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「神奈川県で空き家を解体したい。補助金はある?」
あります。ただし県の一律制度はなく市ごとで、しかも対象の線引きが市によってバラバラです。同じ築1995年の家が、相模原市では対象なのに、横須賀市の旧耐震型では対象外、ということが普通に起きます。
元大工で中立の立場のおさむが、主要5市の公式サイトを照合して「自分の家はどこに当てはまるか」で整理します。
※2026年7月3日時点の公式情報をもとに、2026年8月3日に横浜市の「建築物不燃化推進事業補助」と「住宅除却補助制度」の各ページを再照合しました。さらに2026年8月12日、神奈川県の「耐震改修補助一覧」(令和8年6月)と、藤沢市・平塚市・海老名市の公式ページを照合しています。申請前に必ず各市の公式サイトで最新をご確認ください。
主要5市の早見表【2026年度】

ポイントは3つ。①相模原と横浜は「2000年5月以前」まで対象=旧耐震限定の市より約19年広い、②横浜も川崎も、住所で使える枠が変わる、③藤沢は空き家向けの枠が見当たらず、入口は沿道限定の別枠だけ、です。
市ごとの実態|「自分の家が当てはまるか」で見る
相模原市|対象が広く、非課税世帯は80万円
工事費の1/2・上限50万円、世帯全員が住民税非課税なら80万円。対象は2000年(平成12年)5月31日以前に建築確認を受けた戸建て+1年以上空き家で、老朽(外観評点100点以上)か未接道のどちらかに該当するもの。事前調査の申込は10月末までです。くわしくは相模原市の解体補助金の記事へ。
横浜市|住所で入口が2つに分かれる
建築物不燃化推進事業の補助対象地区(鶴見・神奈川・西・中・南・磯子・金沢の各一部)の外なら住宅除却補助制度で、旧耐震(1981年5月以前)は上限50万円、それ以降〜2000年5月着工は20万円(非課税世帯40万円)の2段階方式。受付は12月28日まで、市内事業者限定で、100万円超の工事は2社見積もりが必須です。
地区の中なら建築物不燃化推進事業補助になり、除却は上限150万円です。市の住宅除却補助制度のページには、この地区は「別の解体についての補助制度をご利用ください」と書かれていて、2つを足すのではなく住所でどちらか一方に振り分けられます(2026年8月3日に横浜市公式サイトで確認)。くわしくは横浜市の解体補助金の記事へ。
横須賀市|2本立て。どちらかに当てはまればOK
①老朽空き家型(市の老朽度判定で所定点数以上)=1/2・上限35万円、②旧耐震型(1981年5月以前+3年以上不使用)=1/2・上限15万円の2種類(併用不可)。令和8年度は受付中(4月1日〜1月25日・予算次第で終了)。工事は市内に本店のある業者に限られ、着手前の申請が必須です。
川崎市|額は最大だが「地区限定」
老朽建築物の除却で最大100万円と県内トップ級ですが、対象は不燃化重点対策地区(川崎区小田周辺・幸区幸町周辺など)だけ。地区外の空き家は対象外です。くわしくは川崎市の不燃化補助の記事へ。
藤沢市|空き家向けの枠は見当たらない。あるのは沿道限定の除却枠
ここは前の版を直します。以前この記事は「藤沢市に解体費用そのものへの補助制度は見当たりません」と書いていました。除却にお金が出る枠が1本あるので、言いすぎでした。
ただし対象がかなり狭いので、金額より先に条件から書きます。使えるのは市が耐震診断を義務付けた3路線の沿道にあって、耐震診断の結果を市に報告した建築物です。
そのうえで、倒壊または崩壊の危険があると判定された建物が対象になります。ふつうの2階建ての実家は、まず当てはまりません。
金額は除却費の15分の11で、上限1,100万円。ただし木造には別の天井があります。延べ面積1平方メートルあたり9,000円で計算した額の15分の11が上限で、延床100平方メートルなら66万円です。
