長野市の解体補助金【2026】上限100万円は老朽危険空き家が対象|条件を元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「長野市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」

先に正直なところをお伝えします。長野市の解体補助は、県内でも手厚い部類です。ただし解体費の中心になる制度は市が「老朽危険空き家」と判定した家が対象で、令和8年度の受付はもう終わっています。

それでも、いま動ける枠が1つ残っています。同じ建築指導課の耐震の除却枠(上限97.8万円)で、こちらは受付中です。

ただし壊した跡地に建て替えて住む方に限られます。まだ人が住めそうな古い家を、ただ壊したいだけでは、どちらの枠も基本的に下りません。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、長野市公式(2026年7月22日・8月4日照合)をもとに、出る家・出ない家と、いま動くべき順番を整理します。

※老朽危険空き家の解体工事補助金・空き家解体跡地の利活用事業補助金は2026年7月22日、既存木造住宅の耐震改修(除却)工事補助金・災害危険住宅移転事業補助金は2026年8月4日に、長野市公式サイトを照合しています。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページや建築指導課の窓口でご確認ください。

まず結論|長野市の解体補助は「判定」が入口

長野市の解体に使える補助の入口を示した図。①老朽危険空き家=市の現地調査で老朽危険空き家と判定された家の解体なら、国が延べ面積ごとに定める除却工事費の8割か、実際の解体費の5割か、上限100万円の、いちばん少ない額。多くの場合は解体費の約5割・上限100万円が目安で、前年所得200万円以下の方などは最大20万円上乗せで上限120万円。②跡地活用=解体跡地に戸建てや店舗を建てるなら建設工事費の2割・上限100万円だが、老朽危険空き家の解体補助とは併用できない。③壊すだけ=まだ使える家をただ壊すだけの解体単体の補助はなく、まず建築指導課へ電話で相談。共通ルールは解体の契約より前に事前調査と申請をすること、交付決定の前に契約・着工すると原則0円で、予算内・年度ごと。

長野市の解体費補助は、放置されて地域の危険になっている空き家を減らすための制度が軸です。だから「古いから」「空き家だから」ではなく、市が現地を見て老朽危険空き家と判定したかどうかが入口になります。整理すると、こういう関係です。

  • ① 老朽危険空き家と判定された家を壊す型:市の調査で老朽危険空き家と判定されれば、解体費の約5割・上限100万円が目安の補助があります(老朽危険空き家解体事業補助)
  • ② 跡地に家や店を建てる型:解体した跡地に戸建てや店舗を建てるなら、建設費の一部に別枠の補助があります。ただし①との併用はできません
  • ③ 単純に「壊すだけ」の型:まだ使える家を、ただ壊すだけで個人が広く使える解体補助は長野市にも基本的にありません。ただし同じ敷地に建て替えて住む予定があるなら、耐震の除却枠(上限97.8万円)が別にあります(後述)

金額の大きさより、自分の家が①の「老朽危険空き家と判定される家」に近いのかどうかが先です。当てはめながら、中身を見ていきます。

いちばんの入口|老朽危険空き家解体事業補助(上限100万円)

解体費に直接届く、長野市の中心的な制度がこれです。老朽危険空き家解体事業補助。管理されずに放置され、地域の課題になっている危険な空き家の解体を後押しする制度で、補助額の拡大が続いています。

ここで、ネットでよく見る「最大80%」という数字の読み方を先に正しておきます。この補助は「解体費の8割がそのまま戻る」制度ではありません。補助額は、次の3つのうちいちばん少ない額になります。

  • ものさし1:国が延べ面積ごとに定めた除却工事費の8割の額
  • ものさし2:実際の解体費(補助対象経費)の5割の額
  • ものさし3:上限100万円

「8割」は、あくまで国が決めた基準額に対しての割合です。実際の見積もりの5割という上限も同時にかかるので、多くの家では解体費のおよそ半分・最大100万円が受け取れる額の目安になります。古い業者の解説には「上限70万円」と書かれたものも残っていますが、いまの公式は上限100万円(上乗せで120万円)です。金額は動くので、最新は必ず公式で確かめてください。

もう一つ、所得の低い方への配慮があります。前年の所得が200万円以下の方や、共有・相続で持ち主全員の前年所得が200万円以下の場合は、最大20万円の上乗せがあります(申請の時期によっては前々年で見ることもあります)。この上乗せが付くと、ものさし2が解体費の6割、ものさし3の上限が120万円に上がります。なお、家財道具や残置物の処分費、跡地の整地費など、解体工事そのもの以外の費用は、どちらの場合も補助の対象になりません。

大事な注意|空き家の枠は今年度(令和8年度)の受付が終了

金額の前に、いま動く方がいちばん先に知っておくべきことがあります。長野市の老朽危険空き家解体事業補助は、令和8年度(2026年度)の予算上限に達したため、交付申請の受付がすでに終了しています。次の令和9年度(2027年度)の補助については、市が令和9年3月ごろに案内する予定です。

