神戸市の解体補助金【2026】空き家なら全域で対象・最大60万円|条件を元大工が中立解説

補助金の基礎知識・申請の流れ

※本記事には、解体・リフォームの一括見積もりサービス等のアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

「神戸市で古い実家を解体したい。補助金は出る?」

先に正直なところをお伝えします。神戸市の解体費補助は制度がいくつかあって、そのうちの一つは市内全域で使えて、しかも耐震診断が要りません。大阪市や福岡市が「耐震診断で倒壊の危険と判定された家」を条件にしているのと比べると、入口が広いほうです。ただし対象は「腐朽・破損のある空き家」など、条件がそろった家だけ。誰でも受け取れるわけではありません。

この記事では、元大工で中立の立場のおさむが、神戸市公式(2026年8月4日照合)をもとに、出る家・出ない家がすぐ分かるように、解体そのものに届く3つの制度と、塀の別枠に整理します。

※2026年8月4日時点の神戸市公式サイト(住宅都市局・経済観光局の各制度ページ)と、受付窓口である神戸市すまいの安心支援センター「すまいるネット」の補助制度一覧にもとづきます。年度・予算で変わるため、申請前に必ず公式ページで最新をご確認ください。

まず結論|神戸市の解体補助は「3つの制度」、塀は別枠

神戸市の解体補助3つの制度の図。①市内全域=空き家なら全域で対象、1986年以前に建てられ腐朽破損があることが条件で耐震診断は不要。②4地区限定=密集市街地は除却費の3分の2で手厚い、対象は灘北西部・兵庫北部・長田南部・東垂水。③六甲山系=登山道から見える家は全額補助、上限350万円だが対象がとても狭い特別枠。共通ルールは解体の契約より前に申請すること、交付決定の前に契約・着手すると原則0円で予算内の先着。この図が示すのは解体そのものに届く3つの制度で、このほかに、道路や公園に面した危険なブロック塀の撤去への助成が別枠であり、本文で説明しています。

神戸市は、長田や兵庫のように古い木造が密集した市街地と、六甲の山あいに残る家屋という、性格の違う住宅地をかかえています。解体にからむ補助も、その地域ごとの課題に合わせて分かれています。整理すると、解体そのものに届く入口は次の3つです。

  • ① 市内全域で使える「老朽空家等解体補助」:地区は問いません。古くて傷んだ空き家が対象で、耐震診断はいりません。金額は空き家の広さで決まります
  • ② 密集市街地の「建物除却」4つの指定地区に限って、除却費の3分の2までという手厚い制度。金額はいちばん大きい部類です
  • ③ 六甲山系の「老朽家屋等解体補助」:登山道などから見える範囲の家屋に、費用の全額(上限あり)が出る特別枠。対象がとても狭いのが特徴です
  • +別枠 危険ブロック塀等の撤去助成:家の解体とは別に、道路や公園に面した高さ80センチ以上の危険な塀の撤去にも助成があります。上の3つのどれにも当てはまらない家でも、塀だけなら使えることがあります

金額の大きさより、まず自分の家がどれに当てはまるかが入口です。当てはめながら、順番に中身を見ていきます。

制度①|老朽空家等解体補助(市内全域・最大60万円)

神戸市のいちばん使いやすい制度がこれです。神戸市内にある「1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた建物」で、「腐朽・破損のある空き家」を解体するときに補助が出ます。地区の指定はありません。

大阪市や福岡市の全域型は「耐震診断で倒壊の危険と判定」が条件でしたが、神戸市のこの制度は耐震診断が要りません。築年と傷みで判断するぶん、入口が広いのが神戸市の特徴です。そのかわり「空き家であること」と「腐朽・破損があること」が条件になります。人が住んでいる家や、まだきれいな家は対象になりません。

  • 対象になる人:空き家の所有者など(個人でも法人でも可)
  • 補助額:空き家の登記床面積または課税床面積で決まり、30平方メートル未満で20万円、80平方メートル以上で60万円が上限(30以上30万・40以上40万・50以上45万・60以上50万・70以上55万、と段階式)。3戸以上の寄宿舎・共同住宅で100平方メートル以上なら、上限は100万円まで上がります
  • 条件:空き家だけでなく、敷地内の附属建物・道に面した門や塀・車庫・立木などもまとめて全部解体・撤去するのが原則です

