高知市の解体補助金【2026】上限164万円は空き家限定・耐震の木造は別枠|元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

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「高知市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」

先に正直なところをお伝えします。高知市には、金額だけ見ると手厚い解体の補助があります。老朽化した空き家の解体なら、除却(解体して取り除くこと)にかかった費用の8割・上限164万5千円まで。ただし対象は旧耐震の空き家で、市の評点が100点以上と判定された家だけです。ネットで「20万円台」と出てくるのは、これとは別の制度の数字です。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、高知市公式(2026年7月22日照合)をもとに、手厚い補助と、その手前にある狭い入口、そして食い違って見える数字の正体を整理します。

※2026年7月22日時点の高知市公式サイト(建築指導課「老朽住宅等の解体の補助制度」「木造住宅の除却工事の補助制度」「ブロック塀等の耐震対策の補助制度」)にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。

まず結論|「上限164万円」は空き家の話。数字が食い違うのは制度が3つあるから

高知市の解体にからむ補助が3つあることを示す図。1つ目は老朽住宅等除却事業で、空き家の解体に除却費の8割・上限164万5千円。旧耐震の空き家で評点100点以上、避難路沿道などの立地条件がある。2つ目は木造住宅の除却(耐震の枠)で、旧耐震の木造の解体に除却費の23%・上限30万円。耐震診断で倒壊の危険と出た家が対象で、老朽除却との併用は不可。3つ目はブロック塀の撤去で、工事費の3分の2・上限20万5千円。避難路沿いの危険な塀が対象で、これは家の解体ではない。結論は、164万円は空き家の解体の話で、数字が食い違うのは制度が3つあるから。まず市の建築指導課へ相談から。

高知市の解体にからむ補助は、倒れそうな建物や塀を減らして避難路と街の安全を守る、という防災の考え方が土台にあります。だから条件が「古い」ではなく「危険なほど傷んでいるか」に寄っています。同じ建築指導課が出している制度が、大きく3つあります。

  • 老朽住宅等除却事業:空き家の解体に、除却費の8割・上限164万5千円。補助率だけ見ると、今回近隣で調べた市のなかでもいちばん手厚い部類です
  • 木造住宅の除却(耐震の枠):旧耐震の木造の解体に、除却費の23%・上限30万円。老朽住宅等除却との併用はできません
  • ブロック塀等の耐震対策:危険なブロック塀の撤去に、工事費の3分の2・上限20万5千円。これは家の解体ではなく、塀の話です

ネットの業者コラムで「高知市は164万円」「いや20万円台」と数字が食い違って見えるのは、この3つが混ざっているからです。まず自分の家がどれに当たるかが出発点になります。金額の大きさより、入口を通れるかが先です。

制度の中心|老朽住宅等除却事業(除却費の8割・上限164万5千円)

高知市で「空き家の解体そのもの」にいちばん大きく届く制度が、これです。対象は、放っておくと瓦が落ちる、外壁が崩れる、と言えるほど傷んだ空き家に絞られています。名前のとおり「老朽住宅等」が主役です。

  • 補助額:解体工事費の8割、または「2万2千円×延床面積(平方メートル)×0.8」で計算した額の、どちらか少ないほう。上限は164万5千円です。1千円未満は切り捨てになります
  • 対象になる家:高知市内にある空き家で、あとで説明する3つの条件をすべて満たすもの。ほかの解体補助を受けていないことも前提です
  • 対象になる人:その家の所有者または相続人で、高知県税・高知市税を滞納していない方です
  • 業者の条件:建設業の許可を受けた建設業者か、解体工事業の登録を受けた業者が施工すること。松山市などと違い、市内業者に限る決まりは書かれていません
  • 対象になる費用:解体工事費です。家財道具などの残置物の処分費や税金は、別にかかると考えておいてください

お金の受け取り方には、うれしい仕組みもあります。代理受領という制度を使うと、補助金を市から業者へ直接払ってもらえるので、自分が窓口で用意するのは自己負担分だけで済みます。全額をいったん立て替えるのが不安な方は、業者と相談してみてください。

対象になるのはどんな家?|3つの条件をやさしく

手厚い制度ほど、入口が狭いのが普通です。老朽住宅等除却の場合、次の3つが全部そろって初めて対象になります。逆に言えば、ひとつでも欠けると出ません。

  • 避難路の沿道か、住宅が立ち並ぶ地域にあること:倒れたときに避難のじゃまになりそうな立地が想定されています。奥まっていて周りに影響しない家は外れやすいです
  • 市の老朽度の判定で評点100点以上:ここが実質の関門です。傷みを決めるのは自分ではなく、市の職員の現地調査。屋根・外壁・基礎などを外から見て点数をつけ、合計100点以上で対象になります
  • 使われていない空き家で、昭和56年5月31日以前に着工した家であること:いま誰かが住んでいる家や、昭和56年6月以降に建った家は、原則この制度からは外れます(旧耐震という古い基準の建物が対象です)

「まだ住める」「わりと新しい」という家だと、この制度からは外れやすいです。評点は自分では決められません。高知市には事前確認という窓口があり、申請の前に「評点100点以上かどうか」を先に確認できます。この事前確認は年中受け付けていて、結果が出るまで1か月ほどかかります。うちは通るかな、と迷う段階で、まず建築指導課へ相談してしまうのがいちばん確実です。

