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「岐阜市で古い実家を解体したい。補助金は出るの?」
先に正直なところをお伝えします。岐阜市で空き家の解体に使える補助は市が「不良空き家」と認めた空き家を壊すときに出るもので、除却費の2分の1・上限50万円です。古いから、空き家だから、というだけでは対象になりません。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、岐阜市公式(2026年7月21日照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように条件と申請の順番を整理します。額の期待をあおらず、使える人が確実に取りにいける形でまとめました。
※2026年7月21日時点の岐阜市公式サイト(住宅・空家対策課「岐阜市不良空き家除却費補助金」のページと令和8年度リーフレット)にもとづきます。後半で扱うがけ地の枠だけは、建築指導課の公式ページと交付要綱を2026年8月4日に照合しました。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。
まず結論|岐阜市の解体補助は「不良空き家の除却」が柱

岐阜市で解体にからむ補助の中心は、「岐阜市不良空き家除却費補助金」です。傷んで周りに危ない空き家を取り壊すのを後押しする制度で、除却(解体して処分すること)の費用の一部が戻ってきます。
ポイントは、金額の大きさより先に自分の家が「不良空き家」に当てはまるかを見ることです。ここが実質の入口。順番に見ていきます。
- 対象になるのは、市内の一戸建てか長屋建ての空き家。住んでいない、使っていない住宅が前提です
- その空き家を、市が「不良空き家」と判定すること。倒壊のおそれや、屋根・外壁材の落下・飛散などで、周りの生活環境に深刻な影響を与えている家が対象です
- 補助されるのは、除却費の2分の1・上限50万円
岐阜市には、もう1つ解体費に使える枠があります。がけ地などの危険な区域から安全な場所へ移るための「がけ地近接等危険住宅移転補助事業」です。
ただし今その家に住んでいる人の枠で、空き家をそのまま壊すのには使えません。くわしくは記事の後半にまとめました。
いくら出る?|除却費の2分の1・上限50万円
補助されるのは、不良空き家の除却(解体・処分)にかかる費用です。金額の決め方はこうなっています。
- 補助率と上限:対象になる費用の2分の1で、上限は50万円です(1,000円未満は切り捨て)
- もとになる費用:実際の除却費(消費税を除く)か、市がその年度に定める1平方メートルあたりの単価に、家の延べ面積(各階の床面積の合計)をかけた額をもとに計算します。どちらで計算するかや細かい算定は、事前相談のときに窓口で確かめられます
- 含まれる費用:解体のための仮囲いや足場などの仮設工事の費用も対象に含まれます。ただし、残しておくのが不適切と判定された建物などは除かれます
いったん工事費を立て替えるのがきびしい場合は、代理受領制度(補助金を、工事をした解体業者が本人に代わって受け取る仕組み)も使えます。これを使うと、自分は工事費と補助金の差額だけを用意すればよくなり、最初の負担が軽くなります。
対象になる家|「不良空き家」と市が判定した空き家だけ
この補助のいちばんの関門が、対象になる家の条件です。次の4つを、すべて満たす必要があります。
- ①「不良空き家」であること:これは市の判定が必要です(すぐ下で説明します)
- ②個人が所有していること:会社などが持つ物件は対象外です
- ③最近の持ち主の変更がないこと:過去4年以内に、相続以外の理由(売買・贈与など)で所有権が移っていないこと
- ④同じ敷地に住んでいないこと:自分が住む家と同じ敷地の中にある建物ではないこと
いちばん大事なのが①です。岐阜市のいう「不良空き家」とは、倒壊のおそれや、屋根・外壁材の落下・飛散などで、周りの生活環境に深刻な影響を与えている家のことです。くわしくは、市内の一戸建てか長屋建ての住宅の空き家で、次のどれかに当たるものを指します。
- そのまま放置すれば倒壊など著しく危険になるおそれがあると認められる家(法律でいう「特定空家等」)
- 外から見て、住むには適さないほど傷んでいる住宅(「不良住宅」)
- 周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼすと市が認めた家
