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「静岡市で古い実家を解体したい。補助金は出るの?」
先に正直なところをお伝えします。静岡市の解体費の補助は制度がいくつかに分かれていて、多くの方が使えるのは耐震性のない空き家を壊す制度です。費用の2分の1・上限100万円と手厚いのですが、「耐震診断で倒壊のおそれあり」と判定された家が対象で、誰でも受け取れるわけではありません。
この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、静岡市公式(2026年7月20日照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように3つの制度に整理します。ばらばらの制度を一度に見比べられるのが、この記事のねらいです。
※2026年7月20日時点の静岡市公式サイト(都市局建築部の住宅政策課・建築安全推進課の各制度ページ)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。
まず結論|静岡市の解体補助は「3つの制度」

静岡市の解体にからむ補助は、目的の違う制度が別々に用意されています。金額の大きさだけを見て飛びつくと、条件でつまずきます。まず自分の家がどれに当てはまりそうか、当てはめながら読んでください。整理すると入口は次の3つです。
- ① 空き家の除却(空き家建替え促進事業補助金):市内全域で使える、いちばん現実的な制度。耐震性のない古い空き家を更地にするのが対象です
- ② がけ地の危険住宅を移す(がけ地近接危険住宅移転事業):がけの近くや土砂災害の区域にある危険な家を、壊して安全な場所へ移すための制度
- ③ 大規模建築物の除却(要安全確認計画記載建築物除却事業):避難路ぞいなどで市が指定した大きな建物だけが対象の、特別な枠です
③はほとんどの戸建てには関係のない特別枠なので、多くの方は①か②のどちらかになります。順番に中身を見ていきます。
制度①|空き家建替え促進事業補助金(市内全域・上限100万円)
これが、いちばん多くの方が使う可能性のある制度です。静岡市内にある耐震性のない一戸建ての空き家を解体して更地にするとき、母屋部分の解体費に補助が出ます。地区の指定はなく、市内全域で使えます。
- 補助額:母屋部分の解体(除却)に要する費用の2分の1以内で、上限は100万円
- 対象になる空き家:1年以上住んでいない・使っていない、静岡市内の一戸建て。そして耐震診断の結果、倒壊のおそれがあると判断されたもの(すでに耐震補強をした家は「危険」とはいえないため対象外です)
- 耐震診断のハードル:木造の平屋・2階建てなら、自分でできる「誰でもできるわが家の耐震診断」で評点7点以下でもよく、専門家に頼まなくても入口に立てます。鉄骨・RC造は建築士などの診断が必要です
- 申請できる人:市内の空き家の所有者など(相続した方も含みます)で、市税の滞納がないこと。所有者が法人の場合や、家の持ち主ではない人(敷地だけの持ち主など)が壊す場合は対象になりません
注意したいのは、補助が出るのは母屋の解体費だけという点です。離れや倉庫・カーポートの解体費、残置物の処分代、アスベストの調査費、ブロック塀の撤去費、草刈りや伐根の費用は対象外。しかも敷地内の建物や立木・生垣を全部片づけて、更地にするのが条件で、一部を残すと補助は受けられません。見積書も「一式」ではなく、母屋の解体費の内訳が分かるものが要ります。
この制度は令和8年度・9年度の期間限定で、受付は例年、年度のはじめ(4月末から5月初旬ごろ)に始まります。まずは市の住宅政策課(電話054-221-1192)に問い合わせるのが確実です。
制度②|がけ地近接危険住宅移転事業(がけ地の危険な家を移す)
もう一つ、性格の違う制度があります。がけの崩れや土石流・地すべりで命に危険がおよぶ区域にある危険な家を壊して、安全な場所に住み替える人を支える制度です。国と静岡県のお金も入って実施されています。
対象になるのは、災害危険区域やがけ条例で規制された区域、土砂災害特別警戒区域(いわゆるレッドゾーン)などにある、古い「既存不適格」の住宅です。補助は使いみちごとに分かれていて、危険な家の除却費のほか、引越しの費用や、移転先の土地・建物にかかる費用の一部(融資の利息など)も対象になります。除却だけを補助してもらうこともできます。
ただし、この制度は前の年度に事前相談・事前審査が必要で、思い立ってすぐ工事、とはいきません。がけの近くや土砂災害の区域に古い家があって、移すことも考えている方は、早めに住宅政策課の住まい支援係(電話054-221-1590)へ相談してください。
制度③|要安全確認計画記載建築物除却事業(指定された大きな建物だけ)
3つ目は、多くの戸建ての方には関係のない特別枠です。地震のときに避難や救助のさまたげにならないよう、市が指定して「公表一覧」に載せた大きな建物(避難路ぞいの一定規模以上の建築物など)の解体に補助が出ます。
対象が限られるぶん金額の枠は大きく、限度額は1棟あたり4,400万円までとされています。マンションや大規模な建物をお持ちで、市から一覧に載っていると案内を受けている方は、建築安全推進課(電話054-221-1124)に確認してください。ふつうの住宅を壊す場合は、①か②が入口になります。
自宅が対象になるか|確認の順番
静岡市は制度が分かれているので、どれに当てはまるかを先に見分けるのが近道です。次の順で当てはめてください。
- がけ地・土砂災害の区域か:家ががけの近くや土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)にあるなら、移転もふくめて制度②が候補です
- 空き家で、耐震性が低いか:区域の外でも、1年以上使っていない一戸建てで、耐震診断で倒壊のおそれと出れば、市内全域の制度①(上限100万円)が使えます
- 耐震性を先に確かめる:木造なら、自分で書ける「わが家の耐震診断」で評点7点以下かをまず見てみると、対象になりそうか当たりがつきます
制度がいくつもあって迷いやすいので、まずは住宅政策課に電話してしまうのがいちばん早いです。自分で判定しきる前に窓口で聞くほうが、失敗がありません。
申請の流れ|「解体の契約より前」が絶対のルール