「164万円」と「20万円台」はなぜ食い違う?|3つの補助を切り分ける

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。高知市の「解体 補助金」を検索すると、金額がバラバラに見えます。理由は単純で、防災のための別々の制度が、同じ「解体補助」としてひとまとめに紹介されているからです。自分がどれに当たるかで、使える上限がまったく変わります。

  • 老朽住宅等除却(上限164万5千円):ここまで見てきた制度です。空き家で、旧耐震で、評点100点以上、という3条件がそろった家が対象です
  • 木造住宅の除却=耐震の枠(上限30万円):昭和56年5月31日以前の木造住宅で、耐震診断で「倒壊の危険がある」と出た家の解体に、除却費の23%・上限30万円。こちらは空き家に限らず、まだ住んでいる旧耐震の木造でも対象になり得ます。ただし老朽住宅等除却との併用はできません。丸太組やプレハブ、枠組壁工法の住宅は対象外です
  • ブロック塀の撤去(上限20万5千円):避難路に面した危険なブロック塀の撤去や、安全なフェンスへの作り替えに、工事費の3分の2・上限20万5千円(1メートルあたり8万円まで)。家の解体ではなく、塀の話です

つまり、ネットで見かける「20万円台」は、多くの場合、家の解体ではなくブロック塀の撤去(上限20万5千円)の数字です。旧耐震の木造を耐震の枠で壊す場合も、上限は30万円で、空き家をまるごと壊す164万5千円とは別の制度です。自分の家がどの制度に当たるかは、解体補助金の3つの型をまとめた記事もあわせて読むと、全体像がつかみやすくなります。判断に迷ったら、建築指導課の窓口で「うちはどれが使えますか」と聞いてしまうのが早いです。

申請の流れ|「交付決定の前に契約しない」が絶対のルール

高知市の解体補助 申請の流れの図。1つ目、市の建築指導課へ事前相談・事前確認をする。評点100点以上かを確認でき、事前確認は年中受付。2つ目、解体業者に見積もりを取る。建設業許可か解体工事業登録の業者が条件。3つ目、交付申請して交付決定を待つ。令和8年度は4月16日から受付で、予算内の先着。4つ目、交付決定の後に契約して解体する。決定通知の前に契約すると原則0円。5つ目、実績報告してお金を受け取る。令和9年1月末までで、いったん全額を立て替える。交付決定の前に契約・着手した工事は原則対象外。

この制度でいちばん大事なのは、順番です。

  • 解体の契約より前に申請し、市の「交付決定」(補助を出すという市の決定)を受けること。交付決定の前に契約・着手した工事は、原則として補助を受けられません
  • まず事前確認から。令和8年度の交付申請は4月16日から受け付けています。予算の範囲内で、達すると年度の途中でも受付が終わります。取る人は年度の早いうちに動いています
  • 交付決定の通知を受け取ったら、その翌日からおおむね1か月以内に業者と契約します
  • 補助金が振り込まれるのは、工事費を払って実績報告をしたあと。令和8年度分の報告の期限は令和9年1月29日です。代理受領を使わない場合は、いったん自分で立て替える前提です

「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。壊すか、直して住み続けるかで迷っている方は、耐震補強という道もあります。費用の順番を先に知りたい方は木造住宅の耐震補強の費用と補助金の記事を読んでおくと、壊す・直すの比較がしやすくなります。

対象外だった人の、現実的な選択肢

条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件(建設業の許可や解体工事業の登録)に合うかの確認も忘れずに)

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よくある質問

南国市や香南市に住んでいます。同じ補助はありますか?

解体補助は市区町村ごとに制度が違うので、高知市の内容はそのままは使えません。高知県内でも、南国市や香南市など各市に空き家の除却への補助があることがあります。ただし金額や条件は市によってかなり違います。お住まいの「市名+解体(除却)補助金」で市の公式サイトを確認するか、市役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。当サイトでも各市の情報がそろい次第、記事を追加していきます。

「20万円台」と書いてあるサイトを見ました。164万円とどちらが本当ですか?

どちらも本当で、別の制度の数字です。164万5千円は空き家をまるごと壊す「老朽住宅等除却」の上限、20万5千円は危険なブロック塀の撤去の上限です。ほかに、旧耐震の木造を耐震の枠で壊す上限30万円の制度もあります。自分の家が空き家か、まだ住んでいるか、塀の話か、で使える制度が変わります。迷ったら建築指導課の窓口で確認するのが確実です。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。高知市の補助は交付決定より前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず事前確認→交付申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは建築指導課の窓口へ。

まとめ

  • 高知市の解体補助の中心は老朽住宅等除却事業。除却費の8割・上限164万5千円と手厚い
  • 手厚いぶん入口は狭く、旧耐震の空き家+市の評点100点以上+避難路沿道などの立地の3つがそろった家が対象
  • 「20万円台」はブロック塀の撤去(上限20万5千円)や耐震の枠の木造除却(上限30万円)の数字。制度が3つあるから数字が食い違って見える
  • 共通ルールは着手前申請・予算内で先着。契約を先にすると補助は消える。代理受領を使えば自己負担分だけで済む
  • 対象外でも、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりで適正価格に

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