砂災害特別警戒区域(通称レッドゾーン)、その指定見込み区域、災害救助法適用区域の5つです。窓口は空き家の枠とは別で、まちづくり推進部の建築指導課審査係(058-265-3903)になります。
この枠は、除却費の出方がほかと違います。市の表には木造3.3万円/平方メートル、非木造4.7万円/平方メートルと書かれていて、上限の固定額がありません。壊す面積で上限が決まる仕組みです。
木造で延べ100平方メートルなら、上限は330万円という計算になります。ただしこれはあくまで上限の計算です。実際に出るのは、かかった除却費がこの範囲に収まる分まで。市も「補助限度額は県及び市の年度ごとの予算範囲内となる場合があります」と注記しています。
ほかに、動産の移転費・仮住居費等で97.5万円。移転先の住宅の建設・購入にかかる借入金の利子相当額として421万円(内訳は建物325万円・土地96万円)、保全人家10戸未満の急傾斜地崩壊危険区域なら731.8万円(建物465万円・土地206万円・造成60.8万円)の枠もあります。
ただし対象は、区域内に居住者がいる既存不適格住宅(建てた当時は合法でも、今の基準には合わなくなっている住宅)か、災害のあとに市長が移転勧告等を行った住宅です。移転先が市内の安全な場所であることも条件になっています。空き家をただ壊すための枠ではない、と読んでおくのが安全です。
そして、この記事でいちばん日付が近いのがここです。事前相談の期間が令和8年4月1日から9月30日までで、補助申請の期間は令和9年4月1日から5月31日まで。市は「補助申請の前に事前相談が必要です。事前相談を行わずに補助申請はできませんのでご注意ください」と明記しています。区域に心当たりがあるなら、先に電話だけでも入れておくのが確実です。(ページの更新日は令和8年4月17日。お知らせに「令和8年度より補助額が拡充されました」と書かれています)
なお、岐阜市の耐震の補助メニュー(無料耐震診断・耐震改修工事・建築物耐震診断・特定建築物・ブロック塀等撤去・耐震シェルター等設置)を一覧で開いた範囲では、解体や建て替えに使える枠は見当たりませんでした。
大垣市|空き家の枠は3分の1・上限30万円
大垣市も枠が2つで、しかも窓口の課が分かれています。どちらも市役所の5階ですが、担当が違います。
1つめが空き家の枠、空家等除却支援事業補助金で、対象工事費の3分の1・上限30万円。ただし、延べ床面積が240平方メートル以上の建物や、中心市街地活性化基本計画の区域内にある空き家は上限40万円まで上がります。
対象は、管理が行き届かず放っておくと危なくなりそうな、個人が所有する市内の空き家。市内業者が実施する工事であることも条件です。申請は解体工事の契約より前で、着手は申請からおおむね3か月以内、その年度の2月末までに工事を終えることが条件。窓口は住宅課(0584-47-8184)です。
大垣市|耐震の枠は「今そこに住んでいる家」だけ
2つめが耐震の枠です。木造住宅除却工事補助といって、大垣市建築物等耐震化促進事業費補助金の中にあります。交付要綱の別表では補助対象経費が一戸あたり260万9千円を限度、そこに23パーセントを掛けた額が補助金で、市街化区域内は上限60万円、市街化区域外は上限30万円と2段になっています。
募集は令和8年5月15日から12月28日までで、予算に達し次第終了。窓口は空き家の枠とは別で、都市計画部の建築指導課建築指導グループ(0584-47-8436)になります。
入口は「木造住宅耐震診断等の結果、耐震性が低いとされた住宅の解体工事であること」です。市の無料耐震診断の報告書の写しのほか、国が示した「旧耐震基準の木造住宅の除却における容易な耐震診断調査票」でも通ります。昭和56年5月31日以前に着工した木造の一戸建て(併用住宅を含む)が対象です。
ただし、ここが大事なところです。市のご案内には「現に居住している住宅の所有者等が行う解体工事であること」と書かれています。交付要綱の別表にも「現に居住している木造住宅であること」とあります。空き家の所有者は、この枠は使えません。金額だけ見て当てにしないでください。
多治見市|壊す理由ごとに枠が分かれている
多治見市は、解体費に使える枠がいくつにも分かれていました。市の公式ページで確認できたのは6つで、所管も建築住宅課・企画政策課・開発指導課・農林課とばらばらです。
まず、今の所有者のまま壊す場合に使えるのが3つ。