これに当てはまるかどうかは、市の職員が現地を調査して判定します。自分で「うちは古いから対象だ」と決めることはできません。逆に、市から管理の通知が来ている家でも、この補助でいう「不良空き家」には当たらないと判定されることもあります。まずは事前相談から始めるのが確実です。
対象にならないケース|先に知っておきたい線引き
「不良空き家」に当てはまっても、次のような場合は補助が受けられません。申請の前につまずきやすい点です。
- 建て替えが目的の解体:更地にして新しい家を建てるための取り壊しは対象外です。危ない空き家をなくすための制度だからです
- すでに契約・着手した工事:市の交付決定より前に契約したり、壊し始めたりした解体は、原則として対象外になります
- 基礎などを一部だけ残す解体:建物は全部解体して片づけるのが条件で、一部を残す工事は認められません
- ほかの補助金と重なる場合:同じ工事でほかの補助金を受ける、または受ける予定があるときは対象外です
- 市から勧告・命令を受けた特定空家等の敷地:法律にもとづく勧告や命令を受けた家がある敷地は対象になりません
額は除却費の2分の1で、最大でも50万円です。ただ、この制度でいちばんしぼられているのは金額よりも対象になる家のほうです。「古い空き家ならもらえる」ではなく「危ない空き家を、正しい順番で壊すと一部戻る」制度だと考えておくと、判断を誤りません。
申請の流れ|「判定」と「交付決定の後に契約」が2つの関門

手続きは少し長く、順番が決まっています。とくに大事なのは、次の2つです。
- まず「不良空き家」の判定を受ける:事前相談のあと判定申請をして、市の現地調査を受けます。ここで該当すると認められて、はじめて補助の申請に進めます。判定申請の受付は令和8年(2026年)5月18日から11月13日までです
- 解体の契約は「交付決定」の後にする:判定のあと補助金の交付申請をして、市の交付決定を受けてから業者と契約します。見積もりは先に取ってかまいませんが、決定より前に契約・着手すると補助は消えます
そのあとは、工事、完了の報告、補助金の受け取り、と進みます。補助金の交付申請は判定結果の通知日から2か月以内かつ11月30日まで、工事の完了と実績報告は工事の完了から30日以内かつ令和9年(2027年)2月26日まで、という期限があります。
お金の面では、いったん自分で工事費を全額払ってから、あとで補助金が振り込まれるのが基本です。予算にも限りがあり先着なので、受付が始まる春のうちに事前相談まで済ませておくのが、確実に取る人の動き方です。立て替えがきびしいときは、先ほどの代理受領制度が使えます。
解体すると税は上がる?岐阜市の注意書き
「更地にすると土地の固定資産税が上がる」と聞いて、解体をためらう方は多いです。住んでいる家が建つ土地は税が軽くなる特例(住宅用地の特例)があり、壊すとその特例が外れて税が上がることがあるからです。
岐阜市のリーフレットにも、建物を除却すると翌年度から敷地の固定資産税が増える場合があると、はっきり書かれています。上がるかどうか、いつからかは土地の状況で変わるので、解体を決める前に一度、市の資産税の担当(資産税課)に確認しておくと判断しやすくなります。
ブロック塀もいっしょに?岐阜市のもう一つの補助
古い家の解体では、道路ぎわのブロック塀もいっしょに撤去したい、というケースもあります。岐阜市には、解体の補助とは別に「ブロック塀等撤去費補助事業」があります。窓口も申請も別なので、両方を使いたいときは、それぞれに問い合わせが必要です。
- 対象:道路や避難場所に面する、または避難場所の中にある、高さ60センチメートル以上・長さ1メートル以上のブロック塀など
- 補助:撤去費の2分の1で、上限30万円。受付は令和8年5月7日から10月30日までで、予定45件の先着です(同じ日の申し込みは抽選)
- 注意:こちらも撤去工事の契約より前に申し込むのが条件です。窓口は建築指導課になります
土砂災害の区域に住んでいるなら|がけ地移転の補助は事前相談が9月30日まで

ここからは、先に触れたもう1つの枠の話です。名前は「がけ地近接等危険住宅移転補助事業」といいます。
土砂災害のおそれがある区域に建っている家を壊して、市内の安全な場所へ移る。その費用を国・県・市で支える制度です。窓口は不良空き家の枠とは別で、まちづくり推進部の建築指導課審査係(電話058-265-3903)になります。
これは「今そこに住んでいる家」の枠です
金額の前に、ここを確かめてください。