どの制度でも共通して、いちばん大事なのはここです。
- 解体の工事契約より前に申請して、市の「交付決定」を受けること。交付決定の前に契約・着手した工事は、原則として補助を受けられません
- 空き家の除却なら、申請から交付決定まで約2週間、書類に不備があると1か月ほどかかります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません
- 予算には限りがあり、先着で受付です。取る人は年度の早いうちに動いています。空き家の除却は工事を年度内(おおむね1月まで)に終える必要もあります
- 補助金が振り込まれるのは、工事費を全額払って実績報告をしたあと。振り込みまではおおむね2か月で、いったんは自分で立て替える前提です
「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。
解体すると税が上がる?静岡市には軽減制度がある
「更地にすると土地の固定資産税が上がる」と聞いて、解体をためらう方は多いです。住んでいる家が建っている土地は税が軽くなる特例があり、壊すとその特例が外れて税が上がることがあるからです。
静岡市は、この制度(空き家建替え促進事業補助金)で空き家を解体した場合、解体前とおおむね同じ税負担になるよう、最大2年度分を軽減する仕組みを用意しています。軽減には別に申請が必要で、詳しくは固定資産税課(電話054-221-1528)で確認できます。壊したあとの税が心配で足踏みしていた方は、知っておくと判断しやすくなります。
対象外だった人の、現実的な選択肢
条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。
- 解体費そのものの相場と内訳は家の解体費用の相場と補助金の記事にまとめています
- 費用が心配なら、壊す前に確認したい順番を解体費用が払えないときの4つの順番で整理しています
- まだ使えそうな家なら、壊さず耐震補強や実家・空き家のリフォーム補助で残す道もあります
▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから:解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)
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よくある質問
浜松市や県内の他の市に住んでいます。同じ補助はありますか?
解体補助は市区町村ごとに制度が違うので、静岡市の内容はそのままは使えません。同じ静岡県内でも、たとえば浜松市には独自の空き家解体の補助(定員のある狭き門)があります。詳しくは浜松市の空き家解体補助金の記事にまとめています。それ以外の市にお住まいの方は、「お住まいの市名+解体 補助金」で市の公式サイトを確認するか、市役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。
もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?
原則できません。静岡市の補助は交付決定の前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず相談→申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに十分な期間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ。
残置物の処分やブロック塀の撤去も補助の対象ですか?
空き家建替え促進事業補助金では対象になりません。補助が出るのは母屋部分の解体費だけで、家財などの残置物の処分代、ブロック塀の撤去費、離れや倉庫・カーポートの解体費、アスベストの調査費、草刈り・伐根の費用は対象外です。ただし敷地内の建物や塀・立木は、補助とは別に「全部片づけて更地にする」ことが条件になっている点は注意してください。
まとめ
- 静岡市の解体費補助は、①耐震性のない空き家の除却(市内全域・上限100万円)②がけ地の危険住宅の移転③指定された大規模建築物の3つに分かれる
- 多くの方の入口は①。ただし1年以上使っていない一戸建てで、耐震診断で倒壊のおそれと出ることが条件(木造は自分でできる診断でも可)
- 共通ルールは着手前申請・予算内で先着。契約を先にすると補助は消える。解体後の固定資産税は最大2年度分の軽減あり
- 対象外でも、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりで適正価格に


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