老朽・危険空き家除却工事補助金は補助率が3分の1で、家の区分によって上限が二段です。昭和56年5月31日以前に着工した老朽空き家は上限20万円、市の判定調査で危険と認められた危険空き家は上限40万円。どちらも、床面積の半分以上が住まいで1年以上使われていない、個人所有の空き家であることが前提です。解体工事の契約・着手の前に申請が必要で、予算の範囲内で先着。令和8年度の受付は5月1日から始まっています。窓口は建築住宅課(0572-22-1312)です。
3つめが多治見市建物解体宅地化補助金。補助対象経費の2分の1・上限50万円です。ただし条件がはっきりしていて、多治見駅周辺地区の居住誘導区域内にあること、解体した土地を住宅用地として不動産業者へ譲渡する(または業者の仲介で譲渡する)ことを目的とした工事であることが要ります。解体工事の着工14日前までに計画書を出す必要があり、老朽・危険空き家除却工事補助金などとの併用はできません。期間は令和7年8月1日から令和12年3月31日までで、各年度、予算の上限に達した時点で受付終了。提出先は企画政策課(人口対策戦略室)と、ほかの枠とは別の部署になります。
次に、その空き家を買って住む人が使える枠が2つあります。
空き家再生補助金には「建直し事業」があり、建替えに伴う解体工事が対象。補助額は一般世帯が40万円(居住誘導区域内にあれば10万円加算で最大50万円)、子育て世帯が60万円(同70万円)です。市街化区域内の空き家を取得して自ら住む世帯が対象で、令和8年度の受付は5月1日から、先着順。制度名に「解体」の字が入らないので、解体で検索しても出てこない型です。
もう1つが多治見市農地及び空き家再生補助金。市街化調整区域で、市の空き家・空き地バンクに登録された空き家を取得し、あわせて農地を取得または借りた人が対象で、「自らが居住することを目的にしたリフォーム(建て替えのための取り壊しを含む)」が助成の対象です。制度概要では上限75万円(子1人につき25万円加算)。窓口は農林課(0572-22-1111 内線1184)になります。
最後が耐震の枠、木造住宅除却工事補助事業です。チラシでは「補助対象経費の23パーセントに相当する額」と「30万円」の少ないほうの額とされています。市の木造住宅耐震診断で評点1.0未満、除却する部分の床面積が30平方メートル超が条件。令和8年度分は受付中で、申込期限は令和8年11月30日。窓口は開発指導課の建築指導グループ(0572-22-1336)です。
ただしこの枠も、条件に「現に居住の用に供するもの(借家の場合は、当該住宅を除却することについて入居者の同意が得られたものに限る)」と書かれています。空き家には使えません。
高山市|危険な空家の除却に上限100万円
飛騨の高山市の空家等除却支援事業補助金は、除却工事費等の2分の1・上限100万円です。対象は、老朽化して倒壊などのおそれがある危険な空家等。市の現場調査などで助成の可否が決まります。
金額と同じくらい大事な条件が、もうひとつ。市の助成制度一覧(令和8年4月更新)は、対象者の欄に「申請者の前年度所得税額が27万円以下であること」と書いています。所得の条件が付いている枠です。
対象になるのは個人が所有する家屋で、市税等を滞納している人は外れます。所有者か相続人が複数いるなら、全員の同意も要ります。
補助の対象になる経費は、空家等の現地調査費・除却工事費・廃材処理費・施工管理費などです。上限100万円を当てにする前に、ここを先に確かめてください。
額が大きいぶん、自分の家が危険な空家に当たるかの見極めも入口になります。ここでも、交付決定の前に工事に着手すると対象外になるので、思い立ってすぐ壊す、では間に合いません。まずは建築住宅課への相談からです。
なお、高山市の住宅への助成制度一覧と耐震のメニューを開いた範囲では、耐震の枠で解体や建て替えに使えるものは見当たりませんでした。
可児市|「活かすために壊す」が入口
可児市は、ほかの4市と入口の考え方が違います。空家等活用促進事業の除却枠は、工事費の10パーセント・上限10万円で、対象が「売却や賃貸で土地を活かすために壊す空き家」に絞られます。入居者・入居予定者が決まっているか、土地の売却・賃貸を目的とした除却であることが条件です。ただし、昭和56年5月31日までに着工した旧耐震の建物を取り壊す場合は、工事費の30パーセント・上限30万円まで上がります。「危険だから壊す」ではなく「活かすために壊す」を後押しする設計だと考えてください。窓口は施設住宅課です。