相談と申請は、神戸市すまいの総合窓口「すまいるネット」の老朽空家解体補助専用ダイヤル(078-647-9969)で受け付けています。窓口は予約制なので、まず電話からです。なお、この制度と次の密集市街地の制度は両方いっしょには使えません

受付の期間もはっきり決まっています。2026年度分の申請受付は2026年3月2日から2027年1月12日までで、予算限度額に達し次第、そこで終わります。審査に約1か月かかり、実績報告は2027年3月11日までに済ませる必要があるので、1月12日ぎりぎりに駆け込む前提で工程を組まないほうが安全です。

制度②|密集市街地建物除却(4地区限定・3分の2・戸建128万円)

金額でいちばん手厚いのが、この密集市街地の制度です。地震のときに火が広範囲へ燃え広がるのを防ぐため、神戸市が「密集市街地再生方針」にもとづいて、古い木造建物の解体を後押ししています。ただし使えるのは指定された地区の中だけです。

  • 対象の地区灘北西部・兵庫北部・長田南部・東垂水の4地区(密集市街地再生優先地区)
  • 補助額:老朽建物の除却費用の3分の2以内で、戸建は上限128万円(集合住宅は256万円ほか、市の定める額)
  • 主な要件1981年(昭和56年)5月31日以前に着工された木造建築物であること。壊した跡に建てる場合は、準耐火建築物など燃えにくい建物にすることが条件です

申請の受付は、すまいの安心支援センター(すまいるネット・電話078-647-9933)です。2026年度分の申請受付は2026年3月2日から2027年1月12日まで(交付決定は2026年4月1日以降)で、予算がなくなり次第終了します。自分の家がこの4地区に入っているかどうかは、市の対象区域図か、窓口で確認できます。

制度③|六甲山系の老朽家屋等解体補助(補助率10割・上限350万円)

もう一つ、性格のまったく違う制度があります。六甲山系の景観を守り、登山者の安全を確保するための六甲山系の老朽家屋等解体補助制度です。特徴は金額で、補助率は10分の10、つまり解体費の全額(上限350万円)が出ます。

ただし、対象はかなり狭いです。次の3つをすべて満たす家屋や工作物に限られます。

  • 瀬戸内海国立公園の六甲地域(神戸市内)、または主要登山道(布引道・青谷道・上野道・大師道)沿いから目で見て確認できる範囲にあること
  • 腐朽または破損があると、目で見て確認できること
  • 解体することで、登山者の安全確保と景観向上になると認められること

山あいや登山道ぞいに古い家をお持ちの方には、これ以上ない制度です。2024年度からは、解体業者は原則として神戸市内に本社がある事業者を使う決まりに変わりました。申請期限は2026年12月11日で、窓口は経済観光局の観光企画課(六甲山森のオフィスでも相談を受けています)。心当たりのある方は、早めに問い合わせてみてください。

危険なブロック塀の撤去は別枠で助成(上限30万円)

ここは見落とされやすいところです。家の解体とは別に、神戸市危険ブロック塀等撤去助成事業があります。受付窓口は、この記事で何度も出てきた「すまいるネット」です。解体の相談で電話するなら、塀のことも一緒に聞いてしまうのが早いです。

  • 対象の塀:神戸市内にあり、人通りの多い道路や公園に面していて、高さが80センチメートル以上ある危険な塀(コンクリートブロック塀・れんが塀・石積みの塀など)。擁壁(ようへき|土を留める壁)は対象外です
  • 助成額:次の2つのうち低いほうで、上限30万円。①対象になる塀の長さ(メートル)×1万円 ②撤去にかかる費用(税込)の3分の2
  • 受付期間:2026年4月2日から2027年3月1日まで。ほかの制度より少し長めですが、こちらも予算の範囲内です

申込と相談はすまいるネット(078-647-9933)へ。ほかにも条件があるので、申請を考えているなら先に相談を、と市も案内しています。

自宅が対象になるか|確認の順番

神戸市は制度が3つに分かれているぶん、どれに当てはまるかを先に見分けるのが近道です。次の順で当てはめてください。

  • まず地区を見る:家が灘北西部・兵庫北部・長田南部・東垂水の4地区にあり、旧耐震の木造なら、いちばん手厚い密集市街地の制度(制度②)が候補です
  • 次に空き家かどうか:4地区の外でも、1986年以前に建てられて傷んだ空き家なら、市内全域の制度(制度①)が使えます。耐震診断は要りません
  • 山あい・登山道ぞいなら:六甲の国立公園地域や主要登山道から見える家は、制度③の全額補助も検討できます
  • どれにも当てはまらなくても、塀だけは見る:道路や公園に面した高さ80センチ以上の危険な塀があるなら、別枠の撤去助成が使えることがあります