「今年は間に合わなかったか」とがっかりする前に、できる準備があります。この補助は、申請の前に市の事前調査で老朽危険空き家と判定してもらう段階が必要で、判定の結果が出るまで2〜3週間かかります。冬の間は雪で現地を見られず、雪解け後の調査になることもあります。次の年度が始まってから慌てて動くより、事前調査や見積もりの準備を先に済ませておくほうが、先着・予算内の補助を取りやすくなります。準備そのものは、受付の時期に関係なく相談できます。

跡地に家や店を建てるなら|別枠の補助もある(併用不可)

もう一つ、跡地の使いみちが決まっているなら開く入口があります。空き家解体跡地の利活用事業補助です。空き家を解体して、その跡地に戸建て住宅や店舗を建てる場合、建設工事費の2割・上限100万円の補助があります。

これは解体費そのものではなく、跡地に建てる「建物」への補助です。壊して更地にして終わりではなく、そのあと家や店を建てる予定がある方向けの制度、と考えてください。ひとつ注意があって、この跡地活用の補助と、さきほどの老朽危険空き家解体の補助は同時には使えません。どちらが自分に合うかは、建てる計画があるかどうかで変わります。迷ったら、これも窓口で相談するのが早いです。

「壊すだけ」で対象外でも|建て替えて住むなら耐震の除却枠(上限97.8万円・受付中)

「ただ壊すだけ」で対象外だった方にも、見ておく価値のある枠が1つあります。長野市の既存木造住宅の耐震改修(除却)工事補助金です。

窓口は空き家の枠と同じ建築指導課ですが、担当が変わって建築防災担当(電話026-224-6753)になります。公式ページには「補助金の受付を開始しました」とあり、令和8年度は受付中です(ページの更新日は令和8年5月7日・2026年8月4日照合)。

先に、いちばん大事な線を書いておきます。この枠は、空き家をただ壊したい方には使えません。

申請できる方の要件が「対象建築物に該当する既存木造住宅の所有者で、同じ敷地に住宅を建替えて居住する方」と決まっているためです。壊した跡地に自分が住む家を建てることが前提なので、更地にして売りたい、土地を手放したい、という場合は当てはまりません。

当てはまるのは、いま建っている古い家を壊して、同じ敷地に建て替えて住む予定がある方です。実家を継いで建て直す、というケースを思い浮かべてもらうと近いです。

金額の決まり方も、空き家の枠とは種類が違います。上限の97.8万円は定額ではありません。

公式には「除却工事に直接かかる費用の2分の1以内、床面積×9100円以内の額、かつ限度額97.8万円/戸」とあり、この3つのうちいちばん少ない額になります。家が小さいほど、床面積×9100円のほうで先に頭打ちになります。たとえば床面積100平方メートルの家なら、天井は91万円。そこに「工事費の2分の1以内」も同時にかかります。

対象になる家は、昭和56年5月31日以前に建築工事を着手した市内の住宅で、個人所有の一戸建て(賃貸住宅は除く)。在来軸組構法の木造で平屋建てまたは2階建て、耐震診断士による住宅耐震診断の結果、総合評点が1.0未満と出たものです。

申請の順番は空き家の枠と同じです。公式に「補助金の交付決定後に工事契約するものに限ります」とあるので、先に契約すると外れます。

もう1つ、同じ建築防災担当が持つ枠に長野市災害危険住宅移転事業補助金があります。危険住宅の除却等事業は10分の10(上限97万5000円)で、除却費の全額が対象になり得る枠です。

ただし公式の定義が「危険住宅とは、災害危険区域内の既存不適格住宅のうち、大規模地震や台風により安全上の支障が生じたことにより、市が是正勧告を行ったものです」となっていて、市から勧告を受けた家に限られます。当てはまる方は多くありませんが、心当たりがあれば同じ電話番号で聞けます。

自宅が対象になるか|確認の順番

長野市の空き家向けの解体補助は「老朽危険空き家と判定されるか」が入口です。自分で判定しきるのは難しいので、次の順で進めると迷いません。

  • まず家の状態を見る:長く空き家で傷みが進み、放置すると危ないと感じる状態なら、老朽危険空き家の補助が候補です
  • 次に「壊した後」を考える:跡地に家や店を建てる計画があるなら、跡地活用の補助も候補になります(両方は使えません)
  • 建て替えて住むなら:同じ敷地に建て直して住む予定があるなら、耐震の除却枠(上限97.8万円・建築指導課 建築防災担当 電話026-224-6753)も候補です。空き家のまま手放す場合は使えません
  • 迷ったら窓口へ:判定は市が現地を見て決めるので、自分で結論を出す前に相談するのが早いです