可児市にも耐震の枠として木造住宅除却工事費補助事業があります。補助対象経費の23パーセント・上限30万円(補助対象経費は1戸あたり130万5千円が限度)で、耐震診断で評点1.0未満が条件。補助対象経費が50万円以上の工事であることも要ります。
ただしこちらも、補助の対象となる除却工事の条件に「現に居住している一戸建て住宅」と書かれています。空き家では使えません。
もうひとつ、可児市で先に知っておきたいのが枠の小ささです。市の建築物等耐震化促進事業のページでは、木造住宅に係る除却工事費補助事業の募集戸数は3戸、受付期間は令和8年5月7日から12月18日までと公表されています(予算の都合などにより変更する場合があります、との注記つき)。戸数が決まっている以上、年度の前半に動くかどうかで結果が変わります。
5市の外にも100万円の枠があります|北方町・白川村・東白川村・下呂市・飛騨市
岐阜県は、県内の市町村の空き家対策の助成制度を1つのPDFにまとめて公開しています。PDFの中に「R8.4.1時点」と書かれているものです。市町村の行まで読み直しました。
この記事で扱った5市の外にも、空き家の除却に使える枠が並んでいました。上限100万円のところもあります。金額の前に、条件から書きます。
先に「使えない人」から
建替えを目的とした除却は、笠松町と東白川村では対象外です。壊したあとに自分の家を建てる予定なら、この2つは外れます。岐阜市の枠と同じ考え方です。
笠松町には、外れる条件がもう3つあります。その空き家で不動産収入を得ている(得たことがある)場合、同じ敷地の中に今も人が住んでいる家がある場合、1年以内に所有権が移っている場合です。
白川町は、他の権利が設定されている空家が対象外です。抵当権などが残っていないか、先に登記を見てください。
業者と後始末の縛りもあります。東白川村は解体撤去業者が村内に事業所を持つ事業者であることを条件にし、白川村は出た廃棄物を村の条例に定める方法で処理していることを求めています。
金額と条件
- 北方町|危険空家除去事業補助金=除却費用の2分の1で1件あたり上限100万円。町内に存在する危険空家が対象です。除却工事に着手する前の申請が必要で、申請の前に事前相談と危険空家の判定も要ります。総務危機管理課
- 白川村|老朽危険空家等除却支援事業補助金=2分の1以内で1件あたり上限100万円。村長が認めた老朽危険空家等の除却費が対象です。対象者は個人に限られ、所有者か相続人で、複数なら全員の同意が要ります。村税に滞納がないことと、出た廃棄物を村の条例の方法で処理していることも条件です。観光振興課
- 東白川村|老朽危険空き家等解体支援事業補助金=5分の4以内で上限100万円。村内にある公益に反する老朽危険空き家等で、規定の基準表の点数が100点を超えるものが対象。個人が所有していること、建て替えを目的としていないこと、解体撤去業者が村内に事業所を持つことが条件です。総務課
- 下呂市|不良空家等除却支援事業補助金=3分の1以内で、①上限100万円 ②上限30万円の二段です。①は不良住宅のうち近い将来特定空家になりうると市長が認めたもの、または特定空家。②は隣接する家屋や公道に倒壊する可能性が高く危険と市長が認めたもの。建設総務課
- 飛騨市|空家除却補助金=所有者等なら2分の1で上限100万円。市内にあり、おおむね1年以上使われていない空家で、過去4年以内に相続以外の所有権移転がないものが対象です。空家の中の家財道具や敷地内の動産の処分は対象外。申請の前に事前相談が義務づけられています。建築住宅課
- 笠松町|不良空家除却工事補助金=2分の1で1件あたり上限50万円。床面積の2分の1以上が住まいだった、1年以上使われていない、個人が所有する空家が対象です。上に書いた建替え目的などの条件が付きます。建設課
- 白川町|空家除却等支援補助金=除却費の2分の1以内で上限50万円。町内にあり、居住を目的に建てられた、個人が所有する空家。他の権利が設定されていないことが条件です。企画課
- 上限30万円台の町もあります。県のPDFでは、岐南町・養老町・関ケ原町・神戸町・安八町・大野町・川辺町・七宗町・八百津町が上限30万円。輪之内町は特定空き家等なら40万円、その他の空き家等なら30万円です