迷ったら、まず「すまいるネット」に電話するのがいちばん早いです。制度が複雑なので、自分で判定しきる前に窓口で聞いてしまうほうが失敗がありません。

申請の流れ|「解体の契約より前」が絶対のルール

神戸市の解体補助 申請の流れの図。①どの制度に当てはまるか確認する(すまいるネットの専用ダイヤルへ電話)②空き家の傷みや地区を確かめる(全域型は空き家と腐朽破損が条件)③申請して交付決定を待つ(着手より前に申請・審査に日数がかかる)④業者と契約して解体する(交付決定の後に契約するのが鉄則)⑤完了報告して受け取る(工事費を全額払った後に振り込み)。交付決定の前に契約・着手した工事は原則対象外。

どの制度でも共通して、いちばん大事なのはここです。

  • 解体の工事契約より前に申請し、市の「交付決定」を受けること。交付決定より前に契約・着手した工事は、原則として補助を受けられません
  • 審査には日数がかかります。思い立ってすぐ壊す、では間に合いません。工程を決める前に、まず窓口へ相談するのが確実です
  • 予算には限りがあり、年度の途中でも予算に達すると受付が終わります。取る人は年度の早いうちに動いています
  • 補助金が振り込まれるのは、工事費を払って完了報告をしたあと。いったんは自分で立て替える前提です

「先に業者と契約してしまった」は、補助が消える、いちばんもったいないつまずき方です。順番だけは守ってください。

対象外だった人の、現実的な選択肢

条件に届かなかった場合でも、打つ手はあります。解体は業者によって金額の差がとても大きい工事です。私も見習いのころ解体の現場に入りましたが、同じような家でも重機の入れ方や処分の仕方で見積もりは大きく動きました。補助が使えない前提でも、2〜3社の相見積もりで数十万円変わることは珍しくありません。

▶ 解体すると決めているなら、まず解体業者の相見積もりから解体工事見積りnet(解体業者の相見積もり・無料)でまとめて頼めます。(※補助を使う場合は、その業者が制度の条件に合うかの確認も忘れずに)

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よくある質問

明石市や西宮市に住んでいます。同じ補助はありますか?

解体補助は市区町村ごとに制度が違うので、神戸市の内容はそのままは使えません。近隣の市にも住宅の解体・除却にからむ制度があることがあります。たとえば西宮市には旧耐震の住宅を対象にした除却工事費への補助があり、明石市も空き家対策の窓口を設けています(金額や条件は市ごとに異なります)。「お住まいの市名+解体(除却)補助金」で市の公式サイトを確認するか、市役所の建築・住宅の担当課へ電話で聞くのが確実です。当サイトでも各市の情報がそろい次第、記事を追加していきます。

もう解体業者と契約してしまいました。今から申請できますか?

原則できません。神戸市の補助は交付決定より前に契約・着手した工事は対象外です。これから解体する方は、必ず相談→申請→交付決定→契約の順で進めてください。着手までに期間がある場合は相談できることもあるので、まずは窓口へ。

いつまでに動けばいいですか?

制度によって受付の期限は違いますが、共通して審査に日数がかかり、予算に達すると年度の途中でも受付が終わります。空き家の解体を考えているなら、見積もりや書類の準備は年度の早いうちに始めておくのが堅実です。まずは窓口への相談から動くのが確実です。

まとめ

  • 神戸市の解体費補助は、①市内全域の老朽空家(最大60万円・耐震診断不要)②密集市街地の4地区(3分の2・戸建128万円)③六甲山系(全額・上限350万円)の3制度
  • 大阪市・福岡市と違い、耐震診断なしで使える全域型があるのが神戸市の強み。ただし対象は古くて傷んだ空き家
  • 解体そのものとは別に、危険なブロック塀の撤去助成(上限30万円・受付は2026年4月2日から2027年3月1日)もある
  • 共通ルールは着手前申請・予算内で先着。老朽空家と密集市街地の受付は2026年3月2日から2027年1月12日。契約を先にすると補助は消える
  • 対象外でも、解体は業者差が大きい工事。2〜3社の相見積もりで適正価格に

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