出典は藤沢市耐震改修促進計画(2026年4月)と、神奈川県の耐震改修補助一覧(令和8年6月)。制度名は藤沢市耐震診断義務対象沿道建築物耐震改修等補助金交付制度です。
一方で、空き家そのものを対象にした解体補助は、市の補助対象事業一覧(2026年4月17日更新)には載っていません。市が案内しているのは解体費用のシミュレーターと、建設業協会による業者紹介です。
沿道の枠には市のページに専用の案内がなく、確認できたのは市の計画と県の一覧までです。心当たりがあれば、住まい暮らし政策課(電話0466-50-3541)へ住所を伝えて聞いてください。
もうひとつの枠|緊急輸送道路の沿道にある建物だけの除却助成
ここまでは空き家向けの枠の話です。神奈川にも、これとは別に沿道限定の除却助成があります。千葉県のまとめで書いたのと同じ形の枠です。
緊急輸送道路は、地震のときの救助や物資の輸送、広域の避難に使う道として指定された道路のこと。その道に接していて、倒れたら道をふさぐおそれのある古い建物が対象になります。
神奈川県の耐震改修補助一覧(令和8年6月)から、除却まで出る市を並べてみました。書いてあるのは上限額なので、実際は延べ面積に応じた別の天井と比べて低いほうになります。
- 横浜市:除却費の15分の11。上限は2,500平方メートル未満で2,000万円、2,500平方メートル以上で4,000万円。ただし木造建築物は180万円
- 川崎市:木造は除却費の60分の49で上限108万円。非木造は15分の11で上限2,200万円
- 相模原市:除却工事費の15分の11で上限1,100万円。用途別に面積の上限あり
- 藤沢市:除却費の15分の11で上限1,100万円。木造は延べ面積1平方メートルあたり9,000円で計算した額が天井
- 鎌倉市:2分の1で上限115万円/棟。木造建築物のみで、除却費用への補助を含む
数字だけ見ると大きいのですが、対象になる建物はかなり限られます。市が指定した路線に接していること、倒れたら道をふさぐおそれがあること、耐震診断の結果が基準を下回ることなどを、すべて満たす必要があるためです。
大きな通りに面していても、指定の外なら対象になりません。心当たりのある方は、住所を伝えて市の窓口へ確認するのがいちばん早い。
なお横須賀市にも沿道の枠はありますが、中身は設計・工事・監理までで、除却は入っていません。沿道でないなら、この記事の前半で整理した空き家向けの枠が入口になります。
この5市以外なら|除却まで出る市がほかにもある
神奈川県の耐震改修補助一覧(令和8年6月)を上から読むと、除却まで補助が出る市町がほかにもあります。
この記事で市の公式ページまで開いたのは、横浜・川崎・相模原・横須賀・藤沢・平塚・海老名の7市です。神奈川県には33の市町村があるので、残りは県の一覧までの確認だと思ってください。
海老名市|空き家であることが加算の要件になっている
解体工事費の2分の1で最大50万円。基本額30万円に、非課税世帯なら10万円、空き家なら10万円が足される形です。
空き家の加算には「居住その他の使用がされていないことが半年以上確認できること」という線が引かれています。
対象は昭和56年5月31日以前の在来工法・2階建て以下の木造で、簡易耐震診断か耐震診断で倒壊の危険があると判断されたもの。市内の一戸建て、長屋、併用住宅が入ります。
工事着手前の申請が必要で、市税や国民健康保険税に滞納がないことも条件。補助金を業者が代わりに受け取る代理受領も使えます(2026年7月6日更新)。窓口は住宅まちづくり課(電話046-235-9392)。
平塚市|同じ敷地に建て直す人の枠。更地にして売る人は使えない
ここは先に制限から書きます。平塚市の枠は建替え除却工事の補助で、耐震診断の評点が1.0未満の木造住宅を、同じ敷地に一戸建てか兼用住宅を建てるためにすべて壊す工事が対象です。
市のページには「建替え除却工事に、区分2はありません。(貸家等は、補助対象外です。)」と書かれています。貸していた家は外れるということ。