個人では届かない枠も書いておきます。郡上市の危険空家解体撤去支援事業補助金は、特定空家等の所有者等と土地所有者が2分の1で上限50万円。自治会等が所有者の同意を得て行う場合だけ、10分の10で上限150万円になります。
金額の欄には150万円が並びますが、個人が申請して届くのは50万円までです。都市住宅課の枠になります。
確認の深さも書いておきます。この章の数字と条件は、岐阜県の助成制度一覧(R8.4.1時点)の該当ページを画像で開いて、行ごとに読みました。市町村それぞれの公式ページまでは開いていません。受付期間と今年度の扱いは、それぞれの窓口でお確かめください。
※この章は岐阜県が公開する「空き家対策に係る 岐阜県内の市町村の助成制度 一覧」(PDFに「R8.4.1時点」と明記)を2026年8月12日に照合しています。
ここまでに名前が出ていない市や町にお住まいなら
各務原市・中津川市・関市など、ここに挙げていない市や町にも、老朽危険空き家の除却補助がある場合があります。岐阜県のサイトには、県内の市町村の空き家対策に関する助成制度をまとめた一覧があり、まず自分の市町村に制度があるかを確認できます。個別に調べるときは「市町村名+空き家 解体(除却)補助金」で検索し、URLが lg.jp などの公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古いことが多いためです。あわせて、空き家の担当課だけでなく耐震の担当課(建築指導・開発指導など)のページも開いてみてください。制度名に「解体」の字が入らない枠は、それでしか見つかりません。全国の主要都市の傾向は解体補助金の主要都市まとめで「3つの型」に整理しています。
どの市でも共通の鉄則
- 工事の契約前に申請し、交付決定を受けてから契約・着工。先に契約すると1円も出ません
- 危険や老朽の空き家の補助は、まず市の「判定」や「現地調査」からです。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- どの市も予算がなくなり次第終了。可児市のように募集戸数が決まっている枠もあり、年度の前半ほど有利です
- 空き家の枠で外れても、入口はまだ2つあります。今もその家に住んでいて旧耐震なら耐震の枠、がけ地などの危険な区域なら移転の枠。ただし逆は成り立ちません。耐震と移転の枠は「現に居住していること」が条件なので、空き家には使えません
- 耐震の枠は市によってあったりなかったりします。今回の5市では大垣市・多治見市・可児市にあり、岐阜市と高山市では耐震のメニューを一覧で開いた範囲では見当たりませんでした。がけ地・移転の枠は岐阜市でだけ見つかりましたが、ほかの市に無いという意味ではありません。窓口では「ほかの課の枠も含めて、使えるものはありませんか」と一言聞いてみてください
- 大型で上限が上がる市、活用が前提の市、旧耐震で入口が変わる市など、細かい条件は市ごとに違います。補助金は工事のあとに振り込まれるので、いったんは自分で立て替える前提で考えておいてください
解体は、補助が使える・使えないにかかわらず、業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。2〜3社の相見積もりで内訳(本体・付帯・処分費)を比べると、数十万円変わることは珍しくありません。相場は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています。
▶ 解体費の内訳(本体・付帯・処分費)を並べて比べるなら:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が使えます。(※市内業者限定の補助を使う市では、見積もり先が条件に合うかも確認してください)
▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較
リショップナビで無料一括見積もりを取る(複数社で比較)(※壊すか直すかで迷っている段階なら、直す場合の金額を先に知っておくと判断が早くなります。費用が心配なときの順番は解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています)
よくある質問
岐阜県(県庁)としての解体補助金はないのですか?