相談先は、長野市の建築指導課 空き家対策室(電話026-224-8901)です。制度に細かい条件があり年度でも動くので、工程を決める前に電話で聞いてしまうほうが失敗がありません。

申請の流れ|「解体の契約より前」が絶対のルール

長野市の解体の補助 申請の流れの図。①建築指導課へ事前に相談し、まず老朽危険空き家の事前調査を申し込む(様式第1号を提出)②市の現地調査で判定を受ける(老朽危険空き家と判定されるのが条件・結果まで2〜3週間)③解体の契約より前に交付申請する(着工より前に申請・審査に2〜3週間)④交付決定の後に契約して解体する(決定の前の契約・着工は原則対象外)⑤完了報告して補助を受け取る(代理受領を使えば自己負担分だけ用意すればよい)。交付決定の前に契約・着工した工事は原則対象外。

この補助で、いちばん大事なのはここです。

  • 解体の工事契約より前に申請し、市の「交付決定」を受けること。交付決定の前に契約や着工を先にした工事は、原則として補助を受けられません
  • その前に、市の事前調査で老朽危険空き家と判定してもらう段階があります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません。まず建築指導課への事前相談と事前調査の申し込みから始めてください
  • 補助は予算の範囲内で、年度ごとの募集です。前に書いたとおり、令和8年度はすでに受付が終わっています。受付の状況は年度で変わるので、動くと決めたら早めに窓口で確かめておくと安心です

お金の面では、長野市は代理受領制度が使えます。これは、市から出る補助金を、あなたに代わって解体業者が直接受け取れる仕組みです。使えると、あなたは工事費の全額ではなく、補助金を引いた自己負担分だけを用意すればよくなります。立て替えの負担が重い方は、業者に代理受領を使えるか確認しておくと楽になります。この「立て替えを軽くする」考え方は、解体費用が払えないときの4つの順番でも詳しく整理しています。

対象外だった人の、現実的な選択肢

老朽危険空き家と判定されるほどではない、跡地に建てる計画もない、同じ敷地に建て替えて住む予定もない。その場合でも打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)

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よくある質問

まだ人が住めそうな古い実家でも、解体費の補助は出ますか?

長野市の空き家向けの解体費補助(老朽危険空き家解体事業補助)は、市の調査で「老朽危険空き家」と判定された家が対象です。古くても、まだ十分に使える状態の家は対象になりにくいのが実情。

ただし、その家を壊して同じ敷地に建て替えて住むのなら、別の枠が候補になります。既存木造住宅の耐震改修(除却)工事補助金(上限97.8万円)で、窓口は建築指導課 建築防災担当(電話026-224-6753)です。

建て替えて住む予定がなく、更地にして手放すだけなら、こちらも当てはまりません。その場合は補助なしで相見積もりを取り、費用を抑える方向が現実的です。自分の家が空き家の枠に当たりそうかは、建築指導課 空き家対策室(電話026-224-8901)に一度確認してみてください。

「最大80%」「上限100万円」と見ましたが、うちもその額がもらえますか?

そのままの額になるとは限りません。補助額は「国の基準額の8割」「実際の解体費の5割」「上限100万円」のいちばん少ない額です。多くの家では解体費の半分・最大100万円が目安になります。前年の所得が200万円以下の方などは、上乗せで解体費の6割・上限120万円まで上がります。正確な額は延べ面積や見積もり次第なので、窓口で試算してもらうのが確実です。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。長野市の補助は交付決定より前に契約・着工した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前相談→事前調査→判定→交付申請→交付決定→契約の順で進めてください。空き家の枠は令和8年度の受付が終わっているため、次年度に向けて事前調査や見積もりを先に準備しておくと動きやすくなります。耐震の除却枠のほうは受付中ですが、こちらも交付決定の後に工事契約する決まりです。

まとめ

  • 長野市の空き家向けの解体費補助は、市が「老朽危険空き家」と判定した家が対象。中心は老朽危険空き家解体事業補助(解体費の約5割・上限100万円が目安)
  • 「最大80%」は国の基準額に対しての割合。実際は「基準額の8割・解体費の5割・上限100万円」の少ない額。前年所得200万円以下などは上乗せで上限120万円
  • 空き家の枠は令和8年度が受付終了。次は令和9年度で、市が令和9年3月ごろに案内予定。判定に2〜3週間かかるので準備は今から
  • いま受付中なのは耐震の除却枠(既存木造住宅の耐震改修(除却)工事補助金・上限97.8万円・建築指導課 建築防災担当)。ただし同じ敷地に建て替えて住む方が条件で、空き家を壊して手放す場合は使えない
  • 共通ルールは契約より前に事前調査・申請、予算内で年度ごと。契約を先にすると補助は消える。長野市は代理受領も使える
  • 「判定されるほどではない」で対象外なら、2〜3社の相見積もりで費用を抑えるのが現実的な一手

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