交付要綱の第2条は、対象になる「危険住宅」を現に人が居住する既存不適格住宅(建てた当時は合法でも、今の基準には合わなくなっている住宅)と定めています。市の補助事業のご案内にも、居住者がいる危険住宅で、移転先が市内の安全な場所であるものが対象、と書かれています。
もう1つの入口として、区域内にあって、建築後の災害で安全上の支障が生じたとして市長が移転勧告等を行った住宅も対象になります。
交付申請で出す書類にも「危険住宅に現に居住していることを確認することができる書類」が並びます。空き家の解体費として当てにできる枠ではありません。区域の中に空き家を持っている、というだけでは対象外です。
対象になるのは5つの区域
市が挙げているのは、次の区域です。
- 災害危険区域(岐阜県建築基準条例第4条で知事が指定した区域)
- 県条例第6条適用区域(通称「がけ条例」で、知事が建築を制限する区域)
- 土砂災害特別警戒区域(通称「レッドゾーン」)
- 土砂災害特別警戒指定見込み区域(基礎調査が終わり、レッドゾーンに指定される見込みの区域)
- 災害救助法適用区域(事業に着手する時点で、過去3年間に災害救助法の適用を受けた区域)
既存不適格住宅として使えるのは1から3の区域、市長の移転勧告等を受けた住宅は1から5の区域、という分かれ方です。
調べ方も区域で違います。市のご案内では、県条例第6条適用区域だけは測量なども含めて自分で調べる必要があるとされています。災害危険区域と、4番・5番の区域は建築指導課が確認してくれます。レッドゾーンは岐阜県の「ぎふ山と川の危険箇所マップ」で見られます。
いくら出る?除却費は壊す面積で決まる
この枠は、金額の決め方がほかと違います。上限が1本の固定額ではありません。
危険住宅の除却費の上限は、木造で1平方メートルあたり3.3万円、非木造で4.7万円。壊す家の面積で上限が動く仕組みです。
木造で延べ100平方メートルなら、上限は330万円という計算になります。ただしこれはあくまで上限の計算です。実際に出るのは、かかった除却費がこの範囲に収まる分まで。市も「補助限度額は県及び市の年度ごとの予算範囲内となる場合があります」と注記しています。
この単価は、国が定める標準建設費等の通知にもとづく額です(交付要綱では令和7年度の通知が引かれています)。ページのお知らせにも令和8年度から補助額が拡充されたとあり、年度で動く数字だと思っておいてください。
除却費のほかに、動産の移転費・仮住居費等が1戸あたり97.5万円。移転先の住宅の建設・購入・改修にかかる借入金の利子相当額(年利率8.5%が限度)として421万円(建物325万円・土地96万円)、保全人家10戸未満の急傾斜地崩壊危険区域なら731.8万円(建物465万円・土地206万円・敷地造成60.8万円)の枠もあります。急傾斜地崩壊危険区域は、がけ崩れの災害を防ぐために指定される区域のことです。
先に知っておきたい条件が2つ。補助を受けるには危険住宅の除却が必須で、住宅を建てる・買う分の助成だけを受けることはできません。もう1つ、ご案内には、移転先の住宅を新築する場合は省エネ基準を満たすものに限る、と書かれています。
事前相談は令和8年9月30日まで。申請はその次の年度
この枠でいちばん先に来る日付が、事前相談の締切です。
- 事前相談の募集期間:令和8年(2026年)4月1日から9月30日まで
- 補助申請の期間:令和9年(2027年)4月1日から5月31日まで(変更となる場合があります)
市は「補助申請の前に事前相談が必要です。事前相談を行わずに補助申請はできませんのでご注意ください」と明記しています。事前相談をしないまま募集期間が終わると、令和9年度の補助申請には進めません。
年度をまたぐ設計になっているのも、この枠の特徴です。令和8年度は事前相談を受け付ける年で、申請と工事、補助金の受け取りは令和9年度。市のご案内も「令和9年度 岐阜市がけ地近接等危険住宅移転補助事業のご案内」という表題になっています。
順番は、対象区域かどうかの確認、事前相談、交付申請、交付決定、工事、完了の報告、補助金の受け取り。交付決定の前に契約や工事をすると対象外になるのは、不良空き家の枠と同じです。
まだ移転を決めていない段階でも、相談はできます。市のリーフレットには、そもそも自分の家は対象なのか、すぐには移転しないけれどどれくらい補助が出るのか、といった相談を受け付けていると書かれています。来庁の前に建築指導課審査係(電話058-265-3903)へ予約を入れてください。