ありません。県の空き家対策は、市町村の取り組みを後押しすることや、市町村の助成制度の一覧を紹介することが中心です。解体の補助は、家がある市町村の制度を調べてください。岐阜県には県内の市町村の空き家対策に関する助成制度をまとめた一覧があるので、まず自分の市町村に制度があるかを確認するのが早道です。
同じ岐阜県なのに、市によって出る額がこんなに違うのはなぜですか?
同じ「解体費の補助」に見えても、出どころの枠が別物だからです。
危険だから出る枠(老朽・危険空き家の除却)、活かすために出る枠(売却・賃貸・宅地化が前提の除却)、耐震のために出る枠(旧耐震の家を壊す・建て替える)、危険な区域から移るために出る枠(がけ地移転)。ねらいが違えば、条件も上限の決め方も窓口も変わります。金額の大小より、自分の家がどの枠の入口に立っているかで使える額が決まります。
窓口が分かれている点も知っておいてください。同じ市役所でも課が違うので、1つの課で「うちの制度では出ません」と言われても、それは市に制度が無いという意味ではありません。
解体すると固定資産税が上がると聞きました
土地の固定資産税が上がる場合があります。家が建っていると土地に「住宅用地の特例」が効いており、更地にするとその特例が外れるためです。岐阜市のリーフレットでも、建物を除却すると翌年度から敷地の固定資産税が増える場合があると注意しています。解体のタイミングは、税金や売却の予定とセットで考えるのが安全です。
まとめ
- 岐阜県の解体補助は市や町ごとで、県の一律制度はない
- 使える枠は3つの入口に分かれる。①空き家だから出る枠 ②耐震のために壊す・建て替える枠 ③がけ地から安全な場所へ移る枠
- ②と③は「現に居住している」ことが前提で、空き家の解体費には使えない。空き家なら①を探す
- ①の枠は、岐阜市が2分の1・上限50万円、大垣市が3分の1・上限30万円(条件で40万円)、多治見市が3分の1で20万円と40万円、高山市が2分の1・上限100万円、可児市が10パーセント・上限10万円(旧耐震の取り壊しは30パーセント・上限30万円)。多治見市には宅地化が前提の2分の1・上限50万円の別枠もある
- 高山市の100万円には所得の条件が付く(申請者の前年度所得税額が27万円以下)。個人が所有する家屋で、市税等の滞納がないことも要る。金額だけ見て当てにしない
- 5市の外にも上限100万円の枠がある(北方町・白川村・東白川村・下呂市・飛騨市)。ただし笠松町と東白川村は建替えを目的とした除却が対象外で、更地にしたあとに自分の家を建てる予定なら使えない
- 日付がいちばん近いのは岐阜市のがけ地の枠で、事前相談は令和8年9月30日まで。事前相談なしでは申請できない
- 共通の鉄則は契約前に申請と、業者差の大きい解体費を下げる相見積もり
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