空き家でも、建て替えたあとに自分か配偶者、3親等内の親族が住むなら対象になり得ます。ただし該当するかは事前に相談してくださいと市が明記しています。
金額は除却費の3分の1で、上限36万円(前2年度分の市県民税が非課税の世帯は50万円)。令和8年度の受付は11月末までの予定で、予算がなくなり次第終了です(2026年4月13日更新)。
県の一覧に除却が載っている市町
ここから先は県の一覧までの確認で、市の公式ページは開いていません。金額は上限なので、条件は各市町の窓口で確かめてください。
- 厚木市:除却費の2分の1・50万円/戸
- 茅ヶ崎市:除却費の2分の1・36万円/戸。県指定の緊急輸送道路などの沿道は9万円の割増
- 小田原市:除却費の2分の1・45万円/戸(旧耐震基準のみ)。緊急輸送路沿道や防火地域の場合、空家等対策支援システムに登録された空家の場合という条件つき
- 伊勢原市:木造住宅のみで2分の1・25万円/戸。沿道の木造なら3分の2・50万円/戸
- 綾瀬市:除却費の3分の2・30万円/戸
- 箱根町:除却費の2分の1・50万円/戸
前の版では「愛川町や清川村など町村部にも制度があり、条件が合えば手厚い場合があります」と書いていました。ここも直します。
県の一覧では、愛川町(設計8万円・工事80万円・監理5万円)も清川村(2分の1・50万円)も耐震改修の枠で、除却は見当たりません。町村で除却まで出るのは箱根町です。
探し方は「市町村名+空き家 解体 補助金」で検索し、URLがlg.jpなどの公式ページだけを見ること。まとめサイトは年度が古いことが多いためです。
どの市でも共通の鉄則
- 工事の契約・着手の前に申請。先に動くと1円も出ません
- 市内業者限定の市が多い(横浜・横須賀など)。見積もりは市内業者を含めて取る
- どの市も予算がなくなり次第終了。年度前半ほど有利です
- 解体費そのものは2〜3社の相見積もりで比較。払えそうにない場合の順番は解体費用が払えない時の記事にまとめています
▶ 解体費の相見積もりを無料でまとめて取る:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)が便利です。(※横浜・横須賀など市内業者限定の補助を使う場合は、見積もり先が条件に合うかも確認を)
▶ 解体でなく「直して住む・貸す」なら、リフォーム費用を無料で比較
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よくある質問
神奈川県(県庁)としての補助はないのですか?
ありません。解体の補助は市町村ごとの制度です。家がある市町村の窓口で確認してください。
1995年築の空き家です。使える市はありますか?
線引き次第です。相模原市・横浜市は「2000年5月以前」までが対象なので入口に立てますが、横須賀市の旧耐震型(1981年5月以前)では対象外です(老朽判定型なら可能性あり)。まさにここが「市でバラバラ」の実例です。
解体すると土地の固定資産税が上がると聞きました
上がる場合があります。家が建っていると土地の税優遇(住宅用地の特例)が効いており、更地にすると外れるためです。売却予定とセットで考えるのが安全です。
まとめ
- 神奈川の解体補助は市ごとで、対象の線引きがバラバラ
- 相模原(最大80万・2000年5月まで)と横浜(地区外は最大50万・不燃化地区は除却に上限150万)が使いやすい
- 横須賀は2本立て35万円、川崎は地区限定100万円、藤沢は空き家向けの枠が見当たらず沿道限定の別枠だけ
- 緊急輸送道路の沿道には別枠がある(横浜・川崎・相模原・藤沢・鎌倉)。ただし対象になる建物はかなり狭い
- 公式ページまで開いたのは7市。神奈川県には33市町村あるので、順位や「いちばん」は書きません
- 共通の鉄則は契約前申請・市内業者・相見積もり
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