※がけ地の枠は、岐阜市公式「がけ地近接等危険住宅移転補助事業」のページ(更新日 令和8年4月17日)と、同じページで公開されている交付要綱・補助事業のご案内・リーフレットを2026年8月4日に照合しました。
対象外だった人の、現実的な選択肢
不良空き家の条件に届かなかった方から、もう1つよく出る質問があります。耐震の補助で解体費は出ないのか、という話です。
市によっては、耐震の補助の中に旧耐震(昭和56年5月以前の古い基準で建てられた家)を壊す・建て替えるための枠があり、そこから解体費が出ます。ただ岐阜市の「建築物等耐震化促進事業」のメニュー(木造住宅の耐震診断と耐震改修工事、木造以外の耐震診断・耐震改修計画策定・耐震改修工事、特定天井の改修、ブロック塀等の撤去、耐震シェルター等の設置)を一覧で開いた範囲では、除却や建て替えに使える枠は見当たりませんでした。
市が令和8年4月1日に公表した「補助金一覧(一般対象)」で見ても、住宅の解体費にからむのは不良空き家の枠とがけ地の枠です。ただしこれは一般の方向けの一覧なので、自治会などの団体で使える枠までは見きれていません。心当たりがあれば建築指導課へどうぞ。
条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。
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▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)
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よくある質問
各務原市や大垣市など、岐阜市外に住んでいます。同じ補助はありますか?
解体の補助は市区町村ごとに制度が違うので、岐阜市の内容はそのままは使えません。同じ岐阜県内でも、市によって金額や条件は変わります。お住まいの方は、「お住まいの市名+解体 補助金」で市の公式サイトを確認するか、市役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。当サイトでも各市の情報がそろい次第、記事を追加していきます。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。岐阜市の補助は交付決定の前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前相談、判定、交付申請、交付決定、契約の順で進めてください。着手までに十分な期間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ。
古い空き家なら、だいたい補助が出るのですか?
いいえ。この補助は市が「不良空き家」と判定した家だけが対象です。倒壊のおそれや、屋根・外壁の落下・飛散などで周りに危険がある、といった状態が目安になります。ただ古い、ただ空き家、というだけでは出ません。自分の家が当てはまりそうか気になったら、まず住宅・空家対策課(電話058-214-2180)へ事前相談してみてください。
土砂災害の区域にある空き家です。がけ地の補助は使えますか?
使えません。がけ地近接等危険住宅移転補助事業は、その家に現に人が住んでいて、その人が市内の安全な場所へ移ることが前提の制度だからです。交付申請でも、危険住宅に現に居住していることを確認できる書類を出すことになっています。空き家を壊すだけなら、不良空き家除却費補助金のほうを確かめてください。
まとめ
- 岐阜市の解体補助の柱は「不良空き家除却費補助金」で、除却費の2分の1・上限50万円。市が「不良空き家」と判定した空き家が対象です
- 入口は不良空き家の判定。古い・空き家というだけでは出ない狭き門で、まず事前相談から始めます
- 2つの関門は市の判定と、交付決定の後に契約すること。契約を先にすると補助は消えます
- 解体費に使える枠は市内にもう1つ、がけ地近接等危険住宅移転補助事業があります。今その家に住んでいる人の枠で、事前相談は令和8年9月30日まで(補助申請は令和9年4月1日から5月31日)
- 金額は控えめでも、解体は業者差が大きい工事です。2〜3社の相見積もりとセットで考えると効果が大きくなります
- まず動くなら、岐阜市の住宅・空家対策課(電話058-214-2180)へ、相談の電話1本からです


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